ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。
※ 百合思考です。
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1986/07/28
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ラジオSS無理ぽ
ふつおたコーナーまで書いて、無理だと判断しました。会話文まみれになっちゃう。
1ヶ月ほど書いてましたが、全部無駄になりましたとさ、チャンチャン
そんな感じで、不貞寝後でしずしほ書きました
ノリで書いたから、不思議な展開になったけどきにしなーい
どーにも重くなりがちなCPなんで、もっと軽く書けるテーマでも探しますかなぁ
ふつおたコーナーまで書いて、無理だと判断しました。会話文まみれになっちゃう。
1ヶ月ほど書いてましたが、全部無駄になりましたとさ、チャンチャン
そんな感じで、不貞寝後でしずしほ書きました
ノリで書いたから、不思議な展開になったけどきにしなーい
どーにも重くなりがちなCPなんで、もっと軽く書けるテーマでも探しますかなぁ
努力して手に入れる結果、努力をしなくても手に入る結果。
過程は違っていても、手に入るものが変わらないのなら、人は努力を放棄してしまう。
どこにでもある
昨日もケンカした。1週間くらい前にもケンカした。
でも、彼女は私のそばを離れることなく、今も寄り添うような位置にいてくれる。
お互い、嫌いなわけではないの。単純にやりたいことが違って、考え方が違うだけ。最初にやろうとすることが違うから、いつもぶつかる。
普通、考え方が合わないのなら、仲が悪くなるものらしい。ここまで頻繁にケンカをするのなら、仲良くなることはないと言われた。
確かに、その通りだと思う。考え方が合わないのであれば、話をしようとは思わない。ケンカすると疲れるから、近寄らなくなる。その結果として、仲が良いと呼ばれるような関係にはならないはず。私だって、そう思う。
ただ、例外というものは世の中に存在するし、今回はたまたま、私自身がその例外になってしまっただけのこと。困るようなことでもないし、都合のいいことのほうが多いから、今の関係を止めようとは思わない。
そもそも、私と彼女の関係は複雑なものになってしまったし、共有されている秘密も多いわけだから。簡単に離れたりは出来なくなっているのも、事実。
「悪くはないわ」
今の関係がどれだけ続けられるのか、どんな形にたどり着いてしまうのか、それは分からない。最終的に、ケンカしたまま修復出来なくなるかのしれないし、もっと深い仲になることを望むのかもしれない。
どんな未来につながっていたとしても、それを受け入れるしかないのだから、今悩んでも仕方ないのよね。
「次のライブの話? それとも、今後の展望?」
「今の、この状況よ。居心地が良いわ」
視界の外から、聞きなれた声がする。私にとって大切な、かけがえのない声。どこまでも突き抜けていくような強い声で、昨日は感情的になって私を否定した声。
対立したときの声の強さも素敵だと、そう感じてしまっている今は、コレ無しで生きていくことは考えられない。私のぞばにあって、私を包んでくれて、力をくれる。
面と向かって感謝をすることはないけれど、彼女の声に勇気付けられたり、背中を押してもらった回数なんて、数えられない。それほどまで、私の中に入ってきている。
「静香の背中、温かくて気持ち良いの」
スマートフォンで、家族と連絡を取っている間、彼女は私に話しかけたりはしない。私が家族を大切にしていることを尊重してくれるし、私にとってこの時間もまた、大切なものだって分かってくれるから。
今だってそう、この部屋にいるのは私達だけなのに、背中合わせで座っている。別に、内容を覗かれたところで困ったりしないのに、彼女は気を使ってくれる。私の気も知らないで、いつも通りのお堅い、最上静香でいる。
「そう? ちょっと丸めると、背骨があたったりして、少し痛くない? それに、2人だけなのに、背中合わせなのもおかしいわ」
やっぱり、ズレている。
彼女の言うおかしいは、わざわざ背中を向ける理由がないという、ただそれだけのこと。私みたいに、何かを期待して言われているものではないということは、言葉の堅さから伝わってくる。
これで恋人関係だって言うのだから、他のみんなには伝えられない。絶対に笑われるし、恥ずかしい思いをするだけだから。
そもそも、静香ときたら、私と一緒にいる時間よりも、未来といる時間の方が長くない? 今までの流れを急に変える必要はないと思うし、隠しておくべきだって意見も分かるけど、それを踏まえたとしても、納得いかないわ。
私は恋人なのよ? 想いを伝え合ったし、将来をどうするのか一緒に悩む、そんな仲でしょ? アイドル仲間、友達だけじゃないのよ?
