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ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
プロフィール
HN:
らさ
年齢:
37
性別:
男性
誕生日:
1986/07/28
趣味:
SS書き・ステカつくり
自己紹介:
コメントを頂けると泣いて喜びます。
リンクフリーです。
ご報告頂けたら相互させて頂きます。


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yakisoba_pan◇hotmail.co.jp
◇を@に変えて下さい
当ブログ内のSSは無断転載禁止です。 恥ずかしいので止めて ^^;
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次の記事:私達の時間

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3月3日 ひなまつりぃ!

どうも、らさです。
なんとか季節イベントのSS間に合いました。
こんな時間だけど、セーフだよね?

なのフェイ【その手が目指すもの】
ちょいとフェイトちゃんが頑張ります。



因みに初期段階でのメモが発掘されました

-----------------------
【着物】でも着せますか
フェイトがなのはに着付けをしながら、最近のことを話す
裸だろうが、下着だろうが、着付けに集中しているフェイトは気にしない
なのは的には小さな子供のように扱われている部分もあり、嬉しいような恥ずかしいような
最後に笑いあって、ENDなら素敵じゃね?
(困った時に補える関係になろう的なもの)
(愛情も熱情もあるが、安定期に入ったカップルな感じ)
(それが当たり前であり、またずっと続くことを望める)

時間がないこともあり、伝家の宝刀発動
-----------------------

この設定どこへいったんだろうww

















「なのはー、準備出来たー?」
「もうちょっと待ってー」
寒さが和らぎ、春を感じられる今日この頃。
私、フェイト・T・Hは高町家にお邪魔していた。
別にお邪魔していること自体は珍しくもないんだけど、今日は装いが違う。
どうも、この日本という国では3月3日は【ひなまつり】というイベントが行われているらしい。
私自身、どういったイベントなのかあまり理解は出来ていないのだけど、母さんに教わったから一通りは理解しているつもりだ。
「にゃー、どうしてこうなっちゃうのかな?」
扉の向こうで苦戦してしると思われるのは、高町なのは。私の友達にして、大切な人。
別に着物を着る必要はないみたいなんだけど、折角だからと着替えることに。
でも、大丈夫かな?
部屋にこもってから30分ぐらい経つけれど、いっこうに着替え終わる雰囲気はない。
さっきから返事はあるけれど……手伝ったほうが良いのかな?
本来、ひなまつりは祝日でもなんでもない普通の日。
けれど、今年は日曜日と重なったこともあり、ちょっとしたパーティーを開くことになっている。
本当は、はやて達やアリサ達も呼んだんだけど、断られちゃった。
はやて達は、この前の事件の処理で本局へ。アリサとすずかは、家の用事。
そんな風に聞いたけど、多分気を使ってくれたんだと思う。
恋人ではあるものの、管理局局員としての仕事がある以上、私達2人の時間は拘束されてしまう。
たまにデートに出かけられても、呼び出しを受けてしまう程だ。人手不足なのは理解しているつもりだけど、ちょっとね。
それでも、短いからこそ濃密な時間を過ごせていると、私は自負している。
長く緩やかな恋愛を楽しむのも素敵だとは思うけれど、例え一緒にいられる時間が短くても私達はちゃんと恋愛をしているのだから……。
「うえーん、やっぱり着れないよ」
「なのは、手伝おうか?」
私が思考に沈んでいる間も彼女は努力していたみたい。
だけど、ダメだったみたいだね。
扉を少しだけ開け、顔を出してみる。
うわ、帯や小物がそこら中に散乱し、凄いことになっている。
これは、もう少し早めに話しかけるべきだったかな?
「え? フェイトちゃん、着付け出来るの?」
「そんなに上手ではないけど、一応出来るよ」
ひなまつりに向けて、母さんとバッチリ練習した。
アルフやエイミィにも手伝ってもらって、結構な回数をこなした。
ちょっと自身のないところもあるけれど、大丈夫。どうにか出来ると思う。
「よろしくお願いします」
私に向かって、ピョコンと頭をさげるなのは。そんなことしなくても良いのにな。
私としては、大好きななのはの役に立てるだけで嬉しいのに……。
「時間もないし、ぱぱっとやっちゃおう」
覚えておくと、きっと役に立つ。
そんな風に微笑んでいた母さんは、これを予知していたのかな?
そんなことを思いつつ、私はなのはの着付けを開始した。





