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ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
プロフィール
HN:
らさ
年齢:
38
性別:
男性
誕生日:
1986/07/28
趣味:
SS書き・ステカつくり
自己紹介:
コメントを頂けると泣いて喜びます。
リンクフリーです。
ご報告頂けたら相互させて頂きます。


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yakisoba_pan◇hotmail.co.jp
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当ブログ内のSSは無断転載禁止です。 恥ずかしいので止めて ^^;
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書いたまま、存在を忘れて3ヶ月。
どうして、こうなるのやら




 眩しい太陽、色づく景色。様々な音が絡み合う、素敵な世界。笑顔にあふれ、希望にあふれ、悲しいことなんて内容に見せる世界。
 けど、本当にそれだけなのか? 明るいものはそのままで、世界は優しいのか?
 否、世界は残光である。幸福な者の側には、不幸を抱える者がいる。幸福になれるのは、不幸を知っている者だけなのだから。
 強い光で照らし出せば、その分闇が濃くなってしまう。広い範囲を照らし出せば、闇は深いところへと逃げ出すだろう。
 しかし、なくなることはなく、それこそが世界というバランスを成している。
 
 
     裏側の音
 
 
 自分のことなのに分からないって、おかしな話だよね。他の誰もが分からないのに、自分の心にあるはずのものなのに、どうして分からないって言いそうになるのかな?
 私の心に生まれた想い。誰のものかと尋ねられるのなら、私のものだよって答えてしまう。
 けど、それが何かは分からないの。はっきりとした形にならなくて、どうしたいのかも良く分からなくて。
 私の心にある気持ち。誰かが関わっているのかと質問すれば、千早ちゃんと素直に返ってくる。
 そう、千早ちゃんへと向かう、不思議な感情。分からないのに怖くない、とても温かくなれる、素敵な気持ち。
 それなのに形が分からないから、どうすれば良いのかが分からないから、呼び方も知らなかった。
「春香、最近顔色が悪いようだけど、ちゃんと寝てる?」
「んー、別に夜更かしはしていないよ? 時々遅くなっちゃうけれど、いつもの時間にはベッドに入っているかな」
 目の前の彼女から感じられるのは、私を心配しているという、友達としての気遣い。同じ事務所のアイドルとして、フォローしてくれているのは分かる。
 それに対し、慌てることなく応えられた、そんな私を褒めてあげたい。この想いを抱いたばかりの頃、千早ちゃんの顔をまともに見ることさえ出来なかったのだから。姿を見かけるだけでほっぺが熱くなって、声を聞くだけで頭がいっぱいになって、笑顔なんて見ようものなら逃げ出しそうになる。視線が向けられると固まってしまい、触れられると電気が流れるみたいに、ピリピリとした。
 その全ては、私が悪いのだけれど、千早ちゃんを落ち込ませてしまったし、申し訳のないことをしてしまった。
「そうなの? 笑顔が疲れているように見えけど、仕事が忙しい?」
「前よりは、ちょっと忙しくなってきたよ。テレビも歌も、そしてライブも。アイドルやってるって実感が増えて、嬉しいかな? 何より、ファンのみんなに応援してもらえるし、嬉しいよ」
「そうね、仕事が忙しいのはありがたいことだわ」
 光が満ちているはずの、アイドルにも影はある。光の中だけで輝けるほど、世界は優しくなかった。
 ただ、そんな世界だからこそ、ちょっとでも輝こうって、誰かに光を届けたいって、私は思うの。泣いている人、下を向いている人、落ち込んでいる人。そんなみんなを励ませたら。素敵だなって。
 昨日の私より、今の私。今の私より、明日の私。届けられる光は、強くなっているだよ。
