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ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
プロフィール
HN:
らさ
年齢:
38
性別:
男性
誕生日:
1986/07/28
趣味:
SS書き・ステカつくり
自己紹介:
コメントを頂けると泣いて喜びます。
リンクフリーです。
ご報告頂けたら相互させて頂きます。


メールアドレス
yakisoba_pan◇hotmail.co.jp
◇を@に変えて下さい
当ブログ内のSSは無断転載禁止です。 恥ずかしいので止めて ^^;
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更新なんだZE☆

いやぁ、やれば出来るもんですね
はい、ミク&ハク2話【私達の時間】です。

願いは1つでも、想いは多数存在します

















どうすれば、ハクさんは歌ってくれるのかな?
どうしたら、私も一緒に歌えるのかな?
「分からないよ……」
目の前で忙しそうに動き回っている彼女見つめ、私はそっとため息をこぼす。
ハクさんと一緒に歌うんだ。そう、意気込んだのは良かったんだけど……。
実際にはどうすれば良いのか、全く分からない。
掃除、洗濯、買い物に料理。
1日の大半を家事につぎ込んでいる今のままでは、練習する時間なんてとれるはずはない。
夢はあるはずなのに、諦めてはいないはずなのに。
私達が邪魔しているのかな。彼女の時間を奪っている。
私が、邪魔してるんだよね。家事を全て、押し付けてしまっているから。
だから、負担を減らせば練習する時間は確保出来る。
けど、ハクさん勘が良いんだもん。私が急に態度を変えたりしたら、気付かれてしまう。
気付いてしまったら、きっと話も聞いてくれないよ。
「それだと、意味ないよ」
私はハクさんに歌って欲しい。歌を聞かせて欲しいから、手伝うのに。
どうにかしないと、どうにかしたいのに――良いアイディアが思い浮かばないよ。
彼女と歌う為の、とっておきのアイデアはどこにあるの?
家事なら手伝えば良い。
花嫁修業とか言えば、断られることはないはず。料理とか出来れば、将来の役に立つし。
他の家族達も協力を申し出てくれているから、彼女に時間を作ってあげること自体は難しくない。
でも、時間を作っても歌ってくれないと意味がない。
楽器を演奏しても、衣装を作っていても、事務仕事をしていても、それだと意味がないよ。
どうにか、彼女に歌ってもらう方法はないだろうか?
一緒に歌おうって誘えば、断られる。私は歌えないって逃げられちゃう。
どうすれば、彼女に歌ってもらえるだろうか?
無理やり歌わせても、意味がない。ハクさん自身が、歌うことを望まないと続かない。
ぐるぐると回る思考。費やされていく無駄な時間。
こんなことしてる時間も、暇もないのに――答えはどこにあるの?





「ミクさん、調子でも悪いのですか?」
「えっ? そ、そんなんじゃないよ」
考えごとをしていた私の耳に飛び込んできたのは、女性の声。
弱々しく自信なさげに震えている声。
「ちょっと、ぼーっとしてただけだから」
そんな声の持ち主、ハクさんに心配されてしまった。
まさか、あなたに歌ってもらう為にはどうすれば良いか考えていました。なんて、素直に答えられるはずがない。
「昨日のコンサートで疲れたのではないですか? あまり、無理をなさってはいけませんよ」
「あはは……そんなんじゃないんだけどさ」
あんまり追求しないでー。答えられないんだから、困っちゃうよ。
それに、昨日のコンサートは大きかったしお客さんだって多かったけど、あれだけで疲れるほどヤワではない。
生意気を言うなって怒られちゃいそうだけど、私だってプロだよ?
