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ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
プロフィール
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らさ
年齢:
37
性別:
男性
誕生日:
1986/07/28
趣味:
SS書き・ステカつくり
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姫初めではなく、姫始めが正しいと、昨日しった私です。

まぁ、良く考えてみれば「初めて」ではなく「始まる」ですもんね。
今回はちょいっと成長した すずアリ をイメージしてます。


 姫初め。正しくは、姫始めと記すべきなのかしら?
 まぁ、そんな感じで。1月2日には、年を明けてから最初の情事が行われる日として、昔はカレンダーにすら載っていたらしい。
 もっとも人に指示されておよぶようなことではないし、規制されるようなことでもないと思う。ただ、ある程度は歴史のある行事でもあり、簡単に無視できるようなものではないと理解はしている。
 アタシだって、別に嫌いなわけではないし。すずかにリードしてもらえた時なんて、未だに胸がときめく。
 ただし、それは節度を持っていられる時のみの話であり、毎日のように求められ続けるのは正直なところ疲れてしまう。嫌なわけではないから断れないし、かといって疲労が溜まるので元気はなくなってくる。
 心が元気になるとはいえ、体がついてこれなくなってしまうのだ。
 綺麗なままで彼女の隣にいたい。そう願っているアタシとしては、元気のない姿を見せるのは望むことではない。
 気負いすることの多いすずかのこと、アタシの疲労の原因を作っていると知ってしまえば、どうにかする為に必要のない苦労をしようとするだろう。
 確かに、守ってもらえること、リードしてもらえることは嬉しい。
 けど、守られているだけでは、自分のことすら制御できないようでは、すずかを支えることなんて到底無理だから。アタシ達2人の問題は、一緒に解決するの。
「うーん、どうしてもダメなの?」
 もっとも現在進行中のものは、問題というよりは我侭。滅多に我侭を言わないすずかのお願いであり、難しいものでないなら、アタシだって叶えてあげたいと思う。
 いつもアタシの為に頑張ってくれる彼女。アタシの心を暖めてくれる、そんな彼女だからこそ聞いてあげたいとは思う。
「ダメなものは、ダメよ。しなをつくろうと、うるんでみせようと、アタシの心は揺るがないわ」
「アリサちゃん、もしかして私のこと嫌い?」
 ただし、無条件に全てを聞いてあげられるわけではない。
 ダメなものはダメだし、無理なものは無理。そこだけは譲れないから。
「大好きよ、愛しているわ。けど、ダメなものはダメ。節度は持ちなさい」
「2人きりだよ? 誰も見ていないから大丈夫だよ」
 アタシからすずかへ、最初に願いしたこと。お互いの傍へ、少しでも長くいる為の条件。
 節度を守り、バカップルと呼ばれることない。そんなカップルでいること。
 ただ、それは見られていなければ良いというものではない。親しき仲にも礼儀あり。お互いのことを気遣えるカップルでいたいからこその、お願い。
 時々忘れてしまうのは仕方ないかもしれないけれど、惚れた弱みに付け込むようなやり方は好きではない。
「当たり前でしょ。寝室で他人の視線にさらされてたら、何も出来ないじゃない」
 もっとも、もめていることはそんな綺麗ごとではない。
 朝っぱらからベッドの上でゴロゴロしているだけなんて、そんなの休日の過ごし方ではないわ。
「ほら、大丈夫でしょ? 他の人がいないなら、バカップルって呼ばれる心配もないんだよ?」
「アタシが心配しているのは、そんなことじゃないわよ!」
 自分の都合の良い様に、捉えない。そんな話、アタシはしてないわよ。
 誰かに見られているところでやるわけないし、誰もいなかったとしても十分に恥ずかしいの。
 そこら辺、分かっているはずなのにワザとやっているわね?
