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違う……迷走しました~
エーリカ×バルクホルン テーマ:届かぬもの-2 うpです
憧れるだけ憧れて、近づこうと努力はした。自分にやれることは全部やったつもりだし、時には無茶のしすぎで倒れそうになったことまである。
近づきたくて、掴みたくて。夢の中だけで終わりたくなかったから。
だけど、現実というものは残酷だ。
大半の者が努力だけで終わってしまい、憧れたものを掴むことは出来ない。
中には努力をすれば報われるという者もいるかもしれないが、大半は報われることなく終わるのだ。
勿論、努力事態が無駄になるとか、そこまで後ろ向きなことを言うつもりはないけれど。叶わぬ可能性を無視して失敗した場合、2度と立ち上がれなくなる可能性だってあるんだ。
地面に寝そべったまま、憧れていたものが前よりも遠くなってしまったことに気付き、絶望する。
僅かでも近づきたかったのに、少しでいいから近づいてみたかったのに。取り返しのつかない失敗をしてしまった。
そんな時、どうやって立ち直れば良いのだろうか?
コレなら負けないと、そんなふうに思い込んでいたものがなくなった時、何を武器にして立ち向かえば良いのだろう?
自分を信じれない状態で、何を頑張れるというのだろう?
「分からないよ」
日常生活で甘えることはあっても、戦場でなら役に立てるはずだった。
それなりに戦果を挙げ、撃墜数でも他のウィッチ達には勝っていた。
だけど、私の力で守ることは出来ても、救うことは出来ない。傷ついた者を助けることは出来ない。
戦果を挙げ、そして医者になれば出来ないことはないって、そんなふうに思い込んでいた。それを信じていた。
だけど、実際には違う。
医学では魔法には勝てない。治癒魔法に勝る方法はない。
普遍的に技術を身に着け、磨き続けたとしても、治癒魔法には勝てないんだ。
だって、そうだろう? 私が助けたい者達は最前線で戦い続けている。そんなところに医者を派遣するなんて不可能だ。
派遣しても、足手まといにしかならない。
今は良い。ウィッチとして飛べる今なら、シールドを自分で張ることだって出来る。
だけど、20才を越えた後はどうだろう?
うちはそれなりにウィッチを輩出しているけど、特別な家系というわけでもない。
成人してしまえば、そのまま魔法力が衰退してしまうだろう。
そうなった場合、私はどうすれば良い?
この前まで守っていた人達の中に混じって、守られながら待っているのか?
怪我をしないように祈りながら、最前線での治療をすることも出来ず、基地で待っているしかないのだろうか?
まぁ、そんな先の話は良い。衰退してしまった魔法力は戻れないし、基地勤務となればそれなりにやることもあるのだから。
私が真に怯えているのは、そんなことではない。
魔法力の衰えが徐々に、分かる形で来てくれるのなら問題はない。
だけど、急激に衰退したら? さっきまでは大丈夫だったのに、昨日までは大丈夫だったのに……そんなタイミングできたら、どう対処すれば良い?
戦場で、誰かを守ろうとした時に、急激な衰えに気付いた場合、私はどうやって守ればいいんだ?
私は少佐みたいに器用なことは出来ない。刀で戦うような技術も持っていない。
シールドとして役に立たなくなった瞬間、ウィッチとしての価値はなくなるのだ。
そんな時、どうやって守ればいいんだろう。
――分からないよ