ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。
※ 百合思考です。
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1986/07/28
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恥ずかしいので止めて ^^;
出張って素敵ですね
ゲーム用PCがなければ、娯楽がなければ 頑張れるようです
せつな 独唱
ゲーム用PCがなければ、娯楽がなければ 頑張れるようです
せつな 独唱
イースと呼ばれていたかつて、私の眼に映る景色は全て色を失っていた。
どんなに美しい風景も、どれだけ精巧な美術品であっても、私の目を通してしまえば輝きを失ってしまう。意味をなさないものへと成り下がる。価値など求めていない。
別に何かを望んでいたわけではない。故意にそのように見ていたわけではない。
ただ、メビウス様によって管理されてしまえば、全てが平等に光を失うという現実を知っていただけ。管理から逃れるすべがあると、考えていなかっただけ。全ての世界は、いずれラビリンスのようになってしまう。決められたルールの上でのみ、自ら求めることもなく生きていく。
とてもつまらない世界だった。悲しくなるほどに、無機質な生き方だった。 色を失い、輝きを失い、その世界からは味というものも消えていった。笑顔も会話も、優しさも。全て失われた。
当時の私にとって、イースにとってはそれで良かったんだ。全てが管理され、争いのない世界になれば、それが正しいことだって信じて。それが1番なんだって、信じ込もうとしたから。
メビウス様に管理されることにより、争うこと自体を忘れ、何かを求めることを忘れ、個性というものを忘れ。考えることすら、放棄して。
今になって思えば、それはとてもおろかなこと。自分で決めることを恐れ、失敗することを恐れ、傷つくことから逃げていただけ。支配されることを望んでいなかったとしても、反対することもない。
幸せがあることも、笑顔になることも、知ろうとしなかった。過去にあったはずのものですら、忘れられる存在でしかなかった。
この町に来て、クローバータウンもいつかラビリンスのようになると、疑いもしなかった。大きな問題もなく潜入に成功し、インフィニティを探し出す。
それによって、メビウス様は全てのパラレルワールドを支配される。
メビウス様による支配が生き届けば、笑顔がなくとも争いはなくなる。
そんなふうに信じることこそが、唯一と言える希望だった。
確かに、争いがなくなること自体は、良いことなのかもしれない。傷つくこともなく、恐怖に震えることもなく、涙を流すこともなくなるだろう。
だけど、それと引き換えに笑顔や幸せが奪われるのはおかしい。喜びも、楽しみもない世界で、何の為に生きていくのだろうか?
努力することを忘れ、夢を見ることを止め、未来を望むことすらなくなってしまった世界は、滅びるしかない。
緩やかか、急激なものか、想像さえつかないが。世界は確実に崩壊していくだろう。
「そんなのは、間違っている」
私達は、夢を見る為に生まれたはずだ。私達は、幸せになる為に生まれたはずだ。
失敗しても、涙を流しても、立ち上がるだけの希望を抱いているはずだ。
夢に向かって進めば、誰かとぶつかることもあるだろう。一緒にいるのであれば、友達とケンカすることもだろう。
見たことすらない人と争い、時には傷つけ合うかもしれない。誰かの悪意にさらされて、絶望を味わうことすらあるだろう。
だけど、そうだとしても。夢も笑顔も、希望も忘れてしまうような世界よりはましだ。
抑えつけられていたとしても、夢を見ることは出来る。いつか自由になる為に、希望を抱くことも出来る。
どれだけ辛い境遇の中であっても、人の優しさを受け取ることは出来る。小さな幸せを探すことは出来る。
「忘れてしまえば、それすら出来ないわ。出来るということさえ、忘れてしまうの」
ラビリンスでは、当たり前であったこと。決められた命令通りに、決められた時間通りに、決められた内容の通りに、決められた運命のままに。全ては、メビウス様の為に。
みんながそうなのだから、誰も疑問を持たない。疑問を持たなければ、考えることもない。考えないのであれば、気付くこともない。
転んだ人を、助けることさえ許されない。困っている人を、手伝うことさえ許されない。悲しいことがあったとしても、泣くことさえ許されない。
自分が人間だということも忘れてしまいそうになる。感情を、全て忘れそうになる。
恐ろしい世界よね。
だから、私は止めなければならない。かつて不幸を撒き散らしたイースとしての、責任を取らなければならない。
不幸にした人々に笑顔を、もっと未来を目指せる希望を、幸せになるきっかけを。少しでも多くの幸福で、償いたい。
私は、私の幸せを手に入れられた。私でも、幸せになることが出来た。
なら、頑張っている人が、幸せになれないわけないでしょ?
――キュアパッションとして、精一杯頑張るわ
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