それなのに、どうして? どうして、私より未来に話しかけるの?
昨日だって、それにイライラしたから、言葉にトゲガ混ざったし。しなくてもいいケンカになったのよ? そこらへん、ちゃんと分かってくれてるのかしら?
「求め過ぎ、なの?」
みんなに注意されることもある、私の中の意見。大体それは尖り過ぎていて、自分も傷つけることになると言われる。
分かってはいるつもりなの。過去にプロとしてのあり方を勘違いしたから、恋人としてのありかたを勘違いしていることも十分ありえる。友達との関係を制限するつもりはないし、静香がすること全てに干渉しようとは思わない。そこまでするようになってしまえば、私は静香の形をした、私の望む人形に恋をしていることになるから。2人でいる意味が、全て失われてしまう。
ううん、多分、この考え方も良くない。コレに関しては静香にも言えることだけど、考え方に余裕がないわ。1つ失敗すれば、全てが終わってしまうような、追い詰められて状況でもないのに、心に余裕を持てていない。
イヤね、こんなことでは、またケンカになってしまう。
「ねぇ、志保。今って、私達だけよね?」
「ええ、まだレッスンが終わるまでの時間があるし、この後の打ち合わせ、追加でくるメンバーはいないはずよ」
言葉と一緒に伝わってくる振動。大きな声を出しているわけでもないのに、芯があるように感じるのは、こういったところが関係しているのかしら? 歌っている彼女に惹きつけられる理由、恋愛感情とはまた違った、憧れにも誓いもの。こうして触れていると、ちょっとだけ分かる気がする。
「だったら、その。ちょっとだけ、良い?」
「惜しいわね。そこで何も言わずに、スマートに出来れば、高感度も上がるのに」
「……志保の採点は厳しいわね」
厳しい? 別にそんなつもりはないけど、静香が言うのなら厳しいのね。ちょっと気をつけたほうが良いのかしら?
確かに、恋人の対応を採点するなんて、おかしいのも分かるけど。そうでもしないと、やってられないのよ。どこかで客観的な視点を持てるようになってないと、危険なの。静香は世話焼きだから、私のやるべきことまで手伝ってくれるし、私の予定を把握していて、買い物にまで付き合ってくれるし。私の視点だけで見ていると、凄く頼りになるから。どんどんと深みにはまりそうで、自分を保てなくなりそうで怖いわ。
その上、ちょっとしたことで凹んでみたり、好きな食べ物を前にしたら止まれなくなったり、納得出来ないことに向きになってみたり――その、可愛いから。頼りになる静香とのギャップが、私の心をもっと近づけようとするから。油断できないの。
「それで、私はどうすれば良いのかしら?」
この甘え方だってそう。恋人なんだから、もっと堂々と言えばいいのに。私だって、色々やってみたいことはあるから、断るつもりだってないし。静香って、変なところで遠慮したりするのね。
悪いとは言わないけれど、対等な立場で見れなくなってしまうから、毎回こんなふうになるのは止めて欲しいわ。
「膝枕、してみたいんだけど。良いかしら?」
「眠いのなら、ソファーの方が良いと思うけど? また、遅くまで起きてたの?」
この後は打ち合わせであって、レッスンではない。初めて顔を合わせるメンバーがいるわけでもないし、気を抜けば眠気に負けてしまうこともあるかもしれない。居眠りする静香なんて、想像できないけど。
それよりも心配するのは、いつも通りの無理をしていないか。どこかで手を抜いたりするのが出来る子じゃないから、睡眠時間が減っているのかもしれないわ。短い睡眠でも、疲れを取る方法はあるみたいだけど。そうね、吸収効率の良いメニューとか、快眠方法を調べておきましょうか。それくらいしか、力になれそうにないし。
「そうじゃなくて、私がしたいの。志保に寝て欲しいの」
「私が寝るの? 別にいいけど、眠くはないわよ?」
なるほど、そのままだったのね。
恋人らしいといえないこともないけど、普通して欲しいってお願いするものじゃないのかしら? したいってお願いするのは、ありなの?
