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ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
プロフィール
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らさ
年齢:
37
性別:
男性
誕生日:
1986/07/28
趣味:
SS書き・ステカつくり
自己紹介:
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リンクフリーです。
ご報告頂けたら相互させて頂きます。


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スマイルで人外CPに情熱を燃やす皆様、おはようございます。
ウルみゆ より先に、アカやよ を書いてしまった私です。

場面的には、22・23話あたり、バッドエンド王国に乗り込んだ辺りとなります。
ええ、今更ながらのスタートではありますがね!

続き物で書いて、友達→恋人に出来たら、個人的にも美味しいです。
続けられるよう、構想を練りますじゃ。


 
 私の放った渾身の一撃で、ついに赤鬼さんを倒すことが出来た。
 手加減することや、危険だというような考えはなく全力で挑むこととなった、今回の戦い。
 私達5人の望むことはただ1つで、大切な友達であるキャンディーを取り戻すこと。私達の仲間を、取り戻すことだけ。
「これで、私の勝ちだね。ハッピーのところへは行かせないよ」
 私の役目はこれで終わり。後は、ハッピーがどうにかしてくれる。必ず、キャンディーを助けてくれるから。
「ふん、どうせ体が痺れて動かないオニ。とどめをさすなり、攻撃するなり好きにすれば良いオニ」
「そんなことしないよ。私達はキャンディーを助けにきただけだから」
 全力で攻撃したというのに、赤鬼さんはもうしゃべれるんだね。動けないみたいだから危険ではないみたいだけれど、ちょっとショックだなぁ。
 いつもならやり過ぎないようにとか、ヒーローっぽくきめてみようとか、ちょっとしたことを考えているけれど。今回はただ倒すことしか考えていなかった。
 全力でやれば、赤鬼さんが死んでしまうかもしれないとか。そんなこと全然考えていなかったのに。やっぱり、強いね。
「おかしなヤツらオニ。苦労してバッドエンド王国まできて、俺様を倒そうとしないのは、おかしいオニ」
「倒して欲しいの?」
「痛いのも、痺れるのもイヤオニ。けど、正義とはそういうものオニ」
 けど、これで良いのかもしれない。私は赤鬼さんに悪いことを止めて欲しいだけ。消えて欲しいと願ったこともなければ、恨んだこともない。
 彼にとって皇帝ピエーロの復活は諦められないのだろうし、私達もロイヤルクイーン様の復活を諦めるわけにはいかない。
 立場と手段が違うだけで、実のところは似たようなことをしているに過ぎないのではないかと、最近感じるようになってきた。
 勿論誰かに相談したりは出来ないし、口に出したりしたら怒られるかもしれないから、喋ったこともない。
 けど、みんなだって気付き始めているんじゃないかな? バッドエンド王国の幹部である3人は、根っからの悪人ではない。不意打ちをしたり、どうしようもないほどの悪意をぶつけられたこともない。
 本当の敵は、おそらくジョーカーと呼ばれる存在と、悪の皇帝ピエーロのみ。その2人を倒してしまえば、もしかしたら説得出来るかもしれない。悪いことを止めて、平和に暮らしてくれるかもしれない。
 簡単なことではないけれど、諦めるには早いよね。
「悪を倒さない正義に、価値なんてないオニ。お前の好きなヒーローだって、やっていることオニ」
 悪を倒さない正義に、価値なんてない。うん、昔の私ならうなずいていたのかもしれない。正義とは絶対で、悪を滅ぼすのが当然だよなんて、そんなふうに答えていたのかもしれないね。
 けど、今の私は知ってしまったから。悪と呼ばれる存在にも事情はあり、笑ったり泣いたりしていることを。
 だから、簡単に割り切ることは出来ないよ。
「……私、ヒーローが好きだなんて、教えた覚えはないよ?」
 私がヒーロー大好きなのは事実だけれど、赤鬼さんに教えた覚えはない。正義とか、悪とか、それ以前の問題で、そんな会話が出来る雰囲気になったこともなければ、話した覚えもない。どうして、知っているのだろう?
