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ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
プロフィール
HN:
らさ
年齢:
37
性別:
男性
誕生日:
1986/07/28
趣味:
SS書き・ステカつくり
自己紹介:
コメントを頂けると泣いて喜びます。
リンクフリーです。
ご報告頂けたら相互させて頂きます。


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yakisoba_pan◇hotmail.co.jp
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貴方にとって、大切な思い出はありますか?
その思い出は、場所に縛られていませんか?

そんな感じでこんばんは らさです
たまには、こんなやり方もいいでしょう (・w・)ヌーン

飴色紅茶館 より 芹穂×さらさ です
テーマ 思い出 です

お時間がありましたら、どうぞ~


「ごめんなさい、さらさちゃん」
町からちょっと離れたところにある、私達のお城。
楽しいことがいっぱいあって、私を勇気付けてくれた場所。
嬉しいことがあって、私を大切な人達と巡りあわせてくれた場所。
沢山の思い出と、数え切れない優しい時間。そんな素敵な物が詰まっている場所。
ずっとここにいたかった。ずっとここで笑っていたかった。
お客さんとお喋りをして、美味しい紅茶の為に頭をひねって――このままずっといたい。
さらさちゃんに笑ってもらって、さらさちゃんと一緒に頑張って――このままずっと、過ごしていたかった。
けど、もう限界なの。
「元々、宝くじで始めたお店だから」
こつこつと溜めたお金ではなく、宝くじでもらったお金だった。
どれだけ頑張れば稼げるのか。どういった経営をすれば続けられるのか。
そんなことを知って、経験していれば、こんなところで諦める必要はなかったのかな?
折角、さらさちゃんとの居場所が出来たのに。私のやりたいことを見つけられたのに。こんなところで、諦めないといけないなんて。
「悔しいなぁ」
私が失敗さえしなければ、何も考えずに茶葉を買うなんてことをしなければ、きっとまだ夢の中にいられた。
明るく輝いている、そんな夢の中に居続けられた。
その可能性とチャンスを潰してしまったのは、私のこの手なんだよね?
私が、私自身の夢も、さらさちゃんの居場所も壊そうとしているんだよね?
私の夢だけなら、さらさちゃんに関わらないのなら、いつでも諦められたのかな?
「けど、もう逃げていられない」
さらさちゃんには、きちんと伝えよう。私がきちんとやれなかったから、もう限界なんだって。
お店をたたまなくちゃいけないんだって。
「さらさちゃん、怒るかな?」
どうして相談してくれないんですか? 私にも何か出来たかもしれないのに。
空想の仲の彼女ですら、凄い剣幕で怒っている。私の為に、一緒にいる為に怒ってくれている。
あはは……こんなに都合良いわけないよね?
「さらさちゃんに嫌われちゃうかな?」
悲しくても、泣きたくても、これが1番現実的かな?
あんなにも手伝ってもらったのに、一緒に頑張ってもらったのに。
私が経営出来なかったから、お店が潰れてしまうなんて。
そうだよね、さらさちゃんの方が悲しいよね?
何も伝えていなかったのに、突然お店が潰れるなんてことになったら。
何も伝えられなかったのに、突然お店を潰しちゃうことになるんだから。
謝って許されるような、そんな簡単なことじゃないよ。許されて良い様な、そんなことじゃない。
「ごめんなさい、さらさちゃん」
それでも、私は謝ってしまう。彼女に対しての謝罪を止められない。
もう、ダメだなぁ。最後は笑顔で、罵倒されても笑顔で別れないといけないのに。
さようなら、元気でねって――
泣くのは、その後にしなきゃ。さらさちゃんが困っちゃうよ。
どうしようもなく、私以上に困っているはずなのに、彼女はきっと慰めている。
そんな都合の良い予想と、そうなるであろう確信にちょっとだけ笑ってしまう。
「そう、なんだよね?」
私にとって、このお店は宝物。とても大切な場所。
だけど、それ以上にさらさちゃんと過ごせた、その思い出が大切なんだ。
キッチンでのちょっとした出来事。ホールで交わした、他愛のない会話。
それら全てが、その全てをなくしてしまうから。
お店をたたんでしまえば、その思い出が壊れてしまいそうだから。
「嫌だよ。私の大切な思い出、壊さないで……」
嫌だ、嫌だ、嫌だ。
私の思い出が、さらさちゃんと過ごした日々が。壊れてしまうのを耐える事なんて出来ない。
私の大切で、温かくて、愛しい思い出を壊さないで。それは、私の全てなの。
今まで生きてきた中で、1番楽しくて輝いていた時期。
その思い出がなくなってしまうのは、壊されてしまうのは――嫌だよ。
ここは、私にとって大切な場所なの。
さらさちゃんと過ごす、さらさちゃんと過ごせる。そんな大切な場所なの。
私にとって掛替えのない、何かで代用出来ないそんな場所なの。
壊さないで、なくさないで。ここがなくなってしまえば、わたしは――
「だめだめ。芹穂さんは大人なんです」
大人である以上、辛い現実を受け止めなくてはいけない。
どれだけの痛みが伴っても、さらさちゃんに現実を伝えなくてはいけない。
「芹穂さんは、さらさちゃんの思ってくれている通りの人でないとね」
ちょっとだけドジで、何もないところで転んで。それでも、そんな私でもきちんとしたところを見せておかないと。
最後の最後の幻滅されてしまうなんて、耐えられるはずないから。
さらさちゃんから向けられる、冷たい視線。それに耐えられる程、私の心は強くないから。
ガラスのように砕けて、散らばってしまう。元の形に戻るなんてことはないから。
「だって、私はさらさちゃんが好きだから」
けど、きちんと終わらせるのも、私の為だから。
さらさちゃんに嫌われなくない。そんなことを考えている卑怯な私の為だから。
ごめんね、こんな私で。許してとは言えないけれど、嫌わないで欲しいの。
ごめんね、こんなに我侭で。許してとは言えないけれど、嫌わないでくれたら嬉しいな。

――ごめんなさい、さらさちゃん。大好きです。

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