リンやレンだって頑張っているんだし、へばってなんかいられない。
「そうですか? それならば良いんですけど……」
「ハクさんが心配性なだけだよ。私は強いんだから」
ホント、他人の変化には敏感なんだから。
その気遣いを少しで良いから自分自身に回して欲しい。
自分自身に回して、そのまま練習してくれれば良いんだけど……。
どうやって練習してもらうかこそが、問題よね。
「昨日、ちょっとドジちゃってさ。どうやって克服しようか考えていただけだよ」
かといって、折角心配してくれたし、ちょっとだけ相談。
ドジったのは本当だし、こっちはこっちで解決しないといけない。
ラスト1曲。みんなでの合唱。1番の見せ場だったのに。
多分、気付いたのはウチの家族でも少数だと思うけど……音の延びが悪かった。
ハクさんに練習してもらう前に、私自身がやらないとね。説得力ないよ。
「そう、ですか……」
「そんな落ち込まないでよ。失敗したのは私なんだから、ハクさんは何も悪くないんだし……」
落ち込まれても困るよ。
昨日だって、ハクさんは全面的にバックアップして送り出してくれたのに、私が失敗したんだから。
繰り返さない為には、練習を重ねるしかない。練習で出来たことは、本番でも出来るはずなんだから。
けど、合唱の練習なんて1人じゃ無理。
誰かに頼むには、昨日の失敗を話さなきゃいけないし。そんなの恥ずかしくて言えないよ。
カイト兄さんとか気づいていそうな人なら――そっか、そうすれば良いんだね。
「あの、ハクさん。お願いがあるんですけど」
多分、お願いできる人で最適なのは彼女。
そして、このやり方ならもしかして……。
「はい。私でお手伝い出来ることでしたら」
「その、これはハクさんにしかお願い出来ないんです」
押しに弱いハクさん。
けど、歌うことだけは拒否され続けてきた。
どんなに頼んでも、どんなにお願いしても良い返事は貰えなかった。
「私にしか、お願い出来ないですか?」
「はい、やっぱりハクさんに指導して頂くのが1番なんです」
だから、今回はやり方を変えてみる。
歌って欲しいとお願いするのではなく、歌わなきゃいけない状態にする。
通常の指導であれば、発声とノビ、感情表現について教わるだけ。
演奏して貰い、指導を貰うだけ。
でも、今回はそれだけで終わっちゃ意味がないの。
「……分かりました。でも、頑張りすぎないで下さいね」
いつも通りの笑み。
困ったような、遠慮をしているような、相手を気遣った笑顔。
その笑顔で見つめられていると、ちょっとだけ心が痛かった。





「らー、らー、らー」
お腹の底から声を出す。体全体で表現する。
小細工に頼るのではなく、歌として習得していく。
ハクさんの指導は必ず基本的なところから始まる。のんびり、ゆっくりと進行していく。
ちゃんと聞いてくれて、上達するように指導してもらえる。
自分1人で努力するのも必要かなって思うけど、やっぱり誰かと一緒に頑張れるのは楽しい。
「その調子で、最後まで力を抜かないように」
相手に届くように、相手の心まで届くように。
繊細に、ダイナミックに、感情的に歌い上げる。
「ん~、もうちょっと声量を上げてみましょうか」
「はい、ハクさん」
ただの発声練習。されど発声練習。
たかがなんて思っているうちは、上手になれない。誰の心にも届かない。
何事も積み重ねが大切なんだ。急に上手くなることなんかないし、例え上手くなったとしても続くはずがない。
「……違います。声を大きくしただけでは意味がありません。もっと心を込めて、あなたの伝えたいことを思い浮かべて」
「は、はい」
指導をして貰っていてなんだけど、日頃とは比べ物にならないぐらい厳しいよね。
ちょっとしたミスも見逃してくれないし、要求されることだってシビアだ。
「はい、そのままの調子で続けて下さい」
その分だけ上手になれる。その分だけ、力になっているのが分かる。
もっと上の世界を、目指すことが出来る。
そして、今回の練習なら――
「ところで、今日は失敗した曲の練習ですか?」
こうなるのは当然だよね。その為にお願いしているんだし。
そうでなければ、彼女任頼む意味がない。
「そうなんです。昨日失敗した、曲をもっと上手く歌えるようになりたいんです」
「良い心掛けです。私も全力でお手伝いします」
全力で。今、全力で手伝ってくれるって言ったよね?
