ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。
※ 百合思考です。
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1986/07/28
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恥ずかしいので止めて ^^;
可愛いは正義、異論は認めない
全ては不知火が可愛いが為、可愛いもの大好きな私の心の向くままにぃ
・w・) まぁ、そんなのは置いときましょう
そろそろ、百合展開に片足を突っ込むよっ
女提督って素敵☆
全ては不知火が可愛いが為、可愛いもの大好きな私の心の向くままにぃ
・w・) まぁ、そんなのは置いときましょう
そろそろ、百合展開に片足を突っ込むよっ
女提督って素敵☆
どうして、このようなことになってしまったのでしょうか? 私はまた、誰かに迷惑をかけてしまったのでしょうか?
こんな私でも何か出来るかもしれない、役に立つところがきっとあるはずだと、そのように考えて軍に志願しました。
前線で戦えなくても良い、ただの給仕部隊でも構わない。今、危機にさらされているこの世界の為に、何かをしたいとそれしか考えていなかったはずなのですが。
どうして、このようなことになったのでしょうか?
目の前にある、彼女の顔を見つめ続けるような恥ずかしいことは出来ず、だからといって寝返りを打てば、彼女を起こしてしまうこの状況。はたして、私に救いはあるのでしょうか?
唯一の救いとも言えるのは、彼女はただの善意により、私と一緒に寝ているということ。どこかで聞いたことはありませんが、これも彼女なりの愛情表現なのでしょう。
こんばんは、私は横須賀鎮守府にて、提督の任についているものです。
たまに上層部から降りてくる、無茶な命令に頭を悩ませること意外、これといった問題のない楽園のような職場で過ごしています。
まず、うちの子達が可愛いです。賑やかな子もいれば、大人しい子もいます。小学生くらいの子もいますし、大人びたお姉さんみたいな子もいます。時々いじわるをする子や、いたずら好きな子がいたりもしますが、それはそれで可愛いものです。
そんな子達の中から1人を選び、秘書艦に任命できるという、これまた天国のような命令権を私は持っています。
私1人でもなんとかならないことはないんですが、そこは、こう、可愛い子が傍にいてくれるほうが仕事の進みも良いわけで、非常に助かっているのですが。艦娘達は、随分と個性的な子が多いです。中には誤解されてしまうような、可哀想な子もいます。
その内の1人が、今秘書艦を勤めてくれている、不知火ちゃんなのですが。ごめんなさい、最初は正直怖かったです。いつも難しそうな顔、不機嫌そうな顔をして、これでもかって半眼で見つめてきます。誰かがミスをすると舌打ちをし、話しかけたときの返答も何かを思わせます。
けして目をそらすことはなく、反抗的な態度もとらないのですが、ちょっと雰囲気からただならぬものがあるんです。
その為、駆逐艦と呼ばれる艦種にも関わらず、一部の戦艦にすら怖がられてしまっているみたいで、ちょっと可哀想な子です。
不知火ちゃんは真面目なだけなのに、誰かを怖がらせるようなことはないのに、その雰囲気に飲まれてしまいます。
今朝だって、私の為に朝食を作ってくれたんですよ? こんな、女の子に囲まれてて、怖いおじさんがいないのが幸せーとかいっている、私の為にですよ?
そんな優しい子を怖がるなんて、酷いです。明日、ちょっと会議を開かねばなりません。遠征や戦闘も大切ですが、みんなが仲良く出来ない鎮守府なんて意味ありません。私達は笑顔を守る為に戦っているんですから、まずは私達が笑っていないとダメなんです。家族は仲良く暮らすべきです。
まぁ、そんなふうに真面目な不知火ちゃんなんですが、ちょっとやり過ぎてしまう時があるのは、事実のようです。ええ、現在進行形で体験しておりますので、間違いではないと証言できます。
まさか、同衾を申し込まれようとは、人生経験の長くない私としては初めての経験です。もっとも、その原因となった出来事に関しては、ときめき要素が全くないのが、残念な限りです。贅沢だとは分かっていますが、求めようとしてしまう心だけは許して下さい。
私は、自分自身の容姿について、自信がありません。背も低く、ふちの太いメガネをかけ、おしゃれに気を遣うこともありません。また、体の起伏にも乏しく――いえ、止めましょう。私の容姿の説明なんてしても、何も意味はありませんから。
とにかく、自分に興味がなかったのもあり、またちょっと忙しかったのもあって、執務机で寝ることも珍しくありませんでした。ついでに、アイロンを当てていない服を着ていることもあります。白詰にシワが入ったりしていて、格好悪いことにもなっていました。
その状態を不知火ちゃんに見つかり、当然のように咎められました。
もっとも、そのお陰で一緒にお風呂に入れたり、化粧をしてもらったり、アイロンをかけてもらったりと、夢のような時間を過ごしていたわけですが。まさか、一緒の布団に入ることになるとまでは予想していませんでした。
ただ、本当の不満はそれではなく、こう可愛らしさの全くない理由にあるのですが。
「司令、机で寝ていては疲労は取れません。今夜は、何があろうとも布団で寝ていただきます」
枕を抱え、寝る準備万端の不知火ちゃん。
彼女いわく、放っておいたらまた机で寝てしまうだろうし、布団に入ったとしても仕事に戻らないとも限らない。その為、見張りとして手をつないでで一緒に寝るというのです。不知火ちゃんの言うことに、間違いがないのが悲しいところでもあるのですが、それ以上に今の天国を素直に味わえないのが悲しいです。
もっと、可愛い理由が欲しかった。怖くて眠れないとか、頬を染めてくれるとか、少しくらいときめきをくれても良いでしょ!?