「ジョーカーが教えてくれたオニ。ピースの相手は俺様だから、覚えろって」
 ジョーカー。
 私達5人を圧倒し、デコルを全て奪った存在。私達の必殺技が通じない、強敵。
 ビューティ大丈夫かな? 信じることが力になるって、それだけでどうにかなるのかな?
「他のみんなのことも調べたの?」
「知らないオニ。俺様にとって必要なのは、お前のことだけオニ。他のプリキュアのデータなんて、必要ないオニ」
 多分、調べられているのだろう。
 マジョリーナにはマーチの情報が。ビューティの情報はジョーカーが。……ウルフルンには、ハッピーの情報だよね? ほぼ間違いなく、そうなっているよね?
 それに、サニーの情報は誰も必要としなかったのだろうか? ありがたいような、可哀想なような。なんとも言えないね。
「キュアハッピーのところに行かないのかオニ?」
「ハッピーなら大丈夫だよ。必ずキャンディを助けてくれるから」
 赤鬼さん、さっきからハッピーのことばかり心配するね。私のことなんて、どうでも良いのかな?
 ちょっと、寂しいよ。
「……くだらないオニ。俺様を倒したお前が、絆なんかを信じているのがくだらないオニ」
 今回は、私の勝ち。赤鬼さんを倒すことが出来た。
 けど、次は勝てるのだろうか? もっと強くなってぶつかった時、私は再び勝てるのだろうか?
 赤鬼さんのパワーに吹き飛ばされて、何も出来ないかもしれないのに。何も出来ずに泣くことしか出来ないかもしれないのに。
「ねぇ、どうして絆や友情を否定するの? 独りでいるのは、寂しいよ?」
 大丈夫だよね。私は1人じゃない。みんなが一緒にいてくれる。私を強くしてくれて、頑張れるようにしてくれる。私は1人ではない、1人でないなら負けない。ただ、それだけのこと。
 赤鬼さんのように、孤独に慣れたりは出来ないし。1人だけで強くなったり、笑うことも出来ないから。
 出来れば、赤鬼さんにもみんなと一緒にいる楽しさを知って欲しいのだけれど、難しいのかな?
「不思議なことを言うオニ。俺様は寂しくなんてないオニ」
 不思議なことなのかな? みんなと一緒にいて楽しいと感じるのは、不思議なことなのだろうか?
 分かってもらえないのかな? 絆の大切さ、友情の温かさ。赤鬼さんには分かってもらえないのかな?
 諦めるしかないの?
「どうせ動けないし、少しつきあってやるオニ」
 何も言わずににらんでいたら、赤鬼さんが根負けしてくれたみたい。
 話してくれなければ分からないし、聞けるチャンスを逃す手はない。
 促す為にうなずき、話を聞く意思があるのを伝える。
「俺様は元々1人で、これからもずっと1人きりオニ。そういうものだと、決まっているオニ」
「ウルフルン達がいるでしょう?」
 バッドエンド王国には、私達の知らない普通があるのかもしれない。
 友達はいないのが普通で、仲間がいないのが普通で、独りでいるのが普通なのかもしれない。
 けど、それが普通だったとしても、寂しいと感じるのはおかしいことではないはずだから。赤鬼さんがそう感じてさえくれれば、仲良くなれるチャンもあるはずだから。ちょっとずつでも、歩み寄れるはず。
「ふん、あいつらは仲間でもなんてもないオニ」
「同じことを目指して、一緒にいるのに?」
「あいつらは、同じ幹部というだけオニ。バッドエンド王国にいるものは、みんな1人きりオニ」
 やっぱり、独りでいることに関して不思議に感じている様子はない。残念なことに、寂しいと感じている様子もない。
 けど、独りでいるのが普通なら、どうして一緒にいるのだろう?
 仲間割れしているところを見たことはないし、仲が悪いというわけでもなさそうだ。
 それとも、寂しいというのが分からなくなっているのかな?
「どうして? 独りきりは寂しいでしょ?」
「ふん、寂しいなんて感じたことがないオニ。俺様は1人で何も困らないから、これで良いオニ」
 困るから誰かと一緒にいるんじゃないよ? 便利だから、友達と一緒にいるんじゃないよ?
