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え~と別にSS書くのをさっぼっていたわけでは無いのですが・・・ゴメンナサイ
なのは系の記事か、イベント系の記事しかUPしなのでどうしても間が空くのですよね ^^;
言い訳はここまでにしてっと・・・
今回UPするSSは
「アインス祭り」にて投稿したSSとなります。
一定期間が過ぎたら公開していいといわれたので・・・もう良いよね?
「リインフォース、ちょっとよろしいですか?」
それは、夜天の書「リインフォース」を閉じる儀式のこと、レイジングハートはリインフォースに聞きたいことがあったのだ。
「どうしたレイジングハート。何か問題でも起きたのか?」
儀式の為、一時的にリンクした状態となっているデバイス達。周りの者には聞こえない会話を行っていた。
「あなたは主の幸せの為に消えるとおっしゃいましたが、マスター同様私には理解できません」
「そのことは先ほども話したであろう?お前達にもいずれ分かる時が来ると」
主はやてへの侵食は止まり、防衛プログラムが停止している。夜天の書を閉じるなら今しかないのだ。
なのになぜレイジングハートは疑問に思うのだ?
「僭越ながらリインフォース、私も同じ意見だ。僅かでも希望の残る道を探るべきではないのか?」
バルディッシュまでもか・・・。
付き合いは短いがこのデバイス達も自分のマスターの為になら何でもしようとする。だから説明をしなくても良いと思ったが浅はかだったか?
「リインフォース、私としては主の断り無く消えてしまうことには賛同できない」
「防衛プログラムが修復を始めてしまわないうちに閉じないといけない。暴走をさせない為にも時間が無いのだ」
今回はたまたま防衛プログラムが暴走の初期にあり、また主はやての決断もあったが故に消滅に成功したに過ぎない。私が主と共にあれば防衛プログラムは確実に修復を始め暴走するだろう。今度こそ次元震を引き起こす。
「私としては消える事自体に異論があるわけですが・・・やはり最低でも自らの主に別れを告げるべきでしょう」
「だから、時間がないと言っている。もし今度暴走したら・・・」
「その時はまた我が主達が協力してくれよう。我が名はバルディッシュ・アサルト「夜を切り裂く閃光の戦斧」。わが主フェイト・テスタロッサと共に闇ぐらい切り裂いて見せよう」
「私もお供しますよ。防衛プログラム一つ破壊出来ない訳ありません。我が名レイジングハート・エクセリオン「不屈の心」。マスターである高町なのはがいる限り折れることはありません」
まったく、このデバイス達はそれぞれの主に良く似ているな。
「少し昔話をしよう・・・起動準備を進めながら聞いてくれ」
◇
11年前のことだ・・・
幾度目かの転生を繰り返し、また同じように主を乗っ取った私は暴走していた。
その際、時空管理局の艦隊が派遣され一時的に防衛プログラムの暴走を押さえ込んだのだ。
しかし、所詮は一時的な処置に過ぎなかった。管制人格である私が起動できていれば危険を知らせることも可能だったろうが、暴走に巻き込まれた私では意思を伝えることさえできない。
結果としては2番艦エスティアと共に夜天の書はアルカンシェルで消滅、転生した。
あの時私は絶望した。
過去に何度か次元震を引き起こしたことはある。しかし、あのように自らの仲間を撃たせるといったことは無かった。あの時アルカンシェルを撃った者はこの11年間を夜天の書の完全消滅だけに身を削り生きてきたと聞いた。仲間を撃ったのは自分の責任だと・・・。
もし今回、主はやてに別れを告げることを私が望もうならば、その苦悩を押し付けることになってしまう。我が主はお優しい方だ、プログラムでしかない守護騎士や官制人格である私を家族と呼び大事にしてくれる。とてもありがたいことだが、今回はそれが裏目に出るだろう。
家族に対し非情になりきれない我が主では仕方が無いとして割り切り、私を閉じることは出来ないだろう。また、仮に閉じれたとしても大きな悲しみに飲まれる可能性もある。時間と仲間が癒してくれるとは思うがそれでは私が安心して旅立てない。
お前達の主に迷惑をかけている事は理解しているが・・・すまない、付き合ってくれ―――
◇
私として伝えられることは伝えた。後はどう受け止めてくれるかだ。
「そうか・・・そこまで考えた上での行動なのか・・・」
「確かに防衛プログラムを消滅させて衝撃を受けている今の彼女には辛いでしょう・・・」
どうにか理解してもらえたか。あまり時間を掛けたくない、早めに準備を整えよう。
「しかし、一ついいかリインフォース」
「なんだバルディッシュ、まだ納得できないのか?」
まだ異を唱えるのか?いい加減作業に集中して欲しいものだ。
「あなたの考えは分かりましたが、私からも一ついいですか?」
「レイジングハートお前もか・・・はぁ、何が不服だというのだ」
「おそらくバルディッシュと考えていることは同じですがね」
作業自体は着々と進んでいるから文句を言うつもりは無いが、少しおしゃべりが過ぎないか?