「久しぶりの休日だからって、朝からゴロゴロしているだけよ? 初詣にも行かず、まともに出歩くこともなく。そんなんで良いわけ?」
 12月は何かと忙しく、会える回数自体も少なかった。
 だからこそ、お正月休みには一緒にいられる時間をとろうって。そんなふうに放していたはずなのに。
 どこにも行かずに、ただ求め合うだけだなんて、そんなの2日も3日もやるのはごめんよ。昨日ので、すずか分はバッチリ補給できたわ。
「私は、アリサちゃんと一緒にいられるなら、それで十分だよ」
「普段なら嬉しいはずのセリフも、全然嬉しくないわよ」
 一緒にいられるだけで、幸せ。良い言葉だわ。とっても良い言葉なのは認めてあげるわ。
 だからこそ、免罪符のように使ってはいけないのよ。その言葉は、譲歩しているだけなの。相手に、求める言葉ではないのよ。
 今使うのは間違っているからこそ、嬉しくないわ。
「もー、アリサちゃんは我侭だなぁ」
「アタシが悪いの?」
 いつの間にか、アタシが我侭を言っていることになってるし。どうして、そんな話の流れになったのよ。
 アタシはただ、すずかと出かけたいだけなのに。久しぶりの、デートに行きたいだけなのに。どうして、分かってくれないのかしら?
「でも、大丈夫だよ。そんな我侭なアリサちゃんも、私は愛しているから」
 いいもん。こうなったら、意地でも連れ出してやる。アタシは、今日をめいいっぱい楽しむの。すずかとのデートを楽しむの。アタシがそう決めたの。
「アリガト。なら、外に出ましょ」
「寒いからやだ。私は、こうやってアリサちゃんに抱きついて、今日を過ごします」
「意地でも出る気はないのね」
 まぁ、そう簡単にいくとは思っていないし、アタシのプランにも余裕がないわけではない。
 ゆっくりと焦らず、その上で結果だけは頂いていくわ。
「そうだよー。だって、今日は姫始めなんだよ? 公に認められている日なんだよ?」
 1月1日、元旦。それに続くものとして、1月2日は姫始め。
 1日は何かと忙しく、情事を行えば老いてしまうとして忌避された。その為の日だと、何かで読んだ覚えはある。
「そうね。昔はカレンダーにすらのっていたんでしょ?」
 もっとも、それは昔の話でしかなく、少なくとも今のアタシ達に当てはまるものではない。
 当てはまらないのであれば、従う理由もない。アタシ達はアタシ達のやり方をとればいい。
「そう。だから、何も恥ずかしがることはないんだよ?」
「呆れているのよ。まだ、朝よ? せめて、夜にするもんじゃないの?」
 そもそも、朝から誘っている時点でおかしいのよ。そんなにがっついた覚えもないわよ?
 人を何だと思ってるの?
「どうして? 今日が姫始めなんだよ? 朝からバッチリ決めなきゃ、制定してくれた人に失礼だよ」
「そんな気遣い、窓から捨てなさい。アタシ達には、アタシ達のリズムがあったはずよ?」
 そんな気遣い無用よ。そもそも、誰かに指示されてやるようなものでもないでしょ?
「もちろん、そうだけど。こう、認められているんだから便乗して、1日かけてアリサちゃんを味わいつくすのもアリかなーって」
 やっぱり、言い訳にしていただけじゃない。まったく、辺に引っ張り出すから、何事かと思ったわ。
 別にイヤってわけじゃないけど、軽く見てもらってわ困るのよ。アタシにだって、慎みってものがあるんだから。
「ご馳走でも、毎日食べていたら飽きるのよ? 変化を付けられない、短い時間で枯らそうとするのは止めて頂戴。アタシは、すずかとずっと一緒にいたいのよ?」
 アタシは、ずっと一緒にいたい。飽きられるような、妥協されるような存在にはなりたくない。
 時間をかけて味わいたいと思ってもらえるような、そんな女になりたいのに。すずかは、分かってくれないのかしら?
「大丈夫だよ。私は、毎日惚れ直しているんだから。今のアリサちゃんだって可愛いもん。拒絶しようとしながらも、私の言葉にちょっとだけ心が揺れているでしょ? それなのに必死に隠そうとしているから、中々見られない表情だし。何より夜なら大丈夫って、そう言ってくれるアリサちゃんには、滅多に出会えないんだよ?」
 心配しているのに、損をした気分になるのは何故かしら?
