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ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
プロフィール
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らさ
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37
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男性
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1986/07/28
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お正月って暇ですね。考えるにはぴったりで、書くのにも困らないんですが

うん、暇です

そんなわけで、昨日の救いようのないSSを、ちょいっと拾いにいきます
千歳sideで書いてみると、そんなに酷いことではないのが、分かってしまう……

愛情って真っ直ぐなイメージがあるのですが、曲がっていたり、折れていたりしてもいいんじゃないかなって、思えてきました。




 私は何も分かっていなかった。あの子のことを、何も分かってやれなかった。
 姉なのに、ずっと一緒にいたはずなのに、気付くことも出来ず、苦しめてしまった。
 だから、爆発しちゃったのね。私がいつまでも気付けなかったから。ごめんなさい、気に病まなくてもいいのよ?
 あなたの気持ちにも、自分の気持ちからも、目をそらし続けていたのは私なのだから。
 
 
     想いの混濁
 
 
 朝日が差し込み、私のことを照らすようになった頃、とんでもない過ちをおかしていることに気が付いた。
 いつもなら傍にあるはずの温もりが、私の大切なものがなくなってしまっていることに、気が付いてしまった。
 昨日、提督への報告が終わった後、この部屋で私は襲われた。この世界で最も信用している妹に、襲われた。感情を溜め込んでしまって、どうすれば良いか分かっていない、そんな不器用な子だと分かっていたのに。私は気付くこともなく、いつも通りに接してしまったの。
 だから、千代田は爆発してしまった。私への想いも、世界への不満も、先にある不安からも、全てを忘れる為に、私のことを求めたのね。
 分かっている、あの子は不器用なだけ。自分の気持ちをちゃんと伝えられなくて、隠しているつもりなのにバレバレで――待ったのは失敗だったのかもしれないわ。こうして今ある結果を見つめれば、そのことが私の心へと重くのしかかってくる。
 千代田は、おそらく海へと出てしまった。私が自分の気持ちを整理することが出来ず、泣いている間に海へと出てしまったのでしょう。
 罪悪感と虚無を抱えながら、水底を目指しているに違いない。勝手に出撃をして、勝手に沈んでしまうなら、他に傷つく人もいないから。どれだけの無茶をしても、最小限の迷惑ですんでしまうから。
「まったく、どこまでも不器用なんだから」
 優し過ぎたのね。今の世の中は、あの子にとっては残酷過ぎる。船としての記憶が邪魔をして、自分が何物かが分からない。何故戦っているのか、何故傷つかなければいけないのか。いつも悩んでいたのは知っているの。
 それでも、私は手を差し伸べなかった。あの子なら乗り越えると、ただ盲目的に信じて、叱咤することしかしなかったわ。積もっていく不安を直視することもなく、あの子の涙を受け入れることもなく、全ての感情を姉妹という言葉で押しつぶして。
「これも成長と考えれば嬉しいだなんて、私の想いは歪んでいるわね」
 私は、千代田に襲われたから泣いていたわけではないの。千代田が求めたくれたことは嬉しくて、だからこそ自分の汚さを直視してしまって、どうすれば良いのか分からなくて。私は、自分の中へと閉じこもってしまった。
 あの子が泣いているのは、分かっているのに。私を傷つける以上に、自分の心へと刻み付けているのを知っているのに。何もしてあげられなかった。
 あの時私が抱きしめることが出来れば、一声かけることが出来たのなら、違う未来を選べたのかもしれないのに。最低ね、私。姉としても、人としても、最低だわ。
「反省しても、落ち込んでも、結果は変わらないのよね」
 どうすればいいのかしら? 千代田を傷つけてしまった以上、自分を許すつもりはない。
 けれど、このまま追いかけないでいるのなら、光に照らされるままに過ごすのなら、大切なものを失ってしまう。私が手を伸ばさなければ救えないものを、見捨てることになってしまう。
 そんなことになった時、私は耐えられるの? この世界で、千代田を亡くしてしまった世界で、私は生きていけるの?
 こんなところで自問している前に、自らを責める前に、やるべきことがあるんじゃないかしら?
「千代田の好きになってくれた、千歳はこんな結末を望まないわ。どんな時でも、千代田を助けに行くんでしょ?」
 身体がだるい。腕を上げるのすら億劫で、身体を起こすことなんて出来そうにない。艤装を背負ったとしても、出撃できないかもしれない。不安要素しか残っていないのね。
 けれど、ここで千代田を追いかけないことを選べるほどに、私の心は壊れていないから。あの子の失う以上に、怖いものなんてないから。
「私は、いつも遅過ぎるのよ。そして、あの子は早過ぎるのよ」
 前を歩いているつもりだったのに、いつの間にか追い越されて、その姿が見えなくなってしまう。霧の向こうへと、霞んでしまう。
 望んでない未来を引き当てるのはいつもだけど、褒められるものではないから。せめて姉らしく、妹を追いかけることにしましょう。
 戻ってこれないかもしれないし、千代田を見つけられないかもしれない。探している途中で、私が沈むかもしれない。
 ただ、このままじっとしていることなんて出来ないから。追いかけてあげるわ。
 
――姉より先に沈むなんて、許さないんだから
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