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ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
プロフィール
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らさ
年齢:
37
性別:
男性
誕生日:
1986/07/28
趣味:
SS書き・ステカつくり
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んー、千早が料理できるようになったら、春香さんが合法的にお泊り出来ません。



 生活の基礎となるものは、どこで学べばいいのでしょうか? 自分自身のことなのに、誰かに尋ねてもいいのでしょうか?
 私には、それが分かりません。心配してくれる人もいるのに、私には分からない。これって、良いことではないですよね?
 だから、改善したいんです。心配をかけなくてもいいように、安心してもらえるように。私、変わりたいんです。
 そんなこと、出来るんでしょうか?
 
 
     鏡合わせ
 
 
 アイドルとしての如月千早には、歌唱力が求められます。これは、私の要望を反映したものでもあり、将来を考えた場合、ありがたい認識であると思います。
 私は、歌うことが好きで、何よりも歌を大切にしたくて、その気持ちを誰か伝えたかったから。
 もちろん、今では歌以外のところでも、頑張れるようになりました。アイドルとしての、芸能活動にも随分と力を入れられるようになったと、最初の頃の私とは違うと、胸を張って言えます。
 ただ、最初の頃から、進歩していないこともあって。今日は、それを解決する為に、行動を起こしています。
「食生活か。確かに、食は生活の基本とも言われるし、大切だよな」
 日常的な活動をする為にも、しっかりとした歌声を届ける為にも、それなりの食生活を必要とします。
 ただ、私の場合には外食をすることが多く、栄養の偏りを心配されたりします。もちろん、毎日自炊出来ればいい話なんですが、料理が得意なわけでもなく、春香と違って楽しむことは難しい。時間をかける料理をしても、誰か食べてもらう人がいるわけではない。
 いくつかの小さな理由が積みあがり、家の台所は殆ど使っていません。
「でも、こういったことは、俺よりも春香に聞いたり、やよいに聞くのがいいんじゃないか?」
「春香と、高槻さんですか?」
 家庭的といわれ、また料理の話題である以上、この2人の名前が出てくることは予想出来た。
 ただ、名前を聞いただけで嫉妬してしまうような、以前の私はもういない。プロデューサーに対して、劣等感を感じていた、過去の私はもういない。
 私が春香を見つめ、春香が私を見つめてくれている以上、この関係が揺らぐことはないのだから。
「あぁ、プロデューサーとして、情けない話けどな。俺、料理とか殆どしないから、参考にならないぞ?」
「いえ、私も料理は苦手なので。その上で、何か改善する方法がないかと思いまして」
 765プロは知名度が上がり、今ではみんな売れっ子のアイドルです。そこに漏れることはなく、私も忙しい日々を送っています。
 ただ、その状況でも手を抜かないのが、プロデューサーですから。私達以上に忙しい日々を過ごされているはずです。その時間の使い方を、少しでも学べたのであれば、私にも料理を学べるだけの時間が、作れるのではないでしょうか?
「なるほどな。短時間で作れるものを、知りたいってとこか?」
「はい。いきなり難しいものに挑戦する気はありませんが、少しずつでも料理をする時間を、日常の中に取り入れたいと思いまして」
 まともに料理をしたことはない、1人ではどこから手を付ければいいのか分からない。そんな私がいきなり、難しい料理に挑戦するのは、意味のあることとは思えない。
 だからといって、料理のたびに春香を呼んだり、常に春香に作ってもらっていたのでは、上達するはずもない。
 やれることから少しずつ、小さな経験を積み重ねるようにして、台所に立つのが当然となるように、自身の生活リズムを変えていくしかないわ。
 その為に必要なのは、料理の腕を持っている人の意見ではなく、私と同じように料理に苦手意識を持っていそうで、同じか、それ以上に忙しそうな人。
 事務所に所属しているアイドルのうち、半数ぐらいは当てはまったのだけれど、相談しやすいのがプロデューサーだったから。
「すまない、千早。期待されているのは分かるんだが、やっぱり俺では参考にならないよ」
「そうですか……」
「悪いな。俺は千早みたいな向上心を持っていないし、外食か弁当ばかりだから。暫くは、このままだと思う」
 どうやら、プロデューサーは、私以上に料理が苦手のようですね。忙しいのも原因の一端でしょうが、、今は考えることさえ難しいのでしょう。
「大丈夫です。以前の私もそんな感じでしたから。謝られても、困ります」
 そもそも、私が尋ねるようなことをしなければ、何も問題はなかったのだから。プロデューサーが責任を感じるようなことではありません。
 料理をしてみたいと願うのも、私の我が侭でしかありませんから。私がどうにかするべきなんです。
 ただ、ほかに聞ける人なんて、誰が良いかしら?
「そうだ、律子に聞いてみたらどうだ? 時間のやりくりについては、俺なんかより随分と上手いぞ」
「律子、ですか?」
 悩んでいる私に、プロデューサーが道を示してくれる。心配してくれるのは嬉しいですが、少しは自分のこともやって下さいね? プロデューサーに何かあったりしたら、またみんな心配しますから。
「料理が苦手というイメージはありませんが。確かに、時間の活用方法とか詳しそうですね」
 プロデューサー兼アイドル。歌って踊れる、プロデューサー。
 忙しさで言えば、私よりも上。そんな中でも、資格試験に挑戦してみたりと、隙間時間の有効活用に関しては、右に出るものはいないでしょう。真似をするのは厳しいけれど、多くのことを学べそうね。
 料理を苦手としてるイメージがないから、相談候補から漏れていたのね。こういうところが、まだ甘いのね。
「でも、千早の場合は、そんなこと心配しなくても、春香が作ってくれるだろ?」
「いつも作られてる身になって下さい。情けないですよ?」
 春香に作ってもらっているからこそ、私は料理を始めたいんです。春香に負けないくらいなんて、夢を見るつもりはありませんが、たまには食べてもらえるような、それくらいにはなりたいんです。
 女らしさなんていう、前時代的な考えを肯定するわけではありませんが、やっぱりある程度のものくらい、作れるようにはなりたいです。
「たまにはどうにかしようって、私の作ったものも食べてもらいたいって、そう思うんです」
 幸せそうに料理をする春香を見ているからこそ、作りたいと思えたのでしょう。私もあんなふうになりたいって、憧れたんです。
 到達するには、大変な道のりだと分かってはいます。近道なんてないのだと、理解はしています。
 ただ、地図も持たずに飛び出すほど、私は愚かではありませんから。
「ちょっと心配ではあったんだが、良い関係を築いているみたいだな」
「お互いのことは良く知っていますから、心配されるほどではありませんよ」
 何故か事務所公認である、私達の関係。だから、心配するなとは言えません。私達は、プロデューサーの担当アイドルでもありますから。
 ただ、心配されるほど、私達の関係は軽くない。すれ違った程度では、問題にもならない。
 会えない時間も大切なのだと、理解したから。声を聞くことも出来ない時間だって、心は高ぶるのだと、知ってしまったから。
 私達の関係は、ちょっとずつ変化しながら、続いていくものになります。
 
――私だって変われるから。それを、春香に見て欲しい。
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