そのセリフを待っていたんだ。
「その、ですね。最後に歌った合唱なんですけど……」
「が、合唱ですか?」
予想通り、うろたえているハクさん。
今まで、発声方法は教えてくれた。
でも、歌ってはくれなかった。
感情の込め方だって、ビブラードも教えてくれた。
でも、歌ってくれたことはない。
だけど、合唱の練習なら――一緒に歌うしかないよね?
「ダメですか?」
「そ、その、合唱ということは、私も歌うんですよね?」
「は、はい。是非一緒に歌って、教えて欲しいんですけど……」
予想通りというべきか、ハクさんは途端に逃げ腰になる。
そんなに辛そうな顔をされると、私の胸がチクチク痛むんだけど、ここは我慢。
彼女に歌って欲しいのも、彼女と一緒に歌いたいのも、私の我侭だから。
勿論、最後にはハクさんの夢が叶うと信じてのことだけどね。
「その、誰か別の方ではダメですか? 私なんかよりカイトさん達の方が、お上手ですし」
「それは意味がないんです」
「う、歌うなら私では役不足だと思います」
やんわりと、それでいてしっかりと逃げるハクさん。
ここで諦めちゃダメだ。考えろ、考えるんだ。
彼女でなければならない理由を。
彼女である、弱音ハクに指導して欲しい理由を!
「……カイト兄さんやメイコ姉さんは、歌手としては一流です。私なんかよりも経験豊富だし、教わることは沢山あります」
「そ、それなら、お呼びしてきましょうか?」
私なんかと比べるのが嫌になるぐらい、2人は経験を積んでいる。
私達の前身がいたのよなんて、メイコ姉さんは言っていたけど。それでも凄いことだと、尊敬している。
ヴォーカロイドの名前が売れていない頃から、ずっと歌い続けているんだもん。
「でも、今回は違うんです」
尊敬はしているし、教わることは沢山ある。
それでもカイト兄さん達に指導してもらっては意味がない。
全く意味がないって訳でもないけど、それだとハクさんに歌ってもらえない。私自身の成長も少ない。
「私が失敗したのは音の延びと、みんなとの調和なんです」
音の延びは自分自身でもどうにかなる。
基礎練習を積み重ねれば、ちょっとずつだけど改善できる。
でも、調和は1人では分からない。1人で練習してても、分かるはずがない。
「自分のパートだけを主張しちゃって、合唱というものの楽しさ、意味を忘れかけているのかもしれません」
そして、カイト兄さんは多分合わせてくれる。
失敗して落ち込んでいる私を傷つけないようにって、合わせようとするはず。
でもね、今回はその優しさはいらないの。
辛くても、痛くても、私は上を目指したいから。
「ただ、私が下手なだけかもしれませんが……」
下手なだけ、そうかもしれない。
それでも、かまわない。上手になるまで、上達するまで練習を続ければ良いんだ。
「だから、今回は歌手としてではなく、合唱に参加する者として指導を頂きたいんです」
ハクさんなら、指導してくれている時のハクさんなら、大丈夫。
遠慮も、容赦も全部なくなってしまい、とても厳しいけど、今の私にはそれが必要なの。
飴を与えてくれる人ではなく、鞭で叩いてくれる人が必要なの。
勿論、この鞭は私だけではなく、彼女にだって響くだろう。
「ハクさんが歌うのを苦手とされているのは、よく知っているつもりです」
それが分かっているから無理強いは出来ない。するわけにはいかない。
私はあの場にいた者として、お願いはしても強制するような真似は出来ない。
「でも、お願いです。私と一緒に歌って、私を指導して頂けませんか?」
「その……私が、ですか?」
私の歌の練習と、ハクさんが歌うチャンスを作る。そんな一石二鳥のアイディアだと思うんだけどな。
