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ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
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らさ
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37
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男性
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1986/07/28
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本日、2本目

はやて×ヴィータ【もう1つの苦悩】です
(カテゴリは八神家です)

悩んでいるのはヴィータだけではないのです






最近、ヴィータの様子がおかしい。
それも、良い意味ではなく、悪い意味で。
「どないしたんやろ?」
どこか焦っていて、もがき続けている。そんな風に感じる。
頑張っているのは見ているだけでも分かるし、応援してあげたいんやけど。
空回りして、失敗を重ねているだけ。
何を手伝えば良いのか、どうすれば助けになるのか、それが分からない。
何があったんやろうか?
あんなにも焦って、失敗しても立ち止まれない。
何か、起きているんやろうか?
ボロボロになっても倒れられない、それ程の事態が起きているんやろうか?
「ごめんね、はやてちゃん。やっぱり、そんなに大きな事件はないみたいだよ」
「そうですか……」
最近、ヴィータが家を空けることが増えた。
別に不良になったとか、家出をしているわけやないけれど心配や。
個人での転送魔法。そんな負荷がかかるようなことをしてまで、何をしているんやろう?
エイミィさんに調べてもらった限りでは、大きな事件も起きていない。
当然ながら、リンカーコアの回収に出向いているわけでもない。
それなのに、ヴィータはボロボロになって帰ってくる。
夜中に出かけて、朝方にボロボロになって帰ってくるんや。
何もないはずはない。必ず何かあるはずやのに、分からない。
「どうする? 気は進まないけど、ヴィータちゃんに監視をつけることは出来るよ?」
「流石に、そこまではええですわ。別に、悪いことをしているみたいやないし。何か事情があるんかなって、そう思いますから」
監視をつけるとか、そこまでは必要ないんやけど……。
騎士甲冑がボロボロになる程や。何も起きていないはずはない。
それなのに、弱々しくしく笑うだけで、何も教えてくれない。
何も掴めない。情報が、何も集まらない。
勿論、事件が起きていないのは平和でええことなんやけど。ヴィータが心配や。
心配なのに、助けてあげたいのに、何も出来ない。
わたしでは、ヴィータを助けてあげられないかな?
「ありがとうございました。後は、わたしで調べてみますわ」
「うん、あまり無理はしないでね」
電子音を立て、通信画面が閉じる。
エイミィさんは、わたしが何を心配しているのか気付いているのやろう。
それでも、わたしに任せてくれた。
その期待を裏切らん為にも、わたしは頑張らんとあかん。
「わたしはヴィータの恋人なんや。ちゃんと助けてあげんとな」
多分、ヴィータは何か困るような出来事、追い詰められてしまうような出来事に直面したんや。
はぁ、この前は相談してくれたのに、今回は抱え込んでしもうたんやな。
寂しいな。わたしは恋人なんやから、一緒に悩むぐらいさせて欲しいのに。
なんで、1人で抱えてしもうたんやろう。
わたしでは、頼りにならんのかな?
わたしには、相談出来んようなことなんかな?





「ヴィータ、大丈夫なん?」
「大丈夫だって、ちょっと切っただけだから」
彼女の可愛らしい手に、赤い筋が1つ。
見た目は小さいけれど、深く切ってしまったらしく、中々血が止まらない。
時間はお昼時。、珍しく、ヴィータが包丁を握っていた。
ほんまなら、ヴィータ用の小さな包丁があったんやけど、お気に召さなかったようや。
わたしが使っている包丁を持って、切り始めてしもうた。
日頃、料理なんかせんのに無理をすれば、危ない。
そう注意しようとした矢先、指を切ってしもうた。
もー、野菜やなくて自分の指を切ってしまうなんて、あわてんぼさんやな。
「はやてが簡単そうにやってるから、すぐ出来るって思ってたのに」
「あはは……わたしは毎日やってるからなー」
1人だった頃から、ずっと料理してきたから。
誰も食べてくれる人はおらんかったのに、レパートリーだけは増えていった。
誰にも食べてもらえないのに、わたしは作り続けた。
その時の努力と、痛みが無駄にならないのは嬉しい。
「ヴィータも1ヶ月ぐらいしたら、普通に使えるようになると思うよ?」
「そんなにかかるんだ」
「あはは、料理自体、中々難しいからなー」
わたしは、必然的に身に着けてきたけれど……彼女にはのんびりと知って欲しい。
料理の楽しみ、食べてもらえる喜び。それがくれる、温かい力。
ヴィータにも、楽しみを知って欲しい。
出来ることなら、一緒に料理が出来るようになれば、素敵や。
「1ヶ月か……なげーよ」
「ん? 何か言ったか?」
ヴィータが何を言っていたのか、良く聞き取れなかった。
もしかしたら、大切なことを言っていたかもしれんのに、あかんなぁ。
「なんでもねーよ。簡単には出来ないって分かっただけだから」
「そうか? なら、ええんやけど」
なんでもないとは思えない返事。
とても、悔しそうや。
それに、なんでもないんやったら、どうしてそんな顔してるん?
――泣きそうな顔や





