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ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
プロフィール
HN:
らさ
年齢:
37
性別:
男性
誕生日:
1986/07/28
趣味:
SS書き・ステカつくり
自己紹介:
コメントを頂けると泣いて喜びます。
リンクフリーです。
ご報告頂けたら相互させて頂きます。


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yakisoba_pan◇hotmail.co.jp
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当ブログ内のSSは無断転載禁止です。 恥ずかしいので止めて ^^;
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亜利沙さんは可愛いです。
とても可愛いですよね?
異論は認めません。




 夜空に輝く星々は、自らの命を燃やしています。存在を主張するかのように、忘れ去られるのを恐れるかのように、輝いています。
 いつか燃え尽きてしまうことを知りながら、それでも輝くのを止めようとはしません。最後の一片が燃え尽きるまで、星は輝くのを止めようとはしないのです。
 ところで、辛いことが多くて、嫌なことも多くて、ため息が出てしまう地上にも、輝く星が存在することをご存知ですか? 私達が苦しい時に、心を支えてくれる存在がいるのを、ご存知ですか?
 私は知っていますよ、そして大好きです。
 これは、大好きなものになることの出来た、不思議なめぐり合いをもらえた、私の物語らしいです。
 
 
     私のステージ
 
 
 私、松田亜利沙は芸能プロダクションに所属しています。簡単に言ってしまえば、アイドルとして活動をしています。元々、ただのファンに過ぎなかったはずの私が、アイドルちゃん達と同じ舞台に立っています。
 夢のようでしかないのに、夢ではない現実。ちょっと大変なことがあったりもしますが、私のことを応援してくれている人が、本当にいることを知ってしまいましたので、本気にならないといけませんね。愛しのアイドルちゃん達と競うことになるのは、不本意ではありますが、トップアイドルの座を目指しますよ。
 もちろん、ファンであることは辞めません。アイドルだって辞めません。全部、私だから。何かをやめたりはしませんよ。
 何にしても、心も固まったところで、レッスンと行きたかったのですが……まさか、このような事態になるとは。
「亜利沙、すまないんだが、今日のミニイベントに出てくれないか?」
「今日はレッスンの予定がありましたよね? 問題ないんですか?」
 ミニイベントですか。うーん、アイドルちゃんに会える可能性も低そうですし、正直面倒です。そもそも知名度のない私を呼ぶようなイベントですから、メインではないんでしょう? それなら、他のコーナーの時間を調整して、やりくりしてしまうほうが賢いと思うのですが?
「本当なら寸劇程度だったし、アイドル候補生の子に依頼をしていたんだが。主催側の手違いで、30分近いトークが必要になったんだよ」
「大変なのは分かりましたが、ありさで良いんですか? 他に、もっとトークに向いている人、いますよね?」
 トップアイドルを目指そうと心がけ、すぐにこのようなことを言うのは少々気が引けますが、事実として私はトークに向いていません。好きなアイドルちゃん達のことであれば、3時間だって話せますけど。トークということは、そうもいかないでしょ?
 自分の好きなことだけを、好きなように話していたのでは、トークとしては成り立ちません。ファンとの交流の1つでしょうし、受け答えが必要なはずです。そんなところに、人気のない私を選ぶのはどうかしていますよ。伊達でファンをやっているわけではありませんから、私にはその会場に来てくれるお客さん、ファンの方が不憫に思えます。候補生といえども、有名な子はいますからね。私なんかが出てきたら、悲しむに決まってます。
「それがだな、少々特殊なイベントで。アイドルのファンとしての心構えを、マナーを知ってもらうためのイベントのようなんだ。何より、亜利沙を指名してきたのは主催側なんだよ。代理的な扱いだし、俺としてはあまりいい気もしないんだが。折角のチャンスをつぶすには、勿体無いだろ?」
「最近、変わったイベントが増えているのは知っていましたが。そんなイベントがあったんですね。こ、これは、アイドルちゃん達のファンとして、行かねばなりませんね」
 前回のインタビューの時にも痛感しましたが、私は求められることに弱いみたいです。私しかいないと、私がピッタリなんだと、そんなふううに求められると弱いんです。流されているようで、嫌ですけど。事実として、私は行く気になってしまいました。
 具体的な内容を聞いていないのに、トークの内容を聞いていないのに、深く考えてもいないのに。私が必要なイベントなんだと、求められているイベントなんだって、そう感じてしまうのは何故でしょう?
