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ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
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らさ
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38
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男性
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1986/07/28
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どん!
もう1本更新

正直来週に回しても良かったのですが……ねぇ?

そんな感じで更新です

はやて×ヴィータ「乙女のお茶会」
(カテゴリは八神家となります)

はやて×ヴィータなんですが、ヴィータは出ません
回想ですら出ません












「ごめんな、ちょう遅れてしもうたわ」
日曜日の午後。暖かな日差しが降り注ぐテラスで、私達は1つの机についていた。
カップから香る紅茶。スコーンの置かれているお皿。
うーん、流石にうちでやるお茶とは別世界やなぁ。
これを食べられるだけでも、家を抜け出してきたかいがあるかもしれん。
「お疲れ様、はやてちゃん。家事は大丈夫かな?」
わたしを労ってくれるのは、なのはちゃん。
いつもであれば、金色の髪をした少女を連れているけど、今日は1人だけ。
「ふふ、これで私達みんなお揃いだね」
反対側、右の席で嬉しそうに微笑んでくれたのは、すずかちゃん。
こちらも同じく、いつも一緒であるアリサちゃんがいない。
そう、これはわたし達3人だけで開いている秘密のお茶会。
残念やけど、ヴィータすら参加していない。
「ほんま、待たせる形になってしもうてごめんな」
「ううん、そんなことはないよ」
この前までは指をくわえているしかなかった。
この前までは羨ましいゆうて思うだけで、どうしようもなかった。
けど、今日この場からは違うで。
「では、報告させて貰います」
ほんまなら、こんな場がなくてもええんやけど。今までお世話になった2人には、ちゃんと報告したい。
わたしとヴィータが今後幸せになる為にも、色々と助けてもらうことになるやろうし。
「わたし、八神はやてとヴィータは、めでたく恋人になることが出来ました!」
……あかん、意外に恥ずかしかったわ。
「おめでとう、はやてちゃん」
「これで、みんな恋人同士になれたんだね」
羨ましい思うて見ていた2人から祝福されるんは、とても嬉しいしありがたいことや。
ここまでこれた経緯を話せば長くなってしまうし、言葉で表せないこともあったけど。誰かにお祝いしてもらえるんは、嬉しいなぁ。
2人にはいろんな意味でアドバイスを貰い、ほんまに助けてもらった。
辛い時、きつい時に相談にのってもらったこともあった。
まぁ、ノロケ話に付き合わされた時にはちょう疲れたけど、どれだけ幸せなのかをしっかりと教えてくれた。
わたしに夢と希望を与え続けてくれた2人には、どれだけ感謝をしても足りないやろう。
「それで、それで、はやてちゃんから告白したのかな?」
乙女が3人集まり、恋話をしていれば当然こうゆう流れになるやろう。
いつものわたしであれば、回答も切り返しも用意してくるんやけど……。
あかん、今回は舞い上がってて何も準備してないわ。
「えっと、それはな。確かに告白はわたしからしたんやけど」
けど、そのまま話せばええよな?
2人なら事実をそのまま伝えても大丈夫よな?
「あっさりとOKがもらえてな。恥ずかしい話なんやけど、わたしの方が慌ててしもうたんよ」
告白自体は、わたしがした。わたしからさせて貰えた。
大好きや、恋人になって欲しいゆうて、わたしから告白出来たんやけど……。
告白して、それだけで満足してしてしもうたんよ。
ヴィータが応じてくれるとも、すぐに返事をくれるとも思っていなかったから、何も考えてなかった。
はぁ、今思うと情けない話やなぁ。
「それは、どうゆうことかな?」
「告白するだけで精一杯でな。その後のことはまた考えればええかなって思ってたんや」
今思えば明るい未来を信じ、少しでも考えておくべきやった。
これから先のこと、ヴィータと歩む道のこと、ほんの少しでも考えていればあんなことにはならんかったかもしれんのに。
「うーん、告白するだけでも凄く勇気がいるから。それは仕方がないんじゃないかな?」
「私とフェイトちゃんもそうだったし、みんなそうなのかなって思っていたんだけど?」
口々にわたしをフォローしてくれる2人。
ありがとうな、慰めてくれて。
けど、今は逆にそれが辛いんよな。
「いや、実のところへこんでいるのは別のことでな」
これを言うのは少しだけ勇気がいる。
告白で精一杯やったわたしが、計画すべきことではなかったのかもしれないんやけど……。
「予定やと、わたしがヴィータの唇を奪うはずやったんよ。それなのに、奪われてしもうたなーって」
どうなるかも分からないのに、それだけは考えていた。
恋人になったらリードしよう。わたしがヴィータをメロメロにするんやって。
それなのに、ファーストキスを奪われてしまうなんてな。
あはは……流石に2人も驚いてしもうたかな?
「はやてちゃんとヴィータちゃん、もうキスしちゃったんだ」
どんなツッコミがくるかと、内心怯えていたわたし。
けど、かけられた言葉はわたしが予想していたものとは違った。
「えーと、告白と同時にしてしまった感じかな?」
そっか、今ではすっかりバカップルになっているから忘れていたけど、なのはちゃん達も最初は違ったんよな。
