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ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
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らさ
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37
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男性
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1986/07/28
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おはよう御座います ><)ノ

めずらしーく、朝に更新していますぉ
別に土曜日に更新し忘れて、昨日の晩思い出したなんてことはありません
原稿を書かずに、FPSをやっていたなんてことはありません


言い訳はこれぐらいにして
はやて×ヴィータ 【響きあう心】です
(カテゴリは八神家となります)

惚れるきっかけを、惚れた後で覚えているのは稀なのか?
でっかく愛すれば、そんなの気にしなくて良いと思うんですけどね……


では、お時間がありましたら、続きからどうぞー














物事には流れがある。
調子の良い時があれば、調子の悪い時もある。
それは必然ともいえる事柄で、避けて通ることなんて出来ない。
「なぁ、はやて」
「なんや?」
どうやら、わたしにもそのタイミングが訪れてしまったらしい。
それもありがたくないことに、恋愛関係ときたもんや。
「はやてって、アタシのどこが好きなんだ?」
そんな訳で、わたし八神はやてはヴィータに追い詰められていた。
内容自体は恋人として、誰もが1度は聞いてみたい素朴な質問。
けど、答え方次第では、別れてしまうかもしれん程に重大なもの。
「ほら、強いところが好きとか、優しいところが好きとかあるけどさ。はやては、アタシのドコが好きなのかなって」
「うーん、ヴィータの好きなところかぁ」
即答出来る程簡単ではなく、かといって答えられない程難しい問題ではない。
どっちかと言えば自身が惚れ、好いている相手なのだから答えるの自体は簡単や。
せやから、ここで重要なのは応え方であって、回答自体にはあまり意味がないのかもしれない。
「わたしが好きなところか……」
ほんまなら、誤魔化してしまうのが一番楽なんやけど。
こんな綺麗な瞳で見つめられたら、誤魔化すなんてことは無理。
はぐらかすことさえ、難しいやろうな。
「そんなに難しいの?」
「んー? いや、難しくはないんやけどな。急に聞かれたし、どう答えればええかなーって」
正直なところ、いっぱいありすぎて1つに絞るのは難しい。
それをそのまま答えてしまうのが、わたし的には正解なのかもしれない。好きなところが多すぎて、1つに絞れないと。
けど、その回答はヴィータは求めているものなんかな?
どこが好きなのか、1番好きなところは何か?
それを求めている彼女に、答えてしまってもええものやろうか?
どんな時でも、真っ直ぐにぶつかってくれるヴィータ。
どんなことでも、真っ直ぐにぶつかり続けるヴィータ。
そんな彼女に答えられる、満足させられる回答やって、胸を張って言えるやろうか?
……考えるまでもなく、却下やな。
かといって、ここが好きと答えることも出来ない。
「別に、今すぐじゃないても良いよ? ただ、なんとなく気になっただけだからさ」
「いや、答えるよ。答えさせて」
答えないなんてことだけは、ないわ。
それに、答えてあげるんやなくて、答えさせて欲しいから。
ヴィータが好きやって、真正面からゆえるチャンスを逃したくない。
「後でなんて、恥ずかしくて答えられそうにないから」
それに、わたしの思いついている回答は、凄く恥ずかしいもの。
おかしいことをゆうつもりはないけれど、恥ずかしい答えには変わりがないから。
出来るなら、別の答えでもええんやけどな。
それ以外の答えは思いつかんし、思いついたとしても相応しくないやろう。
――答えは1つだけやな。





