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ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
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らさ
年齢:
38
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男性
誕生日:
1986/07/28
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SS書き・ステカつくり
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世の中、吊橋効果と呼ばれるものがあります
命の危険にさらされるような状況下では、親密な関係になりやすいようです

いや、まったく関係ないんですけどね!


エーリカ×バルクホルン 心の壁-2 をうpです


私が戦っている理由。空を飛び続けている理由。
私が守りたい物、譲れない物。
確かに、祖国であるカールスラントを取り戻すことや、人類の生存の為に戦っているのは事実だ。
それ自体には嘘偽りはなく、心に誓ったとおりだ。
だが、出撃する際に思い浮かべていることは、そこまで大げさではない。
すぐに実行できないことを心に浮かべていても、気が滅入るだけでプラスになるものなど何もないからな。
それ故に、私が飛ぶのは、身近な大切な物を守る為だ。
クリスであったり、今暮らしている基地であったり。そう言った身近な物を守る為に、これ以上傷つかせない為に出撃している。
そして、その身近な物にはこいつも含まれているわけで……。
「ハルトマン。おい、聞こえているなら返事をしろ!」
エーリカ・ハルトマン。
私と同じカールスラントの軍人で、撃墜数に至っては私よりも上。
そのくせ、軍人とは思えないような言動が目立ち、規律は守れず、軍法会議のような騒ぎになったのも1度や2度ではない。
ただ、そんな困ったヤツであっても、私の僚機であることには変わりがなく、また大切な仲間である事は事実だ。
そう、ハルトマンだって私の守るべき、大切な仲間なのだ。
それなのに、私は失敗してしまった。
「トルゥーデ、落ち着きなさい。怪我自体は宮藤さんが治してくれた、意識が戻らないのは頭を強く打ったせいよ」
「そ、それは分かっているが。だが、ミーナ。それなら、何故目を覚まさないのだ?」
「ショックにより、一時的に意識がなくなっているだけよ。これ以上詳しい事は、基地に帰ってみないと分からないわ」
いつも通りの出撃、いつも通りの戦闘。出現したネウロイだって既知のタイプであり、数だって多くはなかった。
いつも通りの私であれば、何の問題もなく片付けられた。心配する事なんて、何もないはずだった。
――その油断が、この結果を招いたんだ。
少し、ストライカーの調子が悪かったんだ。スタビライザーの調整が出来なくて、旋回半径が大きかった。
残弾が少なかったんだ。ハルトマンのヤツが忘れてきて、途中で渡してしまったから。
少し、眠かったんだ。太陽が暖かくて、寝不足気味だったから。
予想よりも、ネウロイの攻撃が強かった。いつもよりも、少しだけ強く感じたんだ。
その結果、私は戦場でビームの雨に撃たれそうになった。
シールドの強度が不足して、正面から受けられなくなって、斜めを向いてしまった。
その瞬間に、横からも攻撃を受けたんだ。
世界が凄くゆっくりに感じられた。これなら、余裕で避けられるって思った。
実際は、目で追えただけで、回避も何も出来なかったけれど。
「あなただって知っているでしょ? この程度の事では負けないわ」
「それはそうかもしれないが……」
だけど、私は堕ちなかった。ビームが届く前に、私との間に割り込んだ者がいたから、私には届かなかった。
代わりに、ハルトマンが落ちた。
シールドは張っていたし、身体に直撃したわけではない。ただ、衝撃で気絶して、海に落ちてしまった。
勿論、すぐに助けたぞ? 落ちるハルトマンを追いかけて、海に飛び込んで……だけど、赤く染まっていたんだ。
どこにも当たっていなかったはずなのに、ネウロイのビームは防げていたのに。ハルトマンの頭からは、血が流れていた。
何故、私を庇ったりしたのか? 何故、私ではなくハルトマンが落ちたのか?
整理すべき事項、確認すべき事項は山のようにある。
「落ち着きなさい、バルクホルン大尉。あなたが焦っても、何も解決しないわ」
そして、私はどうして焦っているのだ?
急いで基地に帰り、医者に見せる必要がある。検査を受けさせる必要があるのは、分かる。
だが、焦ってどうする?
大きな衝撃を与えずに、安静状態のまま運ぶべきなのだぞ?
それなのに、私は何故焦っているんだ? 何故、こんなにも基地を遠く感じているんだ?
どうして、冷静になれない。
「エーリカが大切なのは分かるけど、落ち着きなさい」
「あぁ……そうだな」
私にとって、ハルトマンは手のかかる存在だ。手を焼かされる、手間のかかるヤツだ。
起床時間に起きたことはないし、部屋の片付けだって私がしている。
ぐーたらで、怠け者で、どうしようもないヤツなんだ。
だけど、大切なんだよ。私にとっては、かけがえのない存在なんだ。
私の傍で笑っていて、いたずらをして。そんなハルトマンに、私の心が救われていたんだ。
戦いばかりで疲れているはずの私の心。磨り減っていき、既に壊れてしまっていたはずの心。
それを守ってくれたのは、保ってくれていたのは、ハルトマンの笑顔だったんだ。
だから、私は怯えている。ハルトマンを失ってしまうかもしれない、この状況に怯えている。
私の心の安定の為という、身勝手な理由で心配しているんだ。
「情けない」
やはり、私は弱かったんだ。ハルトマンに比べて、あまりにも弱過ぎた。
だから、こんなことになった。守っていると、勘違いしていたんだ。
……このまま終わるなんて事、出来るはずがない。あって良い筈がない。
私は礼を言って、謝罪しなければいけないんだ。そうしなければ、気が治まらない。

――ハルトマン、目を明けろ!

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