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ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
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らさ
年齢:
38
性別:
男性
誕生日:
1986/07/28
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SS書き・ステカつくり
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前の記事:力と想いを繋ぐもの
やってしまいました。ノリと勢いだけで書いてしまった、第一弾の続き。
ムーンライト伝説の2話です。

いやはや、楽しいものですね。文章が乱れているのも、気になれない程度にノッてしまいました。
この調子で、5話くらいまで書ければ良いですね~。書きたいですね~。

(・w・) あ、ラブせつ書けないじゃん!
     何か、考えよ。


 月夜に照らされ、そっと咲いていた花のような少女は、短期間の内に戦士へと変貌した。
 大切なものを守る為、誰かの笑顔を守る為、涙を流すものを減らす為に。自らの時間と命を酷使し、今日も迎撃に励む。
『シルバー・フォルテウェーブ』
 彼女の名は、キュアムーンライト。伝説の戦士にして、中学2年生の女の子だ。
 元々、戦いに向いた性格だったわけではない。どちらかと言えば、的にさえ情けをかけてしまうような、本当に優し子だった。
 それを変えたのは僕であり、彼女の決意。誰にも知られることなく、僕達だけで平和を守る為に、あえて選びとった過酷な道。
 彼女が何を望んで戦っているのか、時々分からなくなってしまうことがある。彼女が何の為に戦っているのか、尋ねたくなる時がたまにある。
 本当にそれで良いのかと、自分を犠牲にしてまでみんなを守りたいのかと。
 まぁ、聞かなくても答えは分かっているし、彼女の望みを知っている僕が、望みを叶えて貰っている立場である僕が、そんな失礼なことを言うわけにはいかないけどね。
「今日の戦闘は、これで終わりみたいだね」
 僕達の作戦は、今のところ成功している。
 レーダー装置の操作には随分と手間取ったけれど、覚えてしまえばこれほど便利で、安全な手段はない。
 どこからか調達してきてくれた、キュアフラワーに感謝しないとね。変身は出来ないけれど、彼女だってこの星を守ってくれる仲間なのだから。
「油断は出来ないわ」
「君のストイックなところは好きだけどね、休憩は必要だよ。僕が見張っておくから、君は休むと良い」
 僕は、直接戦うことが出来ない。戦ったとしても、有効な戦力とはならないだろう。仮に戦場に飛び出したとしても、ムーンライトの迷惑にしかならないことは、試さなくても分かる。
 だからこそ、僕に出来ることは任せて欲しい。僕がやれることまで、君がやる必要はない。
「ももかさん、だったかい? 彼女との約束だってあるだろう?」
「どうしてアナタが知っているの?」
「君の予定を知ることが、この戦いに繋がるからね」
 いつになるかは分からないけれど、君を普通の女の子に戻してあげられるかもしれない。戦いのない、平和な日常に戻してあげられるかもしれない。
 その時に、友達が1人も残っていなかったら悲しいだろ?
 世界の為に戦った君が、1人ぼっちだったら寂しいじゃないか。
 
