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ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
プロフィール
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らさ
年齢:
37
性別:
男性
誕生日:
1986/07/28
趣味:
SS書き・ステカつくり
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コインを投げて、テーマをきめてみました
うん、今は後悔してるよ!
半年以上、先ですな~

エーリカ × バルクホルン テーマ:冬のイベント(クリスマス) うpです
この2人、恋人になるのがものすごく難しい気がしてきた~


『この冬、恋人と2人で過ごすならコレ!』
『憧れのあの人と行く、冬のスポット』
『クリスマスで決める、彼との関係』
12月に入り、今年もこの季節がやってきた。
外に出れば凍えるほどに寒く、背中を丸め襟元を閉めて歩いている人々。自然の色は白を基調とし、地味にまとめられている。
そう、目に見える風景は地味で、つまらなくて、これから何が始まるのか分からないほどなのに。
女の子向け、特に私達のような年代に向けた雑誌は、赤や緑などの原色をふんだんに使い、ちょっと引いてしまうくらいの派手なものになっている。
「まぁ、クリスマスだし……」
勝手に出てきた声には覇気がなく、これでもかって程に沈んでいるのが、自分自身でも分かってしまう。
恋人と手をつなぎ、イルミネーションの下を歩く。その時は気に入ってもらえるように、寝ないで考えたコーディネートで行こう。アクセサリーも可愛い系でまとめて、いつもよりラメを多く取り入れて。そして、そのまま帰ることなく、その日は一晩中――
なんて、ピンク色だったり、幸せ満開だったりの光景に憧れがないとは言わない。
私だって一応は女の子に分類されるんだから、少しくらいは興味がある。
ただ、どこで狂ったのかも分からず、いつ終わるかも分からない歯車に巻き込まれて、現実はそうなっていないだけ。
想像上の私はダッフルコートを身に纏い、お洒落なカバンを持ってはしゃいでいる。
現実に留まっている私はストライカーを装着し、MG42でネウロイを撃墜している。
降っているのは雪ではなく、ネウロイの破片。雪のように綺麗で、人の命を奪っている破片。
「ハルトマン、帰還するぞ」
「了解、問題ないよ」
警戒網にひかかったネウロイはこいつだけであり、他に敵影は見当たらない。通常兵器で戦うのには難しくても、私達ウィッチにとってはけして無理のない相手。
だからこそ、戦闘中においても他の事を考えていられたし、被弾したり、ミスすることもなかった。
もっとも、それは相方であるトゥルーデを全面的に信用しているだけとも言える。
まぁ、どっちでも良いんだけどね。
どうでも良いことについて悩むくらいなら、昨日見た雑誌を思い出しているほうがマシだよ。
談話室でたまたま見かけたソレは、部隊の誰かの忘れ物だろう。
最前線とはいえ、女所帯であるウィッチ達は、娯楽が必要だ。
ビリヤードやダーツといった渋いものも悪くはないけれど、おしゃれであったり、インテリアだったりするほうが人気がある。
ストレスを溜めてしまうのよりは、そっちで発散してもらう方がマシであると、上層部も一応は理解しているらしく、結構な額の給料が支払われているのが現状だ。
まぁ、私としては本代に悩むこともなく、お菓子が好きなだけ買えればそれで良いんだけどね。服を買ったところで、出掛ける先もないし。
いや、出掛ける先がないというより、そんな余裕がないという方が正確なのかな?
私の所属しているストライクウィッチーズは、戦線上で言うところの最前線。最も危険であり、それと同時に最終防衛ライン的ものでもある。
そんなところに所属している限り、引退以外では普通の生活はただの夢。
勿論、私としてはリタイアなんて考えていないし、魔法力が衰えるまでは飛び続けるつもりだけど。
それでも、時々は羨ましくなってしまう。時々は想像してしまう。
魔法力がなくて、ネウロイへの対抗手段を持たず、怯えていながらも安全なところで暮らせる、私を。銃の扱い方も知らず、ウィッチはただ憧れるだけの存在である、そんな私を。
「ま、そんなのありえないけどねー」
現に私は空を飛び、そういった人達を守っている側の人間だ。
別にそれ自体に不満はなく、それなりに満足感だってある。
もっとも、飛び続けていられるのには、それなりの理由が必要だけど。私の場合は探す必要も、求める必要もなく、一緒に飛んでいられる。
敵影がなくなり、束の間の平穏が訪れている空。そんな場所で、2人きりで過ごせるなんて、中々の特権でしょ?
「どうかしたのか?」
「なんでもないよ。お昼が何かなーって思っただけ」
ウィッチでなければ経験することがなく、ウィッチでなければ知ることも出来なかった世界。
そして、ウィッチであるからこそ、私は彼女の傍にいられるのだから。私を巻き込んでいる歯車にも、少しは感謝すべきなのだろう。
巡り会えたのも、共に戦えるのも、背中を預けてくれるのも、この狂った歯車のお陰なのだから。
死線はそこら中に張り巡らされていて、気を抜けばいつでも飛び越えてしまいそうな世界。そんな中でも笑っていられる強さを、私は手に入れた。
笑って過ごせて、安心して眠れる場所を私は見つけられたのだから、この世界だって悪くはない。
想像の中にある幸せは、引退した後にでも目指せば良い。
「基地が見えた。降りるぞ、ハルトマン」
「はいよー」
それまではこうして、一緒に空を飛べるのなら、それはそれで幸せなのだから。
高望みをする前には、今目の前にある幸せを壊さないように、手放さないようにしないと。

――トゥルーデ、お疲れ様

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