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ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
プロフィール
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らさ
年齢:
37
性別:
男性
誕生日:
1986/07/28
趣味:
SS書き・ステカつくり
自己紹介:
コメントを頂けると泣いて喜びます。
リンクフリーです。
ご報告頂けたら相互させて頂きます。


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yakisoba_pan◇hotmail.co.jp
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クリスマスなのですよー
恋人達が幸せになる日なのですよー

・w・)日本だけの習慣? 別にええやん、幸せなら

とかいいつつ、甘さが足りません。もっとこう、吐けるくらい甘いの書きたいです。



 願いをかなえるためには、望まなければいけない。望んだのであれば、実現のために努力しなければいけない。
 その道のりは、けして平坦なものにはならないだろう。
 しかし、望みが叶った時、あなたは思うはずだ。
 頑張ってよかったと。
 
 
      鐘の響く夜
 
 
 クリスマスイヴと、クリスマス。
 世界の常識的にはズレているらしいけど、私は日本のクリスマスが好き。みんなが幸せそうにしている、クリスマスが大好き。
 ただ、アイドルとしての自分を選んだ以上、クリスマスは楽しむ側ではなく、楽しませる側に回らなければいけない。
 もちろん、彼女だってアイドルだし、私自身もそうなのだから、誰かに言われるまでもなく、そんなことは知っているつもり。
 ただ、ちょっとだけ羨ましいなって思うくらいは、良いんじゃないかな?
「春香、お疲れ様」
 如月千早。私と同じ事務所に所属している、アイドル。
 千早ちゃんの歌を楽しみにしてくれている人は、沢山いるから。今日のライブにだって、沢山のファンが押しかけているから、彼女を困らせるようなワガママは、言わないつもり。
 恋人だからといって、アイドルである彼女に、迷惑をかけたりはしたくない。騒ぎを起こしてしまって、分かれなければいけない状態になるような失敗は、避けたい。
 それは、私達の共通認識だから、私の考えだけでワガママを言うようなこと、あってはいけないと思う。
 ただ、それでも、ちょっとくらいは一緒にいてくれても良いんじゃないかなって、私は思います。
 千早ちゃん、全然残念そうにしてくれないし、今日のライブのこと凄く楽しみにしてるし、私だけ悲しんでいるのが、おかしいみたい。
 せめて、一緒に悲しんでくれれば、私だってここまで落ち込んだりしないのに――駄目だって、分かっているのに。ワガママになっちゃいそうで、イヤだなぁ。
「お疲れ様、千早ちゃん。いつも以上に綺麗で、思わずお持ち帰りしたいくらいだよ」
 2人で過ごせるだなんて、そこまで夢見ているわけではないけれど、もう少し甘い時間になってもいいんじゃないかな?
 ここは舞台袖でしかなくて、客席側からは完全に隠れている。スタッフさんも今の時間は、殆ど立ち入らないし。プロデューサーさんは、打ち合わせ中。
 今なら、何かが起きたところで、私達だけの秘密に出来るのに。
「まだ先は長いわ。春香も水で良い?」
「うん、ありがとう。ちゃんと水分補給しとかないと、後で辛いもんね」
 どうして、お水を渡しただけで終わっちゃうのかな? そのまま抱きしめるとか、手が触れるとか、ちょっとくらいあってもいいでしょ?
 この場では、口にするわけにはいかないんだし、もう少しくらい察してくれても、良いんじゃないかなって思うんだけど。それは、ただのワガママなのかなぁ。千早ちゃんに通じてはいけない、そんなワガママなのかな?
 ちょっと、寂しいね。
「ねぇ、春香。今、少しだけ良いかしら? ちょっと確認したいことがあるの」
