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自由に慣れたのは、つい30分前
(・w・) まぁ、人生なんてこんなのもさ~
そんなことは、さっぱり忘れて
エイラーニャ テーマ;病気です
そろそろ、サーニャが攻めに転じてきました
うん、予想通りだけど、エイラが心配になってきた!
「エイラ、起きてる?」
「サーニャか? 開いてるぞー」
熱を出してしまい、3日目。毎日のように見舞ってくれるサーニャは、今日もきた。
戦闘や見回りで忙しいはずなのに、苦労かけてるなぁ。
私は寝てばかりなのに、こんなの不公平だ。
「もう、熱大丈夫なの?」
「んー、くらくらするけど、大丈夫なんじゃないか?」
くらくらするどころか、自分の声が頭の中で響き、痛いくらいだ。
ずっと眠っているはずなのに、一向に良くならない。
他の人にうつっていないのは良いけどさ、このままだと私はずっと動けない。
「ダメよ。きちんと治さないと」
誤魔化しても無駄か。サーニャにはバレてしまったようだ。
まぁ、痛みがひどくて声が小さいし、流石に誤魔化せないか。
「けど、今はそうも言ってられないだろ?」
それでも、元気にならないといけない。多少の無理で動けるのなら、動かなければいけない。
ネウロイの大規模出現予想。基地に設置してある電算機は、それに対してかかりきり。
勿論、ウィッチーズもそれの対応に追われているんだけど。その途中で、情けなくも倒れてしまった。
「大丈夫、エイラの穴はみんなでカバーするから」
昼の班では長距離威力偵察。夜間はサーニャと2人で長時間シフト。
戦闘の回数も多く、それに加えて天候も最悪だった。
「それは嬉しいんだけど。みんなも結構きついシフトだったろ?」
ただし、それは私に限った話ではない。
あのバルクホルン大尉ですら疲れが見え、覇気が感じられなくなっている。
まったく、魔法力が切れてしまえばただの人間だっていうのに。上層部は何を考えているんだよ!
「大丈夫。エイラは治すことだけに、集中して」
「そう言ってもなぁ、もう3日目なんだ。そろそろ身体を動かさないと、いざって時に動けなくなる」
そんな訳の分からない忙しさの中、1人だけ3日も休んでしまったんだ。
身体を動かしたり、ストライカーの調子を見とかないとな。いざって時に困るだろ?
「本当に大丈夫だから。ネウロイだって、予想よりもずっと少ないの」
「本当なのか?」
「ええ。だから、みんなはパトロールだけよ」
本当なのか? 本当に、ネウロイの出現数は少ないのか?
私が倒れる前はあれだけいたんだ。簡単に減るとは思えない。
けど、逆に言えば向こうも戦力がなくなってきたのかもしれない。
この基地で迎撃任務について結構経つ。それを考えるなら、多少なりとも数を減らせているのかもしれない。
「分かった、サーニャがそう言うなら本当なんだろう」
何にしても、今の私には本当の事は教えてくれそうにない。
それなら、せっかくの気遣いを無駄にしちゃダメだろ。素直に受け取っておこう。
「私は治すことだけに集中するよ」
「うん、早く元気になってね」
早く治して、サーニャと飛ぶ為に。彼女を守る為にも、こんな熱なんかに負けていられない。
はぁ、間が悪いよなぁ――
◇
「そう言えば、エイラ。お風呂入ってるの?」
「うっ……そろそろ入りたいんだけどさ。やっぱりダメか?」
熱を出して寝込んで以来、私にはお風呂・サウナの使用禁止が言い渡された。
ミーナ中佐から命令されたわけじゃないけど、サーニャに言われたら従うしかないよな。
サーニャ、怒ると滅茶苦茶怖いんだ。
「もう少しで治るし、ちょっとだけ我慢して」
「うん、そうだな」
頻繁に着替えているし、清潔でいるようには気をつけている。
それでも、やっぱりどこか匂う気がするんだよな。
「大丈夫。私が身体を拭いてあげるから」
「さ、さっき自分で拭いたから、今日はもう良いよ」
そして、もう1つ。お風呂に入れないことによる弊害はコレ。
どうやらサーニャは他人の面倒を見るのが好きらしく、私の体を文句1つ言わずに拭いてくれるんだ。
それだけは嬉しいんだけどさ、やっぱ恥ずかしいんだよな。
「自分で拭いても、手の届かないところがあるでしょ?」
「それはそうなんだけど。サーニャも大変だろ?」
他人の身体を拭くのは、想像以上に大変だ。ちょっとしたことでも、時間がかかってしまう。
特に、今のような忙しい時には避けたくなるはず。
「うふふ、エイラの身体綺麗だから。清潔にたもってあげたいの」
「いや、その……な?」
それでも、拭いてくれるのは嬉しいんだけど。サーニャの気遣い自体は嬉しいんだけどな。
その、微妙に目的が違っているように感じるのは、気のせいなのかな?
「女の子同士なら、平気でしょ?」
それは、前に私が言った台詞だよな。
女同士なんだから、恥ずかしがるなって。
「それとも、エイラは私に拭かれるの嫌?」
最近、サーニャがどんどんとズルくなっている。そんなふうに感じるのは、私だけなのか?
泣きそうな顔でお願いされて、それで断れるほど私は強くないんだ!
「……お願いします」
大丈夫、サーニャはやましい気持ちはないんだ。
純粋に病人である私を心配して、心配しての行動に決まっている。
「今日はどこまでいけるかなー」
だから、今の言葉も、目を輝かせているのも、全部私の気のせいなんだ。そう、信じさせてくれー。
――風邪、治るかな?