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ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
プロフィール
HN:
らさ
年齢:
37
性別:
男性
誕生日:
1986/07/28
趣味:
SS書き・ステカつくり
自己紹介:
コメントを頂けると泣いて喜びます。
リンクフリーです。
ご報告頂けたら相互させて頂きます。


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yakisoba_pan◇hotmail.co.jp
◇を@に変えて下さい
当ブログ内のSSは無断転載禁止です。 恥ずかしいので止めて ^^;
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そーいえば、元々はnameはシリーズ化するはずだったんですよね
作品とかCPなんて無視って、やりたいペアでやるってものだったんですよね

とりま、エイラとサーニャです
視点はサーニャです


「エイラ・イルマタル・ユーティライネン」
私も人のことは言えないけれど、長い名前だよね。長い分だけ間違われやすいし、呼ばれにくくなってしまう。
けど、呼ぶ人が少なくなれば、より私の幸せは増えてしまう。
「本当は、みんなが呼んでくれれば良いんだけど」
フルネームで呼ぶと嫌そうな顔をするけれど、時々は許して欲しい。
難しくて誰も呼ばないからこそ、私が呼んであげたいの。
気持ちを込めて、想いを込めて口にしたいの。
「エイラ・イルマタル・ユーティライネン」
イッルって呼び方も、エイラって呼び方も、どっちも素敵だけど、この名前も大好き。
長くても、読み辛くても、大好きなエイラの名前だから。
「ん? サーニャ、どうかしたのか?」
「……ううん、なんでもないよ」
そっか、任務中だったね。
いつも通りの夜間哨戒に、エイラが同行してくれた。それだけでも嬉しいのに、今日はネウロイと出会うことはなさそうだから、気を抜いてしまった。
私の魔力針は機影を見つけられないし、エイラの占いでは平穏無事と出ていた。
エイラは謙遜して、私の占いは当たらないなんて言うけど、私は知っているよ。
エイラは優しいから、占いを当てることよりも、みんなが笑顔でいられる道を選ぶ。力の有用性よりも、みんなが無事でいることを望んでいる。
その上で、あんな態度を取るんだから。ほんと、恥ずかしがりやなんだから。
「なぁ、私の顔に何か付いてるのか?」
「何もないよ。綺麗だから見つめていただけ」
どれだけ雨が降っていても、雲の上は晴れ模様。冷たくて気持ちい風と、満点の星空が迎えてくれる。
そう、今エイラを照らしてくれているのも、月の優しい光。白くて、柔らかくて、抱き締めてくれるような光。
「どうかしたの?」
さっきまでは私がぼーっとしていたけど、今はエイラがぼーっとしている。
私の方を見たままで、赤くなったり、青くなったり。なんだか、忙しいね。
「いや、その……なんでもないぞ」
「そう? 何かあったのなら、教えて欲しいけど」
また私に隠し事かな? 最近、多いよ隠し事。
エイラは私を守ってくれているのかもしれないけど、何も知らされていないのは悲しいな。
そんなに信じてもらえてないのかな?
「うぅ……そんなふうに目で訴えるなよ。なんでもないってば」
「私は何も言っていないよ。エイラが言ってくれるなら聞くけれど、聞き出そうとはしないよ」
信じてもらえていなくても、守ってくれるならありがとうって言えばいい。
お礼を言った後で、信じてもらえるように、エイラの隣にいられるように、頑張れば良いんだよね。
それに、無理矢理聞き出しても、エイラ誤魔化すから。私には本当のこと、教えてくれないから。
「エイラには、エイラの考え方があるから。必要だと思った時に、私に伝えて」
それなら、必要になった時に教えてくれれば良い。エイラが必要だと思った時に、伝えてくれれば良い。
私は、それまで待っているから。エイラが伝えてくれるのを待ってくるから。
「――綺麗だって、そう言おうとしたんだよ」
折角、待っていると伝えたのにね。そんなに急がなくても良いんだよ?
「私なんかよりも、サーニャの方が綺麗で美しいって。そう言おうとしただけだよ」
私がエイラよりも綺麗? 美しい?
そんなことはないと思うんだけどな。
「けど、その。恥ずかしくて言えなかったんだよ」
私に言うのが恥ずかしかったんだ。私に伝えるのが、嫌だったんだね。
また、我侭を言ってしまったのかな?
「エイラ、私のこと嫌いなの?」
「そんなわけないだろ。わ、私はサーニャのことが……」
どうして、そんなにも言い辛らそうなの?
どうして、そんなにも詰まっているの?
エイラにとって、私はそういう存在なのかな?
「エイラ、私だけ違うよね。話し方とか、タイミングとか」
「まぁ、そうだな。ちょっとだけ違うかもしれないな」
他のみんなみたいなスキンシップ。私とはしたことないよね?
他のみんなでなら平気な会話。私とはしたことないよね?
