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ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
プロフィール
HN:
らさ
年齢:
37
性別:
男性
誕生日:
1986/07/28
趣味:
SS書き・ステカつくり
自己紹介:
コメントを頂けると泣いて喜びます。
リンクフリーです。
ご報告頂けたら相互させて頂きます。


メールアドレス
yakisoba_pan◇hotmail.co.jp
◇を@に変えて下さい
当ブログ内のSSは無断転載禁止です。 恥ずかしいので止めて ^^;
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吐き気のするような、そんな甘さが欲しい!



 人は何の為に、努力するのでしょうか?
 夢の為? 自分を成長させる為? 本当にそうですか?
 欲しいものを手に入れたいという、夢の為ですか? 成長した自分が欲しいから、努力しますか?
 私には、それがまだ分かりません。分からないから、歩き続ける為に頑張ります。
 
 
     果実の青さ
 
 
 彼女の瞳に写る世界は、私の見ている世界とは違う。希望で溢れているはずの、キラキラと輝いているはずの世界が、彼女には随分と厳しい場所に見えているらしい。
 その事実に気が付いたのは、その世界観の根底になるものを知った時、私は千早ちゃんのことを、すごいなって思った。
 小さな頃に、家族が大変なことになって、それでも小さくなることはなく、自分を主張し続けた彼女。歌という、ただ1つの目標の為に、好きなものの為に全力になれる彼女。
 その瞳に宿る意志は強く、横顔が厳し過ぎることもあるけれど、諦めない強さの表れなんだって、今なら分かるよ。
 そんなことはないと、特別に変わったことはしていないと、千早ちゃんは謙遜したりするけれど。そこまで真っ直ぐに、頑張れる人って少ないよ。
 キラキラとしたものを追いかけて、トップアイドルに憧れて、光を見つめているはずの私の心だって、折れそうになったことがある。ううん、きっと独りで頑張っていたのなら、随分と前に折れていたんじゃないかな?
 プロデューサーさんや、音無さん、事務所のみんな。傍で支えてくれる人がいて、私を応援してくれるファンがいて。みんなを悲しませたくないから、夢を諦めるなんて言いたくないから、私は立ち続けた。
 でもね、進む為の力は、そこにはないの。みんな支えてくれるし、後押しもしてくれる。ただ、歩き続けるためには、それだけでは足りなかった。夢を追いかける難しさは、私だけのものだって、そう思っていたから。
 普通の女の子でしかなかった、それだけの私。アイドルになっても、周りの環境は大きく変わっても、私自身が変わったわけじゃない。だって、私は天海春香でしかないから。他のものにはなれないのだから。
 そんなふうに考えて、ちょっとだけくじけそうになって、後ろを振り返ろうとした時、千早ちゃんが助けてくれたんだよ?
 大きな夢、どんな形になるのかも分からない、そんな夢の為に全力で、全てを捨ててでも挑もうとする、その力強さに助けてもらったの。隣にいるだけで、自然と進める、そんな気がしたの。
 だから、頼っちゃった。千早ちゃんの力強さに、その瞳に頼ってしまったの。
 ごめんね、千早ちゃんだって大変なのに。見ているだけでも、そんなこと分かるのに。少しだけ、強さを別けて欲しいって思ったの。
 私が歩き出す為に、失敗を笑顔で超える為に。千早ちゃんに助けてもらったの。
 だから、これからはそのお返し。私が千早ちゃんを助けて、千早ちゃんに教えてもらったものを、ほかの人に伝えていく番。
 みんなが笑顔になってくれるよう、私も頑張るよ。
 
 
     ◇
 
 
「どうだった? 今度、ラジオの新コーナーでやる、千早ちゃんへの感謝の手紙なんだけど」
「春香らしいけど、凄く恥ずかしいわ。私は別に、そんなつもりではなかったのに」
 言葉を進める度に、真っ赤になる千早ちゃんが可愛くて、ついついアドリブも入ってしまったけれど、大体の内容は書いてある。
 正直なところ、とめられるのが嫌で、企画が通るまで黙っていたし。放送後に告げるよりは良いのかなって、そう思ったのは後ろめたい気持ちもあったから。
「ちゃんと伝えられる機会って、中々ないから。色々なことを思い出しながら、書いてみたの」
 一緒にいてくれることを、私の手を取ってくれたことを、当時の私は心強く思ったもの。千早ちゃんがいてくれるなら、隣にいてくれる人がいるのなら、大丈夫って、勝手に思い込んでいた。
 でも、それが間違いだったとは思わないよ? 千早ちゃんはいつも傍にいてくれて、今もこうして向かい合っている。私を応援してくれて、私の話を聞いてくれて、私にも応援させてくれる。こんなにも大切な、かけがえのない人と出会えたのだから、私はとても幸せ。
「私ね、千早ちゃんに出会えたことが、本当に嬉しいの。隣にいてくれることに、言葉に出来ないくらいの感謝をしているの」
 幸せとは何か、そんなことに悩んだこともある。アイドルでなくても、それなりには楽しいはずだって、妥協しそうになったこともある。
「凄いんだよ? 私が立ち止まりそうになった時、千早ちゃんの歌が前から呼ぶの。そんなところで良いのって、私を連れて行ってくれるの」
 夢見た場所を、夢で終わらせない為に。前に進めるべき歩みを、止めない為に。
 千早ちゃんの歌が、私を応援してくれた。頑張れって言わないのに、私の心を引っ張ってくれた。
 そんなふうに、私もなりたいって、千早ちゃんに応援されるだけじゃなくて、応援する側にもなりたいって、そう思えたら。きっと、今、ここまでこれたの。
「……春香の勘違いは、今に始まったことではないし、訂正するつもりもないけれど。私の歌が、そんなふうに、春香の笑顔をちょっとでも輝かせているのなら、嬉しいわ」
 顔の赤さがひくことはないけれど、千早ちゃんから伝えられる言葉には、震えや弱さは感じられない。本当にそう思ってくれてるんだって、伝わってくる。
 ただ、1つだけ訂正するとしたら、私の笑顔を輝かせているんじゃなくて、私を笑顔にしてくれているのは、千早ちゃんなんだから。アイドルとして大切なものを、目の前で見せてくれたのだって、千早ちゃんなんだから。もう少し、自信を持って欲しいなんて、我侭かな?
「えへへ。千早ちゃん、いつもありがとう。これからもよろしくね?」
「こちらこそ。いつもありがとう、春香。ずっと傍にいるから、安心して」
 今までへの感謝と、これからの約束。しっかりとしたものではないけれど、それが私達らしくて安心できる。
 大丈夫。千早ちゃんと一緒なら、どこへだって行ける。なんだって、目指せる。そんな勇気がわいてくるよ。
 
――この勢いで、告白出来ればいいのになぁ
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