 
     そして、世界は真実を知る
 
 
 キュアムーンライトこと、月影ゆりは優しい少女だ。
 休みがちな友人の為にノートを取り、わざわざ届けに行ったりすることもある。ご近所さんの評判も良く、母1人、娘1人で慎ましく暮らしている。
 そんな彼女を、戦いに巻き込んでしまった。正直なところ、結構な罪悪感は感じている。
 ただ、ここ最近。その罪悪感を抱えたままで良いのかと、別の意味で悩むようになってしまった。
『ムーンライト・シルバーインパクト』
 吹き飛んでいくスナッキーと、砂漠の使途の幹部。あの様子では、立ち上がれるようになるまで随分な時間を要するだろう。
 本来であれば、それは喜ぶべきことだ。けして、同情する必要なんかないはずなんだ。
 ただ、ちょっとだけ、本当にちょっとだけだけど、やり過ぎなんじゃないかって。そんなふうに思うようにもなってきた。
 レーダー網が完成し、操作をマスターした今、砂漠の使途の出現を感知することは完璧になり、予知することすら不可能ではなくなってきた。
 デザトリアンを見る機会も減り、運良く出現したとしても僅か数秒で消滅……いや、浄化されて心の花に戻っている。
 おかげでご近所一帯も平和であり、これといった被害も出ていない。
 まぁ、スナッキーや幹部達の怪我は、こちらの被害ではないし気にしなくても良いはずなんだけれど。
 『ムーンライト・シルバーインパクト』
 隙を突いたつもりだったんだろうか? サーベルを構えたクモジャキーが突っ込んできた。ただ、その行動を良しとするほど、ムーンライトは甘くない。
 敵に与える慈悲はないと、そう教えたのは僕だから。君の力が振りまいている結果も、僕が教えたことになるんだよね?
 強いのは良いけれど、若干やり過ぎ感があるよ?
『ムーンライト・シルバーインパクト』
 ……クモジャキー、諦めれば良いのに。起き上がろうとするから、警戒されるんだよ。起き上がる気力があるのならば、侵略する気力も残っている。破壊を撒き散らそうという心は、途絶えていない。
 それは、ただ1人で戦い続けている彼女にとっては脅威としかならない。可愛そうだとか、もう十分だとか、そういった甘い考えは僕達には許されていない。
 少ない戦力で、圧倒的な兵力を誇る組織を相手にしなければいけないんだ。ちょっとでも気を緩めた瞬間が命取り。
 この町が炎の海に沈んだとしても、何もない砂漠に変えられたのだとしても、不思議に思うことはない。
『シルバー・フォルテウェーブ』
 ん? まだ起き上がる者がいるのかい? 今回は僕達の勝ちなんだ。諦めて帰って欲しいものだね。
 君達だって、好き好んで痛い思いはしたくないだろう?
 何より、君達を攻撃することによって、ムーンライトの心は傷ついているんだ。彼女は、君達を傷つけることにすら躊躇する優しさを持っているんだ。
 だから、これ以上苦しめないであげて欲しい。諦めて、帰って欲しい。
『ムーンライト・シルバーインパクト。そして、シルバー・フォルテウェーブ』
 いや、ちょっと待った。流石にやり過ぎなんじゃないのか?
 僕が見える範囲では、既に立ち上がろうとしている者はいない。指先がピクピクと痙攣している者は見えるけど、あれは気絶しているだけだよ?
 クモジャキーなんて真っ黒で、消し炭みたいになっているよ? 君は、何に怯えて攻撃を繰り返しているんだい?
「ムーンライト、もう十分だよ。彼等の撤退を許可しよう」
「どうして? 徹底的に攻撃するよう、教えてくれたのはコロンでしょ?」
 確かに、情けを捨てろといったのは僕だ。敵に甘いところを見せれば、付け込まれると教えたのも僕だ。
 ただ、それにしても程度というものがある。
 戦いにおいて容赦は必要ない。慈悲をかける必要もない。
 ただ、こちらが不利になるような戦い方をしては意味が無い。
「ムーンライト、1つ追加で覚えておいて欲しいことがある」
「何かしら?」
「プリキュアの力は無限ではない。君自身の地からも無限ではない。限界というものが存在する以上、無駄に消費してしまっては、今後の戦いに影響が出てしまう。それを覚えて欲しい」
 戦いは今回で終わりではない。先が見えないほど、数えることが出来ないほどの戦いを経験することになるだろう。
 中には連続して闘わねばならない時もあるだろう。消耗戦を強いられることになる時もあるはずだ。
 その時のことを、未来のことを想定して戦うなら、無駄撃ちは止めるべきだ。こちらが消耗してしまうだけで、何も得られるものはない。
 まさか、体調が悪いから帰ってくれなんて、そんなことは言えない。疲れているから帰って欲しいなんて、そんなお願いを聞いてくれるはずもない。これ幸いとばかりに、全力で攻めてくるかもしれないんだ。