私だけは、駄目なのかな? エイラ、私のこと避けたいのかな?
「私のこと、苦手なの? 大好きって言っていたのも、苦手を克服する為なの?」
「そうじゃないぞ。そうじゃないんだけど」
けど、仕方ないよね。
私はナイトウィッチで接点も少ないし、ぼーっとしてるから手もかかるし。
戦場でエイラの背中を引き受けられるような強さもない。
それに、私と仲良くしていたら、エイラまで避けられてしまう。
「良いんだよ、無理しなくても。私、避けられたりするの慣れてるから」
悲しい気持ちも、苦しい気持ちも。私がエイラと出会えたから、手に入れたもの。
そう考えれば、辛くても大切な気持ちになるから。
「無理して、私を好きにならなくても良いんだよ」
私はエイラが好きだけど、エイラが私を好きになる必要はないから。
ちょっと悲しいけど、好き嫌いは個人の自由なんだよ。
「……んだょ」
「どうしたの?」
何か、エイラが言ってくれたみたいだけど、小さすぎて聞き取れなかった。
口が動いていても、言葉は届いてこない。
「どうして、どうしてサーニャはそんな勘違いをするんだよ!」
「エイラ、泣いてるの?」
聞き返した私。
それに対する返答は大声と涙だった。
「ああ、泣いてるさ。自分の思いを伝えてない情けなさに泣いてるんだよ」
止まる様子もなく、悲しみを湛えた雫が流れていく。キラキラと、私達の間を流れていく。
「なんだよ、笑いたければ笑えば良いだろ」
そして、エイラ自身は今まで見たこともないほどに、感情を露わにしていた。
逃げることも、さまようこともなく、真っ直ぐに私を射る瞳。
そこには強い力が込められていて、少しだけ怖い。
「私はサーニャが好きなんだよ。大好きなんだよ」
それに、エイラ怒っているの?
今まで何度も伝えられているけど、怒りながら好きだって言われたのは初めてだよ。
「それなのに、こんな誤解のされ方。いくら伝えれていないとはいえ、悲し過ぎるんだよ」
誤解? 私、何かを勘違いしているの?
それに悲し過ぎるって、一体どういうことかな?
「サーニャ、どうしてそんなに自分を低く見るんだ?」
そんなつもりはないけれど、仕方ないよ。
事実として、そんな雰囲気だから。高望みするよりは良いと思っているけど。
「避けられるのに慣れている? だったら、どうしてそんなに悲しそうなんだよ。どうして泣きそうな顔しているんだよ」
「だって、私はエイラが好きだから。嫌われたくはないから」
エイラに避けられていたとしても、エイラに嫌われていたとしても、私はエイラのことが好きだから。
だから、嫌われたくはないの。
「私だってサーニャのこと、好きなんだよ。大好きだ、愛してるんだよ!」
知ってるよ、何度も言われたよ。
けど、今はその言葉をそのまま受け取っても良いのか、少し分からなくなったよ。
「それなのに勘違いされて、悲しくて。どうしようもなくなったから、涙が出てくるんだよ」
エイラも分からなくなってるの? どうすれば良いか、分からなくなっているの?
それは、私のせいなのかな?
「嫌だよ、なんでそんなこと言うんだよ。私はサーニャが好きなんだよ」
分からないよ。私はどうすれば良いの?
「好きで好きで好きで、たまらないから。大切だから」
エイラが好きだといってくれるのが、嬉しい。
エイラが好きだといってくれるのが、苦しい。
どうして? 嬉しいはずなのに、何故苦しいの?
「……けど、それはサーニャには迷惑だったのか? 好きだから、気を使っていたのは迷惑になっていたのか?」
「迷惑ではないわ。けど、違和感があったから」
けど、混乱しているのはエイラだって一緒。エイラだって、苦しんでいる。
なら、私は自分の心に素直になろう。そうすれば、きっと良い方向に向かうはずだから。
「その、好きなんだから、みんなと違うのは仕方ないだろ?」
「良く判らないけど、安心した」
私は、エイラに避けられていたわけではない。
私は、エイラに嫌われてしまったわけではない。
「エイラ、私が嫌いではないのね」
「いや、どっちかって言えば、確実に好きの方なんだけどさ。まぁ、いっか」
エイラの気持ちが言葉通りであるなら、私も深く考えないようにする。
そうすれば、今まで通りの関係は続けられるよね。
「サーニャ、恥ずかしついでに1つお願いがあるんだ」
安心したところに告げられる、彼女のお願い。
大丈夫だよ。そんなに心配しなくても、聞き入れる準備は出来ているから。
「もう少しだけ待ってくれか? 今日ので覚悟を決めたから、あと少しで私の口から気持ちを伝えられるはずなんだ」
そして、告げられるお願いは断れないもの。
嬉しくて、緊張もしてしまうから。私も時間が欲しいもの。
「気持ちを整理して、台詞を用意して。近いうちに必ず伝えるからさ。もう少しだけ、待ってくれないか?」
エイラが整理をするというのなら、ゆっくり待つよ。待っているよ。
「うん、エイラがそうしたいなら良いよ。ゆっくりと待ってるから」
「ありがとう、サーニャ」
何かが吹っ切れたような、とてもさわやかな笑顔。

――うん、やっぱり私はエイラが好き
 

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