 それに、このタイミングで代理を探しているだなんて、おかしいですね。イベントというのは、そんなに優しいものではないはずです。ファンとの交流を投げ出してしまうような、そんな子がアイドル候補生になるだなんて、考えられません。多少の失敗も、可愛く誤魔化せるのなら喜ばれます。お茶目なアイドル候補生として、少しでも顔と名前を覚えてもらうことは、とても大切なはずです。
 主催する方も、相当なプレッシャーがかかるはずですし、ウチの事務所と懇意のところかもしれませんが、それにしても声がかかるタイミングがおかしいですよね? イベント開催日の朝に、代理の子を、別のプロダクションから探すようなことをするでしょうか? アイドル候補生ということは、養成学校にいるはずですから。他の候補生へと引き継がれるほうが、自然な流れだと感じます。
 何より、プロデューサーさんがレッスンのことには触れず、イベントのことだけを伝えるだなんて、今までのお付き合いから考えるなら、なさそうな話なんですけど。私達のことを大切に思ってくれているからこそ、レッスンで手を抜くようなことは、休むようなことは認めてくれないはずです。
 つまり、このイベントには裏がある? もしくは、私にだけは教えられないような、秘密があるんですか? 代理として呼ばれるのだとしても、出演するからには全力です。
 知りたいです。なぜ、私が選ばれるのか。主催側が指名してまで、私を呼ぶのか。
 教えて欲しいです。どうしてプロデューサーさんは落ち着いているの? まるで、私が断らないことを、主催側から声がかかることを、分かっていたかのような対応ですよね?
「……納得できないことがあるって顔してるな。俺に答えられることは少ないけれど、隠しはしないさ。こういった質問からも、亜利沙の成長が見れるし、気になることがあるなら聞いてくれ」
 全てがプロデューサーさんの手のひらの上。確かに信用はしています、頼りにもしています。ただ、このまま何も聞かないのは、アイドルとして失格な気がしますから。
 手短に、重要なところだけを聞きましょう。伊達にアイドルデータベースを持っているわけではありません。そのことを、少しでも分かってもらう為に。
「イベント開催当日、その朝にありさに打診があったのは何故ですか? プロデューサーさんの聞き方だと、断っても大丈夫なんですよね?」
「俺もさっき聞いたところだからさ。亜利沙には亜利沙の予定があるだろ? 無理強いはしないよ」
 予想通りの答えといったところでしょうか。質問には答えてくれていますが、私の疑問は解消されていません。形式的なものと考えるのであれば、この上なく正しいでしょう。
 しかし、これで納得するようでは質問の意味がありません。納得しなければ、引き受けることも、断ることも出来ないのですから。
 輝くためには、自分を強く持つことも必要です。誰かに伝えるためには、それだけの勇気が必要なんです。こんなことでは、引き下がりませんよ?
「そのイベントは突発的なものですか? それとも、すごく小規模なもの、例えば路上でやるような、そういったイベントですか?」
「いや、屋外ではあるがイベント会場を使ったものだ。規模としては、中規模といったところ。収容人数は2000人らしいが、1000人も集まれば良いような、無料のイベントだよ」
 ますます怪しいですね。無料イベントということで、有名なアイドルちゃんを呼んでいない理由は、解消されます。
 しかし、それだけの場所を借りて、マナー講習ですか? いえ、アイドルちゃんとのいい関係を保とうとすれば、ファン側にも求められるのは理解はしています。私だって、周りの迷惑を考えないような、自称ファンの方々が増えていくのは、悲しいですから。
 ただ、それだけの規模のイベントで、私は大丈夫なんでしょうか? その会場には、松田亜利沙が求められているんですか?
「今朝聞いたのに、どうして慌てていないんですか? 外出準備が出来ている状態で、ありさに声をかけたのは何故ですか? 何より、ありさが指名されている理由が分かりません」
 出来ることなら、疑問なんて抱きたくはないんです。アイドルとプロデューサー、そしてファンは信頼で繋がっています。疑ってしまっては、その絆を自ら切り捨ててしまうことになるんです。
 私は、無名のアイドルですよ? 指名されたのは嬉しいですが、アイドルちゃん達と同じステージを目指すものとして、譲ってはいけないものがあるんです。
「んー、ここら辺で良いかな?」
 頭をかきながら、居心地が悪そうに、いつもの困った笑顔を浮かべる男性。目の前に立つプロデューサーのことですが、ちょっと格好悪いです。
 私に質問をさせた理由は分かりませんが、それはプロデューサーさんの判断によるものなんですから、もっと自信を持って下さい。疑うような聞き方はしましたが、プロデューサーさんを疑っているわけではないです。
 ただ、何をしなければいけないかが見えないのが、不安だっただけなんです。
「亜利沙の言うことはもっともだ。どれも外れていないし、聞いて欲しいことを、見て欲しいことをちゃんと質問してくれている。アイドルデータベースの凄さは知っているつもりだったが、イベントに関しても見ていたんだな」
