忍者ブログ
ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
プロフィール
HN:
らさ
年齢:
37
性別:
男性
誕生日:
1986/07/28
趣味:
SS書き・ステカつくり
自己紹介:
コメントを頂けると泣いて喜びます。
リンクフリーです。
ご報告頂けたら相互させて頂きます。


メールアドレス
yakisoba_pan◇hotmail.co.jp
◇を@に変えて下さい
当ブログ内のSSは無断転載禁止です。 恥ずかしいので止めて ^^;
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

久しぶりのUPは、更に久しぶりの なのフェイ だったりします。
出張中にフラストレーションが溜まりましたので、本日は個人的なUP祭りを始めることでしょう。

(・w・) アヒャ


 ぽつぽつと降り注ぎ、アスファルトを濡らしている滴。天気予報を塗り替え、空は一面の灰色。
 私達が生きていくには水が必要で、生命を育んでくれているものだと、理解はしている。
 それでも、やっぱり濡れたり冷たかったりするのは、嬉しくはないかな。服が張り付いてべたべたするし、足元は滑りやすくなる。運動神経に関して若干の不安がある私としては、雨の中を走って帰るのは避けたい出来事だ。
 もっとも、最愛の人の横に並んでいる今、転ぶ心配どころか、濡れる心配すら必要がなくなってしまった。
「なのはが濡れる道を選ぶのなら、私は川に飛び込むよ」
 誘ってくれた時点で、素直にうなずいてさえいれば、そんなセリフを聞くことはなかったのだろう。
 誰よりも私のことを心配してくれて、誰よりも私のことを知ろうとしてくれて。だからこそ、私の運動神経の悪ささえ筒抜けな彼女だから。必死になってまで、私を傘に引き入れたのだろう。
 まぁ、もう少しセリフを考えてくれれば、もっと格好良くなれると思うんだけどな。ちょっと、残念。
「なのはと相合傘だよ」
 もっとも、幸せそうに笑ってくれているのであれば、別にこれ以上格好良くなる必要性もないのかもしれない。
 重要な場面で見せてくれる強さは、十分過ぎるほどに魅力的だし。この上、常時格好良いセリフを言い出したりしたら、ファンクラブが巨大なものになってしまうかもしれない。
 現状ですら、たまに暴走しそうになるのに。
 まったく、魔法を使えない相手というのは、それなりに不便だね。隠さなくて良いのなら、バインドで縛り上げてから話し合いが出来るというのに。今のやり方では、効率がよいとは思えない。
「あ、かたつむりだよ。ゆっくり動くところが可愛いよね」
「そうだね」
 そんなふうに1つ1つの事柄に反応するから、撃墜される人がどんどんと増えるんです。少しは考えて、私の苦労も知って下さい。
 なんて、そんなこと言える筈もないんだけどね。ちょっと、無防備過ぎないかな?
 雨が降って、視界が悪いとはいえそれなりに人通りはある。そんな無邪気な笑顔を振りまくのは、危険だと思うの。フェイトちゃんには自分の可愛さと、無防備なところを説明してあげた方が良いのかもしれない。
 けど、そんなことを伝えたら変な人だと思われるかもしれないし。もしかしたら嫌われてしまうかもしれない。
 駄目、それだけは耐えられない。フェイトちゃんに嫌われるだなんて、片思いの相手に嫌われるだなんて、そんなの耐えられない。
 空に上がれば、何も怖くないのに。絶対に勝てるって、諦めないって自分のことを信じられるのに。
 フェイトちゃんの隣に並んだ時だけは、その自信が全部砕けてしまう。
 どれだけ我慢しようとしても表情が緩んでくるし、手を握られたらドキっとしてしまう。声をかけられたら嬉しくて、子犬のように駆けだしてしまう。髪の毛に触れられたり、抱き締められたりした時には、体中がピリピリと痺れて何も考えられなくなってしまう。
「とにかく、フェイトちゃんの傍にいる時の私は特別で、普段と私とは違うの!」
「そうなの?」
「え?」
 なんとか押し切らないと、なんとか誤魔化さないと。まさか、今ここで告白するわけにはいかない。
 そういった大切なイベントは、もっと素敵なシチュエーションで、何日も時間をかけて準備したい。
 お願い、追求しないで。
「えーと、なんていうか。お、お芝居の練習だよ! ほら、学芸会が今度あるでしょ?」
「けど、そんなセリフあったかな?」
 あぁ、もう! どうして、そこで首を傾げたりするのかな!
 可愛いよ。今すぐお持ち帰りして、全力で頬ずりをしたいくらいには可愛いよ。
 お願い、まだ友達でいたいの。私達には早いと思うの。私を誘惑しないで。
「……ちょっと間違えただけだよ。大丈夫、私は本番に強いから」
「そっか、なのはが言うならそうなんだろうね」
 お願いしといてなんだけど、どうしてそこで信じるかな! 私の言うことがすべて正しいって、そうして盲目的に信じてくれるのかな!
 何を考えているか分からないよ? 都合の良いように嘘を教えているかもしれないよ?
 フェイトちゃんを恋人にする為に、将来のお嫁さんにする為に暗躍しているかもしれないよ?
 少しくらいは、疑おうよ!
「フェイトちゃん、なのはが言うことが全てではないよ。それだけは覚えておいて」
「そうなの? んー、良く分からないけれど、なのはがそう言うなら、そうするよ」
「だから、それが駄目なの。なのはが言っていることが、全て正しいとは限らないよ? 間違えていたらどうするの?」
「大丈夫だよ。その時は、私が頑張るから。私がなのはを守ってあげるから」
「嬉しいけど、そういう話じゃないよ?」
「なのはがフェイトちゃんに嘘を言っているかもしれないよ? 本当のことを話していないかもしれないよ?」
「そうなの?」
「なのはだってそんなことはしたくないけれど、するかもしれないでしょ?」
「んー、でも、なのはなら良いかな。きっと、私の為に嘘をついてくれているから」
 ごめんなさい。やっぱり、なのはには無理でした。この天使に嘘をつくなんて、騙すことなんて、私には出来ないよ!
 フェイトちゃんの可愛さに負けて、素直になっちゃう。本当のことを話したくて、我慢できなくなっちゃう。
 フェイトちゃんのことが大好きです、付合って下さいって叫びそうになる。
「……そうなるよう、努力します」
 結局、伝えられなかった。私の気持ちも、ちょっとしたいたずら心も、何も伝えられなかった。
 今はまだそれで良いけれど、伝えたい時、伝えなければいけない時に、ちゃんと伝えられるかな? フェイトちゃんに伝えられるのかな?
 うーん、まだまだ将来のことだと思っていたけれど、あんまりのんびりはしていられないのかもしれない。
 フェイトちゃんは可愛いし、誰かに取られちゃう可能性だって十分あり得るんだから。悩んでいる間に失恋しましただなんて、そんなの私らしくない。
 失敗しても良いから、玉砕したとしても良いから、想いを伝えずに引き下がるなんて出来ない。
 もう少し大胆にアピールしなければいけないのかな? 女の子同士だし、有利な条件だとは言えないし。
 けど、もう暫くの間はこの親友というポジションでもいたいな。
 
――人を想うって、難しいね。
 
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メール
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
- HOME -
ピックアップ
web拍手
VOCALOID関係
その他リンク
Powered by  [PR]
 | 忍者ブログ