「恥ずかしさを誤魔化す為に呆れ顔を作ろうとして、照れてるのも可愛いよ」
 アタシを好きでいてくれるのは十分に伝わってくるけれど、いや、溢れるほどに伝わってくるけれど、素直に受け取ろうという気持ちになれないのは、何故かしら?
 ちょっとだけ、愛が重たいわ。
「アタシも人のことをいえないとは分かっているけど、すずか程激しい表現は出来ないわね」
 自分で言うのもなんだけど、ノロケる時にはかなりのものだと自覚している。
 けど、すずかには勝てないわね。
「大丈夫だよ。アリサちゃんが望むところまで、ちゃんとリードしてあげるから。全部、私に任せて」
「全部任せたら意味が無いって、ずっと言っているでしょ? アタシ達は、2人で頑張るのよ。勝手にやらないで頂戴」
 そもそも、任せきってしまうとどうなるか、若干怖くなってきたわ。
 前はこんなことなかったはずなのに、なんだか悪いほうへ成長してない?
「なら、ほら、2人の共同作業をしようよ」
「いい加減にしないと、怒るわよ? 昨日だって、お年玉変わりにって昼から寝てたでしょ?」
「アリサちゃん、寝てただなんてエッチ」
 すずかに言われた。アタシをベッドに引きずり込んで、無理矢理に近い形で食べたくせに。
 何も準備が出来ていない内に、とりあえずで食べたくせに。
「アンタに言われたくないわ。まったく、節度を持ちなさいっていつも言っているでしょ?」
「アリサちゃんは、私のことが嫌いなの?」
「何度言わせれば気が済むのよ。好きよ、愛しているわ。だからこそ、アタシのお願いも聞いて欲しいの」
 好きとか嫌いとか、そんな問題じゃないでしょ。誰もそんな話、してないわよ。
 節度さえ持ってくれれば、アタシの言葉も聞いてくれればそれでいいのに。どうして、自分の都合の良い様に解釈するの。
「捧げるだけが愛ではないわ。従順であるだけが愛ではないわ。そう、2人で見つけたはずよ?」
「それはそうだけど。目の前にある美味しそうな果実を、我慢できないよ」
 だんだんと素直になってきたわね。いや、欲望に忠実になってきたというべきなのかしら。
 そんなすずかも嫌いではないけれど、このままでは話が進まない。なんとかして、話を進めていかないと、なし崩し的に押されてしまうだろう。
「ぎりぎりまで耐えれば、いつも以上に美味しいわよ」
 その結果として、この発言はどうなのだろう?
 今を回避する為に、未来のアタシが被害を受ける。まぁ、どちらもアタシなわけで、誰かに迷惑がかかるわけでもないし、問題はないのだけど。
「それは、別の機会に頂きます。私は今、アリサちゃんが欲しいの」
 自分が迷うような案でOKが出るはずもなく、すずかがにじり寄ってくる。
 まったく、舌なめずりまでして、女の子のすべきことではないわよ? アタシを笑わせたいの?
「はいそうですかと、問屋が卸すわけないでしょ? ダメなものはダメよ」
「アリサちゃんのケチ」
「あのねぇ。一応、アタシにも計画ってものがあるのよ?」
 お正月だからこそ楽しめる場所。お正月だからこそ、人のいないところ。探せば候補はいくらでも出てくる。
 そこをすずかと、時間を調整しながら巡れれば楽しんでくれるかなって、そう思っていたのに。
「すずかと楽しめそうなプランは立てたし、支障がない程度には変更できるようにしてあるわ」
 焦って回りたくはない、のんびりと出来ないようなそんなデートにはしたくないから。時間自体には随分と余裕を持たせてある。
 途中で面白そうなものを見つけるかもしれないし。美味しそうなお店を見つけるかもしれない。
 盛り上っちゃって、他の場所のことなんて覚えていないかもしれない。
「ただし、ずっとゴロゴロしているような、寝正月は認めないわよ」
「えー、寝正月じゃないよ。愛を確かめ合っているんだよ」
 そんな言葉遊びで認められるわけないでしょ? 諦めなさい。
「アタシはすずかの愛を疑っていないし、すずかに疑わせるような素振りを見せた覚えもないわ」
 確かめ合わなくても、アタシはすずかのことを分かっているつもりよ。というか、アレで分からないわけないでしょ?
