ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。
※ 百合思考です。
最近は、なのは以外も書き始めました。
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らさ
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1986/07/28
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恥ずかしいので止めて ^^;
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このタイミングで新CPとか、どう考えても頭が悪いのですよ。
・w・) そんな感じでイヴですね
いつかは書こうとしていた、このりおですがクリスマスからのようです
最近はカクヨム向けの原稿で死んでます
・w・) そんな感じでイヴですね
いつかは書こうとしていた、このりおですがクリスマスからのようです
最近はカクヨム向けの原稿で死んでます
恋人が欲しい。自分に優しくしてくれて、温かくて。それでいて、こちらからの好意を受け取ってくれる、恋人が欲しい。
恋話が出来る人が欲しい。私の話にうなずいてくれて、自分のエピソードも話してくれて、一緒に笑い会えるような仲間が欲しい。
そんなふうにモテたい。異性からだけではなく、同性からだけではなく、人間としての魅力に溢れる大人になりたい。ずっとそう思っていた。
◇
私の夢は叶ったといって良いのかしら?
最近、ふとした瞬間に湧き上がってくる疑問。自分の中から生まれてくる、今から未来にかけての疑問。別に輝きが褪せたとか、魅力がなくなったなんて指摘されたことはない。
たまに、プロデューサー君と意見がぶつかることもあるけれど、私には私の目指しているセクシーがあり、その先にあるはずのモテ期に向かって前進しているつもり。なんだけど、最近は他の子たちも結構遠慮無しに言ってくれるようになってきたから、少し自分のセンスに疑問がわいてしまっている。
みんなが言うのは似合わないとか、間違っているではなく、残念。
もう少し変えれば良いのにとか、そんなに露出を増やさなくても十分だとか、私が考えている随分と手前でブレーキをかけようとしてくれる。その意見を参考にした結果、お客さんの反応がすごく良くなったこともあるけれど、本心としては納得できていない。
露出が派手なものを、男の子は喜ぶと思っていた。薄着になれば、その分だけ視線を集められると思っていた。当然、裸になるような、痴女的な要素を取り入れようとは思わないけれど、ある程度の露出が必須だと私としては思っている。
けれど、実際にはどうだろう? 今日だって、子供達も見ているし、あまり興奮させてしまってはいけないからという意見を飲んで、随分と地味なものを選んだ。その結果として、男女両方のファンが喜んでくれたし、クリスマスというイベントもあいまって、随分と多くの人の目に触れた気がする。
ファンは喜んでくれた。それはアイドルをやっている身としては、非常に喜ばしいことだし、それを糧にして頑張るべきなんだけど。
「納得いかないわ」
今日はクリスマス。だからこそ、私達のステージを見に来てくれた人に、少しでも華を見せようとして頑張ったのに。いつも以上に体形に気を使い、体調を崩さないように自分自身を普段以上に律して暮らしてきたというのに、それを見せる場所はなかった。スリットは大胆に入れてもらうようにお願いして、各所も問題ない範囲で布面積を減らしていたというのに、出る直前で止められてしまった。
「あんな衣装で出るの、OK出来るわけないでしょ? 莉緒ちゃん、風邪ひいたらどうするつもりなの?」
「でもでも、その為に頑張ってきたのに。まさか、このみ姉さんに止められるなんて」
今回、私の衣装にストップをかけたのは、隣に座っているこのみ姉さん。いつもなら私の見方をしてくれているはずの人が、私のやることにストップをかけてきたものだから、正直なところ他の人に言われるのよりもショックが大きい。
だって、このみ姉さんと私といえば、アダルトを目指すものと、セクシーを目指すものとして、結構気があっていたはずなのに。どうして、私を止めたのかしら? あの時は時間がなかったし、他の人の意見もあったから、反論することなく従ったけれど、納得できていないことに変わりはない。
ここならいつも通りに、なんでも話せるはずだから。私とこのみ姉さんしかいないから、教えて欲しい。
「莉緒ちゃんが頑張っているのは分かっているつもりだし、その頑張りを応援してあげたいとは思うの。寒さくらいで、セクシー路線を諦めきれるとは、私も思っていないわ」
「でも、それなら、なぜ? 私、このみ姉さんだけは応援してくれると思っていたのに」
「応援したいからよ。これからもずっと、応援していたいから今日は止めたの」
「なにそれ、分からないわ」
私の隣で、同じように飲んでくれている、このみ姉さん。そのグラスの中に注がれているのが、いつもより随分と弱いお酒であり、その事実も私の心にトゲのように刺さる。大人の女性は、自分が寄った姿を見せてもいいと思える相手、つまり情けない姿を見せても大丈夫だと安心出来る相手の前でしか、酔ってしまうようなことはないらしい。
このみ姉さんの場合、お酒自体にはかなり強いほうだし、簡単に酔っ払うことはないけれど、私の前では結構見せてくれていたのに――誰か、良い人でも見つかってしまったのかしら? それとも、今日は酔う気分ではないということ?
