ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。
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1986/07/28
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1月2日ですよ、1月2日!
そう、姫始めです。
お姫様を始める日です。初めての日ではないのです!
・w・)ここの差が、個人的に好きですわー
そう、姫始めです。
お姫様を始める日です。初めての日ではないのです!
・w・)ここの差が、個人的に好きですわー
始まりは唐突に訪れて、準備の時間をくれることはない。いや、突然だからこそ始まるのであって、計画されているのであれば、それは道中でしかない。
決定的な変更点、後戻りの出来ない分岐点。その全ては未来に繋がっていて、上がるのか、落ちるのかは、進まなければ分からない。
結局のところ、勇気を持って踏み出す以外に、未来を手にする方法なんて存在しない。
腕の中
私には女の個的な部分が足りていない。彼女のことを見つめていると、いつも感じてしまう劣等感。料理など、必須と思われるスキルは壊滅的で、やる気を起こすのさえ苦労するような有様。
それにより迷惑をかけてしまっているのは理解していて、どうにか使用とは思っているけれど、春香と一緒にいる上では、何も困らないので、改善にまでは至っていない。
ただ、こんな私でも彼女は愛してくれているし、私のことを女の子として扱ってくれているのだと、理解している。
だから、いつかは求められるかもしれないと、恋人としての通過点として、いつかは求められるべきだと、その時が来るのを心待ちにしていたのは事実。ステップの1つとして、外したくないと考えていたのも、事実。
唯一の問題があるとすれば、それが今日この場で発生しそうな流れになっており、これほどまでに春香を追い詰めてしまっていることに、気付けなかったこと。
「ねぇ、千早ちゃん。今日って、何の日か知ってる?」
いつものように楽しそうで、私に笑顔を向けてくれる春香。そんな彼女と並んで座りながら、私は頭をひねってみる。
今日の日付は1月2日。三が日の真ん中に辺り、元日ではない。明日であれば、正月休みの最後であり、オペラコンサートが開かれていたはず。
ダメね、記憶にある限りでは、何もない日であり、彼女の質問には答えられない。
「ごめんなさい。私には分からないわ」
期待してくれている春香には悪いけれど、分からないものはどうしようもない。昔と違って、分からないことでムキになることもないし、そのままを伝えるのも大切だよって、教えてもらったから。
この答えくらいで、彼女の笑顔が曇るとは思えない。そのままを伝えて、彼女が受け取ってくれないとは思えない。
「えへへ、その、恋人にとって大切な日だよ? バレンタインとか、クリスマスにも負けないよ?」
恋人にとって大切な日? 春香の誕生日は、まだ先だから、私達にとっての大切な日ではなく、恋人にとっての大切な日ということよね?
バレンタインやクリスマスに並ぶほど大切な日。それなのに、私の知らない記念日。ただ、お正月は家族と過ごす日が多いイメージを持っていたのだけれど、違うのかしら?
どちらにしても、分からないことに変わりはないわ。
「やっぱり、分からないわ。ただ、大切な日に春香と過ごせるのなら、私は幸せね」
何の日かは分からない。見当すら付かない。
それでも、大切な日を一緒に過ごせるという事実を、喜びたい。彼女との幸せを積み重ねられる事実こそが、私にとっては大切なものだから。
「……えーと、ね。そんな純粋な瞳で見られると、ちょっと言い辛いんだけどなぁ」
言い辛い日? 春香にしては、珍しい日もあるのね。何か、難しいことでもあるのかしら?
「春香、教えて頂戴。私は春香と一緒に幸せになるって決めているから、私に出来ることなら何でも協力するわ」
私のことを気遣ってくれているのなら、必要ないと伝えましょう。幸せになる為に、何かを惜しむようなことにはなりたくない。
私に出来ることで、春香が幸せになれるのなら、手を抜く理由ないわ。
「今日は、その、ね。姫始めなの。私達の仲を深める為に、そろそろ次のステップに進んでもいいのかなって」
「ひめはじめ? 姫初め? ごめんなさい、よく分からないのだけれど、着物で過ごす日なのかしら?」
私の知っている単語の中に、姫初めというものはない。ただ、お正月であることと、呼び名から、日本の文化であることが推測できる。テレビ番組に着物で出ることもあるし、間違っているということもないのかしら?
