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エーリカ × バルクホルン テーマ:夜明け前 です
「疲れた……」
減ることを知らないネウロイの襲撃に、連日の防衛戦。今日、いや昨日に至っては夜間戦闘のオマケまでついてきた。
私達、第501戦闘航空団は比較的恵まれた人数構成となっており、なんとか交代要員を準備することも出来たけど。それでも、疲れるものは疲れる。
幸いにして怪我人もなく、危機トラブルが発生することもなくここまでこれたけど、そろそろ限界じゃないかな?
みんなの顔には隠しようのない疲れが浮かび、ミーナの額には深いシワが刻まれてしまっている。
うーん、18歳かぁ。そんな年齢からシワを刻むことに慣れてしまったら、おばさんになることにはシワまみれになっちゃいそうだ。
気持ちは分からなくもないんだけどさ、もう少し気楽に構えた方が良いと思うよ?
「ハルトマン、帰還後に隊長室へ集合だ」
「ん、分かった」
昼の戦闘をこなし、夜の戦闘をこなし、その上で召集命令がかかったということは――もう一戦、頑張らなきゃいけないみたいだね。
眠たいし、お腹だって減った。戦いたくないなーなんて我侭を言ってみても良いけれど、現実は何も変わらないもんね。
「トゥルーデ、大丈夫なの?」
連日に渡る戦闘。こんなのは撤退戦以来かもしれないし、流石の彼女にも疲れは見えている。
目の下に隈が浮かび、唇もカサカサ。うーん、少しは手入れをしてあげるべきかな?
「問題ない。体力には自身があるからな」
「んー、無理はしちゃダメだからね?」
そりゃ、体力には自身があるだろうさ。私達の中で、最も長く戦い続けることだって不可能じゃないよ?
ただ、全体的な能力の落ちている今、フォローに回ることだって増えてきているし、いつも以上に消耗しているはずなんだ。
戦闘自体はいつも通りであっても、頻度がいつもの倍以上である以上、完全に回復することもないはずだ。
それに、魔法力の回復と言う観点で見れば、そこまで差はないはずだし、消耗量の多い分だけ不利になるはずなんだ。
「戦闘に参加するななんて言わないけどさ、危ないと感じた時は速度を緩めて。僚機として私がついているんだから、もう少し肩の力を抜いても大丈夫だよ」
張り切りすぎても、思い詰めていても、良い結果を招くことはない。
戦場では常に冷静に、自身の状況を把握しておかなければならない。その上で、感情を排した状態で、判断をする必要がある。
トゥルーデは熱くなりやすいから、ちょっと不安なんだよね。命取りになるほどではないと思いたいけど、不安をぬぐうことは出来ない。
「努力しよう……」
私に言われたのが気に入らないのか、図星を突かれてしまったせいか、面白くなさそうな顔をしている。
実際のところは、命に関わるようなミスはしないと信じているけれど。まぁ、そういうものでしょ?
危険なんてそこらじゅうに転がっていて、いつつまずいてもおかしくはない。そんな時に、独りきりなら転んでしまうかもしれないから。
傍に私がいることを、いざとなれば私がフォローできるんだよってことを、覚えておいて貰わないとね。
私にだって僚機としての意地くらい、あるんだからさ。
――眠いなぁ