それにもうこれ以上説明すべきことが思い浮かばないのだが・・・。
どうも、その一つを理解できないのが不満らしい。
「言いたいことがあるなら言ったらどうだ?もうスグ消える身だ、質問する機会は無いぞ」
「では・・・あなたは八神はやてをあなどっている」
「なら・・・主である八神はやてをあなどりすぎだ」
「なんだと?幼少の頃から主を見ている私があなどっている?」
さすがに聞き流せない。よりにもよってそんな事を言われるとは・・・
「リインフォース、闇の書と忌み嫌われていた君にその名をくれたのは誰だ?共に歩もうと言ってくれたのは誰だ?」
「主はやてに決まっているだろう。今更確認か?」
「リインフォース、あなた達を家族と呼んでくれたのは誰ですか?一緒に償うと決めているのは誰ですか?」
「主はやてだ。何が言いたい?はっきりしたらどうなんだ」
そう、分かりたくなかったのだ。主に会わずに、別れを言わずに終わりを迎えるのは我侭だと気づきそうだから。
「では、はっきりと申しましょう。リインフォース、あなたの主八神はやてはあなたの消滅すべきだという意見を聞き入れるでしょう」
「そして、時間はかかるかもしれないが、前を向き歩を進めることができる。お前の主はそういった強い方だ」
「くっ・・・」
そう、薄々とは気づいていたのだ。それをはっきりと示されただけ。
我が主はやては私が消滅する事実を乗り越えられるだろう。乗り越えて前を向ける強いお方であると・・・。
そして、最後に一言別れとお礼を述べるべきだと。
しかし、私にどうしろというのだ?もう既に術は起動している。今から解除して主の下へ向かえばその時間で防衛プログラムが修復してしまうかもしれない。どっちにしろリスクが大きすぎる。
「ときにリインフォース、この魔法には防衛プログラムを抑制する働きがあるのではないか?」
ほぅ、バルディッシュはそんな事にも気づいたのか。
「その通りだ、この魔法陣にいる限り防衛プログラムは抑制されている。暴走する心配も無い。しかし、維持したまま移動などできないぞ」
そう、夜天の書を閉じる為のこの魔法は消費が大きく、扱いが難しい為複数のデバイスが必要だ。そのかわりといっては何だがこの魔法陣の中にいる限り防衛プログラムは抑制されるはずだ。
「ならば、あなたの主八神はやての到着まで魔法を維持しましょう。今現在あなたに異常が発生している状態です。主には何らかの連絡がいっているはずですよ」
確かに主はやてには既に連絡と呼べるものが行っている。しかし、主はまだ歩けないのだ。ここにいることすら知らない。
一体どれだけの時間維持しなければいけないか想像もつかない。
「それは消費が大きすぎて薦められない。君達の主も相当な魔力を消費するぞ?持つのか?」
「私のマスターを舐めないで下さい!」
「主を舐めないでもらおうかリインフォース!」
怒られてしまった。別にけなした訳ではないのだが・・・
「決めました。あなたには主に必ず会っていただきます」
「同感だ。この程度の魔法、維持して見せようではないか」
え?私は主に会えるのか?会ってもいいのか?
自分の都合だけで相手の気持ちには気づかない振りをして、逃げている私の為に協力してくれるというのか。
「リインフォース、勘違いしないで下さい」
「我等は自己満足の為にお前と主を引き合わせるのだ」
そうか・・・そうさせてくれるのだな。
「ありがとう・・・」
最高の思い出が作れそうだ。
◇
「Ready to set.」
「Standby.」
「ああ短い間だったが、お前達にも世話になった・・・」
「Don't worry.」( 気にせずに)
「Take a good journey.」(良い旅を)
「あぁ・・・」
「後はリインフォースの主を待つだけだな」
「これから魔法の維持に入ります。おそらく会話は不可能でしょうが・・・、必ず来てくれます。諦めないで下さい」
「リインフォース!みんなぁ!」
あぁ、我が愛しき主、八神はやて。レイジングハートとバルディッシュが最高の舞台を用意してくれました。
貴女への感謝と最後の願いを伝える舞台が・・・・
「祝福の風」リインフォースの晴れ舞台、どうか最後までお付き合い下さい―――
初出;アインス祭り
いつもと書き方が異なっているのは仕様です(コラ
そのうち修正が入るかもしれません・・・