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ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
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らさ
年齢:
38
性別:
男性
誕生日:
1986/07/28
趣味:
SS書き・ステカつくり
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どっかの名曲じゃないよ!

ラブさんの独白ですわー
こういった、ネガティブ系なのは書きやすい!
書き手の性格が歪んでるのが、もろわかりですなw


「あたし、どうしたらいいんだろう?」
 せつなと何度目かになる別れを終え、1人部屋に帰ってきた。
 さっきまではせつながいてくれて、とても温かかったはずなのに。今は、冷たささえ感じてしまう。
 何も変わっていないのに、せつなは一時的に帰ってきているだけなのに。ソレを忘れて、はしゃいでしまったのが原因だろうか?
 故郷を復興する為に、せつなはラビリンスへと帰ってしまった。永遠に会えなくなってしまったわけではないし、時々はこっちにもきてくれるけれど。アタシにとって、十分といえるほどのものではなかった。
 イーストしての命を終え、彼女は東せつなへと生まれ変わった。ラビリンスの住人ではなく、四ツ葉町の、あたしの家族として笑ってくれていたはずなのに。
 分かっている。せつなは優しい子だから、自分の幸せを優先できないんだ。みんなが幸せになった後にしか、自分の幸せを追いかけられないんだ。
 そんなこと、知ってるよ。家族だもん。
 誰かに強制されたわけではない。そうするようにって、言われたわけでもない。ただ、優しいだけ。
 その優しさで自らを傷つけていることに気付いても、彼女は止まることが出来ない。そんな不器用さを持ち合わせてしまった。
 そんな彼女とぶつかり、何度も意見を交わしていく内に、あたしは強く惹かれてしまった。女の子同士で、家族であるはずの彼女に、恋心を抱いてしまった。
 背徳感に溢れるその果実は、瞬く間にあたしの理性を溶かしてしまった。すぐ傍にいられる、そんな環境も良くなかったのかもしれない。
 壁一枚向こうにいる愛しい人、想いを向けてはいけないと口に出してはいけないと分かっていても、止まれるほどあたしは大人ではなかった。伝えてしまいたい。彼女を自分のものにしてしまいたい。黒い感情が染み出してくる自分の心に、恐怖した夜さえあったほどだ。
 我慢なんて出来るはずなかった。黙っていることなんて、出来るはずなかった。
 きっと、美希たんやブッキーなら上手くやれてたのかもしれない。離れてさえしまえば、顔を合わせる機会さえ作らなければ、想いを覚ましてしまうことも出来たはずだから。
 けれど、せつなへの想いはそうもいかない。
 学校へ行っても、家に帰っても、食事中であっても。下手をすると、お風呂やベッドの中ですら一緒なのだから。
 いつか間違いを起こしてしまう、気持ちを抑えられなくなって襲ってしまうと――自分のことが嫌いになりそうだった。
 せつなは、家族としてのあたしは愛してくれているのかもしれない。友達としてのあたしなら、好きでいてくれるのかもしれない。
 けれど、恋人にはなれないから。あたし達が結ばれることはないから。我慢して、我慢して、頭がおかしくなりそうなほどに自分を押さえ込んで。ダンスにも打ち込んだ。嫌いなはずの勉強も頑張った。難しいことを考えて、せつなのことを頭から追い出そうともした。
 そして、その全てが無駄だと分かった時、あたしは諦めることにした。
 言ってしまおう。言って、嫌われるしかないと。当時のあたしは、決心を固めてしまった。
「運が良かったのかもしれない」
 けれど、あたしの口から想いが漏れることはなかった。
 シフォンがインフィニティとなってしまい、ラビリンスにさらわれた。メビウスが全パラレルワールドの支配に乗り出し、あたしは恋愛どころではなくなってしまった。
 プリキュアとしての使命。この町を、世界を守りたいという気持ちが、かろうじで抑えてくれた。
 出発の前に大輔から告白されたりして、ちょっとだけ自分の気持ちが動いたのを感じたけれど、せつなの眼差しがあたしを想い留めさせてくれた。
 生きて帰れないかもしれない、失敗すればどうなるか分からない。
 だからこそ、あの戦いが終わるまで自分の気持ちは隠そうと、終わったら全てを話してしまおうと、あたしは決めた。
 もっとも、それすらも叶うことなく、せつなはラビリンスへと旅立ってしまったけれど。
 あの時は諦められると、安心してしまった。声を聴くことも出来ないような、遠くへ行ってしまった彼への恋心は消えるだろうと、安心してしまった。
 それこそが、最も危険なのだと気付いたのは、唐突にせつなが帰ってきた時。
 予定以上に復興作業が進み、せつなは一時的に桃園家へと帰ってきたのだ。油断していた。アカルンがなければ、帰ってこれないと、移動は出来ないのだと油断してしまった。
 元々、イースとしてこの世界に、四ツ葉町に来ていたのだから、ラビリンスの科学力であればこられるというのに。あたしは、忘れてしまっていたんだ。
 久しぶりに聞く声と、嬉しそうな声、何よりその温かさと柔らかさに、あたしの中で何かが弾けてしまった。
 もう少し隙間があれば、冷却期間があれば、あたしの想いは思い出へと変わっていたはずなのに。最悪ともいえるタイミングだった。
 逃げるようにして、その場だけはなんとか凌いだけれど、どう考えても限界だった。
 あたしから会うことはできないけれど、せつなが帰ってくることは出来る。会えないからと、諦めようとしていた心が元気になってしまっている。
 次にいつ会えるのか、それが分からないから伝えそうになる。中途半端に会えなくなるからこそ、告白してしまいそうになる。
 好きだと、傍にいて欲しいと、わがままを言ってしまいそうになる。
 そんなの、あたしらしくないのに。せつなを縛ってしまうなんて、あたしらしくないのに。何度も言ってしまいそうになった。
 今日だって、誤魔化すのに必死になって、何を話したのか覚えていないくらい。
 折角帰ってきてくれたのに、その内容を覚えていられないくらいに、あたしは混乱してしまった。
「どうすればいいのかな?」
 伝えてしまえば、すっきりはするだろう。断られたとしても、泣くくらいで誰かに迷惑をかけることもないはずだから。
 けれど、聞いてしまった、知ってしまったせつなの気持ちは? 断らなければいけない、せつなの気持ちは?
 あたしは、せつなを苦しめる為に、告白するのではないというのに。伝えてしまえば、間違いなくせつなを苦しめることになってしまうから。笑っていて欲しいはずなのに、彼女を苦しめてしまう。
 そんなの、嫌だ。
 嫌だけど、もう我慢の限界だ。
「どうすればいいのかな?」
 答えなんて、ないのかもしれない。どっちに転んでも、誰かを笑顔にすることなんて出来ないのかもしれない。
 伝えることも出来ず、消すことも出来ず。あたしの初恋は、胸の中でじっとしているしかないのだろうか?
 暗闇に手を伸ばしても、何もつかめない。言葉を漏らしたところで、誰かに届くことはない。考えたところで、あたしの中に答えなんてない。
 あたしは、せつなを好きになっただけなのに。どうして、こんなにも苦しんでいるのかな? どうして、いつもみたいに笑えなくなってしまったのかな?
 
――今夜も眠れない夜がやってくる
 
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