 一緒にいたいから、一緒にいたいと思ってくれるから、私達は一緒にいられるの。友達でいられて、仲間でいられるの。
 どうすれば、赤鬼さんに分かってもらえるのかな? どうすれば、赤鬼さんに伝わるのかな?
「……私と友達になる?」
 分からない。分からないからこそ、素直に誘ってみる。
「ふざけるなオニ。俺様は鬼なんだから、人間のお前となんか友達になれないオニ」
 まぁ、そうだよね。うん、聞かなくても予想は出来ていたし、傷ついてなんかいないもん。
「確かに、今のままだと難しいかもしれないけれど、悪いことを止めてくれれば大丈夫だよ。ね?」
「無理オニ」
 すぐに仲良くなることは、難しいのかもしれない。すぐに友達になるのは、もっと難しいのかもしれない。
 けれど、それを諦める言い訳にしたくない。赤鬼さんと友達になることを諦める、その為の言い訳にしたくない。
 大丈夫、私は諦めたりしないよ。
「どうして? 私のこと嫌いなの?」
 赤鬼さんは、私のことをどう思っているのだろう?
 ただの敵だとしか思っていないのだろうか? すぐに逃げ出す泣き虫だとしか思っていないのだろうか?
 本当に、それだけなのかな?
「敵である俺様に、好きとか嫌いとか。そんなの聞いても仕方ないオニ」
「私は、赤鬼さんのこと嫌いじゃないよ?」
 私は、れいかちゃんみたいに頭が良いわけではない。
 私は、なおちゃんみたいに面倒見が良いわけでもない。
 私は、あかねちゃんみたいに面白いことなんて言えない。
 私は、みゆきちゃんみたいに純粋なわけではない。
 けど、私には私のやり方があるはずだから。私なりに、赤鬼さんと仲良くなる方法があるはずだから。
「そういう問題ではないオニ」
「なら、どうしてなの?」
 諦めなければ良い。止まらなければ大丈夫。
 一度や二度の失敗で折れたりなんてしない。完成を目指して、最終的なゴールを目指して、ずっと走り続ける。現実に負けたりしない。
「そんなの簡単な話オニ。俺様は鬼で、お前が人間だからオニ」
「人間と仲良くするのはイヤ?」
 人間と鬼の間には、乗り越えられない溝があるみたい。きっと底が見えないような、足がすくんでしまうような溝なのだろう。
 けど、乗り越えられないなら飛び越えれば良いんじゃないのかな? プリキュアである私なら、きっと跳べるよ?
 飛び越えられないのなら、橋を架ければ良いんじゃないかな? 作り方を知らないから、今から勉強するよ?
 溝を飛び越えたら、私にも赤鬼さんのことが分かるかな?
「不思議なことを言うオニ。一緒に居やがるのを嫌がるのは、いつも人間オニ」
 あぅ、そうなんだ。いつも、私達の方から嫌がっているんだ……。
 けど、私は嫌じゃないよ? 赤鬼さんのこと好きだよ? 怖くなんてないよ?
「俺様は悪いことをするから、悪になったのではないオニ。俺様が鬼だから、鬼は悪いことをするからと、お前ら人間が決め付けたオニ。鬼は悪だと、そう決めたのはお前ら人間オニ」
 悪いことをするから悪。悪なら悪いことをする。それは、人間でも鬼の世界でも同じものだと思い込んでいた。
 けど、鬼は悪だと決めつけたのだとしたら? 赤鬼さんは何もしていないのに、鬼だから悪だと決めつけられたのだとしたら?
「何をしようと、何もしていなくても、俺様を怖がる鬼。良いことをしたとしても、怖がられるオニ。誰かを助けても、感謝されることなんてないオニ」
 誰かを助けても、何かを企んでいると疑われ。良いことしても、何かを企んでいると疑われ。私たち人間は、赤鬼さんを拒絶した。
 危険だからと、傍にいて欲しくないと、何もしていないのに怖がった。
 助けてくれたのに、感謝をすることはない。怯えた目で見られ続けて、そんな視線にさらされてきた赤鬼さんは、人間と仲良くしたいと思ってくれるだろうか?
