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明日も出勤日~
そんな感じでこんにちは らさです
忙しい時こそ頑張ればいいんだよね!
スト魔女より エイラーニャ テーマ;音色 です
そろそろ「素直なエイラ」の起点となる物語、欲しいですね
単音ではメロディーは作れない
複数の音混ざり、メロディーとなるのだ
ボーン、ボーンと低く濁った音を響かせるピアノ。
ポーン、ポーンと高く澄んだ音を出すピアノ。
同じ楽器なのに、響き方が全然違うんだよな。濁った音も、澄んだ音も、全部合わせてピアノ。
楽器なら、それで良いのかもしれない。
「けど、心はそうはいかないだろ?」
濁ったものしかない心と、澄んだものしかない心。その2つが交わり、溶け合うことはない。
楽曲のように溶け合うことはなく、反発するだけ。どれだけ憧れようとも、そのままでは離れてしまう。
「変わらなきゃ、私達もいつかそうなってしまう」
私の心が濁り、そこを見渡せない限り。自分にすら嘘をつき、本心を明かせないままでいる限り。
私達の関係は、いつか破綻してしまう。サーニャと離れ離れになってしまう。
「それは嫌だよな」
折角知り合えたのに、傍にいるのに。私のせいで離れることになってしまう。
私が変われずに、濁ったままの心を持っているなら、いつか別れの時がきてしまう。
まぁ、それを許せるわけないから、こうやって悩んでいるんだけどな。
「それにしても、素直になるって具体的にどうすればいいんだ?」
最近、思考の大半を占め、私を苦しめている課題。
これさえクリア出来れば、乗り越えられれば、サーニャとの日々が始まるって言うのに。どうしてこう、私はダメなのかな?
素直とは言っても、我侭とは違うだろ? こう、抵抗することなく、人の好意を受け入れれば良いんだよな?
やっと得た回答らしくものだし、間違っているとは思いたくないけど。本当に、これについて突き詰めれば良いのか?
それで、本当にサーニャの傍にいられるのか?
「ダメだ。暗くなる前に、シミュレートでもしよう」
沈んでいるような、そんな無駄な時間がない。
予期せずして得たこの時間を有効に使って、サーニャの返答を待たないとな。
「多分、サーニャに対してのみ反応が違うことを、どうにかして欲しいってことだろうな」
簡単に変えられるものではないし、気を抜くと元に戻ってしまうだろう。
それでも、少しずつでいいから変われるようにしないと。サーニャを失望させないように、恰好良い私に変わっていかないとな。
私が、私自身を見捨てない内に、なんとかしてしまわないとな。
「みんなとなら平気で、サーニャとなら緊張してしまうこと……」
例えば、サウナやお風呂だな。
特に、お風呂の場合は、湯船の中では裸だから。その、赤みを帯びていくサーニャの肌が綺麗で、それでいてじっと見ていられなくなるんだよな。
宮藤とか、リーネなら平気なのに。やっぱり、見ていると思われるのが恥ずかしいんだよな。
見たくても見れない。見てはいけないけど、見てしまう。反対方向を向いている気持ちが、同時に存在しているから、あんなふうになるんだ。
他には、そのお願いしにくいとか?
サーニャ以外に頼む時は緊張もせず、ごく普通に言えるのに。サーニャにお願いする時だけ、言葉が詰まってしまう。
サーニャの顔を見ていると、心臓が高まって、頭がぼうっとして。そのせいで、上手に話せなくなる。
何だか悪いことをしているような気分になって、伝えられなくなってしまうんだ。
無意識だったり、急いでいる時なんかは気にならないんだけど。一度意識をしてしまうと、その日はもうまともに目も合わせられない。
サーニャが寂しそうな顔をしていても、私にはかける言葉がないんだ。
「寂しい思い、させてたんだよな」
部隊の中で、自分だけが違う。みんなの中から、サーニャだけが外れてしまっている。
そんな、疎外感を味わわせてしまったんだな。辛い思いをさせてしまった。
過去の出来事はやり直せないし、取り消せない。
だから、私は未来でサーニャにお詫びをしないとな。
「……だから、その為には素直になる必要があるんだって」
サーニャからの好意を受け入れられるようになって、サーニャの言葉を正面から受けられるようになって。
私の思いも、真正面から打ち明けられるようにならないと。それくらいしないと、足りないんだよな。
少しずつでもいいから、幸せを私が贈れる様にならないと。
――サーニャを幸せにしたい