「でも、忙しさを理由に、笑顔を曇らせてはダメよ? 私に出来ることは手伝うから、何かあれば教えて」
 千早ちゃん、分かっちゃってるのかな? 私が誤魔化そうとしてるのも、千早ちゃんへ気持ちを抱いてしまっているのも。助けてもらえるのは嬉しいけれど、これだけは頼れないし、自分でどうにかしなければいけないことも。
 だからこそ、手伝えることを教えてって。そう言ってくれているように感じるよ。頑張っているつもりなんだけど、まだまだ先は長そうだね。
 見つめる舞台が違う分だけ、苦しむのは覚悟していたけれど、実感させられると、へこむものがあるね。凄いなーって思える分だけ、遠く感じてしまう。
 もちろん、今のままでいることなんてしないよ? 私だって成長しているもん、いつかは千早ちゃんの隣に立ってみせる。2人で一緒に、同じものが見られるように、努力する。
「えへへ、ありがとう千早ちゃん。そういってもらえるだけでも、嬉しいよ。うん、元気でてきたかも」
 一緒にいられる時間は、幸せで満たしていきたい。悲しい時間も、寂しい時間も、行き場のない心も。その全てが元気になれるような時間を、ちゃんと覚えておきたい。
 表に出してあげられない、私の気持ちとしては伝えられない感情。消すようなことは出来ないから、静かになくなるのを待つしかないから。今だけでも、幸せで満たして。
「そう? 顔が赤いように見えるけど、熱があったりはしないわね? 今日は一緒の仕事だから、フォローするから。遠慮なく頼って頂戴」
 千早ちゃんへと向かう想い。それが恋だと気づいたのは、ちょっとだけ前。その日は恥ずかしさで、ベッドの上を転げ回ったりもした。お風呂場でおぼれかけたし、転ぶ回数はひどいし、大変だった。
 でも、気付けたから幸せになれた。千早ちゃんのことが好きなんだって、認められたことが嬉しくて、分からなかった気持ちが、やっと帰ってきてくれた気分だったよ。
 次の日もそのテンションで、色んなミスをしてしまったけれど、今までで1番の笑顔だった気がする。自分の気持ちが分かったことによる、嬉しさで大変だった。
 もちろん、アイドルに恋愛は禁止だって、分かっているよ? それが、例え女の子でも、同じアイドルである千早ちゃんでもダメだって。けど、好きになるのは仕方ないんだよ。千早ちゃん素敵なんだもん。
 私が困った時に、私の心が弱っている時に、泣きそうな時や、面倒な時――隣に居てくれた。千早ちゃんになら、泣き顔を見られてもいいんだ、私。千早ちゃんに隠し事をするようなことをしたくない。
 それに、私は不器用だから。好きな気持ちを隠し続けることは、きっと出来ない。いつかは、千早ちゃんに伝わってしまう。気抱いてしまった気持ちを消せない限り、いつか失恋するしかないのだから。
 バテたって構わないなんて、格好良いことは言えないよ? でも、止められないものはあると思うから。
「いつもごめんね。千早ちゃんだって大変なのに」
「気にしなくていいし、そういうのは無しって言ったでしょ? 私が好きでやっているんだから、迷惑でないのなら良いわ」
 迷惑だなんて、思えるわけないのに。千早ちゃんの側にいるだけで安心して、千早ちゃんとおしゃべりするだけで笑顔になって、千早ちゃんと触れ合っているだけで元気になるのに。そんなこと言うなんて、ズルいよ。
 私の気持ちだって、きっと知っているんでしょ?
 知っているけれど、アイドルだからって。アイドルとしての私を気遣って、言わないんでしょ? 千早ちゃん、優しいから分かっちゃうの。
「それなら、今度お礼をさせてよ。何か、食べたいものあったりしない?」
 いつかは伝えるしかない想い。その時までに、周りを説得する方法か、自分を諦めさせる方法を考えないといけないね。
 アイドルでい続けるか、我が侭になってみるか。今の私には決められない。そんなことよりも、千早ちゃんの笑顔が大切だから。
 流れる景色に献立を浮かべ、仕事場へ向かおう。
――いつかくるその時も、笑顔でいられるように
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