まぁ、別にいいけど。女の子同士の恋人なんて、あんまりいないし。私だって、静香以外の人好きになったことないから、そういうの分からないし。静香がしてみたいのなら、それで良いわ。
「ええ、大丈夫よ。そのままお喋りしましょう」
私の返事が嬉しかったのか、さっきまで大人しかったはずの彼女がはしゃいでいる。膝枕が出来るって、そんなことで喜んでいる人初めて見たわ。
とりあえず、今見てるレシピサイトをブックマークして……いつまでも背中合わせなのはおかしいわね。観念して、膝枕されましょうか。
「ありがとう、志保。私嬉しいわ」
「そんな笑顔で言わなくてもいいでしょ? その、されるのは私なんだし」
膝枕。想像したことがないといえば、嘘になる。心が穏やかになれそうな、良い感じになれそうなシチュエーションだって、ちょっと憧れたりもした。
ただ、違いがあるとすれば、劇場でされることになるとは思わなかったわ。今度、ピクニックにでも誘ったほうが良いのかしら? その時は、私がする方で、静香がされる方だけど。
それにしても、今日はスカートだった気がするんだけど、私大丈夫かしら?
「さぁ、どうぞ」
「言われなくても、お邪魔するわ」
背中から離れた温度に、寂しさがないわけではない。ただ、それを気にしているだけの、名残惜しんでいるだけの余裕は、私の心にない。
膝枕はするものだと思っていたから、される側になるなんて思っていなかったから。ちょっと戸惑っているだけよ。
別に静香がスカートだから、緊張しているわけではないわ。ロングだから、大丈夫よ。平常心を保っていられるわ。
「どう、かな? 硬かったりしない?」
「やわらかいわ。それに、良いにおいがする」
「におい? 心当たりはないけど?」
静香のにおいよ。あなただけがまとわせてる、落ち着くにおいなの。
そのまま伝えれば変な目で見られそうだし、喜ばれても困るから、伝えないけど。どちらにしても、このギリギリの状態で、硬いかやわらかいかなんて、とんでもないことを聞いてくるわね。
硬いわけないでしょ? 静香のふとももよ? 頭の下だったり、髪の毛の向こうだったり、こんなにも近くに、ふとももがあるのよ?
そんな状態で、聞いちゃいけないことがあるの。それくらい、分かってよ。
好きな人に膝枕されて、嬉しいって感情が溢れてるのに、そこに感想を求めないで頂戴。変なことを口走らないか、ちょっとだけ自信がないわ。
心を落ち着けようとして深呼吸すれば、静香のにおいに包まれてしまう。まるで抱きしめられているかのような、錯覚に陥ってしまう。今なら全てが許されてしまうと、変な考えが生まれてしまう。
だからといって横を向けば、ほほのすぐ下に、布一枚の向こうに静香のふとももよ? 分かる? この生殺しの状況。こんなにも無防備に広げられて、だからといって触ったり、なでたりすることも出来ず、頬ずりなんてしようものなら嫌われそうな、このギリギリ過ぎる状態。
もしも、ここまでを計算した上で膝枕を選択したのなら、凄いことよ。そうでなくても色々と急上昇中なのに、危険域まで達してしまうわ。
「志保、なんだか辛そうに見えるけど。もしかして、眠かった?」
「別に……でも、そうね。寝るのも良いかもしれないわ」
静香のぬくもりが伝わってきて、僅かな睡魔を呼び起こそうとしているのも事実。いつもであれば抗うそれに、身を任せてしまいたい。
そうすれば、間違いを起こす可能性はなくなる。静香との関係を閉じる、そんな危険性をなくしてしまえる。
「ごめんなさい。折角、2人きりなのに」
「気にしないで。志保が気に入ってくれたのなら、お願いした意味があるから」
喜ぶようなことではないと思うけど、静香が笑顔になってくれるのなら、それで良いわ。私にとっての大切なもの、守りたいもの、作りたいもの。その全てが集まっている笑顔が見れるのなら、それだけで良い。
どちらにしても、今は寝てしまうのが1番の安全策みたいだから。おしゃべりの時間がなくなるのは勿体無いけれど、静香を悲しませる可能性はなくしておきたい。
何よりも、このまま寝られるのなら、幸せな夢も見られそう。私が体験したことがないような幸せを、夢が教えてくれるかもしれない。それを現実に出来るのなら、今寝ることに意味も見出せる。
「おやすみなさい、志保。時間になったら起こすから、心配しないで」
既に遠くなりつつある、静香の声。普段は寝付きのいいほうではないはずだけど、今日は特別ね。
まったく、起きたら色々といいたいことがあるから、覚悟しなさい。私だけこんなに幸せになったら、不公平だわ。
――いつか、あなたを包んでみたい
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