そういえば、あの時かて何かおかしかった。
前までだったら失敗を前向きに受け止め、次へと繋げていたのに。
ヴィータは落ち込んでしもうた。
別に料理が出来んぐらいで、悩まんでもええと思うけど。
もしも、あの行動もこの状態を作っている要因やとしたら?
ヴィータが何かに悩み、焦っているからだとしたら?
考えすぎかもしれんけど、やっぱり心配や。
わたしの知らんところでヴィータが泣いているような。
傷つき、悲しんでいるような気がしてならん。
「けど、原因が掴めんのや」
なぜ、彼女が苦しんでいるのか?
なぜ、彼女が焦っているのか?
その原因となるものを、わたしは知らない。掴めていない。
「調べるべきなんやろうか?」
事件が起きているわけやないし、事故があったわけでもない。
けど、ヴィータから相談がないのに、これ以上調べてもええんやろうか?
いくら恋人やゆうても、やり過ぎたら意味ないし。
「難しいなぁ」
ヴィータを助けてあげたい。
わたしに出来るやり方で、少しでも力になりたいと思う。
ヴィータを信じてあげたい。
今は少し調子が悪いだけで、またいつもの彼女に戻ってくれると信じたい。
「支えたり、手伝ったり。余計なおせっかいにならんとええんやけどなぁ」
助けてあげるんやって思ってても、相手が求めていないなら、おせっかいにしかならない。
下手をすれば、邪魔になってしまうだけや。
それに、ヴィータを信じてあげるんも、恋人としては大切なことやろう。
わたしの愛している人やからこそ、信じられる。そんな関係になれたらええなとも思うし。
「信じて待つ……か。あんまり、わたし向きやないな」
ヴィータが苦しんでいるのは分かる。
ヴィータがもがいているのが分かる。
分かっている。分かっているのに。
それを抑えて、ヴィータを待たないといけない。
それが何よりも辛い。
「けど、それがヴィータの為にええことやとしたら?」
もどかしいし、どうにかしてあげたいと思う。
けど、そればっかりやだめや。
なにもかも、わたしが干渉するのはやり過ぎや。
恋人であるヴィータを信じて、任せるのかて必要。
「わたしには見守る義務がある。成長しようとしているヴィータの邪魔をしたらあかん」
気付かないふりをして、見守るんや。
そして、頑張ってやりとげた時は、めいいっぱい褒めてあげる。
お疲れ様って、頭を撫でてあげる。
失敗して帰ってきた時には、抱きしめてあげる。
頑張ったなって、次は一緒にやろうなって。
「精一杯、やってみればええ」
どんな結果が待っていたとしても、抱きとめてみせてくれるから。
わたしがヴィータを信じてあげるんや。
せやから、無理をせんでもええ。無茶なんかして欲しくない。焦らなくてもええんや。
わたしかて、ヴィータの力になれるんやから。頼って欲しい。
「辛いし、寂しいけど、今回は見守るべきやな」
わたしかて、成長せなあかん。待つことも覚えなあかん。
ヴィータの頑張りを無駄にせんためにも、わたしが我侭をゆうことは許されない。
ヴィータの努力をなかったことにしたくないから、わたしから手を出すわけにはいかんのや。
「嬉しいけど、寂しいんやなぁ」
今までならわたしを頼ってくれたのに、これからは見守ることも必要になる。
ヴィータが成長しようとしているのは嬉しいし、頼もしい。
けど、わたしを頼ってくれないのは、ちょう寂しい。
「あかんな。こんなんやから、お母さん言われてしまうんや」
今のわたしは、娘を見守る親のような心境になっているのやろう。
その考え方を直していかんと、いつまでも母と娘を引きずってしまう。
ヴィータが成長しているように、わたしかて成長せんとな。
「ふふ、そうと決まれば競争や」
未来は2人で作るもの。
せやけど、どっちが早く大人になれるか、幸せに出来るか。
それを競うのも、素敵なことやろう。
愛の伝え方は1つやない。色々な方法があるんや。
ヴィータにはヴィータの、わたしにはわたしの伝え方がある。
「幸せの為の努力は、恋人の特権や」
わたしが我慢することを覚えれば、幸せが待っている。
そう考えれば、そう寂しいものでもないはずや。

――ヴィータ、待ってるで

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