「ごめんな。特別、ここが好きってのはないわ」
「え……だったら、どうしてアタシのコトが好きなんだ?」
わたしの素直な回答。残酷とも言える、回答。
受け取り方によっては、嫌いゆうてるのと変わらんかもしれん。
そんな答えを返してしもうた。
ソレにヴィータは少し傷ついてしまったようや。
まぁ、誤解を招くような回答をしているんやし、仕方がないところもあるけど、辛いなぁ。
「わたしはな、ヴィータだから好きになったんや」
けど、それが本心である限り退くわけにはいかない。
下手な弁解もしない。
だって、それは彼女の心を傷付けるから。
下手な言い訳もしない。
だって、それはわたしの心に嘘をついてしまうから。
「八神はやては、ヴィータやからこそ惚れたんや」
わたしが伝えるのは、素直な心。
わわしが伝えるのは、率直な想い。
飾りも、色気も。何にもないただの言葉。
「その中には、騎士甲冑をまとって戦っているヴィータもいる」
わたしが好きなのは、ヴィータ。他の誰でもない、彼女自身なんや。
こうだから、好き。こんなことが出来るから、好き。そんなんやない。
こうだったとしても、好き。こんなことも出来るけど、好きなんや。
せやから、家族なんて枠を気にせずに、愛することが出来る。
「家族として、わたしの横で微笑んでくれているヴィータもいる」
わたしが惚れたヴィータは、たまたま家族やった。
けど、例え家族やなかったとしても、どこかで巡り会い惚れている。
わたしが好きになったヴィータは、たまたま主従関係を結んだ騎士やった。
けど、例え騎士やなかったとしても、いつかは好きになっている。
ただ、それだけのこと。それだけのことなんや。
「当然、恋人になってからのヴィータもいる」
今まで以上に、色々な顔を見せてくれるようになった彼女。
今まで以上に、彼女の温かさを感じられる時間。
「わたしはな、欲張りやから。全部のヴィータに惚れてしもうたんよ」
その全てが貴重で、どれか1つを選ぶなんて出来ない。
恋をするってのは、欲張りやと思う。
自分に素直になって、相手を求める。
愛するってのは、我侭やと思う。
自分の愛を形にしたい、相手に受け入れて欲しいと望む。
「泣いていても、笑っていても、怒っていたとしても。それは全部、わたしの愛しているヴィータなんや」
格好良かったり、我侭だったり。そんなヴィータが大好きなんや。
甘えてくれたり、真っ直ぐにぶつかったり。そんなヴィータを愛し続けたいんや。
「せやから、ごめんな。ヴィータの質問には上手く答えられんわ」
呆れられたとしても、怒られたとしても、これだけは変えられない。
わたしは全部好きなんや。
「わたしがヴィータを好きになった理由は1つだけ」
わたしがヴィータを好きな理由。
それはたった1つやけど、とても大きいから。
「それは、あなたがヴィータやったから惚れたんよ」
「そ、そうなんだ……」
顔を真っ赤にし、視線を彷徨わせているヴィータ。
凄くキザなことを言った自覚はあるし、わたしもかなり恥ずかしかったけどな。
こんな顔を見せてくれるんなら、たまには頑張ってみるのもええなぁ。





