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ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
プロフィール
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らさ
年齢:
33
性別:
男性
誕生日:
1986/07/28
趣味:
SS書き・ステカつくり
自己紹介:
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莉緒ねえでかくと、悲哀になる!

これをどうにかしたいんですけど、幸せな未来が見えないのは、どうすればいいんでしょうね




 大切な人と過ごせる、掛け替えのない日々。今を生きていて良かったと、心から思える大切な日々。
 けれど、世の中は上手くいくことばかりではないから。時には、我慢しなければいけないこともあるから。
 私の心はもっと、あなたを求めてしまう。
 
 
     私達の初詣
 
 
 大晦日から元旦にかけての一夜。それはただの夜ではなく、去っていく年を惜しみ、来る年を迎えるための大切な時間。それを祝う人もいれば、もう少し楽しみたかったと手を伸ばす人もいてしまう。
 私はそのどちらでもなく、そのどちらもを歓迎する立場。暗い顔をしている人を笑顔にし、色をなくしてしまった世界に、笑顔を配って歩く、アイドルの1人。だから、どれだけ願っても無駄だと思っていた。どんなに願ったところで、叶わないと思っていた。
 それなのに、今私の目の前では愛しい人が微笑んでくれている。
 ありえないと、可能性すら望まなかった世界。あるはずがないと、可能性を手放してしまった世界の中で、あなただけが輝きを放っている。私の憧れていた人、私の頼りになる人。そして、今は……
「莉緒ちゃん、お疲れ様。今日もアダルトに決まったわね」
「このみ姉さんもお疲れ様」
 私を苦しめる、悪い人。
 以前は傍にいられるだけで嬉しかった。声をかけてもらえるだけで、気分が高まった。あなたに相手をしてもらえるということで、認めてもらえることで、私はどこまで近づけると、あなたとの距離をゼロに出来ると思ったのに。今は苦しいの。
 その全てが勘違いでしかなく、叶えようと思っていた願いこそ、叶ってはいけないものなんだって、気付いてしまったから。私の願いが叶うことが、悲劇の引き金になるものだと気付いてしまったから。この胸の中で荒れ狂うものは、外に出ようと足掻いている熱は、縛り付けておかなければいけない。
「口数が少ないけど、莉緒ちゃん大丈夫? 疲れていたりする?」
「まだまだ元気よ。ただちょっと、ファンのみんなが熱かったから、それにあてられただけよ」
 私のことを心配そうに除いてくれる、その綺麗な横顔にキスをしたらどんな反応を見せてくれるのかしら? 驚いてくれる? それとも、怒ってくれる? 酔っていない私に、このみ姉さんはどう対応するの?
 試してみたい好奇心に駆られる、壊してみたい好奇心に駆られる。このみ姉さんと築いてきた、今までの信頼関係にヒビを入れることになった時、私の心はどうなってしまうのかしら?
 冗談だと、笑って済まそうとするのか。真面目な顔で、愛の告白を始めるのか。どちらにしても、笑って流されるだけのピエロになってしまうのでしょう。私と違って、このみ姉さんは大人だから、――遠いわね。こんなにも近くにいるはずなのに、その背中は遠過ぎるわ。
「今日は仮眠を取ったら、イベントが待っているわ。栄養ドリンク、飲んどく?」
 私の心の葛藤など知ることもなく、私の中にある幸せと苦しみを知ることもなく、あなたは笑顔で話しかけてくれる。私のことを心配してくれて、栄養ドリンクを探しに行こうとしてくれる。
 嬉しい。けれど、私から離れないで。伝えられない、そんな想いがあなたを追いかけていってしまいそうだから。胸の中で収められなくなってしまうから、あなたを困らせたくないの。
「もぅ、そんな顔しなくても置いて行ったりしないわよ。この後も一緒なんだから、離れる理由もないでしょ?」
「そうね、ごめんなさい。やっぱろ、ちょっと疲れてるのかもしれないわ」
 私の気持ちを察してくれるあなた。私の心を苦しめるのも、あなた。
 頭がガンガンと割れそうな音を立てている。いっそのこと、そのまま砕けてしまえばいいのに、このみ姉さんを困らせるような自体になる前に、砕けてくれればいいのに。
