ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。
※ 百合思考です。
最近は、なのは以外も書き始めました。
カテゴリー
最新記事
(05/28)
(05/17)
(04/19)
(04/16)
(04/11)
プロフィール
HN:
らさ
年齢:
38
性別:
男性
誕生日:
1986/07/28
趣味:
SS書き・ステカつくり
自己紹介:
コメントを頂けると泣いて喜びます。
リンクフリーです。
ご報告頂けたら相互させて頂きます。
メールアドレス
yakisoba_pan◇hotmail.co.jp
◇を@に変えて下さい
リンクフリーです。
ご報告頂けたら相互させて頂きます。
メールアドレス
yakisoba_pan◇hotmail.co.jp
◇を@に変えて下さい
当ブログ内のSSは無断転載禁止です。
恥ずかしいので止めて ^^;
本日、2本目
はやて×ヴィータ【もう1つの苦悩】です
(カテゴリは八神家です)
悩んでいるのはヴィータだけではないのです
はやて×ヴィータ【もう1つの苦悩】です
(カテゴリは八神家です)
悩んでいるのはヴィータだけではないのです
最近、ヴィータの様子がおかしい。
それも、良い意味ではなく、悪い意味で。
「どないしたんやろ?」
どこか焦っていて、もがき続けている。そんな風に感じる。
頑張っているのは見ているだけでも分かるし、応援してあげたいんやけど。
空回りして、失敗を重ねているだけ。
何を手伝えば良いのか、どうすれば助けになるのか、それが分からない。
何があったんやろうか?
あんなにも焦って、失敗しても立ち止まれない。
何か、起きているんやろうか?
ボロボロになっても倒れられない、それ程の事態が起きているんやろうか?
「ごめんね、はやてちゃん。やっぱり、そんなに大きな事件はないみたいだよ」
「そうですか……」
最近、ヴィータが家を空けることが増えた。
別に不良になったとか、家出をしているわけやないけれど心配や。
個人での転送魔法。そんな負荷がかかるようなことをしてまで、何をしているんやろう?
エイミィさんに調べてもらった限りでは、大きな事件も起きていない。
当然ながら、リンカーコアの回収に出向いているわけでもない。
それなのに、ヴィータはボロボロになって帰ってくる。
夜中に出かけて、朝方にボロボロになって帰ってくるんや。
何もないはずはない。必ず何かあるはずやのに、分からない。
「どうする? 気は進まないけど、ヴィータちゃんに監視をつけることは出来るよ?」
「流石に、そこまではええですわ。別に、悪いことをしているみたいやないし。何か事情があるんかなって、そう思いますから」
監視をつけるとか、そこまでは必要ないんやけど……。
騎士甲冑がボロボロになる程や。何も起きていないはずはない。
それなのに、弱々しくしく笑うだけで、何も教えてくれない。
何も掴めない。情報が、何も集まらない。
勿論、事件が起きていないのは平和でええことなんやけど。ヴィータが心配や。
心配なのに、助けてあげたいのに、何も出来ない。
わたしでは、ヴィータを助けてあげられないかな?
「ありがとうございました。後は、わたしで調べてみますわ」
「うん、あまり無理はしないでね」
電子音を立て、通信画面が閉じる。
エイミィさんは、わたしが何を心配しているのか気付いているのやろう。
それでも、わたしに任せてくれた。
その期待を裏切らん為にも、わたしは頑張らんとあかん。
「わたしはヴィータの恋人なんや。ちゃんと助けてあげんとな」
多分、ヴィータは何か困るような出来事、追い詰められてしまうような出来事に直面したんや。
はぁ、この前は相談してくれたのに、今回は抱え込んでしもうたんやな。
寂しいな。わたしは恋人なんやから、一緒に悩むぐらいさせて欲しいのに。
なんで、1人で抱えてしもうたんやろう。
わたしでは、頼りにならんのかな?
わたしには、相談出来んようなことなんかな?
◇
「ヴィータ、大丈夫なん?」
「大丈夫だって、ちょっと切っただけだから」
彼女の可愛らしい手に、赤い筋が1つ。
見た目は小さいけれど、深く切ってしまったらしく、中々血が止まらない。
時間はお昼時。、珍しく、ヴィータが包丁を握っていた。
ほんまなら、ヴィータ用の小さな包丁があったんやけど、お気に召さなかったようや。
わたしが使っている包丁を持って、切り始めてしもうた。
日頃、料理なんかせんのに無理をすれば、危ない。
そう注意しようとした矢先、指を切ってしもうた。
もー、野菜やなくて自分の指を切ってしまうなんて、あわてんぼさんやな。
「はやてが簡単そうにやってるから、すぐ出来るって思ってたのに」
「あはは……わたしは毎日やってるからなー」
1人だった頃から、ずっと料理してきたから。
誰も食べてくれる人はおらんかったのに、レパートリーだけは増えていった。
誰にも食べてもらえないのに、わたしは作り続けた。
その時の努力と、痛みが無駄にならないのは嬉しい。
「ヴィータも1ヶ月ぐらいしたら、普通に使えるようになると思うよ?」
「そんなにかかるんだ」
「あはは、料理自体、中々難しいからなー」
わたしは、必然的に身に着けてきたけれど……彼女にはのんびりと知って欲しい。
料理の楽しみ、食べてもらえる喜び。それがくれる、温かい力。
ヴィータにも、楽しみを知って欲しい。
出来ることなら、一緒に料理が出来るようになれば、素敵や。
「1ヶ月か……なげーよ」
「ん? 何か言ったか?」
ヴィータが何を言っていたのか、良く聞き取れなかった。
もしかしたら、大切なことを言っていたかもしれんのに、あかんなぁ。
「なんでもねーよ。簡単には出来ないって分かっただけだから」
「そうか? なら、ええんやけど」
なんでもないとは思えない返事。
とても、悔しそうや。
それに、なんでもないんやったら、どうしてそんな顔してるん?
