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ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
プロフィール
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らさ
年齢:
37
性別:
男性
誕生日:
1986/07/28
趣味:
SS書き・ステカつくり
自己紹介:
コメントを頂けると泣いて喜びます。
リンクフリーです。
ご報告頂けたら相互させて頂きます。


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yakisoba_pan◇hotmail.co.jp
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千早ちゃんのシルエットってずるいですよねー
逆光とか、絶対に惚れますよ。春香さん、暴走しますよ。

・w・) そうであってほしい!




 誰かを好きになるのに、理由なんて要らない。そこにあるのは、ただ純粋な気持ちだけで、何かを考えたりするような、余裕はないはずだから。
 自分の気持ちに気付けた幸運と、相手を好きになれた幸運を抱きしめていれば、それで良いの。難しく考えようとしなくて良い。
 私達の幸せに必要なのは、認めることだから。
 
 
     後姿に恋をする
 
 
 すらっとしたシルエット。けれど、その体から大きな音が生まれるのを、私は知っている。強さと柔らかさを持ち合わせ、聞く人を幸せにしてくれる音。私の大好きな、千早ちゃんの声。私の耳に残り続け、離れなくなってしまった声。
 千早ちゃん自身に自覚はないみたいなんだけど、幸せな反面、聞こえていない時は、心を締め付けられるような寂しさに、苦しめられるんだ。
 ほっそりとした彼女だからこそ、風にあおられた髪が、大きく広がる様は美しい。まるで羽ばたくかのように動いて、流れるように影を変える。その姿は見惚れるには十分で、同性であるはずの、見慣れている私でさえ、声をかけるのを躊躇ってしまう。
 硬さを持った美しさ、それが千早ちゃんの心を、道を進んでいく上での力強さを感じさせて、邪魔しちゃいけないって、思っちゃう。
「綺麗だから、仕方ないよね」
 千早ちゃんは、意識することなく私を惹きつける。離れられなくなるように、手を伸ばしたいと願うように、視線を向けることすらせずに、誘惑して来るんだ。
 何も考えていないからこその、ありのままの無防備な姿を。頑張っている姿を、私に見せてくれる。
 唯一の問題があるとすれば、意識していないからこそ、私以外の人にもこの姿を見られていること。朝早く事務所に来れば、声出しをしている、千早ちゃんを見れてしまうということ。
 アイドルとして、少しは気をつけてもらわないと……ううん、女の子として気をつけてもらわないと、私の心が嫉妬で埋まってしまうよ?
 それにしても、千早ちゃんの持つ魅力って凄いよね。一度捕らわれてしまった視線を逸らそうと、関係ないことを考えようとしているのに、頭の中に何も浮かんでこない。今日のレッスンとか、次のオーディションのこととか、電車の中では考えていたはずなのに。全てがどこかへ行ってしまった。
 声をかけなきゃいけないのに、待ち合わせをしているのに、どうして声をかけちゃいけないような気持ちになるのかな?
 ずっと見ているだけでは、何も始まらない。自分から踏み込んでいかないと、何も始まらないのに。どうして、千早ちゃんに声をかけることを、躊躇ってしまうの?
 今のこの時間を壊したくないって、もう少しだけ見ていたいって、心が望んでいるから、私は声をかけられないの?
 それって、アイドルとしては、よくないことだよね?
「でも、綺麗」
 見慣れている姿、触れたことのある髪。それなのに、私を惹きつけて離さない、彼女の後姿。
 いつもは正面から見ているから、珍しいと感じているのかな? 見慣れているはずの千早ちゃんに、まだ知らないところがあるって期待しているのかな?
 うん、そうかもしれないね。
 目を閉じて集中しているはずの彼女を見ることなく、声だけを聞いている。呼吸を確認するために添えられている手、それを見るのではなく、影を作る腕を見ている。髪の毛に見え隠れする背中は、私の知らない場所みたいで、ちょっとだけドキドキしてしまう。
 パンツルックが多くて、余り意識したことはなかったけれど、均整の取れた体において、千早ちゃんのお尻って凄いよね。触ってみたいって、そう感じさせる何かがある。
 そしれ、そこから下へと繋がるライン。硬い影に覆われるそこが、とても柔らかいことを私は知っている。すらっとした、羨ましくなる美脚。海辺の撮影とかで水着になるとき、千早ちゃんは胸を隠そうとするけれど、あれって足に目がいってしまうから、あまり意味はないと思う。私なんて、側にいるだけでソワソワしちゃって、誤魔化すためにイタズラするしかないもん。
「あはは、こんなこと考えてるってバレたら、怒られちゃうね」
 千早ちゃんは、どんな私も受け入れてくれると思う。春香が望むならって、全てを叶え様としてくれる筈。
 だからこそ、私は無理を言えないし、恋人関係になることを、周りが認めてくれたんだって分かってる。あんまり目立つようなことをして、スキャンダルにでもなったら、事務所のみんなに迷惑かけちゃうから。私達を応援してくれる人に、迷惑をかけることになるから。口に出さない程度には、自制しないとね。
「千早ちゃん、送れてゴメンね。待った?」
