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ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
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らさ
年齢:
37
性別:
男性
誕生日:
1986/07/28
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SS書き・ステカつくり
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あのころ、私は若かった
そんなふうに感じること、ありませんか?

(・w・) 年だな、うん


すずアリ テーマ:昔話 うpです


春を迎えて早一ヶ月。桜も散り始め、掃除が少し面倒になった頃、アタシとすずかは伸びていた。
別に行き倒れているわけではないけれど、連日の忙しさがマシになり、2人して休憩中。
折角の休みなのに……と、思わなくもないけれど、こうやってのんびりと過ごす日々だって大切。
「アリサちゃん、大丈夫? マッサージとかしようか?」
ただ、こんな時であっても優しさを見失わず、アタシを気遣ってくれるのが、月村すずかという少女。
まぁ、アタシ達も二十歳が近づいているわけで、少女と呼ぶのはどうかと思うけれど。そんな無駄なことを、今考える必要はない。
今考えるのは、すずかに気を使わせずに答える方法であり、ついでに気持ちのこもった言葉でも添えられればベスト。
けど、だらけでいるアタシの頭では、複数のことを同時にやってのけるなんて芸当、不可能に等しいのよね。
「いいわよ、そんなに疲れてはいないし。すずかが傍にいてくれれば、癒されるわ」
着飾った台詞が出てくるはずもなく、すずかの胸を打つような言葉を考えることも出来ず、ただあふれたかのように言葉を吐く。
分かり切ってはいたことだけど、やっぱりアタシには向かないのよね。言葉だけですずかを痺れさせようとか、幸せに導くとか、アタシにはちょっと大き過ぎるのよ。
まぁ、簡単に出来ることではないからこそ憧れるのであり、思いつきのように実行して成功するはずもないか。
その程度のことを忘れるなんて、ほんとどうかしてるわね。
「んー、折角傍にいるんだから、何かしてあげたいんだけどな」
「自分自身よりもアタシを優先させようとするクセ。昔から治らないわね」
いつでも、どこにいても、すずかの1番はアタシ。
どこかむず痒く、そして照れくさいことだけど、ホントのこと。すずかは、それ程に気持ちを寄せてくれていたんだ。
「迷惑かな?」
「そんなわけないでしょ? 負担に感じることすらないわよ」
ただ、その反動になるのかしら? すずかは自分の行動に関して、自信を持つことがない。
いつでも失敗を恐れていて、相手の顔色ばかりうかがっていて、どちらかといえば大人しい方だった。
まぁ、そんな子からの気持ちを重荷に感じないのか、負担と感じたことは一切ないのかと問い詰められれば、少しくらいはあったと答えるしかないわね。
事実として、恋人になったばかりのアタシは振り回されていた。、すずかへの想いと、すずかからの想いに翻弄され続けた。
どう受け止めて良いのか分からず、どうやって答えれば良いのか分からず、どんなふうに伝えれば良いのか分からない。
今思えばくだらないことで悩んでいたと言う自覚があるけれど、当時のアタシにとっては一大事。すずかに会うのが楽しみで、だけど心のどこかで逃げたいと願っていた。
すずかの笑顔が見たい、すずかの声を聞きたい。
だけど、それにどんな笑顔で答えれば良いの? どんなふうに笑っていれば良いの?
感じるままに、悩むこともなく答えれば良かったのに。小さなアタシは、それでは納得できなかった。
恋愛と言うものを特別視しすぎていた。恋愛と呼ばれるものの、綺麗な部分だけを見ていた。
すずかと一緒にいるのに、苦しいと感じるのはおかしい。
アタシの心がどこかおかしいせいで、苦しみを感じているんだ。
すずかの笑顔を見ていたいのに、目を逸らしたいと感じるのはおかしい。
アタシの心がおかしいんだ。だから、逃げたいと感じているんだ。
そんなふうに自分の心を決めつけ、すずかに申し訳なさを感じながら過ごしていた。
「本当かなー。アリサちゃんは繊細だから、負担くらいは感じているはずだよ?」
「そんなわけないでしょ? 心地の良い重みは感じていても、負担になんてなるはずないでしょ?」
あの頃のアタシは、勘違いしていたんだ。
恋愛と言うのは綺麗なもので、ただひたすらに心地の良いものだと勘違いしていた。
心に負担がかかるはずはない。何かを重いと感じるはずはない。恋をしているのに、悲しくなることはないんだって。
それらを感じているのだとしたら、アタシの心がおかしくて、そのせいですずかを悲しませることになっているって。
理想だけを信じて、現実に目を向けられなくて、そのせいで勝手に苦しんでいた。
「太ってはないよ?」
「そんな話、してないでしょ? 重みがあるからこそ、すずかが一緒にいてくれているんだって、そう感じられるのよ」
結局、アタシは不安だったのだ。
自分自身が感じている息苦しさを、すずかも抱えているんじゃないかって。
それが原因で、別れるようなことになったらどうしよって。勝手に不安を感じていたの。
おかげで何度もすずかと衝突することになるし、時には涙を流させるようなことをしてしまったけれど、その上に今のアタシ達が立っているんだって考えれば、無駄ではなかった。ちゃんと、あの苦しみにも意味があったのよ。
もっとも、苦しむこともなく、悲しむこともなく進めれば、そっちの方が良かったけどね。
ただ、いつかは勘違いに気付き、大きな悲しみにぶち当たり、どうしようもないもどかしさに苦しむのだろうけど。
「アリサちゃん、何か考え事してない?」
「別に何も考えてないわよ? どうかしたの?」
すずかは察しの良い子だ。アタシが悩んでいる時、苦しんでいる時は傍にいて、支えようとしてくれる。
アタシの心が壊れないように。尖り過ぎて、脆くなっている心が壊れないようにと、守ってくれる。
ホント、アタシには勿体無いくらい出来た子だわ。
我侭で、傲慢で、意地っ張り。こんなアタシのどこに惚れたのかしらね?
「アリサちゃんが格好良いこと言う時は、大体目の前のものを見ていないんだよ。考え事をしていたりして、意識がどこかにいっちゃってるの」
「……正解だけど、認めたくないわね」
つまり、意識をしていたら格好良いことは言えないと。すずかを真直ぐに見つめているのなら、格好良いことは言えないと。
そういうことなの?
いや、確かに恥ずかしいものは恥ずかしいし、すずかが言うのなら間違いないんでしょうけど。ちょっと情けないわね。
未来のアタシに笑われないようにする為にも、もう少しどうにかしなきゃ。
「大丈夫だよ。その分、ストレートな感情をぶつけてきてくれるから、それで良いの」
「むー。けど、たまには格好良い台詞も言ってみたいじゃない?」
「気持ちは分かるけど、それは難しいよ」
よく言うわね。すずかになら簡単でしょ?
いつも言葉だけでアタシを骨抜きにして、好き勝手にいじっているのに、ね。
アタシだって、やってみたいのにね。

――はぁ、理想通りに動くのは難しいわ

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