「それにしても、突然こないなこと聞くなんて、どうかしたん?」
「えっと、その……」
さっきまでの嬉しそうな態度はどこへやら。
質問を返されたヴィータは、とても居心地が悪そうや。
ほんま、どないしたんやろ?
「実はさ、はやてに教えてもらおうと思ったんだ」
暫くモジモジとした後、ヴィータが言いにくそうに口を開いた。
「アタシはさ、今まで戦場で生き続けてきた。騎士だから、生き抜く術、戦う術は知っている」
夜天の書が、まだ闇の書と呼ばれていた時代。
ヴォルケンリッターは、主となった者の欲望を叶える為、戦場で生きた。
以前、リィンフォースに見せてもらったことがあるけれど、ひどいもんやった。
あそこには、わたしの想像もつかない世界が広がっていたのやろう。
「怪我をするのも、硝煙の匂いも慣れた。誰かを傷つけるのだって、平気だ」
人の夢が消え、誰かの希望が砕かれる。
人を愛する気持ちを潰され、人の命だってまた――
そんな場所で戦い続けてきた。
「でも、誰かを好きになって、愛するなんてことは初めてなんだ」
そんな辛く苦しい過去があるのに、忘れているはずもないのに、ヴィータはわたしに笑ってくれたんや。
足が動かず、歩くことも出来ないわたしに、優しく接してくれた。
誰かに関わることを恐れ、閉じこもっていたわたしを叱ってくれた。
「どうすれば恋人としての行動なのか、どうすれば愛しているってことになるのか。アタシにはそれが分からない」
嬉しかった。
優しい大人や、怖い大人は沢山いたけど。同じくらいの女の子に、仲良くしてもらったことなんてなかったから。
哀れみでもなく、慈愛でもなく、家族として見てくれた。
「だから、はやての答えを聞けば分かるかなって思ったんだけど」
そんな彼女が悩んでいる。
わたしに色んなものを与えて、元気にしてくれた彼女が悩んでいる。
それに応えられんほど、わたしは弱くないはずや。情けなくはないはずなんや。
「ヴィータ」
「アタシは騎士としてではなく、恋人としてはやてと付き合っていきたいんだ。でも、どうすれば良いか分からなかったんだ」
そっか……。
せやから、わたしの答えを聞きたかったんやな。
わたしが分かりやすい答えを出せんかったから、余計に悩ませてしまってるんやな。
「なぁ、はやて。アタシは、はやての恋人としてココにいるか? 騎士や家族じゃなく、恋人としてはやてと付き合えているかな?」
「そうやなぁ……」
過去を取り戻すこと、言ってしまったことを取り消すことは出来ない。
後悔するからこそ人は成長出来る。そうやったよな?
後悔して、悩んで、この恋を育てていこう。
だって、わたしとヴィータ、2人だけの宝物やもん。
「わたしらは家族や、主と騎士や。それは間違いない」
「やっぱり、そうだよな」
間違えても、勘違いしても、時には喧嘩してもええ。
ちゃんとお互い向き合って、2人で一緒に悩めるならええんや。
一緒にいれば、なんだって出来るんや。
「その上で、恋人にまでなれたんや。わたしはヴィータが大好きやし、ヴィータもわたしが大好きや」
昔の関係を忘れる必要はない。
今までの関係を消してしまう必要はない。
過去があるから現在があり、未来を夢見ることが出来る。
過去の出来事も含めて、今の幸せがあるんや。
「わたしかて、ヴィータが初恋の相手やから。恋人としてどうかって聞かれても、正直なところ分からんよ?」
「そうなんだ……」
この考え方が正しいのか、間違っているのかは分からん。
経験がないから、推測することしか出来んし、はっきりとした答えを見つけてあげられない。
「けどな、これはわたしら2人の恋なんやから、恋人らしさなんて気にせんでもええと思うんよ」
わたしの気持ちだは、はっきりとしているから。
わたしの想いだけは、はっきりと伝えられるから。
「わたしらのペースで、わたしらのやり方で、わたしとヴィータだけの恋をしようや」
それをしっかりと伝える。
彼女の心に届くように、わたしの気持ちが届くように。
真直ぐに伝えるんや。
「今日みたいに悩んだり、分からなくなる時はあるで? わたしらは経験がないし、どーすればええなんて教えてくれる人もおらん」
悩むことだってある。迷うことだってある。
教科書なんてないし、全部手探りで見つけるしかないんや。
「せやから、相談して。わたしにヴィータが悩んでいることを教えて」
例え暗闇に囚われたとしても、こんな風に抱き合えばお互いを見つけられる。
どんな場所でも、2人一緒にいられるんや。
「1人で悩んで答えが出ないことでも、2人で悩めば解決するから」
「うん、分かったよ……」
「あはは、どうしたん? 折角ええこと言ったのに、泣かんでもええやろ?」
わたしの腕の中で、涙を流している彼女。
その頭をなでながら、私は心に温かいものが広がっていくのを感じていた。
ヴィータは真剣に私との恋について悩んでくれた。
そして、分からない部分を分からないままにせず、私に相談してくれる。
わたしを頼ってくれたんや。それが、何よりも嬉しい。
1人で悩まずに、恋人として相談してくれたんや。ほんま、嬉しいわ。
わたしはその期待に応えられたのか、分からない。
けど、腕の中にいる彼女を支えるぐらいは出来たかな?

――わたしらだけの恋をしよう
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