どちらにしても、いつも一緒に飲ませて貰っている仲としては、寂しい限りね。また、1人になってしまうのかしら?
「莉緒ちゃん、ずっと仕事を続けていく上で大切なことって何だと思う? 私達、大人組がアイドルでいるために必要なものって、何だと思う?」
「アイドルの為に必要なこと?」
私達がアイドルとして存在するためには、まずはファンが必要。ファンがいなければ、アイドルにはなれない。逆に言えば、ファンとして応援してくれる人がいるのなら、私達はアイドルでいられる。
そして、アイドルとして生き残っていくために必要なのは、弱点をなくしていくことと、自分自身の売りを作っていくことでしょ? このみ姉さんの場合は、身に着けようとしているアダルトな雰囲気。私としては、もとめているセクシーさ。
そういったものがなければ、特徴がなければ、この世界では生き残れない。いつかは、忘れ去られてしまうような、寂しい結末が待っている。
「私はね、自分に大人としての魅力が足りないと思っているから、アダルトであることを目指しているの。誰からも、大人の女性として、レディーとして扱ってもらうために、自分の欠点を埋めるために、目指しているのよ」
このみ姉さんは背が低い。3サイズに関しては、目立つほうではないけれど、けして悪くはない。
だからこそ、大人としての自分を認めて欲しいと、足掻いている。そんなふうに私は理解していたけれど、それだけではないということなの? もちろん、仲がいいからといって全ての事情を話してもらえるとは思っていないわ。ただ、それでも、他の人たちよりは知っていると思っていたのに、それは私の思い込みだったのね。
そうでないのなら、このみ姉さんがこんな顔をする必要がない。私に向かって、こんな難しい顔で話す必要はない。
私は、彼女のことを分かってあげられなかった。
「莉緒ちゃんは違うのよ? そこ、ちゃんと分かって活動してる?」
「私は違う?」
「そう。莉緒ちゃんの求めているセクシーは、私の求めているアダルトとは違うの。自分の得なところを伸ばそうとしている、とても輝かしいものなのよ」
バーの照明は暗い。隣に座っているはずの彼女が、顔をうつむかせただけで表情が全く読み取れなくなってしまう。影の落ちてしまった、顔にどんな表情を浮かべているのか。悔しそうな、悲しそうな声で伝えられたセリフに、どれだけの意味があるのか。私には汲み取れない。彼女の心の中にある、大切なところへ手を伸ばせない。
「私のは穴埋め、莉緒ちゃんは自分の得意分野への打ち込みなの。私は自分にないものを求めているのだから、同じではないの」
「それは、そうかもしれないけれど。私はこのみ姉さんに助けてもらっているから、大人の女性である、このみ姉さんを頼りにしているから。そんなふうに言って欲しくない」
頼ってばかりの関係はダメだと、友人でありたいのなら、傍にいたいのなら対等であるべきだと、心のどこかから別の私の声が聞こえてくる。このみ姉さんに頼りきっているから、少し言われただけで心に響き渡ってしまう。自分の意見をもてなくなるくらいに、自分の考えを捨ててしまうほどに、衝撃を受けることになる。
いいことではないと、健全な関係ではないと分かってはいたけれど、まさか今日この場で指摘されるとは思っていなかったわ。
このみ姉さん、真面目な話をしようとしてくれていたのね。だから、酔わないようにしながらも、マスターに失礼にならないようなお酒を選んでいたのね。それなりの時間、一緒に飲んでいるはずなのに、そんなことにも気付けなかったなんて、私もダメね。
「莉緒ちゃんが頼ってきてくれるのは嬉しいわ。けれど、違うものは違うのよ。そこは、大人として、頼ってもらっている立場として、譲ってはいけないの」
冷静に大声になることもなく、私に言い聞かせるようにして声が届いてくる。私の大好きな声、私を癒してくれる声。いつもであれば、もっと聞いていたいと願っているはずなのに、逃げ出したくなるのはどうしてなの? 町の雑踏に紛れて、耳をふさいでしまいたいと思ったのは、どうしてなの?
私の心が弱いから、このみ姉さんの言葉を、受け入れられないのかしら?
