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しかーし「邂逅」ってなんぞや?w
エイラーニャ テーマ;邂逅です
うーん、うじうじした「ヘタレエイラさん」が書きたい!
「うぅ……どうして出来ないんだよ」
第501統合戦闘航空団。その隊員である私に割り当てられた部屋。
スオムスとは違い、結構暖かい地域のはずなんだけど……今の私にはとても冷たく、痛みを感じるような空気が漂っている。
いや、そう感じるのは私の心が落ち込んでいるからで、実際に寒いわけじゃないんだけどな。
けど、今はそんなことどうでも良いんだよ。
「一緒に出かけようって、そう誘えば良いだけなのに」
今度の休日、一緒に出かけよう。景色の綺麗な場所があるから、サーニャに見せたいんだ。
この言葉を、笑顔で言えればサーニャはうなずいてくれる筈。少なくとも、話は聞いてくれるはずなんだ。
「それなのに、どうして」
どうして、私は誘うことが出来ないんだ?
サーニャの姿を見るだけで逃げ回りなんて、絶対に変だと思われた。
どうすれば良いんだよ。
謝れば良いのか? ちゃんと誘えなくてごめんなさい、逃げ回ってごめんなさいって。
それは、さずがに違うよな。そんなことをしても、サーニャには何も伝わらない。
そもそも、どうやって誘うんだよ。
普通に言えば良いのか? 目を見て、一緒に出かけてくれってお願いすれば良いのか?
そんなこと、出来るわけないだろ?
サーニャのことを意識して以来、顔を見るのだって難しいんだぞ?
いや、私がサーニャを見ているのは良いんだ。それは今まで通りだし問題ない。
だけど、サーニャに見られていたら、目が合ってしまったら、頭の中が真っ白になるんだよ。どうすれば良いのか、分からなくなるんだよ。
そんな状態で、まともに誘えるわけないだろ?
「でも、誘わないとダメなんだ」
最近、サーニャと2人でいる時間を取れてないし、ちょっとだけサーニャ冷たいし。
きっと、何か怒らせるようなことをしてしまったんだ。だから、今日だって少し冷たかったんだよ。
こんな状況がいつまでも続くなら、私は耐えられなくなってしまう。サーニャが冷たいままなんて、そんなの耐えられるわけがない。
サーニャの笑顔こそが、私の力になるんだぞ?
それなのに、今のままでいて良いはずがない。
サーニャの歌が、私の力になるんだぞ?
このままでは、飛べなくなってしまうかもしれない。
そんなの、絶対ヤダ。サーニャと一緒に飛べないなんて、絶対にヤダ。
「けど、どうすれば良いんだ?」
今日だって話しかけられなかった。誘えなかったんだ。
2人きりでもダメで、みんなの前でも言えない。どこでなら、いつなら誘えるんだ?
まさか、このまま、誘えないまま休日を迎えてしまうのか?
部屋で1人寂しく過ごす。サーニャにそんな寂しい思いをさせてしまっても良いのか?
「誰かが、誘ってくれるよ……」
サーニャは人気者だからな、みんなが放って置くはずないさ。私が誘わなくても、寂しい休日にはならない。
きっと、宮藤あたりが誘ってくれて、それでリーネと3人で出かけることになるんだろ?
別に私じゃなくても、サーニャを笑顔に出来るんだよ。
だから、今回はこのまま――
◇
「このまま、諦めるのか? 諦めてしまって良いのか?」
きちんと伝える努力をしないまま、他の誰かに、私以外のヤツにサーニャの笑顔を任せて良いのか?
何もしないまま、何も伝えられていないまま、何も出来ないって諦めても良いのか?
「良いわけないよな」
サーニャは待ってくれているんだ。私が喋るのを、私から誘うのを待ってくれているんだ。
それなのに、その期待を裏切って、更に誰かに任せるなんて真似をして良いはずがない。
情けなくても、格好悪くても。私が誘わないといけないんだ。
「私も、サーニャと一緒にいたいし」
勿論、サーニャが迷惑でなければの話だけれど。良いよって言ってくれればの話しだけど。
私だって貴重な休日をサーニャとすごせるなら、嬉しいし。
「よし、やるぞ。今度こそ、誘ってみせるぞ!」
私だって、やる時はやるんだ。やるって決めたからには、誘えるんだ。
ちゃんとサーニャを見つめて、笑顔で誘えるんだ。
「サーニャ、今度の休み。一緒に出かけないか?」
「うん、どこに行くの?」
そうそう、こんな感じでサーニャが返事をくれるから。私は行き先を示せば良い。
あそこは取っておきのスポットだからな。サーニャだって、気に入ってくれるさ。
「町の雑貨屋なんだけど。ぬいぐるみとか、カップとかいっぱいあるし、どうかなって」
「外出許可は取れそう?」
「ふっふふ、ミーナ中佐には既に許可をもらっているさ。そこら辺は大丈夫だ」
外出許可もばっちりとってあるし、心配するのは天気ぐらいさ。
だけど、今の予報を私の占い結果で考えるなら、心配する必要はナイト思うけどな。
しかし、流石はサーニャ。外出許可の心配をしてくれるなんて……。
「えーと、サーニャ。いつからそこにいたんだ?」
「ついさっきよ。ノックをしたけど返事がなかったから」
「そ、そっか。ついさっきなのかー」
ついさっきって、私がぐだぐだ悩んでいたころじゃないのか? いや、それとも落ち込んでいた時か?
うわぁ、どっちにしても格好悪いところだよ。
「それと、坂本少佐が呼んでいるわ。打ち合わせがあるから、来て欲しいって」
「そ、そっかー。少佐が呼んでいるのか」
くぅ、少佐のヤツ。どういうつもりなんだよ。
いや、そりゃ、少佐のおかげで誘えたけどさ。これがもっと、こう、タイミングの悪い時だったら、大変なことになっているぞ?
そんなところをサーニャに見られたりしたら……うぅ、絶対に嫌われてしまう。そんなことになったら、恨むぞー。
「エイラ、行かなくて良いの?」
「うん。じゃぁ、サーニャまた後でな」
「うん、いってらっしゃい」
――はぁ、うまくいかないものだな