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ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
プロフィール
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らさ
年齢:
37
性別:
男性
誕生日:
1986/07/28
趣味:
SS書き・ステカつくり
自己紹介:
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ご報告頂けたら相互させて頂きます。


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yakisoba_pan◇hotmail.co.jp
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あ、タイトルに意味はありません。センス皆無なんで、【】の中だけ見てください。

そんなわけで、ウルみゆです。
幸せになるはずだった、甘ったるくなるはずだった、そんな物語です。
何を間違えたのか、シリアス一直線に向かっているんですが……幸せになって欲しいな。

まぁ、何にしても スマイルプリキュアより ウルフルン×星空みゆき です。
 
 
 女の子はみんな、白馬に乗った王子様に憧れている。いつか迎えに来てくれる、素敵な人を待ち続けている。
 ずっと待っているんだよ。私を迎えに来てくれて、優しく連れ出してくれる王子様を。素敵な素敵な王子様を待っていた。
 絵本に出てくるような恋愛は、夢ではない。私だって、いつかあんな恋をするんだって信じていた。
「世界よ、最悪の結末、バッドエンドに染まれ。白紙の未来を黒く塗りつぶすのだ」
 けど、現実は違った。私の理想とは、全然違った。
 私が恋をしたのは白馬に乗った王子様ではなく、ついでに言ってしまうなら人間ですらない。
 バッドエンド王国に住むオオカミさん、ウルフルン。
「やめて、みんなの笑顔を奪わないで」
「うるせー、どうせ努力なんて意味がねーんだよ。とっとと止めちまえ」
 私と拳をぶつけ合う、世界の、そしてプリキュアの敵。
 悪の皇帝ピエーロをよみがえらせる為に、みんなの笑顔を奪っていく。バッドエナジーを集める為に、みんなにひどいことをする。
 そんなオオカミさんなのに、どうしてこんなにも悲しくなるのかな?
 ぶつけ合っている手ではなく、心が痛くなるのはなんでかな?
 悪いことをしているのだから、嫌いになれば良い。
 悪いことをしてはいけないと、懲らしめれば良い。
 それがプリキュアとしての正解で、悩むようなことではないはずなのに。どうして、こんなにも苦しいのかな?
 手や体が痛いのは、分かるよ?
 けど、どうして痛いの? オオカミさんからの攻撃を受ける度、オオカミさんを攻撃する度に、オオカミさんが白紙の絵本を広げる度に、ズキズキと胸が痛むのはなぜなのかな?
 分からないよ。分かるはずないよ。
 分からない。分かりたくないよ。
 私は認めたくなかった。私は認めるわけにはいかなかった。
 自分の心に素直になることが、恋をしていると認めていることが怖かった。
 認めてしまえば、攻撃できなくなってしまう。プリキュアとして、世界を守り続けられないかもしれない。
 恋をしていると、認めるわけにはいかない。オオカミさんは敵だから、私がどれだけ好きになったとしても、その現実が変わってくれることはないから。
 だから、私は否定しようとした。そんなのはウソだって。勘違いしているだけで、いつものように夢見ているだけなんだって。
 ――無理だった。
 心のどこかでは、とっくに気が付いていたのかもしれない。気が付いていても、忘れようと、考えないようにしていたのかもしれない。
 頑張って忘れようとしたんだよ? そんなの気のせいだって、忘れようとしたんだよ?
 それなのに、どうしてなんだろう?
 どれだけ頑張っても、他のことをしている時でも、オオカミさんのことを忘れることは出来なかった。一度知ってしまった想いを、消すことなんて出来なかった。
 あんなに酷いことをされたのに。何度も怖い目にあっているのに。
 私は、彼のことを好きになってしまった。
 オオカミさんが悪いんだよ?
 最初に会った時、少しだけ優しくしてくれたから。
 オオカミさんが悪いんだよ?
 私達と戦っていた時、手加減なんてしていたから。
 いつも楽しそうに笑っていて、瞳をキラキラさせていて、お腹をすかせてしょんぼりしてたこともあったよね。ちょっと可愛かったよ。
 小さな変化に気付くようになったのは、少しだけおかしいなって気付くようになったのは、いつからだったのかな?
 いつから、オオカミさんに会えるのを楽しみにしていたのかな?
 いつから、オオカミさんのことを目で追いかけるようになったのかな?
「プリキュア・ハッピーシャワー」
 けど、この恋が叶うことはない。私の想いが実ることはない。
 誰かに相談することも出来ず、失恋しても落ち込むことさえ出来ない。敵同士だと分かっていて、それでも好きになってしまったのは私だから。全部私が悪いから、私のせいなんだから。
 少しでも早く終わらせないと、もっと悲しみが大きくなってしまうよね。
 だから、終わらせるんだ。私の勘違いから始まった、ううん、まだ始まってすらいない私の初恋を。
「さようなら、オオカミさん」
 アナタ達には幸せになって欲しい。バッドエンドではなく、ハッピーエンドを目指して欲しい。
 けれど、それを実現させた時には、私はいないはずだから。みんなの笑顔だって、なくなってしまっているはずだから。
 オオカミさんが幸せになった時、私は隣にいられないはずだから。
 せめて、私の手で終わらせる。
 
――世界は、優しくなんてなかった
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