それに、彼女と歌いたいと、私の心が叫んでいるから。
「お願いします! どうしても、ハクさんに指導して頂きたいんです」
ハクさんは押しに弱い。
そして、何よりもお願いに弱いんだ。
それを知っててお願いするのは、ちょっとズルいかもしれないけど、許して下さい。
「……仕方ないですね。ミクさんの練習にお付き合いしているのですから。ここで降りてしまっては、私がこの家にいる意味がありませんから」
やったぁ♪
ちょっと引っかかる部分もあったけど、これで彼女の歌声を聴くことが出来る。一緒に歌えるんだ。
そのまま指導を続けていれば誰かが来るだろう。
そこで協力してもらえば、継続的に練習してもらうことだって不可能じゃないはず。
「下手で申し訳ないですが、ご一緒させて頂きます」
「よ、よろしくお願いします」
ハクさんの困った顔とは対照的に、心の中でガッツポーズを作る私。
ずーっと考えていた甲斐があったね。
こんなにも早く叶うなんて思ってもみなかったし、私は浮かれていた。
合唱の練習という名目ではあるけれど、ハクさんと歌える事実に浮かれ過ぎていた。
そう、だから、忘れていたんだ。
ここは音楽室であり、家族が日常的に使っている部屋であることを――。
「あ、いたいた。ミクー、ちょっと良いかい?」
これから、あとちょっと、もう少し。
ハクさんに伴奏をつけてもらい、歌う一歩手前まで来ていたというのに!
「……何か御用ですか?」
どうして邪魔するの?
今この状態を見て、私達が何をしようとしているのか分からないの?
「うん、ちょっと用事があってね、悪いけどミクを借りていくよ?」
分かってないのね? そうなんでしょ!
それに、借りて行くよ、じゃないわよ!
「あ……ご用事でしたら、ご一緒にどうぞ。私はお掃除に戻らせていただきます」
どうして邪魔するの?
ねぇ、私何か悪いことした?
「悪いね。じゃぁ、いこっか」
うぅぅ……カイト兄さんのバカ。





「もー! あと少しだったのに、どうして邪魔したの?」
「ごめんよ。まさか、そんなことになっているなんて思わなかったから」
あと少しで歌ってもらえたのに、邪魔をした。
その上、用件が次のステージで着る衣装決めだなんて……全く、もう!
そんなの後でも良いでしょ?
「いや、あのハクが歌う気になっていたなんて思わなくて」
「どーして、後少し待ってくれなかったの? そうすればうまく行っていたのに」
カイト兄さんをあてにしていたんだよ?
あの状態を見れば協力してくれるって、誰よりも分かってくれるって。
それなのに、カイト兄さんなら空気を読んでくれると思っていたのに。
「いや、本当にごめん。俺が悪かったよ」
「……そこまでしなくても良いよ。悪気があった訳じゃないんでしょ?」
流石に土下座までされたら、頭が冷えるよ。
カイト兄さんだって、悪気があったわけじゃないんだし。
「それは当然だけどさ。惜しいことをした」
ハクさんに歌って貰う。
それは、カイト兄さんだって、メイコ姉さんだって望んでいるはずの。
もー、他の家族なら、放っておいても歌いだすのになぁ。難しいよ。
「それにしてもハクを歌う気にさせるとは、ミクもやるなぁ」
「べ、別にそんなんじゃないよ。私がただ聞いてみたかっただけだから……」
前にちょっとだけ聞いた歌。ギターを弾きながらつむがれた歌。
誰にも聞かれることなく、消えるはずだったそんな歌。
でも、私達は聞いてしまった。その歌の存在、意味に気付けた。
静かで、盛り上がることもないけれど、優しく仕上げられた曲。
傍にいて、見守ってくれるような柔らかい歌に仕上げてくれた、彼女の想い。
勘違いかもしれない。
でも、彼女が歌っていたのはなぜ?
