ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。
※ 百合思考です。
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男性
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1986/07/28
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SS書き・ステカつくり
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恥ずかしいので止めて ^^;
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ノリと勢いだけで書きました。
後悔はしていませんが、石は投げないで下さい。痛いの、イヤです。
だって、ほのかさん凄いラスボス臭するじゃないですか。これで書かないとか、私の身が危ないんですよ!
夜も眠れず、終始妄想でにやけっぱなし! 仕事にすらなりません。
あ、パロだったり、ギャグだったりが満載です。
いつものノリとは正反対なので、ご注意を~
後悔はしていませんが、石は投げないで下さい。痛いの、イヤです。
だって、ほのかさん凄いラスボス臭するじゃないですか。これで書かないとか、私の身が危ないんですよ!
夜も眠れず、終始妄想でにやけっぱなし! 仕事にすらなりません。
あ、パロだったり、ギャグだったりが満載です。
いつものノリとは正反対なので、ご注意を~
うららかな午後の昼下がり、なぎさ達との待ち合わせ場所に私は1人で立っていた。
誰かが遅れているとか、置いて行かれたとか、そういったトラブルがあったわけではない。ただ、この時期にしか感じることの出来ない風を、感じにきただけ。
秋口にあたるこの時期、この町をおおっている気候は、大きな変化を見せる。南から北風に。そして、海流の変化に伴い、温度や湿度、高さが変わる。
春は出会いと別れの季節。新しいことが始まる季節かもしれない。
けれど、秋だって悪くはないもの。新しい一面を見つけるには、ぴったりの季節だから。私と、なぎさにとっては大切な思い出のある季節だから。
「なんとなく、予感はしていたんだけどね」
今日のお出かけは、みんなと遊ぶ約束は随分と前からのもので、急に割り込んできた予定というわけではない。
なぎさ達、遅刻の常習犯は仕方がないのかもしれないけれど。私以外に待ち合わせ場所に誰もいないというのは、ちょっとだけおかしかった。
その時点で気付き、行動を起こしていたのなら、もう少し違う結果を引き寄せられたのかもしれないわね。
公園の入り口から駆けてくる彼女、水無月かれんを見つめながら、私は小さなため息を漏らした。
力と想いを繋ぐ者
今までに起きてたトラブルを回想している内に、彼女は私の下まで辿りついてしまった。
知性のプリキュアを名乗っているし、てっきり運動は苦手なのかと思ったけれど、結構速いのね。
「ホワイト、大変なことが起きてしまったわ」
ただスタミナ自体はなぎさ達、スポーツ系の少女には劣るらしく、目の前で息を切らせながら報告をしてくれる。
そんなに焦らなくても、私は逃げないなんて、今の彼女に告げるのは失礼かしら?
「どうしたの、かれんさん? 変身もしていないのに、そっちの名前で呼ぶなんて珍しいわね」
彼女自身もプリキュアであり、自分達のことを秘密にする必要があるのは理解しているはずだ。
それなのに、ホワイトと呼んだのは焦りからくるものかしら?
それとも、説明を始める前に、自発的に変身をして欲しいという気持ちの表れかしら?
「ごめんなさい。けど、今はそれどころではないのよ」
「なぎさ達が、また大きな失敗でもしたの?」
どうやら、前者らしい。また、トラブルが発生しているようだ。
なぎさが暴れ出したのか、咲さんが暴れ出したのか、のぞみさんが迷子にでもなったのか――ほんと、元気よね。
そんなところが可愛いんだけれど、たまには平穏に始まって、平穏に終わるのも悪くはないと思う。
「あら、流石ね。もう知っているの?」
「いいえ。なんとなく、そんな気がしただけよ。何をしているのかは、全く知らないわ」
ミップルが反応しないところを見ると、世界の危機というわけでもなさそう。
だから、彼女の感覚に頼ることもないし、慌てて変身する必要もない。
どちらかと言えば、折角知らせにきてくれたかれんさんを、落ち着ける方が先決なのかしら?
