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はい、こんばんは
空は明るいけど、こんばんは
(・w・) 何もないんですけどね
変則 エーリカ×バルクホルン テーマ:心の壁
炊事係:淫獣 宮藤
「いっただきまーす」
目の前で湯気を立てているご飯。空腹の私には、それらが輝いて見える。
うん、流石は宮藤だね。
短い時間で調理したにも関わらず、いつも通りの味を提供してくれた。
ご飯を食べれるのって幸せだなー。
「あのままベッドの上にいたら、死んじゃうもんね」
エーリカ・ハルトマン 殉職。死因、飢餓。なんて、洒落にならないもん。
これでも一応はトップエースらしいし、そんな死に方をしたら後が怖いよ。
「あの、勢いで出しちゃいましたけど、もう大丈夫なんですか?」
「ん? どしたの、宮藤」
私は、美味しくご飯を食べているだけ。それなのに、宮藤の表情は晴れることがない。
まったく、悩みが多いのは知っているけれど、今度は何を悩んでいるんだろう?
宮藤の面倒を見ている少佐も大変だなー。
「ハルトマンさん、お怪我の方は宜しいんですか?」
「怪我? あんなの大したことないって。こうやってご飯が食べられるんだから、大丈夫だよ」
「そ、そうですよね。すみません、変なこと聞いて」
ビームが直撃する事はなかった。五体満足であり、酷い出血があるわけでもない。
まぁ、自分自身の身体だから、ちゃんと検査できているわけじゃないけどさ、大よそのところ問題は出ていない。
いたるところに痣があり、節々が痛むだけ。これは衝撃を受けたことによるものだから、どうしようもないもんね。
治癒魔法だってちゃんとかけてくれているみたいだし、この先は私の体ががんばるだけ。
「宮藤、ありがとーね」
「ご飯、美味しかったですか?」
……私は、けして人づき合いが上手い方ではない。考え方が独特で、理解されない部分があるのを分かってはいるはずだ。
タイミングがズレ、それ故に勘違いされることだって少なくはない。
だけど、宮藤だって同じ様なものだって、忘れてたよ。
「んー、それもあるんだけどさ、治癒魔法ありがとね」
「え? 分かる物なんですか?」
「そりゃ、あれだけのことをしといて、こんな軽症ですむ筈ないもん。分かるよ」
ネウロイのビームは、正面から受けているなら、ちゃんとシールドを展開している状態なら、けして怖くはない。
高出力のヤツとか、大群で撃たれた時は重いけれど、そこまで警戒するようなものではないんだ。
ただ、あの時は割り込んで受け止めているし、海に落ちたっぽいけど、その記憶はない。
つまりは気絶してたんだろ? なら、あの高さから海に落ちているだけでも、大惨事だ。それだけで、十分死ねる。
けど、現実には私は生きていて、こうしてご飯を食べる事ができるんだ。死のふちに立たされていたはずなのに、のんびりとご飯を食べている。
それはつまり、あの場にいたものの誰か、部隊員の誰かが私に治癒魔法をかけ、応急処置をしてくれたってことだろ?
治癒魔法は割りとレアだし、この部隊の中で扱えるのは宮藤だけ。
つまり、私は宮藤に助けられたってことだ。
まぁ、そんなふうにきちんとした説明も出来るんだけどね。
「ふふふ、それくらいなら分かるよ」
「やっぱり、ハルトマンさんは凄いですね」
「そうだよー。私は凄いんだよー」
だけど、宮藤には理解できないだろう。ややこしくなって、頭を抱えてしまうかもしれない。
ついでに言えば、その治癒魔法中に何か失敗をしているのなら、悩み事が増えるだけ。
だから、素直にお礼だけを言っておけばいい。いつも通りの私として、対応すれば良いんだ。
「にひひ。そんな私はお腹がすいたので、焼き魚を所望します」
「まだ、食べるんですか?」
「宮藤の料理は美味しいからねー。頼むよ」
宮藤も、リーネも、将来は良いお嫁さんになれるんじゃないのかな?
料理が美味しい家庭は長続きするみたいだからねー。
さて、ベッドを抜け出して約1時間、ご飯を食べだしてから30分というところ。そろそろトゥルーデに見つかるかな?
抜け出しているのはとっくにバレているだろうし、お腹が減ったんだから許してくれるよね。
――さて、言い訳でも考えますか