――泣きそうな顔や
◇
そういえば、あの時かて何かおかしかった。
前までだったら失敗を前向きに受け止め、次へと繋げていたのに。
ヴィータは落ち込んでしもうた。
別に料理が出来んぐらいで、悩まんでもええと思うけど。
もしも、あの行動もこの状態を作っている要因やとしたら?
ヴィータが何かに悩み、焦っているからだとしたら?
考えすぎかもしれんけど、やっぱり心配や。
わたしの知らんところでヴィータが泣いているような。
傷つき、悲しんでいるような気がしてならん。
「けど、原因が掴めんのや」
なぜ、彼女が苦しんでいるのか?
なぜ、彼女が焦っているのか?
その原因となるものを、わたしは知らない。掴めていない。
「調べるべきなんやろうか?」
事件が起きているわけやないし、事故があったわけでもない。
けど、ヴィータから相談がないのに、これ以上調べてもええんやろうか?
いくら恋人やゆうても、やり過ぎたら意味ないし。
「難しいなぁ」
ヴィータを助けてあげたい。
わたしに出来るやり方で、少しでも力になりたいと思う。
ヴィータを信じてあげたい。
今は少し調子が悪いだけで、またいつもの彼女に戻ってくれると信じたい。
「支えたり、手伝ったり。余計なおせっかいにならんとええんやけどなぁ」
助けてあげるんやって思ってても、相手が求めていないなら、おせっかいにしかならない。
下手をすれば、邪魔になってしまうだけや。
それに、ヴィータを信じてあげるんも、恋人としては大切なことやろう。
わたしの愛している人やからこそ、信じられる。そんな関係になれたらええなとも思うし。
「信じて待つ……か。あんまり、わたし向きやないな」
ヴィータが苦しんでいるのは分かる。
ヴィータがもがいているのが分かる。
分かっている。分かっているのに。
それを抑えて、ヴィータを待たないといけない。
それが何よりも辛い。
「けど、それがヴィータの為にええことやとしたら?」
もどかしいし、どうにかしてあげたいと思う。
けど、そればっかりやだめや。
なにもかも、わたしが干渉するのはやり過ぎや。
恋人であるヴィータを信じて、任せるのかて必要。
「わたしには見守る義務がある。成長しようとしているヴィータの邪魔をしたらあかん」
気付かないふりをして、見守るんや。
そして、頑張ってやりとげた時は、めいいっぱい褒めてあげる。
お疲れ様って、頭を撫でてあげる。
失敗して帰ってきた時には、抱きしめてあげる。
頑張ったなって、次は一緒にやろうなって。
「精一杯、やってみればええ」
どんな結果が待っていたとしても、抱きとめてみせてくれるから。
わたしがヴィータを信じてあげるんや。
せやから、無理をせんでもええ。無茶なんかして欲しくない。焦らなくてもええんや。
わたしかて、ヴィータの力になれるんやから。頼って欲しい。
「辛いし、寂しいけど、今回は見守るべきやな」
わたしかて、成長せなあかん。待つことも覚えなあかん。
ヴィータの頑張りを無駄にせんためにも、わたしが我侭をゆうことは許されない。
ヴィータの努力をなかったことにしたくないから、わたしから手を出すわけにはいかんのや。
「嬉しいけど、寂しいんやなぁ」
今までならわたしを頼ってくれたのに、これからは見守ることも必要になる。
ヴィータが成長しようとしているのは嬉しいし、頼もしい。
けど、わたしを頼ってくれないのは、ちょう寂しい。
「あかんな。こんなんやから、お母さん言われてしまうんや」
今のわたしは、娘を見守る親のような心境になっているのやろう。
その考え方を直していかんと、いつまでも母と娘を引きずってしまう。
ヴィータが成長しているように、わたしかて成長せんとな。
「ふふ、そうと決まれば競争や」
未来は2人で作るもの。
せやけど、どっちが早く大人になれるか、幸せに出来るか。
それを競うのも、素敵なことやろう。
愛の伝え方は1つやない。色々な方法があるんや。
ヴィータにはヴィータの、わたしにはわたしの伝え方がある。
「幸せの為の努力は、恋人の特権や」
わたしが我慢することを覚えれば、幸せが待っている。
そう考えれば、そう寂しいものでもないはずや。
――ヴィータ、待ってるで
PR
この記事にコメントする
- HOME -