 楽しい1日を始める為に、アイドルとしての1日を始める為に、私の一歩を踏み出そう。彼女の背中に声をかけて、私だけの幸せな世界から、抜け出そう。
 大丈夫だよ。始まれば、こっちの世界も楽しいから。私はソレを知っているから。千早ちゃんとのお楽しみタイムは、もう少し後にとっておこう。
 今は眩しい笑顔に照らされて、光の世界へと歩き出そう。
「おはよう、春香。まだ時間まではあるし、待ってなんてないわ」
「えー? 私に会えるのが楽しみで、早く来てくれたんじゃないの?」
 軽いノリで楽しめる会話も、私達が歩き出すためには必要だから。互いが隣にいることを確認出来る、大切なことだから。
 千早ちゃんがいて、私を見てくれる。他の誰でもない、私の大好きな彼女が、手の届くところにきてくれる。これって、幸せなことでしょ?
 他の誰も知らない、他の誰にも見せられない、私と千早ちゃんだけの時間だね。
「……別に急いではないわ。ただ、春香に会えると思ったら、早く目が覚めてしまっただけよ」
 うわー。みなさん、分かりますか? これが、私の恋人である千早ちゃんです。真剣な顔で自主トレをした後に、こんなセリフを堂々と言うんですよ? これで笑顔になるなというのが、無理な話です。
「えへへ、ありがとう。そう言ってもらえると、嬉しいな」
 手を握ってもいいですか? 抱きついてもいいですか? むしろ、このまま押し倒して、キスしてもいいですか?
 許可が出ないのは分かってます。でも、聞かずにはいられないくらい、私の心は大荒れで、今日のスケジュールがどこかへ飛んでいってしまいました。
 もう、今日は私達2人で動かなきゃいけないのに、最初から飛ばし過ぎだよ。仕事にならなくなったら、責任取ってくれるのかな?
 自分の欲望に負けるつもりはないし、千早ちゃんを泣かせるつもりもない。夢も、仕事も、恋も、全部を諦めないって決めたから、時と場所くらい選ぶよ。ちゃんとしないといけない時には、きちんとアイドルします。
「は、春香はどうなの? 私と会いたくてその……」
 ただ、真っ赤になってくれる千早ちゃんが目の前にいるんだから、今くら良いよね? 私達の他に誰もいないはずだから。こんな時くらい、恋人らしくても良いよね?
「早く着ちゃったよ? 待ち合わせ時間まで、後1時間以上もあるのに。千早ちゃんに会いたいって思ったら、のんびりなんてしてられないから」
 初めての恋だから、どうすれば良いか分からないことが多い。どんな顔をして千早ちゃんに会えば、もっと好きになってもらえるのか。どんなオシャレをすれば、千早ちゃんに喜んでもらえるのか。雑誌を読んでも、そこに書いてあるのは男の子に喜んでもらう方法ばかりで、アテにならない。何より、千早ちゃんのことなんて、全然載ってないもん。
 だから、どうしていいか分からない。分からないから、全力でぶつかるよ。私が思ったことを、そのまま千早ちゃんにぶつけるの。
「良かった。私だけはりきっていたらどうしようって、少し不安だったの」
「えへへ、そんなことはないよ。それに、千早ちゃんが楽しみにしてくれるなら、私だって嬉しいし。どうしたいのか、そのまま伝えてくれると嬉しいな」
 私は全部で千早ちゃんにぶつかっていく。もっと千早ちゃんのことを知りたいから、私のことをもっと知って欲しいから、手加減なんて出来ないよ。
「ねぇ、千早ちゃん。私達の進む道って、分からないことばかりだね」
「そうね。時々怖くなることもあるくらい、分からなくて、広い道ね」
 分からないことに怯えない。分からないから、飛び込んでみる。そんなふうに前を向き続けられるのなら、涙を流しても歩き続けられるのなら、きっと道は拓ける。真っ直ぐじゃなくて、曲がりくねって、寄り道なのかもしれないけれど、私達は前へと進んでいく。
「でも、分からないのは仕方ないよね? 誰も見たことのない場所を目指して、私達だけの場所を目指しているんだから、分からないのが普通だよね」
「そうね。分からないからと怯えるくらいなら、失敗してみましょう。挑戦したみたことで、得られることはあるのだから。夢にも、春香にも、私は挑戦し続けるわ」
 何か、スイッチ入ったのかなぁ。さっきから、千早ちゃんが凄く格好良いだけど? いつもなら聞けないセリフが飛び出してくるし、真っ赤になることもないし。これが、やるべきことを見つけた、千早ちゃんの持つ強さなのかな?
「千早ちゃん、ちょっとだけ恥ずかしいよ」
「ごめんなさい。ただ、思ったことを伝えただけよ? 春香も一緒なんでしょ?」
「うん、一緒だよ。千早ちゃんとの関係を諦めたり、夢を諦めたりは出来ないよ。でも、はっきりと口に出せるような強さは、まだないかな?」
 ダメだね、千早ちゃんの強さを、羨ましがるようなことばかり言ってちゃ。私だって強くなりたいから、もっと頑張らないと。
 千早ちゃんが好きだって気持ちは、誰にも負けない。千早ちゃんが私を想ってくれている気持ちにだって、負けられない。世界で1番じゃないと、満足出来ないから。もっと好きになって、もっと強くならないと。守られるような恋はしたくない。
「大丈夫よ。今回は、たまたま私が言えただけ。いつもは春香がリードしてくれるでしょ? そんな顔しないで」
「でも、ほら、やっぱり言えた方が良いかなって。そう思うから、私も頑張るよ」
 気持ちを伝えられることは素敵だから、その幸せを自分から閉じたりなんかしたくない。2人でいられる時間を、2人でいる時間を、もっと大切にしていきたい。
 その為に、私は強くなる。まだまだ、この胸の想いを伝えたりないから、どんどん強くなる。その時に驚いたりしないでね。
 
――今日も私達の時間を始めよう
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