 うん、通じる気配は全くないね。それはとても千早ちゃんらしいし、私の好きになった彼女のままだから、別に攻めたりはしないけど。もう少し、女の個的な考え方をしてもらえるように、私が頑張るしかないか。
 道は険しそうだけど、素敵な未来に繋がりそうだもん。諦めたりしないよ。
「ここまできて確認だなんて、珍しいね。何か心配事?」
 根をつめすぎるのは良くない、始まってしまったステージでは、流れに乗っていたほうが上手にいくことも多い。
 それは千早ちゃんだって分かっているはずだから、その上で確認したいことがあるだなんて。ふふ、もう、真面目なんだから。クリスマスに恋人を捕まえて、仕事の相談なんてしてちゃ駄目だよ?
「その、今日なんだけど。と、泊まっていかない?」
 今日って、そんな相談してたかな? 確かに遅くなりそうだから、泊めてもらえるのなら嬉しいけど。千早ちゃん側から聞いてくるだなんて、珍しいよね? それに、お仕事中に、それもライブ中に聞いてくるだなんて、何か相談?
 私で力になれることなら良いけれど。うん、とりあえず、聞いてみないと分からないよね。私自身予定があるわけでもないし、問題はないかな。
 ただ、上目遣いになったり、赤くなってみたり、珍しいほどに狼狽しているね。んー、そんな千早ちゃんも可愛いんだけど、ここは抱きしめても良い場面なのかな? それとも、静香に肯くほうが、恋人としてはいいのかな?
「クリスマスとして過ごせる時間は少ないけど、それでも、ちょっとでも春香と一緒にいたいの。お願い、泊まりにきてくれない?」
「お泊りセット、持って来ていないから。買い物にも付き合ってね」
 抱きしめても良い場面でした。それも、ぎゅっと抱きしめて良い場面でした。
 お仕事中は我慢しようとしているのに、こんなこと言われてまで、我慢出来るはずないでしょ? 2人でいられることで強くなる心は、1人の時には不安定だから。一緒にいる時間を、どんな瞬間でも、大切にしたいから。
 今日のこの瞬間も、私のアルバムに残していく。千早ちゃんと過ごした思い出として、覚えていたい。抱きしめた感触も、驚いている表情も、この瞬間にしかない音も。全て、大切な思い出になる。
「えへへ、千早ちゃんから誘ってもらえるなんて、凄く嬉しいよ」
 恋人らしいことは出来ない。アイドルとして過ごすだけで終わる。諦めていたはずのクリスマス。
 それを当日になってひっくり返してくれるなんて、凄いよ。私は終わった後のことまで考えられなかったのに、千早ちゃんは考えてくれていたんだね。
「アイドルとしての仕事は、ライブで終わるでしょう? なら、その後の時間を恋人と過ごしても、誰にも迷惑はかけないわ」
「うん。やるべきことはやって、自分達へのご褒美も忘れない。千早ちゃんらしい、綺麗なプランだよ」
 褒めるたびに小さくなろうとするから、最初よりも力を込めて抱きしめる。ここにいることの喜びを伝える為に、彼女への感謝を伝える為に、私の気持ちを分かって貰う為に。
 ワガママばかりの私なのに、千早ちゃんは嫌な顔せずに付き合ってくれる。いつも悪いなぁって思うけど、千早ちゃんが側にいてくれるから、私は全部のものに正面からぶつかっていける。千早ちゃんがいるから、大丈夫って安心出来る。
 うん、今日のこのステージも成功させるよ。絶対、大成功にしてみせるよ。
 私の心から溢れる幸せが、ファンのみんなにも届くはずだから。最高のライブにしてみせる。任せて。
「よーし、ファンのみんなにも幸せになってもらわなきゃ。えへへ、千早ちゃん、ありがとう」
 この幸せは、私だけのもの。
 けれど、私にも幸せを届けられるはずだから、私が幸せに出来る人達がいるから。全力で頑張るよ、やれることを全部やるよ。
 1人では、アイドルになれない。アイドルでい続けることは出来ない。その感謝の気持ちを、今から伝えに行きます。
「春香、頑張って。みんな、あなたを待っているわ」
「天海春香、行ってきます」
 
――今日の私も、絶好調
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