「分からないなら、分からないでいいの。これは私の話だから。莉緒ちゃんを見ていて、勝手に私が感じているだけのことだから」
「そんな寂しいこといわないでよ。私、このみ姉さんの口から、そんな言葉聴きたくないわ」
告げられている言葉は、別れを告げているとしか思えない。私達の関係に終止符を打とうとしているようにしか感じられない。それなのに、素直に聞きなさいというの? 自分の気持ちが整理でき始めたこのタイミングで、別れろというの?
また、私の願いは届くことがなく、胸の内にある間に光を失ってしまうの?
世間はクリスマスだと騒いでいて、恋人や家族連れが楽しそうにしているのに。私は楽しみを提供する側だから、我慢しろって言うの?
グラスを煽り始めた姿からは、次の言葉はないと伝えられているようで、私の心には冷たさだけが積もっていく。白くもなく、赤くもなく、緑でもない。クリスマスにはふさわしくない色で着色された、冷たいだけの雪が降り積もっていく。
止めて。このままでは、私の心が凍ってしまう。何も出来ないまま、心の輝きが消えてしまう。
伝える勇気がない、臆病な自分が悪いのだと、理解はしているけれど、全ての関係性を断ち切るような、私の前から立ち去るようなことをしなくても、いいんじゃないの? ねぇ、見捨てるようなこと、しないでよ。
「ふぅ……そんな顔しないで、莉緒ちゃん。別に私は莉緒ちゃんと離れたいわけではないの。どちらかと言えば、逆よ。ずっと一緒にいたいから、この言葉を選んだの。勘違いして欲しくないから、莉緒ちゃんになら見せてもいいと思ったから、私は言葉を選んだのよ」
私を放置したまま、立て続けに2杯のグラスを空にした、このみ姉さん。その口からこぼれる言葉は、私が想像したものと違って、柔らかさと温かさに満ちていて、心の中の光がまた動き出してしまう。無理だとは分かっているのに、この言葉に甘えきってしまうのはダメだと、分かっているのに。全てを任せてしまいそうになる私がいる。このみ姉さんなら、本当の私を見せても受け入れてくれると、無意識に信じようとしてしまう。
苦しむだけだと分かっているのに、叶わないものだと分かっているのに、私の心は期待してしまう。今度こそ想いが届くかもしれない、今なら受け入れてもらえるかもしれないと。
まぁ、ここで口に出せるようなら、今みたいに苦しんだりはしないんでしょうね。
「莉緒ちゃんの肌を見せたくなかったのよ。今日のイベントにきただけのファンに、通りすがりの人に見せたくなかったの」
「このみ姉さん、それって?」
「莉緒ちゃんたら、男性の視線を集めることばかりに夢中になっちゃって、私のこと見てくれないでしょ? だから、ちょっと意地悪したくなったの。それなのに、元々が可愛いものだから、私が求めていたのとは逆方向に効果が出てしまったのよ」
もしかして、このみ姉さんかなり酔ってる? 今日は現場が終わって、そのままここにきたはずなのに。殆ど一緒にいたはずだから、私が気付かないところで飲んだりするのは、難しいはずなのに。
いつものこのみ姉さんであれば、今飲んでいるお酒程度では、こんな可愛いものでは酔ったりしないはずなのに。どうして、こうなっているの?