「そう……実は、ピンクチームの3人がグレて、手がつけられない状態なの」
幸いにして、焦ってはいても混乱はしていないみたいだし、このままでも問題はないのかもしれない。
聞けば答えてくれるだろうし、彼女の解決策を聞くのも大切なことだと思う。
ただ、グレたって何? そもそも、そんな言葉お嬢様がよく知っていたわね。
「ごめんなさい。今のだけでは分からないわ。分かるように、説明してもらっても良いかしら?」
グレたと言われても、私にはピンとこない。
おなかが減ったと駄々をこねることはあっても、なぎさは基本的には良い子のはずだから。
「そうね。気が動転して、説明が抜けていたわ」
「気にしないで、誰にでもあることよ」
それにしても、前々から思っていたことだけれど、かれんさんの言葉って綺麗ね。
良家のお嬢様としては当然なのかもしれないけれど、淀みなく、言い争っている時でさえ気品を感じるわ。
これで小町さんと一緒にいるものだから、余計に目立つのよね。本人達は認めないだろうけれど。
「ブラック・ブルーム・ドリームの3人がグレて、もうプリキュアを辞めると騒いでいるの」
「身近なところで、世界の一大事が起きているのね」
何があったのかは聞いていないけれど、プリキュアを辞めるですって?
そんなの認められるわけないし、はいそうですかとうなずくわけにもいかない。
「あら、本編では既に変身出来なくなっているわよね?」
「……映画とか、色々と大人の事情があるから、あえて突っ込まないけれど。何にしても、大変なことよ」
他にも色々と触れてはいけないところもあるし、私だってそれくらいは心得ているわ。みんなを危険にさらすような真似は、しない。
かれんさんは若干憶病過ぎる気がしないこともないけれど、これはこれで魅力なのかしら?
「そうね。はぐれザケンナーとか、うっかり復活しちゃうナイトメアがないとも限らないし。ブンビーさんなんて、会社を構えているものね」
「何というか、時々あなたの過激さが恐ろしいわ」
「そこにあるものを事実として認識し、正しく対策を立てようとしているだけよ」
この世界から危険が去ったわけではない。私1人だけで立ち向かえるわけではない。
みんなと一緒に、みんながいてくれるからこそ、私は頑張れる。大切なものを守る為に、頑張れるの。
だから、危険性を無視するようなことは出来ないわ。可能性のある危機は、ちゃんと予防しとかなきゃ。かれんさんなら分かってくれると、無意識の内に信頼していたのに。
ちょっと、甘かったかしら? それとも、そういったことは小町さんの担当なの?
「それに、自覚しているか、自覚していないかだけの違いでしょ? みんな同じようなことをして、乗り越えてきたわ」
「そうね。夢と希望を守るのが、プリキュアだもの」
私達は負けられない戦いに身を投じ、苦しい時でも全力であがくことを知った。
時と場所は違えども、私達は同じプリキュアなのだから、気持ちも通じるのね。
「理解が速くて助かるわ。それにしても、なぎさ達がストライキを起こしているのは、なぜなの?」
「なかったからよ」
何が起きているかは聞いた。誰が起こしているかも聞いた。けど、その理由はまだ聞いていない。
流石のなぎさも、理由なしにはそんなことをしないだろうと。余程のことがあったんだろうと、勝手に想像したけれど。かれんさんの一言だけでは理解出来なかった。
「なかった?」
「ええ。映画で声もなければ、テーマ曲が流れることもなかった。変身シーンや、名乗りすら省かれたわ」
「……怖い怖いというワリには、かれんさんも突っ込むわね」
映画とか、声とか、テーマ曲とか。どう考えても、アウトよ。むしろ、私の方がセーフっぽいじゃない。
相手の出方次第で、喋り方を変えるのかしら?
「けど、それは私達が前期のプリキュアにあたるからでしょ? 尺の都合もあるだろうし、仕方のないことだわ。それに、短いけれど活躍のシーンはあったでしょ?」
ただ、今回の話はグレーゾーンを無視して話すことは、非常に難しそう。綺麗なところを見ただけでは、解決しないわね。
それにしても、なぎさは納得しているように感じたのだけれど。違ったのかしら?
「暴れたりないと、そう叫んでいたわ」
「まったく、なぎさは……いつまで経っても子供なんだから、どうしようもないわね」
可愛らしいところではあるけれど、行き過ぎた我儘には困ったもの。少し、お説教が必要なのかしら?