 今はちょっとおかしくなっちゃっているけれど、日頃の献身ぶりを知っている以上、すずかの愛を疑うことはない。
 ただ、愛することに関してすずかに負けるつもりはないし、寂しい思いをさせるつもりもないから。
「……あれ? アリサちゃんが格好良い。なんだか、私が間違っている気がしてきたよ」
「さっきまで正しいつもりでいたことに、驚きよ」
 少しだけ、頭が痛いかもしれない。まさか、正しいつもりでいただなんて、予想外だわ。
 自分の言っていることも、アタシが言っていることも全部理解した上で、ふざけているだけだと思っていたのに。
「だって、姫始めだよ? 去年も、その前も。文句を言いながらも付き合ってくれたのに」
「毎年同じじゃ、面白くないでしょ? そもそも、姫始めじゃないんだから、別に今日に拘らなくても良いのよ」
 昨日散々やっておいて、何が姫始めよ。既に始まっちゃってるでしょ?
「そんな不安にならなくても大丈夫よ。何か怖い夢でも見たの?」
「ううん、違うよ。ただ、なんだか取り残されそうな気がしただけだよ」
「そんなの、気のせいに決まってるでしょ? アタシがすずかを離すわけないじゃない」
 世の中のみんなが愛し合っているから、アタシ達も――なんて、そんなノリは必要ない。
 疑うまでもなく、確かめるまでもなく、アタシはすずかに恋をしているのだから。離れられるわけないでしょ?
「えへへ、ごめんね」
「可愛く謝ってもダメよ。今日はアタシに付き合ってもらうわよ」
「えー、姫始めしないの?」
 その手には乗らないわ。何度やられて、すずかの思うように動かされてきたことか。
 可愛い仕草、嘘なき、アタシをおとそうとする甘い声。今回は、それら全てに打ち勝ってみせる。
「どうして、ソコに拘るのよ。いつから、そんな煩悩に染まったの」
「だって、アリサちゃんが綺麗なんだから仕方ないよ」
「全部、アタシのせいだって言いたいわけね」
 すずかの煩悩は、全てがアタシのせい。アタシが可愛くて、綺麗だから我慢できるはずがない、と。
 そんなの認められるはずはないけれど、無視も出来ないわね。すずかの望みだって、ちゃんと叶えてあげないと。
「ふん、安心しなさい。このアタシが立てたデートプランよ? 抜かりはないわ」
 大丈夫、そこら辺抜かりはない。すずかのせいで、我慢できないのはアタシだって同じなのだから。
「ちょっと寒いけど、今の時期だからこその穴場を沢山見つけてあるわ。もちろん、ホテルまでのコースも万全よ」
「流石って褒めてあげたいけど、結局ホテルには行ってくれるんだね」
「すずか、アタシをいじめて楽しい?」
「困っているアリサちゃんが可愛いから、楽しいよ」
 アタシの部屋のベッドは、乱れたままだから。どうせなら、綺麗なところでやりたいでしょ?
「まったく。ほら、着替えなさい。そんな格好じゃ出かけられないでしょ?」
「はーい。ちょっと残念だけど、楽しそうだから早めに着替えるよ」
「寒いから、しっかりと着込むのよ?」
 アタシの立てたプラン、無駄にならずに済みそうね。
 まったく、珍しく我侭を言ったと思ったら、とても手強かったわね。次からは、もう少し考えといたほうが良いのかしら。
 なんにしても、出かける気にはなってくれたみたいだし、初詣だっていけないこともないでしょう。
 
――今年もよろしくね
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