もっとも、それが恋人としての次のステップになるとは、私には思えないけど。それに、この場に着物がないから、難しい話よね。
「最初から、そんなハードルの高いことは出来ないよ。私は普通のでいいよ」
「普通? その、振袖とかはいらないということかしら? どちらにしても、この場にはないわよ?」
春香が望むのなら、レンタルするくらいはなんともないのだけれど、今用意するのは難しいわね。それとも、写真を撮りに行くということで良いのかしら?
それならお正月らしくて、良いかもしれないわ。明日の予約、まだ取れるかしら?
「それに近い説というのもあった気がするけれど、違うよ。着物を着ても、恋人としてのステップは進まないでしょ?」
「ええ、そうね。恋人として仲を深める為に、着物が必要だなんて、聞いたことはないわ」
私の勘違いだったのね。残念だわ。春香の着物姿、是非写真に収めておきたいのだけれど、ダメかしら?
春香は大切な話をしているみたいだから、この話題が終ったら、訪ねてみるのもありかしら?
「はぁ、やっぱりダメだね。暦や記念日に頼ったりして、自分の口から直接伝えないから、分からないよね」
「ごめんなさい。私が分かっていないから、また春香に迷惑をかけているのね」
ネガティブになってはいけない。春香の恋人は私なんだから、私のやり方で頑張ろうって決めたんだから。これくらいで、へこむわけにはいかないわ。
分からないことは、教わるしかない。次に迷惑をかけないために、しっかりと理解しましょう。
「ごめんね、千早ちゃん。私がちょっとズルいやり方をしただけなの。恥ずかしいから、直接伝えられなかっただけ」
教わってばかりの私が、何かを言えるような立場にはないのに、それでも、春香は負い目に感じるのでしょう。自分らしいやり方が出来なかったと、へこむのね。
「私は春香の全てを受け入れるわ。ズルい春香も、真っ直ぐな春香も、失敗した春香だって、みんな大好きよ」
私に出来ることは1つしかないから、その1つを譲らない。春香がどんなにへこんだとしても、私はそのままを受け入れるわ。
だから、安心して。どんなことがあっても、離れたりしない。私の為に、一生懸命になってくれる彼女を、笑ったりしない。
「うん、分かった――千早ちゃんの初めてが、私欲しいの」
大げさなほどに深呼吸して、頬を赤らめた彼女が継げる言葉。短いけれど、彼女の願いの詰まった言葉。
その意味を考えれば、どれほど彼女が悩んだのか、すぐに分かってしまう。口にするのが恥ずかしく、暦に頼ろうとした理由も、すぐに分かってしまう。
だからこそ、私は冷静になりましょう。いつか来ると思っていた時が、今訪れただけ。私達が次へと進むために、必要な大切なこと。
「それな、私が春香の初めてを貰っても良いってこと?」
頑張ってくれた彼女の為に、私が出来ることは少ない。ただ言葉をつむぐことしか出来ず、彼女の恥ずかしさを取り除くことも出来ない。
だから、勘違いされないように、泣かさないように、慎重に言葉を選べば良い。彼女の望みが叶うことを、伝えられればそれで良いわ。
「うん。私の初めても、千早ちゃんに貰って欲しいな」
「ありがとう、春香。私、嬉しいわ」
春香のことだから、いつも遠慮していたに違いない。伝えようとして、それでも伝えられなくて、今日を迎えてしまったのでしょう。その優しさが、自分を苦しめると分かっていても、彼女は私のことを考えてくれた。
年越しライブを終えた今日なら、時間的な余裕があると。私の部屋に来ていたとしても、誰も疑わないって、そこまで考えてくれたんでしょ? 確認しなくても、優しさが伝わってくるところが、嬉しい。
何より、私のことをじっと見つめてくれるあなたに、初めてを捧げられるのなら、あなたと次のステップに進めるのなら、他を望むはずないわ。胸が幸せでいっぱいになって、他の事なんて考えられないもの。
笑顔になる魔法は、あなたと一緒に使うものだから。ずっと一緒にいて欲しい。
――甘い時間に包まれて、春香と幸せになれる
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