ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。
※ 百合思考です。
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らさ
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1986/07/28
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ありささんにラジオ番組やって欲しい
・w・) うるさそうで、面白そうだし
・w・) うるさそうで、面白そうだし
きっかけは小さなもので、始まりは唐突に訪れる。
それを予期することなんて出来なくて、だからこそ面白い。
ここは、そんな驚きが溢れている世界だから。私から始めても、良いですよね?
企画の足跡
パラリ。
人気のない部屋は静か過ぎて、めくられる紙の音が大きく感じられる。
光の反射しているレンズの奥は、そこにあるはずの瞳を伺うことすら出来ない。
パラリ。
めくられていく企画書は、先ほどで移出したもので。素人の作ったものだから、読みやすいとは言えないはず。
やりたいことを詰め込んで、分かる限りのことを詰め込んで、胸の内に秘める熱を詰め込んで。ぎゅうぎゅうに、なんとか形にしただけのもの。
それなのに、律子さんは真剣に読んでくれている。自分の時間を削って、色々なことを考えながら、読んでくれている。
時々戻る指は、何かを考えていることを表し、形を変える眉は、先のことを想像しているのかもしれません。アイドル兼プロデューサーとしての真剣な顔。いつもであればシャッターチャンスであるはずなのに、流石に今は無理です。
この雰囲気の中でカメラを構えられるほど、ありさは強くありません。今出来ることは、良い反応をもらえるように、祈るだけです。
「ふぅ……企画書の雛形あげるから、次はそれで書いて頂戴」
時間にすれば、5分ほどでしょうか? ここまで緊張したのは、初めてステージに立った時以来かもしれません。ただ、あの時はみんなが後押ししてくれました。大丈夫だよって、笑顔で送ってくれたんです。
それに比べて、今この場で感じているのは、笑顔からは遠いもの。笑顔にするための、企画だから当然な話ではあるんですけど、ありさとしては、こういった真面目な雰囲気には、慣れませんね。
自分の考えていることを形にする上で、ただ望んでいるだけでは意味がないと、出来る努力を放棄するのはいけないことだと、教えてもらいました。実現したいのなら、その為の手段を、正式な形で踏めば良い。そうすれば、少なくとも門前払いにはならない。やる気があることだけでも、認めてもらえるはず。
まぁ、そう教えてくれたのは、律子さんなんですけどね。アイドルとしても、プロデューサーとしても、手を抜くことはなく、毎日忙しそうですが。その分、充実されているのでしょう。
憧れる部分もありますが、将来の夢としては――まぁ、逆立ちしてもなれないでしょう。ありえない可能性を考えるくらいなら、企画書の書き方を勉強しましょうか。
「正直、まともに書いてくるとは思わなかったわ」
「そうですか? 書き方を教えてくれたのは、律子さんですよ?」
口にするだけでは、望みは叶わない。自らの願いを通したいと思うのなら、企画として、きちんとした形で出しなさいって。
「やりたいことを口にするのは簡単よ。だからこそ、それを形にする為に、企画書を自力で作ってくるとは、思っていなかったの」
自分のやりたい事を、どんどんと詰め込んでいく。組み立てていき、現実的な話へと落とし込んでいく。その上で、この企画が765プロにとって有益なものであること、アイドルとしての未来につながっていくものであることを、データと照らし合わせながら書き出していく。
「最初は結構大変でした。どうやって書けばいいか、分からないことだらけで」
ありさ、勉強が大好きなわけではありません。アイドルデータベースの更新と、勉強はまったく違いますから、面白いと思えませんでした。
だから、真面目に考えていこうとすると、どんどんと不思議な形になりました。プロデューサーさんを説得することに集中し過ぎて、変なものも出来上がりました。途中であきらめようとしたのだって、1度や2度ではありません。
ただ、それでもやりたかったんです。ありさがもらった、過去にアイドルちゃんたちからもらったモノを、少しでも伝えたかったんです。一瞬の輝きの為に頑張る、笑顔を見せてくれるみんなのことを思うと、あきらめちゃいけないんだって、ちょっとずつ形になってきたんです。
これが最高のものだとは思いません。でも、ありさの気持ちを伝えるために、今出来ることを詰め込んだ、今までのデータベースを行かせるものになっているのは、事実です。
「そんな時、みんなが助けてくれました。ありさのやりたい事を応援してくれて、色々なアイディアをくれたんです」