 胸がぎゅうぎゅうと締め付けられて、潰れそう。どうせなら、そのまま潰れて内側にある思いを閉じ込めてくれればいいのに。そうすれば、もう苦しまなくてすむのに。無くせない思いだからと、大切にする必要さえなくなるというのに。
 どうして、私の身体は言うことを聞いてくれないのかしら? 私の身体なのに、どうして自由にならないの?
 この心だって、この想いだって、私だけのものなのに。どうして自由に出来ないのかしら?
 分からない、今までの諦められた恋愛とは違うから。これだけは誰にも譲れないものだと、私の心が許してくれないから。消すこともできない、無くすこともできない、無かったことにすら出来ない想いが、私を狂わせる。
「年、なのかな……」
 最近、涙もろくなってきた。10代の頃に比べて、みんなみたいに若かった頃に比べて、涙もろくなってしまった。涙は女の武器だからこそ、ここぞという時以外、見せないようにしなければいけないはずなのに。こんなに安売りしていたら、誰も私の悲しみを認めてくれなくなってしまう。孤独なまま、この世界に閉じ込められてしまう。
 芸能界に入って、アイドルになればモテると思っていた。事実として、ファンレターはもらえるし、私のグッズだって販売されている。CDを出せば買ってくれるファンがいて、ライブを開けば足を運んでくれるファンがいる。それはとても嬉しいことだし、人気が出てきているということに文句を言うようなつもりはない。
 今日の仕事だって、このみ姉さんがいなければ歌えなかったかもしれない。プロデューサー君がいなければ、ステージに立てなかったかもしれない。協力してくれる人がいなければ、音楽が流れることもなく、明かりが灯ることもなく、座席が作られることもなかった。
 だから、そんなみんなを裏切るみたいで口には出せないけれど、口に出してはいけないけれど、どうしても行ってしまいたい言葉がある。私自身を勘違いさせないために、モテ期だと調子に乗らせないために、私は知っておかなければいけない。
 ここにいて、求められているのはアイドルである、百瀬莉緒。みんなに求められているのは、アイドルとしての私なの。
 ただの百瀬莉緒はモテ期が来るのを待っているだけの、尖りすぎたセンスのせいで独りになってしまうだけの、寂しい私なのよ。それを勘違いしてはいけない、ここにいる私はみんなに求めてもらえる理想からは程遠い、疲れているだけの私にすぎない。
 それも、疲れている原因が先ほどのライブにあるのではなく、このみ姉さんとの関係性に悩んで、夜眠れないせいだなんて洩らしてしまったら、大変なことになるのが目に浮かぶ。私だけが変な目で見られるなら良い、私だけが攻められるのなら、どうなってもいい。
 けれど、必ずこのみ姉さんに迷惑がかかってしまうから。あなたは優しいから、私を許そうとしてしまうでしょ? だから、話せないの。優しくて、手を離せなくなった時に困ってしまうから。忘れるのだって、大人の恋愛だというのに、いつまでも少女ではいられないのに、私はあなたを求めてしまう。
「ごめんなさい、このみ姉さん。栄養ドリンク貰ってもいいかしら?」
 美容のことを考えれば、栄養ドリンクなんて避けるべき代物。下手をすると、カクテルと同じくらいによくない代物。
 けれど、今は気分を誤魔化してくれるものが必要だから。それが何であるかを問う必要性はない。このみ姉さんが私の近くに来てくれて、手の届く範囲に帰ってきてくれるのなら、今の私はそれで満足するから。暴れる心も、収まってくれるはずだから。
 もう少しだけ待って、私の心が強くなるまで。あと少しだけ時間を頂戴、心の中を整理するから。そうすればきっと、以前のようにこのみ姉さんを見られるはずだから。真っ直ぐに、正面から見られるはずだから。それまで、ちょっとだけ時間を頂戴。
「はい、莉緒ちゃん。今年は始まったばかりなんだから、無理しちゃダメよ?」
「ええ、気をつけるわ」
 声に張りはある。膝が震えるような動きもない。大丈夫、今の私なら、ちゃんと誤魔化せるわ。いつも通りだって、アイドルの私を演じられるわ。馬場このみの隣にあってふさわしい、百瀬莉緒になれるわ。
 のどを通り抜ける、美味しいとは言えない液体。何が入っているのか分からない、色もよく分からないような液体。それでも、気分を紛らわせるくらいは出来るから。私の気持ちも、ファンへの嫉妬も、全ておなかの中へと沈めてしまいましょう。
 
――まったく、新年から思いやられるわね
 
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