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こんばんは らさです
本日は1HSSがやれない為、ストック分を放出☆
東方より マリアリ で御座います。
一応、友愛系なんですが……どう転ぶかは不明w
「アリス、愛してるぜ!」
「ありがとう、魔理沙。でも、私の返事は期待しないでね」
ある日、突然に始まった日常。
窓を突き破り、家財道具を薙ぎ倒しながら告白してくる魔理沙。勿論、初めは驚いたし、どう返事をすれば良いのか真剣に悩んだこともある。
けど、私が出した結果は1つだけ。
「友人としては好きよ。個体としては興味があるわ」
「なら、アリスは私を愛しているんだ。これで相思相愛だぜ、私の恋は実ったんだ!」
「けど、恋愛対象としては興味がないわ」
友人としての好意はある。そうでなければ、相手もしたくない。
固体としての興味はある。力押しとはいえ、彼女も魔法を操る者だ。
けど、恋人などの恋愛対象となれば、話しは別。興味はない。
「どうしてダメなんだ? 私はアリスに嫌われるようなことをしたか?」
「私を怒らせる話題には、尽きることがないわね。それ以前に、私は恋愛に興味がないのよ」
突き詰めてしまえば簡単なこと。
別に、魔理沙だから恋愛対象にならないというわけではない。
私が恋愛に興味がないだけ。今現在、そんなものに興味を持っていないだけ。
「どうしてだ? 恋をしない人生なんて、つまらないだけだぜ?」
「あなたはそうかもしれないけど、私にとっては違うのよ。それに、私は人間ではないから、人生ではないわ」
恋をしない生き方はつまらない。彼女にとって、それは正論なのだろう。
言葉使いや行動は男のようなのに、魔理沙はかなり乙女チックな部分がある。
そうでなければ、恋符や星符なんて恥ずかしい名前つけられない。
「まぁ、いいや。そんなことより、デートに行こうぜ」
「人形達のメンテナンスで忙しいから、無理よ」
構造的な動作チェック。魔法回路的な動作チェック。耐久度、磨耗度のチェック。
新装備との相性チェックに、動作試験。
それらを行うだけで、2~3日は潰れてしまうだろう。
今度、メンテナンス用の人形でも作ろうかしら?
「折角の晴れなんだ、外に出ないと損するぜ? メンテナンスなんて、明日でも出来るだろ?」
「あなた、それでも魔法使いなの? そんな危険なこと出来るわけないでしょ?」
分解した状態のマジックアイテムを放置する。
魔法の知識が僅かでもあるなら、それがどれだけ危険な行為か理解すべきだ。
特に、私の人形達は自作品なんだから、どこに問題が隠れているか分からない。
「んー、ならせめて弾幕合戦でもしようぜ! それなら問題ないだろ?」
「問題がない分けないでしょ?」
どう考えれば問題がなくなるのか、1時間ほど問い詰めてみたいものね。
どうせ、私には理解できない理論で完結するのだろうけれど……。
「でも、メンテナンスのついでに動かしてみるのはありかもね」
「流石はアリス、話が分かるな。私が惚れただけのことはあるぜ」
「……関係ないわ。私は私のしたいようにするだけよ」
◇
「アリスは相変わらず、全力を出さないんだな」
「何よ今更。全力で戦っても、得はないでしょ?」
魔理沙との一戦。それはけして無駄になることはなく、学ぶべき事は多い。
ただ、それを私の戦いに取り入れるかどうかとなれば、話しは別だけど。
「それに、全力で戦うとなれば、人形達に意味がなくなってしまうじゃない」
「別に補助に回せば良いんじゃないのか? 上海人形なんて、元々そんな感じだぜ?」
「否定する気はないわ。助手としてのあの子も、かなり優秀よ」
自惚れるつもりはない。ただ、事実は事実として認める。
それに、作った物に対し愛情を注ぐのは当然のこと。例えそれが一時の物であったとしても、差があってはならない。
「そもそも、魔理沙相手に全力を出してどうするのよ?」
「いや、私に聞かれても困る。ついでに言えば、全力で戦わないアリスと引き分けなのは納得いかないぜ?」
「魔理沙も本気出してないでしょ? まったく、いつまで道具に頼っているつもり?」
私が全力なんて出していたら、それは弾幕ごっこでは終われなくなる。
死を振り撒き、破壊を撒き散らし。全てを否定しなければならない。
……そんなことをする為に、幻想郷にいるわけではない。
それは魔理沙も同じこと。道具に頼ることをやめ、自分の魔力にだけ頼るなら自我を飛ばしてしまうことになる。それは既に、魔理沙ではないただのモノ。人の形をした、破壊を振り撒くだけのモノ。
まぁ、そんな事態になれば、あの巫女が黙っていないわね。
私達を封印する為に、動き出すのだろう。
「道具に頼る、か。確かに魔法使いとしては宜しくないんだろうけど、便利なんだぜコレ」
ミニ八卦炉か。利便性自体は認めるけど、色々混ぜすぎよソレ。
それに、自分の手で改良出来ないのは、いただけないわね。
「誰も使用感なんて聞いていないわ」
「いや、アリスの言いたいことも分かる。確かに、調整をする手間はあるし、自分では出来ないから不便なところもあるんだけどな」「誰もそんなこと聞いてないわ」
解説を求めた覚えはないし、聞き続ける義理もない。
それに、今回の成果をまとめ、今後の資料として活かさないと。
「あ、待てよアリス。ここからが良いところなんだぜ?」
「話したければ、1人で話してなさい。私は家に戻るわ」
魔理沙に付き合っていたら、予定通りにコトが進まない。
まったく、人形の調整で忙しいと言った筈よね?
