ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。
※ 百合思考です。
最近は、なのは以外も書き始めました。
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1986/07/28
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恥ずかしいので止めて ^^;
ラブせつって、いいよね
どうしようもないよね
(・w・) テーマ:ありがとうでUPです
どうしようもないよね
(・w・) テーマ:ありがとうでUPです
見慣れない天井、柔らかな布団の温もり。
目を開いた私が感じるのは、最近やっと慣れてきた感触だ。
桃園家に養子として引き取られ、この家で暮らすのだって既に1ヶ月にもなるというのに。
私は、また思い出している。灰色に彩られた、悲しみが覆いかぶさっていた過去のことを。
その度にうなされ、頻繁に目が覚め――寝不足が原因で、ラブにばれてしまったこともある。
今日だって、そう。イースとしてFUKOを集めていた頃の記憶が蘇り、何も出来ないまま非道を眺めているしかなかった。メビウス様の為に、メビウス様のしもべだから。
その言葉を免罪符にして、どれだけの悲しみを生み出してしまったのだろう?
そして、その言葉に責任を押し付け、どれだけの幸せを奪おうとしていたのだろうか?
許されるはずがなく、許してはいけない。忘れてはいけない、過去の所業。
「せつな、朝だよ。学校に行こう」
「分かったわ」
もっとも、この子がいる限り、私はゆっくりと落ち込むことも出来ないのだろう。
ありがたくも、少しだけ賑やかな彼女。私を、イースという存在から、東せつなへと変えてくれた彼女。
どれだけの感謝を送ったとしても、どれだけの愛情を返したとしても、到底及ばないのだろう。
だからこそ、心配をかけるわけにはいかない。彼女の笑顔を、曇らせるわけにはいかない。
彼女には笑っていて欲しいから。彼女が笑顔になれる、お手伝いをしたいから。
そして、私自身が、彼女の笑顔を見たいと思っているから。
「もしかして、なにかあったの? 嫌な夢でも見た?」
「なんでもないわ。大丈夫よ」
私の口から、真実が語られることはない。あなたの嫌いな嘘が、自然と出てしまう。
あなたの笑顔を守る為だって言えば、許してもらえるのかしら?
「んー、そうは見えないんだけどな。何かあったら、すぐに相談してね?」
「ええ、ありがとう、ラブ」
許して欲しいな。許してくれると嬉しいな。甘えでも良いから、お情けでも良いから。ラブが、私を許してくれるなら、それで良いの。
私は、ラブに助けてもらって、ラブに導かれて、ラブのおかげで笑えているのだから。ラブに、恩返しをしたいの。
「それにしても、さっき言っていたガッコウって何?」
確か、チュウガッコウと言う所に、ラブ達は通っているはず。
地域ごとに分かれていたり、受験によって選別されていたりと、そこにいる理由は様々ではあるけれど。一定の年齢に達したら、ショウガッコウから進学するものだた、いつか読んだ覚えがある。
「今日から新学期だよ。せつなは、行かないの?」
「新学期? それに、私も行くの?」
確か、少し前までは夏休みになるんだったからしら?
宿題が終わらないとか、読書感想文はイヤだとか。叫んだり、悶えたりしているラブの姿は、結構可愛かった。
だけど、新学期が何かは知らない。
ついでにいうなら、私も行くというといわれたのには、ビックリ。なぜ、私がチュウガッコウに行かねばならないのだろうか?
「せつな、中学校自体は知っているよね?」
「ええ、この世界、この四葉町に関する知識は、一通り仕入れたわ」
イースとして学んだ知識は、兵士としての、戦士としての知識。この世界に潜入し、FUKOを効率良く集める為に、学んだ知識。
まぁ、知識に罪があるわけではないし、最終的には仕入れた知識で何をするかが問題になるだけ。
実際のところ、私生活で役に立つことだって無いわけではない。中学校というか、学生というルールもその1つだ。
「中学校は、義務教育だよ?」
「義務教育? それは、訓練とかも含まれているの?」
戦士として振り分けられ、訓練場で日々死闘を繰り広げた過去。
けれど、それは私だけの話であり、ラブには関係のないはずなのに。まさか、この国にも同じような制度があるの?