「なのは、これ着る順番を間違えているよ?」
んー、これはちょっと時間がかかるかもしれない。
「え、そうなの? 全然気付かなかったよ」
着物もそうだけど、和服と呼ばれている衣類は全般的に着るのが難しい。
この国では昔、みんなこの格好だったと聞いているけど、ちょっと信じられないよね。
「うん、長襦袢を下締で留めないからズレちゃうんだよ。このまま着るのは難しいと思うよ」
「はぁ、そうなんだ。色々とあり過ぎて、何を使えば良いのか分からないよ」
帯だけでも2~3種類、留め方に応じて、順番に応じて正しいのを選ばなくてはいけない。
それに、これはセット物を買ったのかな?
色々と小道具がついていて、逆に分かりにくくなっちゃってるよ。
「長さの調整もしていないみたいだし、ちょっと脱いでもらっても良いかな?」
このまま着ることも不可能ではないと思うけど、綺麗に着るのは難しいだろう。
それに、変なままで着てしまうと疲れやすくなるから。
「あの、なのは。脱いでもらわないと直せないよ?」
「えーと、その、このままじゃダメ?」
「ちゃんと着ないと、疲れるよ?」
着物を着る時に、これぐらいは良いかなって妥協は危険だ。
帯1つとっても、ゆるくても締めすぎても、うまく留められない。
うーん、どうすれば分かって貰えるのかな?
「だったら、フェイトちゃんは……」
「なのは、小さな子供じゃないんだから、我侭言わないで」
どうしたんだろう?
いつも素直な彼女らしくない。
「もー、小さな子供じゃないから言っているのに」
「分からないよ。どうしても嫌なの?」
なのはを迎えにきてから結構な時間が経ってしまっている。
みんな下で楽しみにしてくれているし、早く戻りたいんだけどな。
「フェイトちゃんは、そんなに私の裸見たいの?」
「え、なのはの裸?」
……えーと、そういう話をしていたんだっけ?
私の記憶が確かなら、そんな話をしていた覚えはないんだけど。
「だって、服を脱げって言ったよね?」
「えーと、私は長襦袢を脱いで欲しいだけで、下着は着たままで良いよ?」
まさか下着を着けてないなんてことはないだろうし、それを脱げとまでは言わない。
わ、私としては大歓迎だけど、今はそんなことをしている場合じゃないよ。
「……着物って、下着を着けちゃダメなんじゃないの?」
ごめんなさい、私が間違っておりました。
まさか、なのはが勘違いしているなんて思ってもいなかったから。
「なのは、それは浴衣だよ? 着物は別に良いんだよ」
「え? そうだったんだ……それで痛かったのかな?」
下着も着けずに着物なんて、考えただけでも痛そうだ。
スースーすると思うし、気付いて欲しかったなぁ。
「私、あっち向いてるから、その間に着けてくれるかな?」
「あ、うん、分かったよ。ごめんね」
「別に、謝るようなことじゃないよ」
滅多に着ないし、間違えても仕方ないよね。
誰かに迷惑がかかるわけでもないし、可愛いミスだよ。
「んー、バリアジャケットみたいに、こう一瞬で着替えられたら楽なのになぁ」
「それも良いかもしれないけど、私は少し悲しいかな。折角、なのはの着付けが出来るチャンスだもん。魔法には頼りたくないよ」
魔法やデバイスに頼ることなく、この手で何かをしてあげられる。
それはとても素敵なことだと、そう思えるから。
「そっか……それもそうだよね。そう考えると魔法で何でも出来るのも、ちょっと悲しいかな?」
「んー、魔法で出来ないことも沢山あるから、何でも出来る世界にはならないんじゃないかな?」
全てが魔法で出来る。そんな世界がどこかにはあるのかもしれない。
でも、人との触れ合いを忘れてしまった世界は、きっと……。
「痛っ!」
「なのは、何かあったの?」
服を脱いでいるだけのはずなのに、どうして――あ、見ちゃった。
声に反応し、思わず振り向いてしまった私の視界には、なのはの裸体があった。
「えーと、その、これはわざとじゃないんだよ?」
首から肩にかけてのライン。ぽこっと可愛らしく鎖骨が浮かんでいる。
全体的に柔らかそうで、少女から女性へと成長している途中だと分かる。
初めて見たわけではない。触ったことだってある。
それなのに、何度見ても私には眩しい。
「なのはの声がして、振り返ったらなのはが裸で、それでなのはが綺麗で、だからなのはから目が離せなくて」
何を喋っているのか、理解出来ない。
「その、ごめんなさい」
「もー、別に怒ってないからアッチ向いててよ」
怒らせてない?
本当に怒っていないの?
「大丈夫なの?」
「うん。多分、この前怪我したところが痛んだだけだと思うから」
「怪我、したの?」
よみがえってくるのは、恐ろしい記憶。
任務中にアンノウンと遭遇し、撃墜された彼女。
一時は歩くことさえ、危ぶまれる程の傷だった。
「大丈夫だよ。ちょっと、転んだだけだし。ほら、私ってドジだから」
「でも、痛むんでしょ?」
なのはは強い。誰よりも強い心を持っている。
だから、無理をしてしまう。私が止めないと、どこまでも飛んで行ってしまう。
「大丈夫だよ。みんなだって頑張っているんだし、私だけ休んでいるわけにはいかないもん」
なのはがいれば心強い。はのはがいれば、どんな状況でも打破出来る。
でも、それは彼女へのプレッシャーとなってしまう。
「本当はね、今日だって書類が溜まっているんだよ」
「ねぇ、なのは」
「どうしたの、フェイトちゃん?」
だから、そんな彼女だから、今日だけは普通の女の子でいて欲しい。
せめて、私が気づけた時だけでも、普通の女の子でいさせてあげたい。
「仕事、大変なんだよね?」
「それなりには忙しいんじゃないかなって思うけど」
「ごめんね、全然フォローに回れなくて」
教導隊と執務官に分かれてしまった私達の未来。
お互いに忙しい身だし、時には会うことだって難しい。
それでも、私は彼女のフォローをしなければいけないのに……。
「どうしたのフェイトちゃん?」
「けど、私達はまだまだ子供なんだ」
この日本での大人は20歳からだと聞いた。
だから、それに従うなら、彼女だってまだ子供のはずだ。
「色々と考えないといけないことはあると思う。それでもね、家族と一緒にいる時は、普通の女の子でいよ?」
「にゃははは、一応普通の女の子のつもりなんだけどな」
事件がどうとか、仕事がどうとか……そんな話子供はしないんだよ。
それに、そんなことを考えちゃダメ。
「今日は仕事の話も、魔法の話も、ちょっとだけ忘れて。普通の女の子として、ひなまつりを楽しもう?」
今日はひなまつり。女の子の日なんだから。
全力で楽しまないと、ダメなんだよ?