今をときめくアイドルちゃん達、ありさと同じシアターで頑張るアイドルちゃん達。応援してもらって、元気にならないはずないです。ありさのわがままなのに、みんな応援してくれましたから。必ず形にするんだって、教えてくれた律子さんに見せるんだって、今日ここまで、どうにか出来ました。
「実際、亜利沙を頼りにしてる子は多いわよ。私も、暴走していないのなら、色々なことが任せられると思ってるわ。調子に乗ってはダメよ? そして、落ち込んでもダメよ」
「えへへ……ありさもアイドルちゃんですから。最近、そこら辺がわかり始めた気がします」
ありさは、アイドルちゃんが大好きです。大好きだから、自分のことをアイドルちゃんだと、そう認めるのは怖かったんです。大好きなものに、自分がなるだなんて、おかしなことだと思っていました。
そうじゃないのに、好きなものが壊れたりはしないのに、なんだか怖かったんです。
でも、ありさは知っています。今のありさは、知っているんです。
ありさにだって、ファンがいます。沢山のアイドルちゃんの中から、ありさを応援してくれる人がいるんです。
レッスンも受けてます。次のライブで見てもらうために、アイドルとして成長したありさを見てもらうために。今までのありさとは、全く違う新しいものを見せるんだって。
「ありさ、1人じゃ何も出来ません。でも、みんなと一緒なら、沢山のことが出来ます」
今回、ありさがするべきことは、レッスンではありません。歌詞を覚えることでも、ダンスの練習でもありません。
今まで集めたデータベースを見直して、どうすれば、アイドルとして輝けるか、みんなが輝くかを考えることでした。
その結果が、今回の企画書。ラジオ番組の立案でした。
もちろん、やりたい事を決めた後でも、問題となることはいっぱいあります。
ありさ達は、知名度が足りません。だから、メジャーな放送局で取り扱ってもらうのは、難しいでしょう。その上、テレビとは違って、顔が出ないんです。ゲストさんの為に、ステージを用意することも出来ません。歌うことだって難しいです。
お仕事として引き受けてくれるアイドルちゃんは、正直いないと思います。将来性を考えて、プラスになると考えてもらうのは難しいです。
そこらへんの事情は、企画書にも記載はしました。律子さんだって、知っていることです。
でも、ありさ達に手段がないわけではないです。
「みんなと、ね。その結果が、このネットラジオなの?」
「はい。必要な設備が少なくて、お手軽なので聞いてもらえる機会も増えます。そして、カメラが回っていないから、緊張しやすいアイドルちゃんでも、大丈夫かなーって、そう思ったんです」
普通のラジオ番組は、放送局で取り扱ってもらわないと無理です。狭い範囲に限定すれば、ゲリラ的なことも出来ますけど、それでは許可をもらえないでしょう。
だから、設備投資の面でも、聞く側の都合を考えても、ネットラジオの形を取るのがいいと、ありさは思います。シアターの一室を貸してもらえるのなら、ウェブ上の場所を用意してもらえるのなら、ありさが頑張っちゃいます。
そして、シアター内で収録するのなら、ゲストは沢山いるんですよ。むふふ、50人ものアイドルちゃんが所属しているんですよ? 毎週別のゲストを呼んだとしても、1年もかかっちゃいます。2人来てもらえばすごく賑やかになります。
なにより、カメラが苦手なアイドルちゃんには、トークやMCに慣れるための場として、活用してもらうことも出来ちゃうんです。
ありさも嬉しい、みんなにもお得感がある。これなら、結構良い反応が貰えるんじゃないですか?
「知名度がないのを逆手にとって、ついでに露出の場所も増やそうってことね。グッズとしてブロマイドやCDを出していけば、活動の一部としては十分でしょ。公演の時に宣伝すれば、そっちの手間も省けるし、イベント会場としてみることも可能ね。放送局を前提としないから、説得するのはそんなに難しくもない――結構、良い線行ってるわよ? ちょっと甘い部分もあるけれど、及第点でしょ」
「ホントですか? わぁ、律子さんにそう言って貰えて、嬉しいです」
教えてもらったことを、ちゃんと形としてお見せすることが出来て、ちょっと嬉しいです。正直なところ、内容を見た瞬間に怒られるんじゃないかって、ちょっとだけ怖かったんですよ。
「ただ、油断しちゃダメよ? 社長に見せる企画としては、まだ甘いところがあるわ。私も手伝うから、一緒に完成させましょ」
「良いんですか? 律子さん、忙しそうですけど……」
「忙しいから、早く終わらせるんでしょ? 本来この作業は、プロデューサーである私のものよ。でも、企画としては亜利沙のものでしょ? だから、一緒にやるのよ」
んー、ありさとしては難しいことは分かりません。
ただ、律子さんに手伝ってもらえるのなら、心強いです。やっぱり、頼りになりますね。
――さぁ、お楽しみはこれからです
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