「えーとね、その、勉強する必要があるんだよ。小学校・中学校と、勉強をして大人になっていくんだよ?」
「なるほど……年齢的なものを加味して、義務という形にしてあるのね」
日本と呼ばれる国は、法治国家というのもだと理解している。
法律と呼ばれるルールに従う限りは問題なく、ルールを破った場合は罪状という形で咎められた筈。
「難しく考え過ぎだと思うよ? 勉強はイヤだけど、友達と喋ったり、放課後に遊んでみたり、修学旅行があったり。学校は楽しいところだよ」
「ふぅ、難しく考え過ぎていたみたいね」
「そうそう、もっと気軽に。そして、一緒に行こうよ」
中学校。ラブが楽しみに通っている施設。それなら、私も言ってみたいかもしれない。
けれど、簡単に入れるのだろうか? 何か、入場証のようなものがあるのだろうか?
それに、この世界の人間ですらなかった私を、受け入れてくれるようなところなんだろうか?
「分かるよ、今せつなが心配している内容が、あたしには手に取るように分かるよ」
「ラブ、いつの間にそんな能力を身に付けたの? ピルンの新しい力?」
「ち・が・う・よ。あたしから、せつなに対する愛の力だよ」
愛のプリキュアであるラブが、私に力をくれているんであれば、珍しくない話なんだろうか?
いや、流石に誤魔化されないわよ?
それだけで読めるのであれば、私にはラブの考えていることが全部分かるはずよ?
「なーんてね、お母さんに言われただけなんだ」
「お母さんに?」
そう言えば、ウチには愛情で全てをカバーしてしまうような、優しいお母さんがいたんだわ。
何をしても見守ってくれそうな、いつでも傍にいてくれそうな、不思議な暖かさを持った人。
初めはどう接すれば良いのか分からなかったけれど、それですら受け入れて、抱き止めてくれたのだから。何を悩まなければいけないのか、そこに困ってしまう。
「せつなが悩みそうなこと。そして、その解決方法も聞いてきているよ」
「敵わないわね」
「ふっふふ……まぁ、何はともあれ。せつな君、この制服を身に着けてからリビングに行くんだ。それが、君に与えられた任務だ」
昨日見た映画、何だったかしら? ラブに影響を与えるほど、強烈な登場人物なんていたかしら?
それとも、漫画? ドラマは違うような気もするし。何にしても、影響を受けて時々不思議なキャラを演じることがあるわね。
イヤというほどでもないし、楽しませようとしてくれているのだろうけれど――そんなに、気を使われても応えられるものは無いわよ?
とにかく、着替えてからリビングに行けばいいのね。何が待ち受けているのか分かっているから、ちょっとだけ緊張するわ。
戦いの中にしか身を置いたことのない私にも、ここまで優しくしてくれる。その人達が望んでくれるなら、私は学校に通うことすら許されるのね。
ふふ、こんな考えからをしているってバレたら、怒られてしまいそう。ごめんなさいより、ありがとう。そう、教わったのにね。
「ところで、ラブはいつまでそこにいるつもりなの?」
「もちろん、せつなが着替え終わって、一緒に降りるまでだよ」
「なら、急いで着替えるわね」
着替えを見られたくないと、暗に伝えたつもりだったんだけど。伝わらなかったのなら仕方ない。隠していても、いつかはバレてしまう。そのタイミングが、未来ではなく今になっただけ。
イースとして戦いに明け暮れた日々で、蓄積されたのは戦闘力と知識だけではない。それらを得る代償に、身体にも心にも傷を刻み続けた。
だから、私の体はラブ達みたいに綺麗ではない。古傷の多い、汚い身体だ。平和なこの世界で過ごしてきたラブには、この身体を晒すことにより少なからずショックを与えてしまうだろう。
過ぎ去ったものでしかないし、今とは違う環境の産物。ただ、傷跡からでも彼女は悲しみや辛さを読み取ってしまう。共感して、自らを傷つけることになるだろう。
何より、彼女に忌避や憐みの感情を向けられるのは、個人的に避けたかったんだけどな。仕方ないか。
ボタンを1つ1つ外し、お気に入りの赤いパジャマを床に落とす。掛け声と動作だけで返信するのとは違い、非効率だ。
だけど、その手間こそが大切なものであり、忘れてはいけないことだというのも最近学んだ。平和な日常というものに馴染むのを、感覚的に理解し始めた。
私は、幸せの溢れる、幸せを満たすことの世界で生きている。
「わはー、やっぱり綺麗だね」
「どうかしたの、ラブ?」
ズボンのゴムに手をかけ、脱ごうとしていたところで彼女に声をかけられた。
確かに、このパジャマはお気に入りだし、褒めてもらえるのは嬉しいけれど。ラブのパジャマだって、可愛いじゃない。羨ましそうな声を出すほどのことではないと、私は思うけど?
