【アイマス】羽ばたく心【はるちは】

ついに書いてしまったのです。危険だと分かっていたのに、エース組みに手を出しました。

・ｗ・）　可愛いから仕方ないよねっ！

そんなわけで、はるちはです。
恋人になるまでの道のりが、物凄く遠い気がしますが、この２人なら大丈夫でしょう。

　恋って、なんなのかな？　恋愛って、なんなのかな？

　いっぱい歌って、いっぱい演じて、私は分かったつもりになっていた。ステキな物だって、理解しているつもりだった。

　けど、現実は違うんだね。甘いだけ、優しいだけ、温かいだけのものではない。

　そう、とても冷たい物だって、今知っちゃった。

　

　

　　　　　羽ばたく心

　

　

　いつも傍にいてくれる人。私のことを、私以上に知っていて、私が悩んだときに助けてくれる人。

　アイドルになろうって決心した時、どうなるか分からなかった。正直に言ってしまえば、凄く怖かったし、すぐにやめることになっちゃうのかなって、そんなふうに思っていた。

　そんな私の弱気を見つけて、認めた上で励ましてくれたね。凄く嬉しかったんだよ？　私よりずっと歌が上手なのに、私の歌を好きだといってくれた。私のままでいいって、私のままで成長すればいいって、そう言ってくれた。

　プロデューサーさんにだって感謝はしているけれど、こんな気持ちは抱いていない。傍にいたいのに、見つめていたいのに、胸が苦しくなって目をそらしてしまう。

　けれど、気付いたら姿を探していて、あなたの声を求めている。私の心を生めて欲しいと、この手を取って欲しいと、望んでしまっている。

「春香、どうしたの？　最近、疲れているみたいだけれど、大丈夫？」

「うん、大丈夫だよ。ちょっとだけ忙しいけれど、千早ちゃんと一緒にいられるもん」

　先日から始まったラジオ番組。そのメインパーソナリティーを２人で勤めることになった。

　元々別の番組が計画されていたらしいけれど、中止になったらしくて、その代打。だから、あんまり長く続けられないみたいだけれど、私としては千早ちゃんと一緒に仕事が出来るってだけで、十分に嬉しいよ。

　忙しくなってきて、事務所で顔を合わせる機会も減って、一緒に食事に行く時間も減って。少し、寂しかったの。千早ちゃんが傍にいてくれないんだって、落ち込んでいたから。

「春香がそう言うのなら、信じるけれど。疲れていたら教えて、私にだって何か出来るはずだから」

「えへへ、ありがと。千早ちゃん、大好きだよ」

　友達として、同僚として、同じアイドルとして。傍にいてくれる彼女には、私はどう写っているのかな？　やっぱり、友達なのかな？

　ううん、それが嫌ってわけではないの。友達だったとしても、千早ちゃんに認められているのなら、嬉しいから。

　ただ、私の心の中では、千早ちゃんは友達の枠を飛び越えてしまったから。もっと私に近いところにきてしまっているから。苦しく感じるだけ。

「もう、軽々しくそんなことを言ってはいけないわ。アイドルとしての自覚を持ちなさい」

「大丈夫だよー。千早ちゃんは心配し過ぎ。同じ事務所にいるんだもん、これくらいは平気だよ」

　これくらいで乗せるほど、ゴシップ記者も暇でないはず。意味があるとは思えないし、私達の仲がいいのは、ファンのみんなだって知っているんだから。

　平気じゃないのは、私の心だけだよ。友達としてなら大好きっていえるのに、本当のことは何も言えない、言うことが出来ない。そんな私の心が悲鳴を上げているだけ。

「春香はトップアイドルを目指すんでしょ？　あまりスキを見せ過ぎるのは良くないわ。いつものことだからって気を抜いていたら、足元をすくわれるわよ？」

「そうかなぁ？　千早ちゃんは考え過ぎだよ。私だって頑張るし、お仕事だって増えてるよ？」

　だからこそ、顔を合わせる時間もないんだから。私の心が、どんどんと冷たくなっちゃうから。本当の笑顔で、笑えなくなってしまう。

　アイドルとしては、柔らかい笑顔を仮面の代わりに貼り付けて、いつもニコニコしているのだって大事だと思うよ？

　けれど、千早ちゃんの傍ではそんな笑顔でいたくないから。どうしても、いつもと違う笑顔になっちゃう。感情に揺れてしまう、そんな表情を見せてしまう。疲れているだけではなくて、甘えているんだって、自分では理解しているんだよ。

　私だって、何も知らなかった頃とは違う。千早ちゃんみたいに誇れるものはないけれど、キラキラ輝く為に頑張ってるんだから。そんなに、心配しないで欲しいな。もっとって、甘えたくなっちゃうでしょ？

　忙しさにだって、ちょっとずつ慣れてきてるから。大丈夫だよ。

「忙しいのも考え物ね。ずっと離れていると、どこかで転んでいないかって、心配になるわ」

「心配してるのって、そうゆうことなの？　もうちょっと信じてくれてもいいと思うんだけどなぁ」

「あら、仕事については心配してないわよ。春香が一生懸命なのは、知っているから。頑張り過ぎて、どこかで転んでいないかって、そんな心配をしているだけよ」

　千早ちゃんは私のことを分かってくれる。私が一番欲しい言葉をくれる。

　それは気のせいなのかもしれないけれど、凄く嬉しいこと。私の心を元気にして、惹き付ける、輝く魔法。

　やっぱり、傍にいられる時が一番幸せだなぁ。

「そっか、ありがとう。千早ちゃんが信じてくれるなら、私はもっと頑張れるよ」

「頑張るななんて言えないけれど、無茶は駄目よ？」

　千早ちゃんが見ていてくれるのなら、私は頑張れる。千早ちゃんの隣にいて、笑われないように頑張るよ。

　トップアイドルへの憧れは持っているけれど、私にはもう１つ大切な目標があるから。そっちもいつか実現できるように、夢と散ってしまわないように、頑張るよ。

――千早ちゃん、大好きだよ