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ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
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らさ
年齢:
37
性別:
男性
誕生日:
1986/07/28
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SS書き・ステカつくり
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(・w・)そろそろ、カテゴリを分けるべきでしょうか……

不知火ちゃんと女提督のデート、なんとかまとまりを見せてくれました。
この2人、寄り道クセでも付いてしまいそうです。目的地に中々辿りついてくれません。

まぁ、そんなことは良いんです。可愛ければ







 近くの住所を知っていたのは、単なる偶然であり、メモに書かれていた住所を理解していたわけではない。
 私には不要な場所だと思っていたし、仮に利用するようなことがあっても、相当先であると勝手に思い込んでいた。
 そのような場所に、まさか、うちの艦娘を連れてくるようになるとは、正直思っても見なかった。ついでに言ってしまうなら、不知火ちゃんはこのような場所には、無縁だと思い込んでいた。
 だからだろうか、なんとなく嫌な予感がしつつも、素直に地図を眺めて探してしまった。気のせいだと自分に言い聞かせながら、探してしまった。
 ほんと、どうしもうもないわね。
     ホテル パストラール前
 夕闇の中に浮かび上がる、シックな感じの建物。外見は綺麗であり、なるほど不知火ちゃんが参考にした本に載っていたのも、頷けないこともない。
 ただ、ここで行われていることを、彼女が把握しているとは、正直想い抱く無いのが心情であり、発見した時も素直に案内するか悩んだ。
 ただ、来てしまっている以上、不知火ちゃんに撤退の選択肢は無いだろうし、ここは年上のお姉さんとして、ほんの少しお姉さんなんだからと言い訳をしつつ、チェックインを済ませてしまった。
 そうなる前に退いておけば、このような沈黙を味わうこともなかっただろうし、気まずい雰囲気になることも無かった。そこから考えていいのであれば、私自身も混乱していたのだろう。
 信じたくない現実と、信じていたい幻想。綺麗でいて欲しいと願う願望と、きてしまったという真実。
 果たして、不知火ちゃんはここがどういったところか知っていて、私を案内したのでしょうか? そもそも、どんな雑誌を参考にすれば、フリフリドレスのままホテルへと向かうのかしら? もともとファッションとかに疎いほうではあったけれど、最近のトレンドというのはそういった方向に向かっているの?
「不知火ちゃん、どうしよっか?」
 沈黙に耐えられなくなり、発してしまった言葉。2人でいるのに、楽しい休日になるはずだったのに、黙ったままでいるなんて絶えられないから。
 不知火ちゃんなら、間違っていることに気づいてくれるはずだし、例えそういった仲になったとしても、私自身は構わない。彼女のことを好いているのは、自分のことだから理解している。彼女にずっと側にいて欲しいと、私といる証を持って欲しいと思っていたのも事実なのだから。
 ただ、彼女はどうなの? 好意を持っていると、何か間違いがあっても構わないと、そう思っているのは私だけなのだから。暴走するような、情けないことはしたくない。
 もっとも、かけるべき言葉は違うものにすべきだったのかもしれない。全てをゆだねてしまう様な、受身とも取れる発言だった。
「不知火に落ち度があり、申し訳ありません。まさか、このような場所であったとは」
 ベッドの反対側に腰掛けている彼女から発せられる言葉は、弱々しいもの。まさか、落ち度として認めるほどに、ショックを受けていただなんて。普段であるなら、その可愛らしい姿をじっくりと見物させてもらうところなんだけれど、今はそうも言ってられない。
 変な気分になってしまわないうちに、出てしまわないと。不知火ちゃんが混乱しないとも限らないんだから。窮地に追い込まれると、普段は冷静な子ほど何をするか分からない。少なくとも、私の想像に収まる程度だとは思えない。
「不知火は、別にそのような行為を想定して、このような場所へと案内したわけではありません。ただ、初心者ならガイドブックから選ぶべきだと、下手な工夫を加えても失敗するだけだと思いましたので、そうしただけなんです」
 赤くなったり、白くなってみたり、普段の不知火ちゃんではありえない慌てっぷり。そもそも、言い訳を探している辺りで、平常心でないのは分かってしまう。
 その程度には理解しているつもりだし、彼女も頼ってくれているものだと理解している。それを裏切らない為には、私がいつも通りでいるのが良いでしょう。
 可愛らしさに負けて、抱きつきたくなるのはいつものこと。頭をなでたくなるのも、なんら変わりはない。ほっぺたをつついてみたい誘惑だって、いつも耐えているのだから。場所が変わり、彼女の様子が変わり――そんな中で、私はいつも通り。
 雰囲気に呑まれていたのは一瞬だし、ちょっと寂しいけれど、この程度で混乱しているようでは、不知火ちゃんの求めている提督像に追いつくことなんて出来ない。
「申し訳ありません。別に司令のことが嫌いなわけではないのですが、司令とそのような関係になるのも、やぶさかでもないのですが。司令に対してそのような感情を抱くなど、軍艦としてどうかしています。し、しかし、命令であるなら従います。不知火は軍属なのですから」
 ただ、可愛いのは事実だし、本音を言ってしまえば観賞していたい。今この時しか見られないであろう、貴重な不知火ちゃんを眺めていたい。
「さすがに、こんなとこは命令できないよ。そんなの面白くないし、私も何か準備してきているわけではないから」
 まぁ、心中も少し明かしてくれたし、嫌われていないことは分かったから、大人しく次の機会を待ちましょう。彼女の性格であれば、汚名返上の機会を求めるでしょうし、その時、存分に楽しませてもらうわ。
 ただ、今回はお任せコースになってしまったけれど、次は計画の段階から関わっていたい。2人で楽しもうとするのに、不知火ちゃんだけ頭を悩ませるのは、不公平よ。
「私はね、不知火ちゃん達に頼って、提督という仕事をこなしているの。不知火ちゃんに助けてもらえるから、今の私があるの。だから、傷つけるようなことはしたくないんだ。無理をしてまで、こんなことを命令で片付けたくないの」
 何よりも、助けてくれているこの子を傷つけるようなこと、私は望んでいない。私を支えてくれている恩に、仇で返すような真似をしたくない。
 笑っていて欲しいの、恥ずかしそうにで良いから。楽しそうにして欲しいの、雰囲気だけでも良いから。私はあなたの提督で、あなたは私の大切な人なんだから。命令していいようなことではないのよ?
「多分、何も思っていないのなら、誤魔化して終われるんだけどね――難しいね」
 他の子であれば、別の誤魔化し方があったのかもしれない。心を伝えるようなことはせず、笑って流せば終われたのかもしれない。
 ただ、不知火ちゃんにはそんなこと出来ないから。私の心がそれを許さないから。抱いてしまっている想いが、私を縛り付ける。
「何か起きちゃう前に、帰ろうか。明日も出撃があるし、忙しいもん」
「……お供します」
 今の言葉で、どの程度のものが伝わったのか、それは分からない。何より、私自身がどのような関係を望んでいるのかも、分かっていない。
 そんな状態で、理解して欲しいというのは、ただの我侭でしかない。出来ることすらやらずに、相手に任せてしまうのは、許可出来ない。
 ちゃんと私の魅力を伝えて、その上で合意を得られたのであれば、彼女の心が私に傾いてくれるのであれば、その時にね。
 今の世の中で許されるかは分からないけれど、気持ちは止められないから。
 
――私達、どうなっちゃうのかなぁ
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