「何よ、お酒の力を借りて情けないのは分かっているわよ。大人なんだから、ちゃんと素面の時に言いなさいって、言われるのも分かってるわよ。でも、仕方ないじゃない。失敗したんだもん。今日くらい飲んでもいいでしょ?」
「別に情けないだなんて思わないわ。ただ、このみ姉さんが酔っ払っているから、驚いているだけよ」
普段から飲んでいるからこそ分かる違和感。普段から一緒にいるからこそ分かる、違和感。その事実に喜ぶ前に心配になってしまう。体調が悪いところを、無理矢理に飲みに誘ってしまったのではないかと、私のワガママにつき合わせて、悪化してしまったのではないかと、心配するなというほうが無理でしょ。
「いつもの私は、足りないものばかりなの。莉緒ちゃんに頼ってもらえるような、カッコいい女性にはなれないの。でも、アイドルとしての馬場このみなら、莉緒ちゃんくらい支えてあげられるから、あの場では我慢できたのよ」
「うん、いつもこのみ姉さんには助けられているわ、ありがとう」
何が起きているか、全然把握出来ない。このみ姉さんがビックリするくらい、酔って饒舌になってしまっていることも、よってしまっているという事実にも、私の頭がついていけない。どうして、こんなことになっているのかが、今の私の頭では理解できない。
けれど、会話は止められないから、こんなふうになってまで伝えようとしてくれている言葉があるのに、私が聞かないなんてこと、あってはいけない。
このみ姉さんを普段頼りにしているのだからこそ、見せてもいいといわれた情けない姿と、そのまま漏れてきてしまっているような言葉から、逃げるなんて出来ない。彼女が求めてくれているのに、ここを離れるなんて、私には考えられないわ。
「ねぇ、莉緒ちゃん。本当の私はとても弱いの。無理だって分かっていることに挑戦している、アイドルとしての私を冷めた目で見ているの。無理なんだからやめればいいのにって、後ろ向きに生きているわ」
私の知っている彼女は、シアターにいる時はお姉さんでいてくれる。年下の子達を導いてくれて、どんな時でも助けようとしてくれる。そんな頼れる姿とは真逆で、酔っ払ってしまった時は、異性に見せられないくらいに乱れてしまう。前後不覚になるまで飲みつぶれ、私に頼ってくれる。
そんな姿が可愛くて、普段の彼女との違いに惹かれていて、心の中にもやもやを溜めているというのに、どうしてここまで見せようとしてくれるのか。いつかは諦めなければいけない気持ちなのに、なくしてしまわなければいけない気持ちだと分かっているのに。どうしてここまで攻めてくるのか。彼女の求めているものが、私には分からない。
正直なところ、気持ちを口に出せないのは辛いわ。壊れるだけではすまない、私達の関係が辛い。
「ごめんね、情けない私で。変わることの出来ない、情けない私でごめんね」
「気にしないで、このみ姉さん。私にとっては素敵な女性なんだから、もっと自信を持って」
「ううん、それは無理よ。私はもう自信なんてもてないわ。自分の気持ちも口に出せないような、莉緒ちゃんに好きよって言えないような、こんな私はもうだめよ」
好き? それは、友人としての好き? それとも、期待していいほうの好き?
口に出せない想いを重ねているのは、私も一緒なのに。お酒の力を借りて口に出してしまうなんて、このみ姉さんはずるいわ。ここまで酔ってしまったら覚えていないだろうし、聞いてしまった私が大変なことになるだけでしょ?
「ねぇ、莉緒ちゃんはどうなの? 私はただの同僚? それとも好きだから一緒にいてくれるの? ねぇ、莉緒ちゃん。教えてよ」
ここで答えてしまって、彼女は覚えているのでしょうか? 私が口に出した言葉を真実として覚えてくれているのでしょうか?
それとも、イヴの出来事として夢で済ませてしまうのでしょうか……ほんと、この仕込をしたの誰よ? 大きすぎるクリスマスプレゼントだわ。
「莉緒ちゃんは、このみ姉さんのこと好き? それとも、嫌い?」
「好きよ」
覚えていて欲しいという言葉は飲み込み、事実だけを伝える。このみ姉さんの言葉が本心かどうかも分からず、お酒に頼っている今、この言葉だけを信じて、この言葉だけを真実として飲み込むことは出来ない。ただ、テンションがあがり、心が弾むのを止められないのも事実。
まったく、本当に困った姉さんね。
「申し訳ありません。ちょっとしたジョークのつもりだったのですが」
「やっぱりマスターが噛んでいたのね。いたずらは、ほどほどにして頂戴」
自分の気持ちとの葛藤を続ける私の元に、渋い声が届く。付き合いは短くないけれど、見た目に反して彼がイタズラ好きであること、カクテルを作る上で名人とでも呼ぶべき腕を持っているから、味が分からない程度に強いリキュールに変えていたのでしょう。
その結果の殆どがプラスにつながるとはいえ、今回は微妙なところね。
「明日もお仕事だというのに、申し訳ありません。お題は結構ですので、意識のあるうちにお帰りください」
「……つけといて頂戴。次の時に、まとめて支払わせていただくわ」
彼のおかげでこのみ姉さんの口から、とても嬉しい言葉を聞けたのは事実で、そこには感謝している。感謝しているからこそ、この先は私がどうにかしなければいけない。
寝息すら立て始めた、軽すぎる身体。酔ってしまった彼女を解放した回数は、一度や二度ではないから、手馴れたものではある。ただ、告白を聞いてしまった今、今までと同じ気持ちでいられるかといわれれば、それは難しい話だから。
まったく、サンタさんというのもいじわるなものね。今まで頑張ったんだから、もっと優しいプレゼントを用意してくれてもいいんじゃないかしら?
――開けられないプレゼントなんて、どうすればいいのよ
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