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ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
プロフィール
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らさ
年齢:
37
性別:
男性
誕生日:
1986/07/28
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SS書き・ステカつくり
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先週は、更新を忘れてました テヘッ☆

そんな感じでらさです
本日、ブログを見てビックリしましたよ

どうやら、UPしたのは夢の中の出来事だったんですね
(本当は1つ前の記事の内容)

まぁ、そんな興味のないところはすっ飛ばして……

はやて×ヴィータ 【紅の迷い】です
(カテゴリは八神家になります)

今回は悩めるヴィータを書いてます
宜しければ、続きからどうぞ~









「なぁ、恋ってなんだよ」
言葉だけなら知っている。本で読んだり、話で聞いた。
誰かが誰かを好きになるってことだろ?
でも、アタシは言葉しか知らない。意味なんて考えたこともなかった。
「なぁ、好きってどんなことなんだ?」
アタシは、はやてが好きだ。
ヴォルケンリッターのみんなも好きだ。
なのはやフェイトも、多分好きだ。
でも、どうしてこんなにいっぱいあるんだ?
好きって、何個もあるものなのか?
「なぁ、愛ってなんなんだ?」
好きとの違いはなんだよ。
一緒なのか? 違うものなのか?
愛は好きよりも強いのか?
「なぁ、恋人ってなんだよ」
誰かを好きになり、告白する。
受け入れられれば、晴れて恋人になれる。
そんなシステムだけは知っている。
でも、アタシはシステムしかしらない。
なぜ好きになるのか?
なぜ恋人になりたいと望むのか?
アタシにはソレが理解出来ない。アタシにはそんな経験がなかったから。
だから、あの感情の正体に気付いた時、戸惑った。
はやてを見るだけでドキドキして、はやてが誰かといるだけでイライラした。
守護騎士プログラムに問題はなく、リンカーコア自体も良好。
何1つとして問題はなかったはずなのに、それは突然アタシを蝕んだ。
自分自身で抑え切れない大きな感情。
自分自身では理解出来ない激情。
頭が痛くて、泣いてしまいそうで、焼け付くような想い。
だけど、どこか温かくて、心の底から叫びたくなる想い。
アタシはその得体の知れない感情に散々苦しめられたけど、理解してしまった。
「恋人って何をすれば良いんだよ」
相手の願いを叶えれば良いのか?
相手に従い続ければ良いのか?
でも、はやては違うって言ってた。
ただ、恋をすれば良い。相手を愛すれば良い。そう言ってくれる。
でも、恋ってなんだよ? 愛ってどんなものだ?
「アタシは、はやてが好きなんだ。はやてとずっと一緒にいたいんだ」
――でも、アタシが望んでも良いものなのか?





「……夢かよ」
目を開ければ見慣れた天井が広がっている。
ここはアタシの部屋。
「最悪な夢だったな」
意味のない夢とも言えるだろう。
好きの意味、愛の意味。そんなことを考えても、答えなんてない。
どんなに探しても、どこを探しても、答えは見つからない。
恋も愛も、概念である以上明確な答えはない。
人それぞれ感じ方が違い、表現の方法が違う。
だからこそ難しくて、理解出来ない感情。
悲しいや嬉しいなら分かるのに、これは分からない。
それでも、アタシは恋について考えなければいけない。
アタシは、愛について悩まなければいけない。
それが、はやての恋人であるアタシの役目だ。
アタシだけの、役目なんだ。
「でも、難し過ぎるよな」
アタシの幸せが、はやての幸せに繋がるなら良い。
アタシが幸せになって、はやてが幸せになれるのなら良い。
――そんな都合の良い話があるわけない。
世界は冷たいんだ。暗くて冷たくて、悲しみに溢れてる。
そんな中で見つける小さな花を、人々は幸せと呼び大切にしている。
そんな人達は輝いているし、とても強い。
勝ち目のない戦いでも立ち向かい、何度倒れても起き上がる。
下を向くことなく前を、未来だけを目指し突き進む。
大切なもの、守りたいものがあれば人は強くなれるんだ。
通常の何倍もの強さを手に入れ、頑張れる。
「アタシにも、出来るのか?」
アタシにだって守りたいものはある。
強くなりたい。
アタシにだって、守らなきゃいけないものがあるんだ。
強くなって、守り抜きたい。
はやてを守って、はやてに幸せになってもらうんだ。
はやてが泣かなくても良い、ずっと笑っていられる世界にするんだ。
そうすれば、ただのプログラムであるアタシにも、価値が生まれるはずだから。
はやての傍にいたい。そんな風に願うことだって、許されるはず。
義務を果たせば、アタシにだって……。
どうすれば良いか分からないから、迷走する。
迷って、戸惑って、泣きそうにもなる。
でも、立ち止まっちゃダメなんだ。
アタシは、はやてを幸せにする。
少しでも笑っていられる世界を作る。
もう2度と、はやてが悲しまなくても良いように、アタシが頑張るんだ。
でも、普通の幸せをはやてから奪ってしまった。
そんなアタシに、今更何が出来る?
家族を奪い、自由を奪い、心までも奪ってしまった。
こんなアタシが、何を出来る?
はやての為に出来ることが、アタシなんかにあるのか?
自己満足でもなく、世間に認めてもらえる。そんな方法があるのか?