見ているこっちが恥ずかしくなる程に初々しく、また可愛らしかった。
手を繋ぐだけで大騒ぎし、デートに行くとなればみんなで見守ったものや。
それやのに、わたしとヴィータは告白と同時やもんなぁ。
「いや、正確にはしたというかよりも、奪われた形になるんやけど」
「奪われたって、ヴィータちゃんにキスされちゃったの?」
目の前にいる2人がもう1度驚きの表情を浮かべる。
そうよな。今までを知っている2人なら驚くのも無理ないよな。
それに計画の通りなら、わたしが奪う立場やったし。
「告白して、OKされて。それだけで舞い上がってしまったんよ。自分が何やっているか分からないぐらいに慌ててしもうたんよ」
OKしてくれるなんて考えていなかったから。
ヴィータとの関係が壊れてしまうって、そう思っていたから。
せやから、わたしはヴィータの返事に戸惑った。
「ヴィータからキスしてくれたのは嬉しかったんやけど、情けないなーって」
結果的に見れば、ハッピーエンドなんやけどな。
なんや、ちょう納得いかんところも実際あるわけなんよ。
「いや、悔しかったんかもしれんな。わたしは散々悩んだのに、ヴィータは即決してしもうたから」
あれだけ悩み、あんなにも苦しんだのになぁ。わたしが心配性なだけやろか?
もっと簡単に、大胆に好きなものは好きなんやって、そう叫べばえかったんかな?
まぁ、今となっては過ぎた問題や。
「勿論、そんなん気のせいやろうし、ヴィータも悩んでいたとは思うんよ?」
彼女が悩んでいるところを、わたしが知らないだけ。
ヴィータが悩んでいることに気付けない程、わたしに余裕がなかっただけ。
「けど、なんやろうなーって」
結局、自分自身の心を良く分かっていなかったゆうことなんかもしれんな。
告白は成功したのに、ヴィータと恋人になれたのに、こんな風に心が晴れないなんて……。
「はやてちゃん。それはきっと後悔しているんだよ」
「そう、なんかな? けど、わたしは何を後悔しているんやろう?」
後悔すべきこと、反省すべきことは色々とある。
けど、この状況で悩むべきことってなんやろうか?
「こうしていれば良かった。こうすれば良かった。そうすれば、もっと幸せな今がきたんじゃないか。そんな風に思っていない?」
「あはは……ないとは言い切れんわぁ」
わたしが動揺していなければ、もっと良い方向になれたかもしれない。
わたしが迷い戸惑っていなければ、ヴィータにもっと幸せをあげられたかもしれない。
そう後悔することはある。
「けど、結局は過去に戻ることなんて出来んし、無駄なだけって分かっているんやけどなぁ」
後悔しても何も変わらない。もし、なんてことはありえない。
わたしが思い描いているのは空想の話で、現実にはならない。幸せな夢の世界や。
現実にはならないそれに囚われ、悩み続けるのは無駄なことなんやろうな。
「そんなことはないよ。後悔するからこそ、直していけるんだよ。幸せになろうって努力するんだよ」
「そっか。後悔するのも大切なんやな」
後悔することがなければ、自分を見直すのは難しいやろう。
幸せになる為の努力だって、忘れてしまうかもしれん。
「それに、私だって後悔することはいっぱいあるんだから」
「すずかちゃんでも、そんなことがあるん?」
正直、信じがたい話や。
なのはちゃん達以上にバカップルになってしもうてるのに、後悔することなんてあるんあろうか?
順調に進んでいるって、そんな風に思っていたんやけど。
「私はね、ずっと待ってたの。アリサちゃんが私を好きになってくれて、告白してくれるのをずっと待ってたの」
そっか、後悔ゆうても今現在ではなく、引きずってしまうタイプもあるんよな。
けど、元々すずかちゃんは大人しい子やし、無理はないと思うけどなぁ。
それに告白されるまで待ち続けるのも、大変なことやろ?
「けど、アプローチしたんは、すずかちゃんからやろ?」
「うふふ……私はね、バレンタインチョコに手紙を入れただけだよ」
入れただけゆうけど、勇気のいる行動やと思うで?
靴箱にラブレターなんてやり方やなくて、自分で手渡しているんやから。
目の前で読まれてしまう可能性だってあったわけやし。
「アリサちゃんが気付いてくれるかどうかも分からない、そんな手紙を入れてずっと待ってたの。待ち続けて、私からは何もしなかった」
「そう、なんか……」
その待ち方が壮絶で、話を聞いた時は驚いたものやけどな。
それに今ではアリサちゃんを抱きしめたり、キスしたりと随分と積極的に見えるけど――
「だからなんだよ。アリサちゃんを待っているだけで何もしなかったから。それを後悔しているから、私は自分から動くことにしたの。大好きだよ、愛しているよって、私から行動で示すの」
「そうやったんか」
笑顔の裏で、どんな努力をしているかなんて分からんなぁ。
繰り返さない為に、自分から動く。幸せになる為に、自分からアプローチをかける。
それに、泣いていても笑っていても、アリサちゃんは喜んで受け止めるんやろうな。
あはは……そう考えると、熱くて近寄れんわ。
「すずかちゃんも色々あるんだね」
「うん、ちょっとだけだけどね。考えなきゃいけないことは、少なくはないから」
今まで黙って話を聞いていたなのはちゃんも、わたしと同じことを感じたんやろうか?
すずかちゃんがどれだけアリサちゃんを愛していて、頼りにしているのか。
正直、そこまで頼られているアリサちゃんには妬けるなぁ。
「でも、私だけじゃないよ。なのはちゃんだって、色々あるでしょ?」
「にゃはは……ないとは言えないんだけどね。でも、フェイトちゃんが傍にいてくれれば、なのはは幸せだから」
――よくよく考えたら、ノロケてるだけやな。
後悔をして改善しようとしているすずかちゃんも、困ったように笑っているなのはちゃんも、2人共幸せな悩みなんよな。
そして、この場にいるわたしかて、幸せだからこそ悩めるんよな。