「仕方ない。なら、私も行くぜ。お茶ぐらいは出るんだろ?」
「何故、当然のようについてくるのかしら? 私は別に用事はないわよ」
「連れないこというなよ。私とアリスの仲じゃないか」
まぁ、確かに、魔法使いである彼女の意見は役に立つこともある。
大半は採用出来ないものだけど、たまには、ね。
「仕方ないわね。紅茶とクッキーしか出さないわよ?」
「へへ、それで十分だぜ。これで3日ぶりの食料だ」
「……食事はまともに取りなさい。頭の動きが鈍るわよ」
なぜ3日もの間、食事を取っていないの?
別にお金がないと聞いた覚えはないけど、苦しいのかしら?
「いや、研究だけしてたら食べ損ねたんだよ。作るのも面倒だったし」
「あなた、いつか死ぬわよ?」
「人間いつかは死ぬんだし、アリス達程長生きできねーよ」
まったく、口だけは減らないわね。
あなたは、長生きするわ。
◇
「アリスは、恋愛をしないのか?」
家に入るなり、唐突に始まった恋愛討論会。
私としては、どうでも良いのだけど……魔理沙にとっては、重要みたいね。
「別に、魔理沙の恋愛感情まで否定する気はないわ。好きにしなさい」
私に実害があるわけでもないし、憎まれるよりは良いでしょう。
将来的に、恋愛を知る必要があれば、彼女に聞くことだって可能なわけだし。
うん、問題ないわ。
「おー、流石はツンデレのアリス。実は、ちょっとだけ気になってたりしないか?」
「全面的に否定してあげるわ。アリス・マーガトロイドにとって、霧雨魔理沙は恋愛対象ではないの」
「手厳しいな。でも、そんなところも魅力的だぜ」
魅力、ねぇ。私にどんな魅力があると言うのかしら?
「ツン全開だから、デレた時が楽しみだぜ」
「永遠にありえないわね」
ツンとか、デレとか分からない言葉ばかり。
そういった、分からない言葉を魔法使いとしては、放置できない。
「でも、デレないってことは、アリスが誰かを好きになる可能性がないってことだろ? なら、私は安心してアタック出来るな」
「どうしてそんな結論になるのかしら? 不思議過ぎて、理解する気にもならないわ」
ただ、アリス・マーガトロイドとしては、是非放置しておきたいものだわ。
「いつの日か、恋に落ちるまで告白し続ければ良いだけだぜ」
「先は長いわよ? 魔理沙が生きている間に、恋をするなんて限らないし」
「はっはは、大丈夫。私の愛は結界なんて飛び越えるからな。幻想郷ぐらいなら、いつでもこれるさ」
興味のない私に、興味を持たせる。その上で、魔理沙に惚れさせる。
そんなに簡単なことだとは思わないけれど、彼女は続けるんでしょうね。
まったく、良い迷惑だわ。
「好きにしなさい」
けど、そんなことに対しても一生懸命になれる彼女を、私は嫌ってはいない。
もしかしたら、自分で理解していないだけで、ある程度の好意は持っているのかもしれないわね。
――何にしても、先の長い話だわ