ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。
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1人UP祭り、GOGOはるちは
見つめる先にあるものを、共有するにはどうしたら良いのでしょうか? あなたが見つめているものを、見るにはどうすればいいのでしょうか?
空の色も、街の雰囲気も、私が感じているものとは、全然違うはずです。
同じものを見ているはずなのに、別のものを見ている感覚。どうして、こうなってしまうのでしょうか?
混ざり合う視線
「千早ちゃん、この飴美味しいんだけど、食べてみない?」
現場へと向かう車の中。いつもであれば、仕事の確認とか、歌詞の確認とか、それなりの緊張感を保っているのだけれど。久しぶりに一緒の仕事が出来ると聞いて、私は浮かれてしまっていた。
確かに、今日番組で歌うのは、もう慣れてしまっている曲。何度も歌い、ライブで披露したこともある、そんな曲。
でも、私は忘れてしまっていた。目の前に座る彼女こそが、歌うことを1番大切に考えていて、ベストを尽くそうとする性格であることを。
「春香、気を遣ってくれるのは嬉しいけど、大丈夫なの? 歌ったことのある曲だからって、油断していない?」
一緒に仕事が出来ることに浮かれ、ピクニックにでも出かけられそうになっていた、そんな私は、当然のように怒られた。
「アイドルとして、ファンの前で歌う以上、最善を尽くすのが大切でしょ?」
もちろん、私だって手を抜くつもりはないし、そんなことが出来るほど器用でもない。千早ちゃんだって、そのことは分かっているはずで、彼女としては注意を促した、その程度なのかもしれないけれど、私の気持ちは一気にしぼんでしまった。
千早ちゃんの言うことは正しい。ファンがいる以上、私はアイドルとして、全力を尽くすべき。楽しいおしゃべりをしている場合じゃなくて、打ち合わせをしているべきなのに。ただ、千早ちゃんと一緒にお仕事が出来るのは、久しぶりだったから。ちょっとでも笑顔になってもらえたらなって、それだけだったんだけどね。
ううん、千早ちゃんが正しいんだもん。私が気をつけるべきだったんだよ。
「ごめんね。油断してるつもりはないんだけど、ちょっとはしゃいじゃった」
事実を事実として認めるのは、ちょっとだけ苦しい。自分が悪いことをしたと分かっている時ほど、認めたくないもの。
けど、ここで認めておかないといけないから。ちゃんと反省して、仕事をこなして、その後で楽しい時間にすればいいのだから。
今は、ガマン、ガマン。千早ちゃんと一緒に歌えることを楽しみに、仕事に取り組もう。
「楽しく取り組むことも大切だけど、ちゃんと確認しないと。今日は私達2人だけのステージよ? 時間が短いとは言えども、難しいことよ」
765プロが定期的に行っている、ミニライブ。いつも2、3人でローテンションを組んでいるものが、今回は私達の番になっただけ。今までの雰囲気を壊すことなく楽しんでもらい、次の開催に繋いでいく。
そうすることで、新しいファンの獲得も望める。
それがとても大切なお仕事であることは、私も理解しているつもりだったけれど、千早ちゃんには軽く考えているように、感じられたのかもしれない。
そんなことはないと、大きな声で叫びたいけれど、どれだけ言葉を並べたところで、千早ちゃんの反応は変わらないだろう。歌う為の準備をしている彼女にとって、大声を出すのは邪魔にしかならない。
だからといって、誤解されたままで、一緒のステージに立つような、ギクシャクするようなこともしたくない。
どうしよう、どうすれば良いんだろう。私はただ、千早ちゃんと一緒に歌えることが、嬉しかっただけなのに。どうして、上手に伝えられなかったの?
嬉しいと、伝える為の手段はいくらでもあったはずなのに。どうして、失敗しちゃうのかな?
今日も頑張ろうって、はりきって家を出て来たはずなのに。どうして、千早ちゃんを怒らせてしまっているの?
「その、ごめんなさい。私もちゃんと頑張るから」
こんなことを言う為に、一緒にいるんじゃないのに。目も合わせられない様な、こんな雰囲気を作るために、話しかけたんじゃないのに。
千早ちゃんがどんな顔をしているのか、それを想像するだけで、怖い。
「……春香、勘違いしないで欲しいのだけれど。私、別に怒ってないわよ?」
全面的に私が悪いわけで。それなのに、千早ちゃんにこんなことを言わせるとか、本当にダメだなぁ。
ただ、怒ってないと言わせてしまった以上、下ばかり見ているわけにもいかないよね。ちゃんと目を見て、私のしたかったことを伝えないと。いつまでも、こんな状態ではいられないし。お仕事にも影響しちゃう。
それでは、成功させる為に努力をしてきた、今までの彼女と、過去の私を裏切る結果になってしまうから。ちゃんと、解決しないとね。
「その、千早ちゃん、いっぱい練習してきたでしょ? だから、ステージの直前は、のどを労わってあげるべきなんじゃないかなって」
ライブが決まれば、いつも以上の気迫をもってレッスンに挑む彼女。おそらく休日も、朝から歌い続けていたに違いない。
そんな状態のままでステージに挑んで、身体に良い筈はないから。私のやり方で、少しでもフォローできたらなって、そう思ったんだけれど。ちょっと、やり方を間違えたのかもしれないね。
「それに、どうせ食べるなら、美味しい方が良いでしょ?」
のどを労わるためだけでなく、美味しければ、千早ちゃんが笑顔になってくれると思ったんだけどなぁ。
こわばった顔のまま、ファンの前に出るわけにも行かないし、楽しくお仕事に向かいたかった。ただ、それだけだったのに。
「ごめんね、もうちょっと違う言い方をすれば良かったんだよね」
伝え方が違えば、千早ちゃんも普通に受け入れてくれたかもしれない。失敗だね。
「そうだったのね。ごめんなさい、思っていた以上に、緊張していたみたいだわ」
そう言って、やっと笑顔を見せてくれる彼女。私に向けられる視線も柔らかくなっていて、一息つける気分になった。
色々とあったけど、これでなんどかなりそうだね。
ライブの為にと、お互い色々と考えているのに、空回りしてしまった。長く一緒にいる分だけ、時にはこんなこともあるよね。
――出来れば、一緒の景色を見ていたいな
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