「せつなの肌、白くて女の子らしくて、綺麗だなって。そう思っただけだよ」
「私の肌が? そんなことないわよ。傷だからけで、ラブ達とは全然違うんだもの」
パジャマのことではなかったのね。ちょっと残念だわ。
それにしても、私の肌が綺麗だなんてことはあり得ないわよ。消えない傷は沢山あるし、だからこそラブには見せたくなかったのだから。
凝視されたら、細かな傷ですら見つかってしまいそう。
「うん、確かに傷は多いよね。勿体ないな」
「そう言ってくれるのは嬉しいけれど。白いのだって、陽の光を浴びていなかっただけよ」
「そうなのかもしれないけど、綺麗なものは綺麗だよ」
ラブって、変なところで頑固よね。そこが良いところでもあり、彼女の魅力ではあるけれど。疲れたりしないのかしら?
それにしても、私の肌って綺麗なのかしら?
ラブと比べれば白いかもしれないけれど、病的な白さよ? 美希のように、健康的に白いわけではないわ。
綺麗と呼ぶには、相応しくない気がするのだけれど?
「せつなは、自覚した方が良いと思うんだけどな」
「……ごめんなさい、何を言っているのか分からないわ」
これも、私のズレが原因なのだろうか? 彼女が何を伝えようとしているのかが、全く分からない。
私が自覚すべきことと言えば、かつてはこの世界にとっての敵であったこと。沢山の幸せを奪い続けていたこと。
そして、それらを償う為にも、私自身の手で幸せを守りたいと感じられていること。
この2つだと、そう思っていたのだけど。
「この際だから、はっきり言っておくね。ちゃんと理解して、覚えておいてね?」
ラブが教えてくれることは、大切なこと。勉強ではなく、笑顔でいる為に大切なこと。
私を好きだと言ってくれる彼女を悲しませない為にも、しっかりと覚える。
私が笑顔でいることにより、彼女も笑顔でいてもらえるように、努力する。
「せつなは、可愛いの。可愛くて、綺麗なの」
「それだけれは分からないわ」
可愛いとか、綺麗とか。嬉しいけれど、それが覚えるべきことなの?
可愛くないし、綺麗でもないから、別に覚えておかなくても問題なさそうなんだけど?
「学校はね、同じくらいの年齢の子供が集まって。それで勉強をする場所なの」
この国では、義務教育と呼ばれるものがあり、全ての国民が一定以上の教養を身につけるよう、政策が採られている。
効率を高める為にも、同じくらいの年齢の子供を集めるのは理に適っているし、当然のことよね。
「けど、学校っていうのは勉強だけの為にあるわけではないの」
「友達を作ったり、部活動に励んだりするのね」
人間関係の構築。ルールを守る為の基礎的な知識。感情を育む為の行動。
それらも全て、学校という場所と組織で補われる。
「他にも大きなイベントがあるよ」
「運動会や文化祭といった、季節行事かしら?」
「間違ってはないけど、もっと他のものだよ」
あと、関係ありそうなのは修学旅行くらいよね?
けれど、ラブの雰囲気から察すれば、それも違うのよね?
何かしら?
「恋だよ」
「コイ?」
こい、コイ、故意、鯉。
なるほど、ラブ達の学校では鯉を飼っているのね。
命を育む大切さ、お世話をすることの大切さ。今まで経験したことのないものだわ。
生き物を育てる上ではして良いことと、してはいけないことがある。そういうことよね?
「……せつなは可愛いの。だから、男の子に声をかけられるかもしれない。もしかしたら、告白されるかもしれない。だけど、その時は自分自身の気持ちと向き合って、素直にならなきゃ駄目だよ? 断ったら可哀想とか、相手の為にとか、そういったことでOKしちゃダメだからね」
「良く分からないけれど、一緒にお世話をするってことよね? なら、積極的に関わっていきたいわ」
「せつなって、そんなに積極的なの?」
どうして驚かれるのかしら?
早く慣れたいから、ラブに迷惑をかけたくないから、積極的に関わりたいだけよ?
何か、おかしいこと言った?