はやては、アタシのことを好きだって言ってくれた。
はやては、アタシを愛しているって言った。
アタシだって、はやてのことが大好きだ。大好きなんだ。
でも、どうしてなのか分からない。
使えるべき主だから好きなのか?
アタシに優しくしてくれるから、好きなのか?
「違う、それだけじゃない」
好きにはなっても、恋にはならない。
好きにはなっても、愛したりなんてしない。
何か別の理由があって、はやてを愛している。
愛したい、愛して欲しいと悩んでいる。
「でも、そのきっかけが分からない。愛するってことが分からない」
愛したい、そう心は叫んでいるのに分からない。
はやてが好きだと、気持ちは分かっているのに、どうすれば良いか分からない。
もどかしい。アタシは何をすれば良いんだ?
「悩むのも、考えるのもガラじゃねー。アタシは思ったままに行動していたはず」
そのはずだった。
だから、キスしたんだ。はやてが悩んでいたから、考え込んでいたからアタシからしたんだ。
それなのに、自分の心は分かっているのに、どうしたいのか分からない。
アタシ達だけの恋をしよう。はやてはそう言ってくれた。
でも、どうすれば愛なんだ?
何をすれば、恋人として認められるんだ?
アタシは、はやてみたいな愛し方が出来るのか?
はやてだから好きになった。
はやてだから、愛しているんだって叫ぶことが出来るのか?
伝えるのも、叫ぶのも出来る。そんなのは、簡単だ。
だけど、それは許されるのか?
はやてにとっての普通を奪ってしまったアタシが?
はやてを戦いに巻き込み、悲しませたアタシにそんな資格があるのか?
はん、考えるまでもねーな。
「アタシがここにいなければ、はやてはあんな目にあわなくてすんだ」
戦うこともなく、ただ普通に暮らせたのかもしれない。
苦しむこともなく、笑顔で暮らせたのかもしれない。
はやての普通を壊したのはアタシなんだ。
そう、はやての普通の生活を壊したのに、アタシはまた奪おうとしている。
「はやての普通の恋愛を奪ってしまった」
認めたくはなかった。
アタシでも、何かを守れたと思いたかった。
でも、現実はどうだ?
アタシは何かを守り、誰かを救えたのか?
はやてを傷つけ、なのはを傷つけ、暴れるだけ暴れた。
その結果、誰を救えたか?
誰かの笑顔を守ることが出来たか?
「何も守れなかった。誰も救えなかった」
だから、リインフォースは消えた。
アタシは無力だ。
だから、はやてを泣かせてしまった。
アタシが無力だから。
「でも、それじゃダメなんだ」
アタシは、はやての恋人なんだ。
アタシは、はやてを幸せにしなきゃいけないんだ。
アタシが、はやてに普通以上の幸せをあげないといけないんだ。
その為には、まず守る。全てから、はやてを守ってみせる。
騎士として戦場で守り、恋人として日常生活で守る。
それぐらい出来なきゃダメだ。
はやては優しいから怒らない。
嫌なことも受け入れる。
はやては強いから泣かない。
悲しいことも、受け入れてしまう。
でも、アタシが壊してしまったんだから、責任を取らなきゃいけない。
はやてを守るんだ。
はやての幸せを守って、少しでも普通を返してあげるんだ。
それが恋人として選ばれた、アタシの役目だから。アタシだけが出来ることだから。
アタシは、はやてを幸せにする為に存在するんだ。
はやてが望む、ヴィータになるんだ。
そこにアタシの意思なんて必要ない。
はやてを助けられる、ヴィータになるんだ。
そこにアタシの意思なんて必要ない。
はは……簡単なことじゃねーか。

――幸せって言葉は、残酷なんだ

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