「はい、これで終わったよ」
「ありがとう、フェイトちゃん」
帯を結び、全体を整えたところで着付け終了。
ふぅ、ちょっと戸惑ったところもあるけれど、それなりに上手く出来た。
自分から提案しておいて、出来ませんでしたなんて、格好悪いもんね。
「うー、私1人だと全然ダメだったのになぁ。どうして、フェイトちゃんには出来たんだろう?」
「あははは、ちょっと家で練習してたんだ。もしかしたら、なのはの着付けをやらせてもらえるかもしれないって」
本当はそこまで考えていたわけではないけれど、これぐらいなら言っても良いよね。
彼女の役に立てて、私も嬉しいんだから。
「それにしても、管理局ではエースなんて呼ばれて、何でも出来るってイメージがあったけど、なのはでも出来ないことがあるんだね」
「にゃはは、着物なんて滅多に着ないから。……えーと、もしかして、おかしいのかな?」
「そんなことはないよ。どちらかって言えば、少し安心した、かな?」
「そうなの?」
ちょこんと首をかしげている姿はお人形みたい。
綺麗にかざって、持って帰ってしまいたい衝動にかられてしまう。
「なのはは何でも1人でやろうとするし、それだけの実力も持っている。だから、一緒に飛んでいる時も、離れている時だって安心できるけど。それが逆に不安になるんだ」
どこにいても彼女なら大丈夫。
どんな状況でも、なのはなら大丈夫。
そんな風に思い込んでしまう。
「1人で何でも出来るなら、私はいらないのかなって」
大切な人に必要とされること。愛する者に必要とされること。
それが私には嬉しかったんだけどな。
「私は弱くて、1人では何も出来ない。なのはの傍でしか強くなれないんだ」
私は強いと、時々勘違いしている人達がいる。
でも、それは違うんだ。私は、なのはから強さを貰っているだけ。
本当の私は、強くなんてない。
「だから、もし、なのはにいらないって言われたら、どうすれば良いのかなって」
あれ? どうしてこんなことを言っているの?
今日は思いっきり楽しもうって、約束したばかりなのに。
なのはの着物姿を見られて、嬉しいはずなのに。
「笑えば良いのか、泣けば良いのか、悲しめば良いのか。多分、それすらも分からなくなっちゃう気がするんだ」
昔、プレシア母さんにいらないって言われた時は、ただ悲しかった。あぁ、この人は私を必要としていないんだって、心の底から理解出来た。
でも、なのはにいらないって言われたら?
私はどうすれば良いのかな?