彼女が楽しそうに見えたのはなぜ?
「よし、そういうことなら俺に考えがある」
「……どうするの?」
いけない、いけない。今はカイト兄さんと話してるんだったっけ?
私が書いた詩を歌ってくれているハクさん。
以前に見た姿を思い出していたら、すっかり忘れそうになってたよ。
「ハクに歌の練習をするように仕向けるんだ。強制でも、お願いでもなく、必然的にね」
カイト兄さんは何を思いついたのだろう?
現状を打開する案だと嬉しいけどなぁ。
「時期的にも丁度良い筈だし、どうにかなると思うよ。えーと、アレはどこにいったかなぁ?」
あっちを探し、こっちを探し、ごそごそと引き出しを漁るカイト兄さん。
日頃から整理していないから、出てこないんだよ。
「確かここらへんに……あった、あった。これを探してたんだよ」
そう言って、1枚のチラシを見せてくる兄さん。
えーと、市民コンサート開催のお知らせ?
「開催まで期間も短いし、辞退しようかなと思ったんだけどね。今度、開かれる市民コンサートのお知らせだよ」
「それは見れば分かるけど、これがどうハクさんの練習に繋がるの?」
期間としては1ヶ月程。
確かに余裕はないし、次に控えている仕事を考えると出場するのは難しい。
「本来ならね、こいうったコンサートは俺達みたいなのはお断りなんだけど。今回だけは出場依頼が来ているんだ」
「まぁ、普通は出れないよね」
お金を貰って歌う。まぁ、これでもプロだから。
こういったコンサートからはお断りされちゃう。
そもそも触れ合いとかがテーマになっているはずなので、私達みたいに仕事にしているグループは出場出来ない。
ちょっと寂しいけど、私達を呼んでくれる主催者さん達のプライドを守る為にも、仕方がないんだ。
それなのに、どうして今回だけは依頼がきているのかな?
「今回はね、お客さんとして入院している子供達が招待されているんだ。外で遊ぶことも出来ず、つまらない毎日を過ごしている子供達さ」
そうなるとチャリティーコンサートってことかな?
いや、入院中の子供達自身を招くのなら、ボランティアかな?
「でも、私達の歌って楽しいのかな?」
「まぁ、病室でぼーっとしているよりはマシなんじゃないか?」
入院かぁ。したことはないけれど、暇なんだろうな。
それに楽しいことが少ないなら、塞ぎ込んじゃうだろうし……。
「成る程。だから、ハクさんなのね」
見た目的には心配される側のはずなのに、彼女は困っている人を放っておけないタイプ。
冗談みたいなホントの話で、ハクさんは誰かの為に何かをするのが趣味みたいな人だ。
そんな彼女なら、このコンサートを無視出来ないだろう。
「まぁ、あくまで可能性であって、どうなるかは説得次第だとは思うけどね。他のコンサートなんかより、可能性はあると思うよ?
「流石はカイト兄さん。失敗した分だけは、取り戻すね」
これならいけるかもしれない。
無理にお願いするわけでもなく、自然に練習に加わってもらえるかもしれない。
「当然、彼女にお願いしてあった家事を分担するから、忙しくはなるよ? それでも、良いかい?」
「カイト兄さんの意地悪。断るなんて思ってないくせに、聞くんだから」
「ははは……一応ね。俺の可愛い妹ですから」
ハクさんと一緒に歌う。ハクさんと一緒に歌えるんだ。
その為のなら、家事と仕事の両立なんて簡単よ。
ふっふっふ。みんなが驚くくらい完璧にこなしちゃうんだから、見てなさいよー。
彼女の夢は、家族の夢。

――頑張ろうね、ハクさん。
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