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ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
プロフィール
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らさ
年齢:
37
性別:
男性
誕生日:
1986/07/28
趣味:
SS書き・ステカつくり
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似合う服装って、大切だと思います。
(書くこと無い……)




 自分にないものを求め、持ちうる人を尊敬する。それ自体は間違った行為ではないけれど、敬うだけでは何も手に入らない。
 変わるべきは自分であって、既に出来ている人に憧れることではない。憧れているだけでは、追いつくことなんて出来ない。
 そんなのは、きっとみんな分かってる。分かった上で、努力することを諦めてしまう。私には無理だと、簡単なほうへと逃げていく。
 言い訳を並べ、自分を正当化し――私も、そんな道を歩いてる。
 
 
     あなたの色
 
 
 女の子らしい服装とは、どういったものなのか。女の子らしい仕草とは、どういったものなのか。
 そういった疑問が出てきてしまった時、私の脳裏に描かれるのは、決まって彼女の姿。天海春香が笑い、私へと手を伸ばしてくれる姿だ。
 似合うかどうか、どういった問題もあるけれど、私にとっての女の子らしさは、そのほぼ全てが春香を基準に決められる。
 テレビを見ている時も、演出の指示を確認する時も、何かを考えている時も。常に基準としているのは、春香だ。
 お菓子作りが趣味で、いつも可愛らしい物を身につけて、ふんわりとした雰囲気を漂わせ、何よりも笑顔が似合う。誰に聞いても、春香が女の子らしいことに、疑問を抱く人はいないでしょう。
 もちろん、私だって諦めている訳ではない。彼女と一緒に出かけた時、笑われるのも、哀れみの視線を向けられるのも、耐えられるものではないのだから。私は、私なりの努力はしているつもり。
 ただ、その時にお手本にしているのは春香であり、お手本にしている以上、春香と並び立つことは出来ない。芸能プロダクションに所属しているから、他にもおしゃれな子はいるし、可愛い子だっている。スタイリストさんに顔馴染みがいないわけでもなく、聞けば教えてくれそうな人の心当たりだってある。
 それなのに、私の頭の中には、常に春香を参考にしようとしてしまう。
 失敗したとしても、笑う人はいないから、一度くらいは自分で考えた可愛いコーディネイトを披露してみればいいのに。そういうのは似合わないと、自ら道を閉ざしている。
 まぁ、似合わない格好をしているわけでもなく、誰かを不快にさせるような服装でもない以上、無理矢理変わる必要はない。
 ただ、個人的な意見としては、春香に褒めて貰いたいから、ちょっといつもより可愛い格好をしてみたいと、そう思っているだけ。
 変わることを恐れない、そういった強さも見せられたらいいななんて、ちょっと思ってみただけなの。
「これは、ちょっと違うわね」
 鏡の向こう側から、冷たい一対の目が私のことを見つめている。
 雑誌に写っていた、フリルをふんだんに使ったドレス。確かに、それ単体で考えるのなら、可愛いし、異論を唱えるつもりはない。女の子らしさを、詰められるだけ詰め込んだ、ため息の出そうなデザイン。
 ただ、モデルとなる人物が変わると、ここまでイメージが変わるものなのね。服に着られている印象をぬぐうことが出来ず、違和感を発する要因となっている。鏡の中に移っている自分が、まったく別のものに思えてしまう。
 普段の色使いと違い、パステルカラーに寄せてしまったから、自分へ感じる違和感だってすごい。
「くっ」
 髪色が目立つことや、配色に関する違和感だけであれば、慣れればいいのかもしれないけれど。この服、思った以上に体のラインが出てしまう。
 お腹や腰は良い。贅肉をつけている覚えがないから、我ながらいい感じ。上から下にかけて、スマートなラインが描かれているのは、我ながら感心できるレベル。
 ただ、胸だけは。ここに関しては、どうしようもない。普段は意識しないようにしているけれど、服装でごまかしているつもりだったけれど、このドレスではダメ。
 可愛さだけでなく、女の子であることも強調できるようにと、デザイナーは考えたのかもしれない。ただ、私のような体型の者からすれば、胸元のみフリルが取り除かれ、シンプルな形になっているのは、悲しい現実を直視させるだけのもの。
 せめて、春香くらいのサイズがあるのなら、気にしなくても良いのかもしれないけれど。幾度となく、言われている身としては、これを着て、街に出るような勇気はない。
 悔しい気持ちもあるけれど、この服装で、春香に会うことは出来ない。
「やっぱり、本人に着せるのが一番ね」
 以前に予定していた買い物が、雨で流れてしまった。
 だから、元々予定していた以上に、楽しい時間にしようと、私なりに頑張っているつもりなんだけれど、ちょっとハードルが高かった。春香に似合いそうな、試着室から出てきた彼女が、満面の笑顔になってくれる、そんな服を探しに着たのに。
 私がモデルをするのと、春香がモデルをするのでは、全く感想が異なってしまう。
 スレンダーと、みんなが気遣ってくれるシルエット以外、褒めるところのない私。どうしても違和感がぬぐえず、何よりどんな表情をしていればいいのか、そこが分からない。
 これが春香であれば、楽しんで着てくれたはず。デザインに、雰囲気に、可愛い感想を添えてくれたであろうことは、想像するだけで分かる。
 柔らかく微笑んでくれる彼女に、このドレスの持つ雰囲気は、十分にマッチするでしょ。違和感を発する要素などどこにもなく、春香の為に作られたかのように、ぴったりなはず。
 街中を歩くには、ちょっと不向きかもしれないけれど、緑の多い公園とか、自然のある場所でなら、まるで春香自身が花であるかのように、私は錯覚するのかもしれない。
 華やかで、それなのに自己主張は弱く。そっと、そこに咲いている様な、可愛らしさが全開になること、間違いなし。
 はぁ、想像するだけで、表情が崩れてしまうのが分かる。さっきまでは、発せられる違和感に、不機嫌になっていたはずなのに。春香の姿を想像するだけで、幸せが広がっていく。
 春香は私の笑顔を良く褒めてくれる。
 けれど、彼女の笑顔と比べるのなら、私の固い笑顔など、並べるにも値しない。周りに幸せを伝えるような、そんな笑顔は私には出来ない。きらきらと輝く、太陽のような笑顔を浮かべることは出来ない。
 自分を低く評価するような、そんなことをするつもりはないけれど、事実は受け入れなけば、次へ進むことは出来ないのだから。
 私は、私に出来ることを輝かせて、春香の隣にいるほうが、ずっと建設的よ。
 お互いにアイドルである以上、成長し会えるような仲でいるほうが、ステキに決まっているわ。
「そろそろ、ね」
 春香との待ち合わせは、昼過ぎ。朝からいくつかの店舗を回り、ここが最後の予定だったから、何も問題は無い。
 順準備が順調に進んでいるのだから、今日のショッピングは成功するはず。春香の笑顔を、私は見られるはずだから。
 
――さぁ、輝く未来に踏み出しましょう。
 
 
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