それとも、私の教育方針が間違っているの?
「ほのかさん。事実として、私達は中学生くらいでしょ?」
「かれんさん、無印って何年たったと思う?」
事実は事実として捉え、その上に物語を描く。それこそが、私達に求められていることのはずよ。
「そんなの、私に答えられるわけないでしょ? 危険どころの話ではないわよ?」
「ふぅ、かれんさんて大人びている割には、いくじなしなのね」
「今ほど、あなたを恐ろしいと感じたことはないわ」
「冗談よ? 真に受けないで」
かれんさんならついてこられると、そう思ったのに残念ね。それに、はっきりと告げられないのなら、ニュアンスで伝えてくれれば良いのに。
創意工夫は大切よ?
「真顔で言うのは止めて頂戴。あなただと、ものすごく分かり辛いわ」
「あら、あなたも同じでしょ?」
なぎさにも言われることがあるけれど、そんなにも分かりにくいのかしら? 私なりに、場を和ませようとしているだけなのに、難しいものね。
真面目キャラというイメージがあっても、私だって中学生なのになぁ。お互い、苦労するわね。
「話を戻しても良いかしら?」
「ええ、問題ないわ」
かれんさんとのおしゃべりを続けるのも楽しいけれど、どうにもそれどころではなさそうね。
「単刀直入に、用件だけを伝えるわ」
絶対面倒になったでしょ。会話を続けるのが苦しくなったからと言って、逃げるのは良くないわよ?
「ブラック達のストライキを止めるのを、手伝って欲しいの」
「私に、なぎさを説得しろって言うの?」
あら、驚きね。
私に説得して欲しいとあなたが頼むのも、私が説得出来ると思っているのも。あのなぎさを陥落させるのは、簡単なことではないのよ?
「出来る限り穏便な手段で、確実に説得をして欲しいの」
「まぁ、方法がないわけではないし、別に良いけれど。ところで、どうしてブラックと呼んでいるの?」
「プリキュアに変身した上で、グレているのよ」
あら、それは大変ね。暴れ出そうものなら手がつけれらないし、力で抑え込むことも出来ない。
それで私を頼ってきたのね。
あれ、けど、おかしくないかしら?
「なぎさや咲さんは、1人では変身出来ないはずでしょ?」
「舞が咲のお願いに抗えると思う?」
「無理ね」
それこそがあの子の良いところであり、またみんなに好かれているところだから。
大人しく、激しく主張することはない。
けれど、誰よりも大切に、誰よりも一途な想いを抱いている。時々変な方向に飛んで行ってしまうことはあるけれど、私達の年齢ではおかしなことではないわ。
「ブラックは昨晩からずっと変身しているみたいだし、ホワイトが1番詳しいんじゃないの?」
「……そういうことね、まったくなぎさったら。だから、昨日はわざわざ変身してから、やったのね。はぁ、新プレイの模索に気を取られて、まったく気付かなかったわ」
マンネリ化を防ぐ為、なぎさに飽きられない為に、私だって努力しているというのに。
私の純情をもてあそぶだなんて、なぎさったらひどいわ。
「あんなプレイを言い出すだなんて、なぎさも大人になったわねって、ちょっとだけ喜んだのに」
「そちらの事情にも、情事にも突っ込むつもりはないし、巻き込まれるつもりもないけれど。どうにかしてもらえないかしら?」
「そうね。ところで、なぎさは私が説得するとして。残りの2人はどうするの?」
変身していない状態で説得するとなれば、ミスは許されない。失敗するつもりはないけれど、何人も同時に相手をすることは出来ない。
「問題はないわ。ドリームは私が何とかして、ブルームと舞はこまちがどうにかしてくれるわ」
「まぁ、2人まとめて喰べちゃうだなんて、こまちさんも大胆ね。かれんさんが許したことも驚きだけど?」
「正直なところ、私だけでこまちを受け止めきるのは難しいのよ。無理だとは言わないけれど、時々やっていることだから問題ないわ」
わりと複雑な事情がありそうね。
障害に立ち向かう恋人達って、見ているだけで幸せになれるもの。面白そうだけど、まだ触れるタイミングではないわ。
「そう。ところで、りんさんは何をしているの? うららさんに期待するのは難しいかもしれないけれど、りんさんなら何とか出来そうよね?」
「内情が筒抜けなのも、どうかとは思うけれど。今回に限っては、りんにも期待は出来ないわ」
情事に関することをバラしておいて、今更って気がするけどね。自分のことと、こまちさんのことは良いのかしら?
