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ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
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らさ
年齢:
37
性別:
男性
誕生日:
1986/07/28
趣味:
SS書き・ステカつくり
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サブタイトル:彼女と僕の事情

はい、このシリーズは3本目となりますね。
主にコロンの心変わりを書いていく予定ではありますが、果たして上手くいくのやら。


 君はプリキュアという存在を知っているかい?
 最近、町で暴れている化け物がいるだろう? 君の大切な町を壊そうとしている、そんな化け物がいるだろう?
 大丈夫、それは夢ではないよ。ちゃんとした現実だ。あの化け物は、砂漠の使徒と名乗っている連中が操っているんだ。
 みんなの心にある花を枯らす為に、みんなの笑顔を消し去ってしまう為に。この地球を、美しい星を砂漠に変えてしまう為に。
 そんなはずはないって? 町は今日も平和だって言うのかい?
 それは、プリキュアが守ってくれているおかげなんだ。彼女達が命がけで守ってくれているから、君の笑顔も、そこの花も存在しているのさ。
 プリキュアは、みんなのヒーローでヒロインだ。女の子があこがれるような衣装を身にまとい、不思議な力で戦っている。お供には、僕のような精霊が傍についているのさ。
 彼女はとても強い。ただ1人で戦い抜く決心をして、強大な敵に立ち向かっている。
 自らの不幸も、悲しい出来事も全て飲み干し。その上で、みんなの幸せを守るために奔走している。
 けど、彼女だって女の子なんだ。プリキュアであることさえ除いてしまえば、普通の女の子なんだよ。
 学校に通い、友達と談笑し、勉強をする。家の手伝いだってあるだろう。家族と一緒に、夕食を食べたりもする。
 そんな、普通の女の子なんだ。
 だからさ、忘れないで欲しいんだ。プリキュアのことを、平和の為に戦い続けている存在がいることを。
 どうすればいいのかって? そんなのは簡単だよ。
 笑っていてくれ。みんなの笑顔が、幸せが彼女を強くする。彼女の心を守ってくれるんだ。
 
――まぁ、ストレスからは守ってくれなかったみたいだけどね。
 
     ~ 少女、戦士の苦悩を知る ~
 
 
『シルバー・フォルテウェーブ!』
 今日も冴えわたる、銀色の閃光。僕のパートナーにして、この町を守っているプリキュア。
 彼女の名前をキュアムーンライトという。
 ただの1人で巨大な組織と渡り合い、この町の平和を、世界の平和を守り続けている彼女。
 彼女は強い。どれだけの敵を前にしてもひるむことはない。
 彼女は強い。どんな逆境に陥っても、諦めることはない。
 けして絶望せず、未来の希望を勝ち取っていく。その姿は闇を切り裂く月光のようで、冷たくも優しい輝きに満ちている。
『ムーンライト・シルバーインパクトォ!』
 もっとも、そんな彼女であっても哀愁に浸る時がある。
 友達との約束を守れなかった時。一緒に出かけられなかった時。おしゃべりの時間を削られた時。
 特定の友人に偏っているのは気にならないこともないけれど、気持ちを分かってもらえる者が少ない以上、仕方のないことなのだろう。彼女の心の花を元気にしてくれて、笑顔を与えてくれて。僕としては感謝はすれど、苦情を言ったりするのはお門違いだ。
 所詮、僕はプリキュアとしてのパートナーでしかないのだから。彼女に幸せを与えたりすることは出来ないのだから。
 だから、彼女が荒れている時は、暴れている時は、パートナーとして見守ろう。
 ムーンライトだって加減は心得ているだろうし、放っているのは浄化の力だから。心が洗われ改心することはあっても、致命傷になったりする心配はない。
『ムーンライト・シルバーインパクトォ!』
 若干やり過ぎ感じもあるけれど、そもそも彼等が侵略行為を止めてくれれば済む話で。こちら側が譲る必要なんて、どこにもないんだ。ちょっとくらい可哀想に見えたとしても、それは自業自得。同情する必要性なんてどこにもない。
 それに、今日は彼女が夕飯を作る日なんだ。
 早く終わらせて、帰らないとお母さんが心配するからね。
「ムーンライト、手を緩めてはいけない! 彼等は、気絶したふりをしているだけかもしれないよ」
「流石ね、コロン。分かったわ。消し炭になるまで、全力を尽くすわ」
 何より、八つ当たりでもされようものなら、僕の命に関わってくる。
 どうせなら、責任を取って、ここで全滅してくれれば気も楽になるんだけどなぁ。そうはいかないんだろうね。
『シルバー・フォルテウェーブ!』
 悲鳴すら上げないスナッキー。ボロ雑巾のように吹き飛び、美しさのかけらもないコブラージャ。
 たまには、こんなふうに空を飛んでみるのも悪くはないだろう? 大丈夫、意識はなかったとしても、感覚的には覚えているものさ。
 僕だって、ちょっと前まではもう少し加減しても良いんじゃないかって、そんな甘い考えを持っていた。
 砂漠の使徒だって生きているのだし、攻撃すればムーンライトの心に傷が残ってしまう。どんなに強がっていても、彼女の本質は変えられない。
 花を愛し、人を愛し、町を愛し。そんな彼女だからこそプリキュアになり、みんなの為に戦ってくれているのだから。
 けれど、こちらの都合なんて砂漠の使徒には関係なかった。
 ムーンライトの予定はぐちゃぐちゃだし、学校があったとしてもお構いなし。休日は1日中監視作業に当たり、友人と遊べる機会さえも奪っていく。
 戦いで疲弊した彼女を、唯一癒してくれる時間を奪っていった。
 反撃のチャンスを見つければ、どんな時でも襲いかかってきた。
 今のところ、凶悪なまでのカンで乗り切ってはいるけれど、いつまでも続けられるようなことではない。綱渡りのような芸当は、いつか失敗に繋がってしまう。
「ムーンライト、コブラージャに追撃だ」
「了解。くらいなさい『シルバー・フォルテウェーブ!』」
 彼女の心は強固なものだ。それ自体を疑うつもりはない。
 けれど、強いだけで砕けないわけではない。攻撃をするたびに傷ついている彼女の心は、いつか耐えられなくなってしまう。
 ガラスの獣のように、自らの攻撃の衝撃で崩れてしまうかもしれない。
 そんな未来、僕はいらない。彼女を普通の女の子に戻すのだけが、僕の願いなのだから。
 戦いに巻き込んでしまった、大変な使命を押しつけてしまった。傍で見ていることしかできない、そんな僕に出来る唯一のこと。
 それまで諦めるわけにはいかないんだ。
 いつか訪れる終わりの時は、僕達にとってのハッピーエンドで終わらせてみせる。
 
――さぁ、もう一撃を放つんだ。奴らが起き上がるぞ!
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