私だって頑張ってるのに、神様はいじわるです。
◇
以上、回想終わり。
そんなわけで、今目の前には彼女の整った顔があり、どうしていいか分からない困惑した私がいるわけです。
欲望に任せて抱きしめたりすれば、翌朝には地獄が待っていることでしょう。ときめきライフからは程遠い、不知火ちゃんに睨まれる、そんな日々が待ち構えているのです。
それだけは、そんな日常だけは避けなければいけません。私のガラスのハートは、粉々に砕け散ってしまいます。立ち直ることもできないでしょう。
だからといって、この状態で意識を手放すのは勿体無さ過ぎて、もっと不知火ちゃんの顔を見つめていたくて、眠ることも出来ません。
まるで理性を試されているような、この状況。これがせめて、いつもの執務室であれば耐え抜くことも出来たでしょう。壁にかかる海図を眺め、人類の衰退に嘆くことで冷静さを保つことも出来たでしょう。
しかし、ここは不知火ちゃんの、彼女の部屋なのです。厳しく、真面目な彼女の、秘密の花園といっても過言ではないでしょう。
あの大きな箪笥には、どのような衣装がしまわれているのでしょうか? あの姿見は、毎朝チェックに使われているのでしょうか?
あちらの化粧品は、彼女の愛用の品々に違いありません。ハンガーにかかっているワイシャツは、彼女の性格を表すかのようにシワなんて見られませんでした。
わずかでも気持ちを落ち着け、少しでも睡魔を引き寄せないといけないというのは、分かっているのに。彼女から目をそらしても、そこには興味を惹かれる空間しかありません。こうなれば、気にしないようにと心がけている、彼女の香りすら思い出してしまいます。
「眠れません……」
この空間で眠ってしまうような、この幸せな時間を手放せるような、そんな気概は私にはありません。
不知火ちゃんの温もりに、不知火ちゃんの息遣いに包まれ、私のテンションはどんどんとあがっていきます。いえ、これだけ可愛いんです。他の人であったとしても、同じ反応になるはずです。ええ、仕方のないことなのですよ。
「指令、まだ起きていらっしゃるのですか?」
「起こしちゃいましたか?」
暗闇に浮かぶ蒼色の光。それは、彼女の瞳に反射したものだろう。どこか悲しさをたたえた、それでいて真っ直ぐな光。
その瞳が移している世界は、彼女にとって優しいものだろうか? 命をなげうってまで戦った、その戦果に応えられるだけの世界だろうか?
いや、それはないか。
優しい世界であるなら、望むべき形をしているのであれば、もう少し笑ってくれても良い筈だから。彼女が再度、軍艦として呼び出される必要は、なかったはずなのだから。私達の、私の未熟さが彼女を必要としてしまった。
「不知火は、指令の見張りとしてここにいます。先に寝るような、任務放棄はしません」
「えへへ、素直に喜べないのが、悲しいな」
「喜ぶべき要素はありません。早めの就寝をお願い致します。明日も早朝から、作戦が待っていますので」
布団の中ですら、この有様。うーん、どこで休憩しているのかな? それとも、欲しがりません、勝つまではとか、そんな感じなのかなぁ。
それはちょっと、悲しいよ。頼ってもらえないのは、甘えてもらえないのは、寂しいよ。全てを叶えてあげることは出来ないけれど、私に出来る範囲でなら我侭も聞けるんだよ? これでも提督なんだから、結構偉いんだよ?
なんて、そんなことを言っても、呆れられるだけか。あはは、ちょっと落ち込みそうだよ。私としては、慣れてもらうために、笑ってもらうために、秘書官に任命したのに。失敗だったのかもしれないね。素直になれないのは、私も一緒なのかもしれない。
「不知火ちゃんに迷惑をかけないよう、もう少し頑張るね」
「倒れられると困るので、適度に努力されるようお願いします。私に、医療知識はありませんから」
「うん、気をつけるよ」
笑わせられないのなら、せめて悲しませないようにしないとね。私に出来る、小さなことからやっていくよ。
いつか君を笑わせられる、そんな日が来るまで。私は、私のやり方で頑張るよ。
――明日も、幸せに暮らせますように
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