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なんか、寒いんですよね~
(・w・) まぁ、いいや
なのフェイ テーマ:昔話 です
いや、短いですな
ちょっとだけ昔の物語。私がプレシア母さんの下を離れ、地球での生活に慣れ始めた頃のお話。
私には大切な友達がいて、その友達を通して世界を知った。
私には大切な人がいて、その人を通して世界の美しさを知った。
いや、きっと世界は今までも美しかったんだ。私がそれに気づけなかっただけ。
母さんと、アルフと、バルディッシュと……たったそれだけが、私にとっての全てだったから。他のものを見ている余裕なんてなかった。
「なのは」
だけど、君が教えてくれたんだよ。世界は広いって、生きていることは楽しいって。
人と分かり合うのに、痛み以外の方法がある。傷付けて、傷付けられて、それだけではない関係があるって。
始めはビックリしたんだよ? 魔法のない世界が存在するのは知っていたけど、そこで君が暮らしていたから。
楽しそうに笑って、時々涙を流して、沢山の友達に囲まれて暮らしていたから。
私はね、なのはは1人になっちゃうんじゃないかって、少し心配してたんだ。
だって、なのはは優しいけど、世界が優しいとは限らないでしょ?
なのはの周りの人達が、魔法を使える者を迫害する可能性はあったんだよ?
まぁ、結果的にも私の杞憂だけで終わり、何事もなかったから良いんだけどね。
「なのは、君は優しい」
壊れてしまうのではないかと、心配になるほどに。私にとって、君は優し過ぎた。
優しくて、それなのに強くて、私は求めてしまったんだ。
なのはと、もっと仲良くなりたい。
友達ではなく、親友でもない。もっと深い仲になりたいって。
それが恋だってことに、私は気づけなかった。どう対処すれば良いのかだって、分かっていなかった。
ごめんね、あの時は随分と困らせてしまった。
なのはから向けられる笑顔が眩しくて、ずっと眺めていたくて、だけど恥ずかしいから逃げていた。
私も同じように笑えば良かっただけなのに、それにすら気付けない。
ごめんね、あの時は随分と迷惑をかけてしまった。
なのはの傍にいたいのに、ずっと一緒にいたいのに、傍にいると胸が潰されてしまいそうだったんだ。
自分の気持ちを制御することも、抑えることも出来なくて、ただ暴れていたから。
少しだけ時間が流れて、自分の心と向き合えるようになって、私は始めて気付けて――
その時こそ、本当の意味で恋をした。なのはが好きなんだって、自覚した。
あの後は、今までの混乱ぷりが嘘のよう。
恥ずかしいけど、逃げ出したいけど、それ以上になのはの傍にいたかった。
そう思うだけで、私の足は自然と君を目指して歩けていたんだ。
道なんかなくたって良い。明りなんかなくたって良い。手探りでも、君を見つけ出せるから。
なのは、これまで一緒にいてくれてありがとう。
――これからもよろしくね