それにしても、りんさんが止めに来ない理由が分からないわ。
「どうして、駄目なの?」
「グレてはいないけれど、りん自身が少し怒っているのよ。もう少し、活躍させてくれても良いんじゃないかって。私達も頑張ったんだぞって」
「色が近いと、感性も近いのかしら?」
「そんなものなの?」
新しく加わった子達を考慮しても、色で感性が近いというのは間違っていないのかもしれない。
若干ズレるところはあるかもしれないけれど、考えてみるのも面白そうね。ふふ、楽しみが増えたわ。
「3人しかいない、少数の私に聞かれても分からないわ。黒、白、黄色と見事にバラバラだもの」
私達では、検証できない。私達だけでは、サンプルにもならない。
プリキュアがいっぱいいるなら、その数を活かしたことをしないとね。科学部部長として、失格だわ。
「私達だって、好きで6人になったわけではないのよ?」
「んー、休日を2日と考えれば一週間のサイクルね。中々、素敵な状況だと思うわ」
「何を言っているのかは分かるけれど、そんなことはしないわ。それに、いい加減解決しないとマズイわ」
「どうして? かれんさんはこういった話、キライ?」
女の子としての幸せ。女としての幸せ。誰かに求めて貰える幸せ。
あなただって、知っているはずよ?
それに、私達の年齢で恋話も出来ないだなんて、寂しいわ。
「つつしみを持って欲しいだけよ!」
「そう? なら、今度かれんさんが相手を務めてくれるということで、今回の騒動の解決に協力させてもらうわ」
「はぁ、今なら全てがあなたの計画だとしても、驚かないだけの自信があるわ」
夢と希望、それに笑顔を守るのがプリキュアの使命よ? そんなこと、するはずないでしょ?
◇
「ところで、他のプリキュア達、後期の子達はどうしたの? フレッシュ組なんて、反則的な速度で駆けつけてくれるでしょ?」
「……ドリームが片付けたわ」
「1人で撃破したというの? 嘘でしょ?」
フレッシュ組は4人。それをたった1人で撃破したというの?
彼女達だって世界を救ったプリキュアよ? 簡単に負けるとは思えないわ。
「悲しみの混じった拳に、溢れるカリスマ性。ピーチは途中で同情してしまったし、ベリーは最初に撃沈。パインはベリーの診察というお楽しみ中で、パッションはみんなの幸せについて熟考中よ」
美希さん、相変わらず不憫な子ね。どうして、あそこまで運がないのかしら?
他の3人にいたっては、もしかしてって考えていたことがそのままだし。戦線復帰も難しそうね。
「ハートキャッチ組は、死闘になりそうだから連絡すらしてないわ」
「賢明な判断ね。ゆりさんとか、ガチで潰しにくるわね」
「ええ、説得して欲しいだけで、撃破されても困るもの」
私がかれんさんの立場だとしても、ハートキャッチ組にだけは連絡しないだろう。
穏便に済ませるとか、人の目を気にするとか、そんなこと気にするはずがない。
デザトリアンと通常の空間で戦っているのだから、感覚的に難しいのでしょうね。
「スイート組は……あの夫婦は、腰痛の為動けないそうよ」
「はぁ、加減を知らないだなんて、まだまだお子様ね」
私となぎさだって、初めの頃は腰が痛いとか、背中が痛いとか、随分と苦しんだものよね。
初々しくて可愛くはあるんだけれど、私達はプリキュアなのよ。情事のせいで世界が滅んだなんて、誰も笑ってくれないわ。
「その内、教えてあげないとね」
「また修羅場になるわよ?」
「どうして? なぎさは同行してもらうし、4人でやるから仲間外れにはしないわよ?」
「さらっと、恐ろしいことを言うのね」
なぎさを放置して、あの2人のところにいったのなら怒られるだろう。私だけが加音町にいったのなら、なぎさは怒るだろう。
けれど、旅行と称して2人で行くのであれば、昼間に心のこもったサービスをさせて貰えば、なぎさだって喜んでくれるはずよ。
ふふ、この程度で修羅場だなんて、かれんさんもまだまだ青いわね――まさか、それでコスチュームの色が決まったなんてことは、考え過ぎかしら?