「なんにしても、2人共今までありがとうな」
「どうしたの急に?」
話しが一息ついたところで、忘れないうちにお礼を言っておかなければいけない。
この2人が気を使ってくれたおかげで、わたしは今までのんびりと悩めたのだから。
「いつごろからやったかなぁ……。2人共、わたしの前ではあんまりいちゃいちゃせんようになったやろ?」
「え、そうかな?」
バレているというのに、とぼけようとするなのはちゃん。
それが彼女の優しさであり、友人として感謝すべき点ではあるけど、ちゃんと感謝せなあかん。
彼女に甘えて、なぁなぁで終わらすんは良くない。
「ごめんな、わたしがとろいばかりに気を使わせてもうて」
どこでもいちゃつきたかったはずや。
誰の前であろうと関係なく、いちゃつきたかったはずなんや。
それなのに、彼女達は気を使って、わたしの見えるところでは控えてくれた。
「やっぱり、はやてちゃんには分かってたの?」
「いや、実を言うと気付いたんはつい最近なんやけどな」
ヴィータのことについて悩んでいる間、友達の優しさに気付く余裕はなかった。
自分の中に篭り、ずっとうなっていた。
けど、ヴィータと恋人になれて、余裕が出来た途端に気付いてしもうたんや。
彼女達がどれだけ気を使って、遠慮してくれていたのか。
「時々我慢できない時もあったから、バレてないかなーって思ってたのにな」
「あはは……邪魔をしてもうて、ごめんな」
2人の時間。何を差し置いても、大切にしたい時間。
それをわたしの都合で邪魔していたのかと思うと、罪悪感で胸が潰れてしまうそうになる。
「そんな、謝る必要はないよ。私達だって、はやてちゃんに助けられてるんだから」
「そうはいかんよ。本来なら祝福してあげるべき時間を邪魔してしまったんや。謝罪ぐらいさせて」
恋人達の時間を一部とはいえ、わたしが奪ってしまった。
どんなに悔い、改めても、過去は変えられない。
それなら、わたしはわたしに出来るやり方で、みんなを応援するだけや。
「ごめんなさい。そして、ありがとう」
そして、わたしがみんなと同じラインに立つ為に、一緒に恋に燃えていく為にもけじめだけは必要や。
思い雰囲気になってしまうかもしれんけど、この2人なら上手くやってくれるよな。
「けど、これからは遠慮せんでええからな?」
勿論、わたしも軽くボケて、場を和ませる手伝いはさせてもらう。
「それは、私がアリサちゃんを可愛がっているところを、どれだけ見せ付けても良いってことかな?」
ほんまにありがとうな、すずかちゃん。
ただ本心が漏れただけかもしれんけど、場が明るくなっていく感じがするわ。
「わたしとヴィータも恋人になれて、同じラインに立てたんやから」
それに、きちんとけじめはつけさせて貰ったから、わたしも遠慮せんで?
その為の宣言でもあったんやから。
「うちだって甘さで負けるつもりはない。バカップルぶりをしっかり見せつけたるからな」
ヴィータが可愛くて、愛しくてしかたがない今。正直、みんなの前やからって抑えられる自信はない。
勿論、やり過ぎんようには注意するけど、多分無駄に終わるから。
「当然、なのは達も負けないよ? ね、すずかちゃん」
「うん、みんなで幸せになれるんだね。うふふ、素敵」
暫くの間はどのカップルも大変なことになってしまうやろう。
けど、フェイトちゃんもアリサちゃん。しっかりと受け止めてあげてな。
「世界で1番幸せになるんや。覚悟しといてな」
辛いこと、悲しいことが溢れている世界。
毎日のように、どこかで誰かが涙を流している。
そんな世界の中で、わたし達は幸せになる為に頑張る。
笑顔でいる為に、好きな人の傍にいる為に頑張るんや。
それはいつか世界を包み込み、みんなを幸せにしてくれるやろう。

――ヴィータと一緒に幸せになろうな
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