「絶対に悪いことをすると決め付けたのは、人間オニ。俺様はソコにいるだけで、悪となるオニ」
「そんなこと、ないと思う」
 悲しいのは分かる。納得できない気持ちだって分かる。けど、そうだからといって暴れたのでは、何も解決しない。
 それに、私なら傍にいられるよ。あなたの力に怯えることなく、ずっと傍にいてあげられるよ?
「ふん、お前だって一緒オニ。事実を聞いても、俺様を怯えた目で見てるオニ。自分達のやってきたことを、人間のやっていることを認められないオニ」
 どれだけの言葉を並べても言い訳にしかならないし、人間のやってきたことを全て受け入れられていないのもまた事実だ。
 見た目は怖くても優しい人なんて、人間にもいる。見た目は怖いかもしれないけれど、鬼にだって良い鬼はいるはずだから。
 人間だからとか、鬼だからとか、そんな理由で差別をするのは良くないよね。
「そんなヤツと、友達になんてなれないオニ」
 きっと、赤鬼さんは傷ついてきたんだ。何もしていないのに疑われ、何もしていないのに責められる環境に傷ついてきたんだ。
 誰も認めてくれなくて、誰も話を聞いてくれなくて。全てが嫌になって、独りでいることを選んでしまったんだと思う。
「俺様がいるだけで、お前は泣くオニ。お前が泣けば、人間は俺様を責めるオニ。そんな面白くないことは、もうこりごりオニ。飽きたオニ」
 プリキュアになりたてだった頃、私は逃げだしたことがある。
 赤鬼さんと、アカンベーの迫力に負けて、泣いたことだってある。
 今だって怖いことは苦手だし、逃げ出したくなることだっていっぱいある。
 けど、ちょっとずつかもしれないけれど、私は前を向くようにしてきたよ。少しでも良いから変わるように、気を付けているよ。
「ふん、沢山喋ったから疲れたオニ。俺様は寝るから、キュアハッピーのところにでも行けオニ」
 あなたを安心させてあげられるのは、ずっと先のことかもしれない。明日や明後日なんて、すぐではないのかもしれない。
 けど、ちゃんと強くなるから。必ず強くなってみせるから。
「なんて言えば良いのか、分からないけれど。私、もっと強くなるよ。アナタそばにいても安心出来るように、強くなってみせる。アナタを悲しませないように、もっと強い女の子になってみせるよ」
 強くなろう。力だけでなく、心も合わせて強くなろう。
「だから、その時はお友達になって下さい」
 その時、赤鬼さんが認めてくれた時、私は初めてヒーローになれるはずだから。
 みんなに頼ってもらえるような、笑顔を守れるヒーローになっているはずだから。
「……お前は変なヤツオニ」
 変なやつでも良い。変わったやつでも良い。
 赤鬼さんが認めてくれるのなら、キュアピースを、私を認めてくれるのなら、変わったやつで良いよ。
「勝手にすれば良いオニどうせすぐに諦めるオニ。無理なことだったと、後悔するだけオニ」
 赤鬼さん、気付いていないのかな? それとも、気付いて欲しくてわざとやっているのかな?
 本当にどうでも良いのなら、そんなことは言わないんだよ。頑張れ、勝手にしろって見捨てるんだよ。
 私は、そんな現実も知っているから。
「人間は、いつもそうしてきたオニ」
「うん。私、頑張るよ」
 これ以上は、何を言っても駄目。言葉だけでは信じて貰えない。綺麗な言葉だけでは、赤鬼さんには届かない。
 もっと強くなって認めて貰わないと、私は弱くないと認めて貰わないとダメなんだ。
 大丈夫、私の大好きなヒーローには敵だった人と友達になった人、人間以外と友達になった人だっている。私だって同じようにヒーローになれたんだから、赤鬼さんとだって友達になれるはずだもん。
 みゆきちゃんほど真っ直ぐには願えないけれど、私だって幸せになって欲しいもん。赤鬼さん達にも幸せになって欲しいから。受け取ってもらえると、嬉しいな。
 私はもっと強くなる。何かに怯えたりしない、怖がったりしない心に成長してみせるよ。
 その時、赤鬼さんと友達になれるって信じてるから。信じ続けていくから、ちょっとだけ待っててね。
 
――泣き虫の私に、さようなら
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