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ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
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らさ
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37
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男性
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1986/07/28
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SS書き・ステカつくり
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今夜は宴会だと!?
待ってくれ、家には私の帰りを待っている原稿と、死亡フラグちゃんが……

(・w・) 新入社員歓迎会なら仕方ないか

そんな感じで本日分は書けないと判断したであります
なので、ストックの放出であります

初出:YAGAMIマガジン

ある程度直そうかと思ったのですが、そのまま投下☆

夏休みに入ってしばらくの時が過ぎ、暑いではなく猛暑と呼べる日々が続いていた。
みなの心情を代弁するかのように、鉄槌の騎士は夕食の終わった食卓の上でぐでーっとだれていた。風鈴の音などどこ吹く風、情緒を味わうだけの余裕も無い彼女には意味が無いだろう。
「よし!みんなちょう聞いて貰えるか?」
ただ、彼女の主だけ別らしく、今日も元気に過ごしている。
彼女、八神はやては小学生の身でありながらも一家の主を勤め、最後の夜天の王として守護騎士達の主まで勤めている。
そんな彼女は暑さを吹く飛ばすような清清しい笑顔で、非常に楽しそうだ。
「何ですか、はやてちゃん?」
「デザートでもあるのか!」
先ほど、山のように食べていたはずだが、成長期だろうか?
「いや、デザートがある訳やないんやけどな・・・え~と、コレや」
そう言って彼女が取り出したものは1枚のチラシ。どうやら手作りらしく、デザインが少し崩れている。
「今日学校で貰ったんやけどな、夏祭りの屋台を募集しとんのや」
「夏祭りといえば・・・あっ、この前教えて貰ったアレですね。屋台が出たり、花火が上がったりする」
近所の奥様方と世間話をする機会が多いせいか、シャマルはずいぶんとこちらの世界に溶け込んでいるようだ。
「そや、その夏祭りや。本来ならテキ屋ゆうて屋台専門のお店みたいなのが来るんやけど、今年は数を減らして子供達で屋台を出そうゆう事らしいんや」
そういって読み上げる彼女の横顔は嬉しそうで、何をしたいかという事を如実に表していた。
「でな、今日みんなと話している内に参加しようかゆう事になったんやけど・・・協力してくれへんかな?」
手元のメモにはアイディアだろうか?小さな文字でびっしりと書き込まれている。
「面白そうだな、それってアタシも出来るのか?」
「勿論、ヴィータにも手伝って貰うで。何たって八神家で出す屋台なんやから、予定の無い子はみんな参加や」
さっきまでだれていたヴィータも興味をそそられたらしく、目を輝かせている。
「でも、はやてちゃん。屋台といっても何を出せばいいのでしょうか?私達はお店をやっているわけではありませんから、よく分かりませんね」
「確かに、我々では検討も付きません。屋台といっても何を売れば良いものか・・・」
八神家としてイベントに参加する。他の者も惹かれてはいるらしいが、肝心の屋台が何をするのかも分かっていない現状では決めかねているようだ。
「ふっふっふっ、安心しいやシャマル。そこらへんもみんなでバッチリ打合せ済みや!」
そんな2人の心配に対し、はやては自信たっぷりの笑顔と共に言い切った。その笑顔は安心をもたらすと共に、いっそうの興味を植えつける効果もあったのかもしれない。
「ズバリ、たこ焼きや!」
「たこ焼きですか?」
「そや。祭りの屋台には必ず出ているものと言ってもええ代物や。電熱プレートを使えば火を使わんで済むし、家でも簡単に練習が出来る。他のみんなが出すものとも釣り合いが取れるはずや」
学校で書いてきらしいノートにはみんなの予定と、屋台についての欄があった。
何々、はのはちゃん、フェイトちゃんは『クッキーと珈琲』、これは喫茶翠屋の出張版と考えれば良いだろう。アリサちゃんは射的、すずかちゃんは型抜き。・・・って随分と渋いのが混ざっているな。
そして、八神家一同がたこ焼き。
他にも材料や手はずなど細かく予定が書かれている。
「うちらは人数がおるからな。手間のかかるようなもんでも出来るはずや。昔は眺めてるだけ、最近もお客さんとして参加しているだけや。勿論それでも楽しかったんやけどな。1度はお店を出す側で参加してみたかったんよ♪」
嬉しそうに話をする彼女に惹かれ、その日から八神家一同の特訓が始まった。