「あら、スイート組は4人よね?」
「無理よ。他の2人は、気後れして辞退したわ」
「そうね、今までであれば主人公的な立場になっているわけだし、気まずくてこれないのね」
仕方のないことね。方針が変わったせいで、活躍の場は減っているかもしれないけれど。私達の前に出てくるには、不十分ね。
それに、バラバラされて戦ったとしたなら、勝ち目もないでしょう。
「最後にスマイル組だけど、説明が必要かしら?」
「絶賛放送中のあの子達だもの、撮影で忙しくてこられないわ。それに、長年続いているプリキュアの宿命を知るには、まだ早過ぎるわ」
「ええ、9年目として次に繋がる活躍に期待しましょう」
なぎさがラクロスで頑張り、私が科学部で頑張るように、それぞれに与えられた戦いの場があるわ。
あなた達が全力で頑張ってくれている、今のプリキュアでしょ? だから、先輩である私達は少し遠くから応援させてもらうわ。
◇
何にしても、方針は決まった。あんまり、のんびりもしていられないわね。
「状況の把握に関しては問題ないわ。応援は期待できないけれど、邪魔されることもなさそうね」
応援が期待できないのは難しいかもしれない。私だけで頑張るのはちょっと大変かもしれない。
けど、みんなの笑顔の為であれば頑張れるから。絶対に諦めないから。
「私が全員を投げ飛ばして、地面に埋めて、調教すれば良いんでしょ?」
「待って。さっきまで言っていたことと、打合せと全然違うじゃない」
「ささいなことよ。あなたはこまちさんと乳繰り合ってなさい。私が全てを解決してあげる」
その時の光景を思い浮かべるだけで、どんどんと力が溢れてくる。
なぎさの怯える顔、咲さんの驚いた顔、のぞみさんの涙をこらえている顔。そこに加えて、舞さんの悔しそうな顔、うららさんの泣き顔、りんさんの諦めた顔。
はぁ、みんな素敵よ。
「それに、あなた1人であの3人の相手をするというの? 無茶を言ってはいけないわ」
「私には、初代プリキュアとしての意地があるの。キュアホワイトのやり方を見せてあげるわ」
心配してくれるのは嬉しいけれど、大丈夫だって信じてくれる方がもっと嬉しい。
1人ではマーブルスクリューも撃てないし、他にこれといった技がないのも事実。3人同時に飛びかかられたら、抑え込まれてしまうかもしれない。
けれど、私が負けることはないわ。あの3人に負けて、引き下がることなんてありえないわ。
「最終的に、みんなが仲良くなって、誰もプリキュアを辞めることがなく、私が満足できれば良いんでしょ?」
私がみんなを繋いであげる。心も身体も1つになれるように、私が繋いであげるわ。
心が通じれば、争う必要はないわ。争う無意味さを、説く必要性さえなくなるわ。
身体が繋がれば、満たされるわ。心地の良い疲労感と、傷の共有が絆を深めてくれる。
「大体は合っているけれど、最後のが追加されているわ」
「かれんさんは、細かい人ね。今更1つくらい増えていても、大差はないわ。私がやることも、なぎさ達の未来にも変化はないわよ」
やると決めた以上、どれだけ厳しくなってもやり抜いて魅せる。あなたにも、私の雄姿を魅せ付けてあげるわ。
こまちさんと2人、大人しくしてなさい。
「大丈夫よ。全て、私の計画通りに進んでいて、問題ないわ」
ちょっとだけ騒ぎが大きくなってしまったようだけれど、かれんさんとの約束を取り付けられたし、結果的にはプラスになったわね。
なぎさを、全力で褒めてあげないと。ふふ、どんな声で鳴くかしら?
――さて、始めましょうか。
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