「命の大切さを知るには、良い機会だと思うの。ブッキーが動物に関わると優しくなれるって、そう言っていたし」
言葉の通じない動物でも、心を通わせることは出来る。諦めることなく努力を続ければ、応えてくれる。そう、教えてくれた。
優しさを雰囲気としてまとい、笑顔で包んでくれる彼女が言うのだから、間違いはないはず。
「せつな、恋の話だよね?」
「ええ、ラブの学校では鯉を飼っているのでしょう?」
魚と哺乳類。多少の違いはあるのかもしれない、より難易度は高いのかもしれない。
だけど、諦めなければいつかは心を通わせられるはず。
「たはー、そういうことか。だから、ズレてたのか」
「どうかしたの? 私、また変なことを言ったのかしら?」
「ううん、違うの。気付かなかったあたしが悪いんだから。せつなは、何も悪くないよ。勘違いしても、仕方のないことなんだから」
鯉の話ではなかったの?
そうだとしたら、どのコイなのかしら?
「あたしが言っていたのはね、恋。恋愛のことだよ」
「恋愛? ごめんなさい、本で読んだことしかないわ」
誰かのことを好きになる。恋人という関係を経由して、夫婦になる。
それが恋愛だったと思うけど。そんなに、簡単にはいかないものなんでしょ?
「可愛かったり、綺麗だったりするとね、男の子から声をかけられる機会がグンと増えるの。普通、そういった子は断り方を知っているけど。せつなは、慣れていないはずだから」
「そうね。まったく、経験がないわ」
いくつかの世界では、子供であるということを利用して、活動をしたことはある。
男子禁制の国では、女であるということを利用して、潜入したこともある。
だけど、それは工作員として、その世界を管理下に置く為に活動しただけの話。
「今まで全くないと言うのは、それはそれでイヤなんだけどね。とにかく、恋愛に関して知っておかないと、大変なことになるんだから」
「勉強する必要性があるのは、分かるわ。けど、声をかけられたことがないのが、どうしてイヤなのかしら?」
恋愛と言う未知のものを学ぶ、その重要性は理解しているつもりだ。楽しさも、理解しているつもりだ。
だけど、声をかけられるという話に関しては、どうしてラブが嫌がっているのかが分からない。
「だって、せつなはこんなにも可愛いんだよ? それなのに、声をかけられたことがないとか。気付いてないだけなら良いけど、そうじゃないなら絶対おかしいよ」
「良く分からないけれど、そういうものなのかしら?」
「もちろん、恋に関して百戦錬磨だったりしても嬉しくはないけれど。なんだか、納得出来ないよ」
恋愛って、想像以上に難しいのかもしれない。
本で得ただけの知識では、対応出来そうにないわね。美希なら、知っているかしら?
「ここは、美希タンに頼ろっかなぁ。それとも、あたしが頑張る方が良いのかなぁ」
「ラブが教えてくれるの?」
「経験がないし、難しいとは思うけど。2人で一緒に勉強する?」
経験したことがない、自分自身も分かってはいない。
それなのに、ラブは私の為に一緒に勉強しようと言ってくれる。私の為に、努力しようとしてくれる。
やっぱり、優しい。
「よし、そうと決まれば買い物に行くよ。参考書みたいなものも沢山出ているし、本屋さんに行けば何か見つかるよ」
「私、まだ着替えてないわよ? それに、制服をお母さんに制服を見せるんでしょ?」
いつのまにか、恋愛が何かといった話になってしまったけれど、元々は学校についての話ををしていたはず。
他にも準備しなければならないものもあるだろうし、当然勉強に関わる道具も必要だろう。
本や文房具を買いに行くこと自体には賛成だけれど、ちゃんとお母さんに相談してからにしないとね。
「そうだった! さぁ、早く着替えて降りようよ。お母さんが、首を長くして待っているよ」
「ええ。着替えたら、すぐに降りるわ」
ドタバタと階段を降りていくラブを見送り、私は制服の袖に腕を通す。
家だけではない。ダンスだけでもない。ラブと一緒にいられる場所が増えるのだという実感が、私の胸を震わせる。
彼女の声を聞き、彼女の動きを見て、彼女の笑顔に照らされて――楽しみなことが増えていく。
大切な人も増えていくのだろうか? 大切なものも増えていくのだろうか?
私はその全ての幸せを、守れるのだろうか?
「分からないわ、そんなこと」
守れるかどうかなんて、今はまだ分からない。みんなが笑ってくれるかどうかは、分からない。
だけど、諦めなければ良い。何度でも、やり直せば良い。
私には仲間がいて、家族がいて、守りたい日常があるのだから。
――精一杯、頑張るわ
ブッキーって呼び出したの夏休みでしたっけ? お母さんは、それブレスレットの時?
海での合宿で、浮輪のナキワメーケが出た「個人的ウエスターさん回」だったはずなのですが。
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