「もちろんです。アイドルちゃん達を1番輝く状態にしてくれるのは、周りのスタッフさん達なんですから、主催団体だったり、協賛している企業だったり、少しくらいは調べてます」
 イベントの進行、開場時間の手配、案内してくれるスタッフさん。そういったイベントとして欠かせないものは、アイドルちゃんに協力してくれる、多くの方々が作ってくれています。親切にしていただけるのなら、ちゃんと管理していただけるのなら、多くのファンがルールを守り、気持ちよくアイドルちゃんを応援できるんです。
 何より、私がイベントに出演させて頂く時に、協力してくれているスタッフさんが、沢山いることを実感できますから。ちゃんと見ていますよ。
「この前、取材があっただろ? その出版社、系列会社が今回のイベントを主催してるんだよ。記者さんが随分と熱心な方だったのもあり、ちょっと前に連絡は貰っていたんだ。本格的に声がかかったのは昨日、本当の持ち時間は1時間ある。ついでと言ってしまうのなら、野外ライブの前にある程度の統制を執っておこうというのが、亜利沙が呼ばれた理由だよ」
「プロデューサーさん、嘘つくの下手ですね」
「慣れてないし、正直なところ、こんなだまし討ちみたいなことはしたくなかったんだ。すまない」
 プロデューサーたるもの、多少の腹芸を習得する必要はあるのでしょう。ウチのプルデューサーさんに向いているとは思えませんが。
 頑張ってくれているのは、一生懸命にやってくれるのは、みんな知ってます。頼ってもらえると、嬉しくなります。
 だからこそ、あまりそういったことが得意になって欲しくはないです。
「実はな、亜利沙の言っていたラジオ番組、なんとか出来ないかな各局に当たってみたんだよ。殆どの所はダメだったし、ネットラジオでは告知がし辛いだろ? そんな時にさ、今回の出版社から条件付で話を貰ったんだよ」
 プロデューサーさん、覚えてくれていたんですね。私のまだ実現できていない、将来の夢の1つを。
 ラジオ番組で、アイドルちゃん達をパーソナリティーに招けるような、そういったことをしたいって。
「俺も知らなかったんだが、あの時の記者さん、社内での発言力があった人みたいでな。亜利沙にもっと出番が回ってこないかって、会社に投げかけてくれたらしいんだ。その結果として、その会社の配信サイトでのラジオ番組はどうかって、オファーが着たんだよ」 記者さん、私の話以上にメモを取っていると思ったら、そんなことを考えてくれていたんですね。なんだか、嬉しいですけど、申し訳ない気もします。私としては取材していただけただけで、嬉しかったんですけど。そんなことをしてくれていただなんて、頑張るしかないじゃないですか。
 今回のイベントだって、その前の様子見をかねているんでしょう? なんだか、一気に話が大きくなりましたね。
「もちろん、条件付というところはひかかったけれど、亜利沙なら大丈夫だって、今の話で分かったから。プロダクションとして太鼓判を押す形で、話を受けようと思う」
「あの、問題がないのなら、その条件を教えて欲しいんですが」
 ここまでして頂いたのですから、全力で応えたいです。求められている以上のものを、頑張れるようにします。
 だから、教えて下さい。私は何をすれば良いですか? どうすれば、私は応えられますか?
「自分のことだけじゃなく、ファンのことだけでもない。スタッフのことまで気にかけて、いい番組を作ろうと頑張ってくれること。これが今回出されていた条件だよ。大丈夫だ、今の亜利沙には難しいことはないよ」
「でも、ありさ、初めてのことは怖いです。スタッフさんに迷惑、きっとかけちゃいます」
 信用してくれるのは嬉しいです。けど、気持ちだけではどうしようもないことがあるのだって、ちゃんと知っています。
「大丈夫だって。迷惑をかけるなって言ってるんじゃない、いい番組を作ろうって、一緒に頑張ることが大事なんだ。亜利沙は、今回のイベントで何が出来るかを確認してくれればいい。番組は1人で作っているものじゃない。それを覚えていてくれるなら、みんな協力してくれるさ」
 何が出来るのかを確認する。それは、出来ないことを知るのも、大切だってことですね。既に出来ること、頑張ればできること、分からないこと。それを知るためにも、今日を頑張ればいいんですね。
「よーし、そうと分かれば、このありさ頑張りますよー。アイドルちゃん達といい関係を作れるよう、長くファンでいられるように、みんなに色々と伝授しちゃいます」
「あぁ、その意気だ。今日の出演者は、まだ余り有名ではない。だからこそ、盛り上げていつも通りに歌えるよう、ファンが応えやすいように、フォローしてやってくれ」
「違いますよ。ありさは、ありさのステージを頑張るだけです。きっとうまくいきますよ」
 ファンで終わることなく、こちらの世界へと飛び込むチャンスを貰いました。こちらの世界のことを、中から学ばせてもらいました。
 大丈夫、任せて下さい。こう見えても、私やる方なんですから。プロデューサーさんが信じてくれるのなら、頑張れます。
――さぁ、アイドルちゃん達をお迎えに出発です
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