      ◇


夏祭り当日までの時間も残り少なくなり、我が家ではたこ焼き作りでみな大忙しや。
この暑い中なのに1日中協力してくれるなんて、うちの子達はほんまにかわええなぁ・・・。
「ヴィータ!もっと丁寧に混ぜなアカンやろ!ダマが出来てしもうたら美味しく焼けんで!」
「ご、ごめんなさい・・・」
後はその気持ちが伝わるように、上手く作れればええんやけど・・・まだまだやね。
ションボリしながらも丁寧に生地を練り直すヴィータ。その素直で可愛い姿に怒った事を後悔するが、心を鬼にして鍛えなあかん。
このままやと本人が恥をかいてしまう。折角ええ衣装も見繕ったんやから、なんとかさまになるようにせんと・・。それにヴィータの作ったものがまずいとか言われるんはあたしが嫌や。
「シグナム、誰が一刀両断せえゆうた・・・。こんな大きなたこが入るわけ無いやろ」
「すみません・・・」
と、ヴィータにばかりかまってたら今度はシグナムか。たしかに料理上手とは言えんけど、レバンティンでたこを斬るのはどうかと思うで。誰がどう言おうと間違ってる。せめて包丁で切って欲しいわ。
う~ん、でも包丁を持ってるシグナムは中々想像できんなぁ・・・。
意外な程に料理というものを知らない2人。これは前途多難になりそうな予感や。早めに手を打っておかんと、他のみんなに迷惑をかけてしまうことになるしな。さて、どうしたらええやろうか?
ふと考え込んでいたあたしだったが、漂ってくる異臭に現実へと引き戻された。確か今はシャマルが焼いとるはずやけど・・・シャマルが!?
「シャマル、何や焦げ臭いけど失敗でもしたんか?」
他の2人同様に何かやってしまったのだろうと涙目になっているシャマルを想像し、台所に入ったがソコにあったのは何の変哲も無いたこ焼きだけだった。あのすっぱいような、苦いような匂いは何やったんやろか?
「あっ、はやてちゃん♪見て下さい、上手に焼けましたよ」
綺麗に焦げ目が付き、形もあまり崩れていない。
「ほな、味見してみよか。美味く出来てるとええな」
見た目はええけど、味のほうはどうやろうか・・・。
「なぁ、シャマル何入れたんや?ちょお変わった味がするんやけどって、あれ?あららら・・・?」
「は、はやてちゃん!?しっかりして下さい!誰か救急車を呼んで~」
忘れとった!シャマルの料理は見た目がまともでも、外れることがあるんやった。それを何も考えずに食べてしまうとは、あたし疲れとるんかなぁ?
あかん、何か意識が遠のいて光が見えてきたで―――


      ◇


あんだけ練習したんだ、ぜってー美味く作れる。頑張って練習したんだ、ぜってーうまく行く。
他の奴から見ればたかがたこ焼きかもしれないけど、これははやての夢が詰まってるんだ。
「はやてと一緒に成功させるんだ」
貰った衣装を胸に抱きしめ、アタシは一人ごちる。
特別捜査官として忙しく働く毎日。小学生として友達と遊ぶ時間を削って働く毎日。
それなのに、はやては文句を言った事が無い。アタシ達を注意する事はあっても、愚痴をこぼす事も無い。
はやては我侭を言った事が無い。アタシ達の心配はしてくれるけど、お願いをしてくる事は少ない。
そんなはやてが、何かをやりたいと仕事以外で私達を頼ってきてくれたのは初めてだった。
嬉しかった。どうすれば良いかも分からないし、成功するかも失敗するかも分かんない。分からない事ばかりだったのに、訳も無く楽しかった。
「いや、違うな・・・」
訳ならしっかりとしたものがある。
誰を傷つける事も無く、はやてに笑って貰える。
何かを奪うことも無く、はやてが笑ってくれる。
そう考えただけで胸が熱くなり、飛び上がりそうになる。
この屋台が成功した時、アタシ達は胸を張って頑張ったと言えるだろう。
戦う事無く、目的を達成する。
プログラムとしてでは考える事も出来ず、『八神はやて』の守護騎士だからこそ出来る。
主の笑顔の為に、仲間達の笑顔の為に・・・どっこかの誰かじゃねえけど、全力全開で頑張るのも悪く無いかもな。
そんな時、パーンッとどこかで気の抜けたような音がなった。
『後1時間で祭りやでー。ヴィータ準備はええか?』
『もうちょっとで終わるよー』
頭の中に響く念話もどこか弾んでいて、笑顔で準備をしているはやての姿が浮かんでくるようだった。もう少しすれば賑やかになり忙しくなるだろう。いつものアタシなら面倒だと感じるソレでさえ、今日は何だか楽しみだ。
はやてに催促された事もあり、着替えようと衣装を袋から取り出したアタシは固まった。
「な、なんだコレ?」
その服は見たことも無くて、なんだかヒラヒラしてる。こんな格好で売るのだろうか?
衣装に期待しててや~と笑っていたはやての顔がよみがえる。

こ、こんなの恥ずかしくて着れねーよ―――

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