「そんなことはないよ、そんなこと言えないよ」
押し込めていたものを吐き出してしまい、なのはに嫌われた。
そう思っていたのに、私が聞いたのは優しい言葉だった。
「傍にいて、離れないでって我侭はいっぱい言うけど、そんなことは言えないよ」
そんなのは我侭とは言わない。優しさって言うの。
そして、それを人に伝えられることを強さって言うんだよ。
「私1人で出来ることなんて、ちょっとだけだよ。フェイトちゃんが、フェイトちゃんがいてくれたから頑張れたんだよ。フェイトちゃんと一緒にいたいから、頑張るんだよ?」
私がいたから頑張れた。私がいたから頑張る。
それは、本当なのかな?
「ジュエルシードの時も、闇の書の時だって、フェイトちゃんがいたから頑張ったんだ。辛いことの先に、楽しいことがあるって信じられたから、頑張ったんだよ」
……なのは、泣いているの?
胸の奥にズキリと、痛みが走る。
どうして? 
前に見た時は悲しい気持ちになっただけで、こんなにも痛くなかったのに。
こんなにも、心が叫ぶことはなかったのに。
「だからそんなこと言わないで、自分の心を信じて」
自分の心を信じる?
それは、どうすれば良いの?
「――フェイトちゃんに、とっておきのおまじないを教えてあげる」
なぜだろ?
彼女の涙を見るのは嫌だ。私が止めたいと、強く叫んでいる。
これが本当の私?
「寂しくなったらね、負けそうになったらね、名前を呼んで。心の中で大好きな人の笑顔を思い浮かべて、フェイトちゃんって呼ぶの」
辛い時、負けそうな時、私の名前を呼んでくれている?
なのはは、私を必要としてくれているの?
「そしたら、心がポカポカするんだ。冷たくて真っ暗な空を飛んでいても、心だけは温かくなるの」
私が彼女を呼んでも良いの?
なのはって叫んでも良いの?
「もちろん、それだけじゃ足りないから、こうやって一緒にいられる時にフェイトちゃん分を補給するの」
そう言って、彼女は私を抱きしめてくれる。
その腕から伝わる温もりが心に染み渡り、言葉以上のものを伝えてくれる。
「それにね、フェイトちゃん。1つ大きな勘違いをしているよ?」
「勘違い?」
抱きしめられたままだから、なのはの顔は見えない。
でも、腕の強さと声から少し怒っているのが分かる。
「私がフェイトちゃんと一緒にいたいのは、何かの役に立つからじゃないよ? そんな悲しい理由で一緒にいるんじゃないよ?」
役に立つから一緒にいる。
違うの?
それなのに、なのはは私といてくれるの?
「私がフェイトちゃんを愛しているから、フェイトちゃんがなのはを好きだって言ってくれるから、一緒にいるの」
私がなのはを好きだから?
なのはが私を、愛してくれているから一緒にいる――それだけで良いのかな?
「フェイトちゃんは、私が強いから一緒にいるの? 私の魔力が大きいから一緒にいてくれるの?」
「違うよ。私はなのはが好きだから、一緒にいる。なのはのことが大好きで、片時も離れたくないから一緒にいるんだ」
もう1つ心にあるもの、どんな闇に閉ざされても、光り輝くもの。
例え弱くても、魔法が使えなかったとしても、私はなのはに恋をする。
恋をして、一緒にいたいと願うだろう。
「ありがとう。それならもう、悩まないで」
悩まなくて良いの?
なのはと一緒にいる理由を、考えなくても良いの?
「2人で一緒にいよう。ずっと離れることなく、2人で一緒にいよう。寂しくなったら、私を呼んで。辛いなら、一緒に泣こう」
1人で悲しまなくて良い。1人で泣かなくて良い。
それは、どんなに温かいのか……。
「お互いに支え合って歩いていこう」
なのはがまだ喋ってくれているのに、私の耳には入らない。
頭がぼーっとして、目から熱いものがこぼれ続けている。
私は彼女の傍にいて良い。ずっと、傍にいたいと願っても良い。
離れても、不安になっても、彼女を想い続けて良い。
そう、なんだよね。
あはは、何を勝手に決めていたんだろう?
あれだけ、1人で勝手に決めないって約束したのに。
なのはに相談して、なのはと一緒に悩んで、なのはと一緒に解決しなきゃ、意味がないのにね。

みんなが待っているから、早く行かなきゃいけないんだけど。ちょっとだけ、あともう少しだけこのままでいさせて。
愛する人の腕の中で、温もりと愛しさを感じさせて。

なのは、大好きだよ――
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