 その危険性を減らす為にも、少し戦い方を変える必要があるのかもしれないね。
「それに、僕達が全力を尽くすのは守る為だ。砂漠の使徒を撃退する為に、全力を尽くすことを誓ったはずだ」
「ええ、みんなを守る為に。傷つけさせない為に、そう誓ったわ」
「だからこそだよ。彼等を必要以上に傷つける必要はない、恐怖を覚えさせる必要もないんだ」
 戦い方を教えるのは、僕の仕事だ。効率よく撃退し、君自身の時間を確保する為にも、僕が考える必要がある。
 プリキュアとしての戦い方を、みんなを守っていく為の戦い方を。撃滅するのではなく、撃退するための戦い方。
 終わらないことと引き換えに、今の平和を守り続ける為の戦い方を。
「確かに、恐怖を与え撃退することは有効だろう。彼等の足を鈍らせ、彼等の戦意をそぐ為に有効な手段だ。けれどやり過ぎてしまっては意味が無い」
 僕が伝えなければいけない。彼女に分かってもらわなければいけない。
 正しい力の使い方、プリキュアとしての守りの戦い方を。彼女のやり方にあわせつつ、教えなければいけない。
「常に恐怖を与え続けていたのでは、感覚が麻痺してしまう。怖いと感じることがなくなってしまう。それでは、こちらには何の得もないよ?」
 そうしなければ、彼女自身が壊れてしまう。強くても、もろいその心。僕が守る努力をしなければいけないだろう。
 そんなことしか出来ないから、全力で頑張らせてもらうよ。君の隣で、パートナーとして、君を守っていこう。
 大丈夫。君なら出来ると、僕は信じているから。
「そして、もうひとつ。砂漠の使徒にも仲間意識は存在する。だから、必要以上に傷つけた場合、彼等が怒りで乗り込んでくる可能性があるんだ。これは非常に危険だよ?」
 傷つくことを恐れない君に、傷つけることの怖さを教える。組織を求めない君に、組織の戦い方を教える。
 そうすることで、上手くいくと信じるしかないから。君が分かってくれると、期待するしかないから。
「砂漠の使徒を翻弄する為に、挑発するのは問題がない。けれど、怒りで制御の外れた組織は何を始めるか分からない。現在はこの町にしか出現していないけれど、下手をすると別の国、地球の裏側から攻め入ってくるかもしれない」
 お願いだ、やり過ぎないで欲しい。
 僕だって、一応妖精なんだよ? 可愛い可愛い、妖精なんだよ? プリキュアだって、女の子の憧れとなる存在なんだよ?
 どれだけ強くだって、どれだけ強大な存在であったとしても。可愛くある努力を忘れてはいけない。人間にすら恐れられるような、そんな存在になってはいけない。
 後輩達から恐れられるような、そんな存在にはなりたくないだろう?
「そんな時、僕達だけでは対応できない。こころの大樹を直接狙われなくても、数多くの心の花が枯れてしまえば力を失ってしまう。こころの大樹が力を失えば、地球は砂の星になってしまう」
 君の努力が無駄にならないように、その上で君自身がプリキュアとして輝く為に。うん、中々に有用なことを出来るんじゃないかな?
「警戒することは必要だけれど、心配する必要はないよ。確実に迎撃していけば、彼等の侵略行為は減ってくる。やる気をそがれた幹部達は、中々攻めてこなくなるだろう。その間に、こちらは体制を整えれば良い。より確実に、効率よく撃退する為の手段を構築すればいいんだ」
 まぁ、正直なところ、そろそろ止めておかないと、勢いでやっちゃいそうなんだよね。こう、やり過ぎた結果として、幹部の数が減りそうなんだよね。
 クモジャキーは丈夫だから多少は大丈夫として、コブラージャなんて見た目的にも頑丈そうには見えないし、サソリーナは一応女性だから。それぞれにあわせて、限度を決めないとやばそうだ。
「だから、やり過ぎる必要はないんだよ」
 浄化してしまうなら、問題はないのかもしれないけれど。君の場合は多分に、物理的な攻撃が含まれているからね。打ち所がまずいと、ありえるかもしれない。
「分かったわ、コロン。最小限の力で、有効打を与えろってことね。そうしなければ、戦い続けることは出来ないということでしょ?」
「その通りだよ」
「ふぅ……予想できないほど、厳しい戦いになりそうね」
 うん、まったくだ。ここまで強くなるとは思っていなかったし、ワンマンアーミー過ぎて、新しいプリキュアを探すことに躊躇してしまうくらいだもんね。
 もし一緒に戦ってくれる子達が見つかった場合は、その実力差に苦労するんだろうなぁ。ムーンライト、厳しいし。泣かせたりしないか、心配だ。
 
――助けて、コッペ様
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