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ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
プロフィール
HN:
らさ
年齢:
37
性別:
男性
誕生日:
1986/07/28
趣味:
SS書き・ステカつくり
自己紹介:
コメントを頂けると泣いて喜びます。
リンクフリーです。
ご報告頂けたら相互させて頂きます。


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yakisoba_pan◇hotmail.co.jp
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当ブログ内のSSは無断転載禁止です。 恥ずかしいので止めて ^^;
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やべ、ねむてー


(・w・) なんでだろ~



エイラーニャ テーマ;手探り


地平線の向こう側まで見せてくれる魔導針。
地球の反対側でも交信させてくれる魔導針。
ネウロイの接近を教えてくれる魔導針。
だけど、私が本当に知りたいものは見せてくれない。目に見えないものは、探ることが出来ない。
「エイラ、どうして泣いているの?」
今だってそう。私が知りたいものを、教えてくれるわけじゃない。
見えそうにないものを、隠れているものを感じているだけ。
エイラが泣いている理由は分からない。
「別に泣いてなんかないさ。目にごみが入っただけだよ」
エイラが誤魔化そうとしている、ぎこちなさは感じられる。
だけど、それは私自身が見ても分かるもので、魔導針に頼る必要はない。
「嘘は良くないわ」
もっとも、魔導針でも分からないものは沢山あるし、分からないからといって理解を諦めるつもりはない。
特に、エイラの気持ちとなれば尚更。諦められるはずがない。
目で見て、魔導針で探って分からないのなら、心で感じるしかない。ただそれだけのこと。
「私でよければ相談に乗るから。ね?」
「いや、ほんと、そんなんじゃないんだよ」
エイラは素直になれない。私に頼ろうとしてくれない。
私を守ろうとして、私に負担をかけないようにって、無理を重ねている。
良い関係とは言えないのかもしれないけれど、嬉しいからいつもであればそのままにしている。
エイラに守られている位置で、エイラを支えるようにしている。
「私、頼りにならない? エイラ1人も受け止められないほど、弱いの?」
だけど、今みたいにエイラが苦しんでいる時はダメ。
守られる立場から、守る立場にならないと。エイラの涙を止められる、その位置まで歩み寄る必要がある。
エイラは1人で抱え込もうとしてしまうから、こけてしまった時に起き上がれなくなっている。背負ったに持ちが重過ぎて、立ち上がれないの。
だから、そんな時は私が助けるから。いつもエイラに助けてもらっているみたいに、荷物を持ってあげるよ。
「うっ……」
苦しい時、1人で全部解決しようとしないで。エイラの傍には、私がいるから。
悲しい時、1人で全部抱え込まないで。エイラの悲しみを、私にも分けて欲しい。
泣きたい時、泣いている時、遠慮しないで。私はただ、エイラの笑顔が見たいだけだから。
エイラに守られているだけの私ではなく、ちゃんと支えられるんだって実感させて欲しいの。私でもエイラの力になれるんだって、感じさせて欲しいの。
「けどなぁ……」
目をそらさないで。私の視線から逃げないで。
私は、教えて欲しいだけ。エイラの苦しみを、半分分けて欲しいだけ。
いつも守られている立場で、勝手なお願いをしているのは分かっている。
けど、この気持ちだけは譲れないの。私がエイラの傍にいられる限り、諦められない。
「私は、エイラみたいに強くない。けど、出来ることはあるはずよ?」
解決は出来ないかもしれない。エイラを守ってあげることは、出来ないかもしれない。
ただ、それでもエイラの負担を軽くしてあげるくらいなら、私にも出来るわ。エイラの傍にいて、一緒に背負うことは出来るから。
私にも、エイラの苦しみを教えて欲しい――


     ◇


「その、ほんとに大きなことじゃないんだぞ? 私が勝手に泣いていただけなんだからな?」
「うん、それでも構わないわ」
理由が何かなんて、関係ないわ。私にとって重要なのは、エイラが泣いていたこと。エイラが涙しなければいけない、そんな事態が起こっていること。
そして、私がするべきことも1つなの。
私は、エイラが悲しまなければいけない、その原因がなくなるように努力するだけ。
「サーニャがいなかったんだよ」
私がいなかった? 夜間哨戒はいつものことよ?
一緒に飛ぶこともあるのだから、良く知っているでしょ?
「目覚めた時にサーニャがいなかったから、隣にいなかったからさ」
「任務中だったから」
哨戒任務が終われば、帰還する。そして、ベッドで眠る。
いつもと何も変わらない流れよ?
「けど、それでも仕方ないだろ? いつもならベッドで寝ているはずの時間なのに、いないから心配になったんだよ」
「え?」
確かに、今日は長距離の偵察も兼ねていたから、いつもより遅くなってしまった。
ただ、それもけして珍しいことではないのに。
「心配でじっとしていられなくて。それなのに、ミーナ中佐には通信機の使用を却下されている」
そういえば、いつもならある通信が今日はなかった。珍しく眠っているのかなって、そう思っていたんだけど。やっぱり、起きていたんだ。
「サーニャにも、無理し過ぎだって止められてるしさ。私は心配することしか出来なかったんだよ」
「そう……」
前にエイラにお願いした覚えがある。エイラが無理をして、とても辛そうだったから。毎日通信をしてはいけないって、ちゃんと寝て欲しいってお願いした。
「心配だから通信を入れたいし。だけど、サーニャを困らせたくないし。私は、部屋で待っていることしか出来なかったんだよ」
エイラは私を心配してくれた。だけど、私がお願いをしていたから何も出来なかった。
私を困らせないようにって、我慢したのね。
「心配だったのに。すぐにでも傍に行きたかったのに。私には待つことしか出来なかったんだ」
そう、今までのエイラであれば、すぐにでも通信機を使っていたはず。
私がどこにいるのか、ネウロイは見当たらないのか。寂しかったり、寒かったりしないかって……。
「そしたらさ、どんどんと嫌なことばかり考えて、心配になってきて。勝手に泣けてきたんだよ」
その1つ1つが私の心を守ってくれた。逃げたい時も、くじけそうな時も、エイラの言葉が私を支えて守ってくれたの。
私の心が折れないように、潰れないように。守り続けてくれた。
「心配なのに、傍にいれない。どんな状況下も分からない。嫌なことばかり浮かんできて、胸が締め付けられるように痛くて、どうして良いか分からなかったんだよ」
それなのに、私はエイラの心を守ってあげることも出来ないの?
エイラを支えると言っていたのに、何も出来ないの?
「……なぁ、サーニャ。どうしてもダメなのか? 心配な時も、通信しちゃいけないのか? 一緒に飛ぶとは言わないからさ、通信だけでも許して欲しいんだ」
泣きながらお願いするエイラを、懇願するエイラを突き放すことが、私に出来るの?


     ◇


「心配してくれてありがとう。そして、ごめんなさい」
そんなの、出来るはずがない。
私のせいでエイラが苦しんでいるのに、私の手にはその負担を減らす方法があるというのに。エイラの涙を放っておくことは出来ない。
「ミーナ中佐に禁止されている以上、通信機の使用は難しいと思うの」
だけど、少しだけ慎重にならないといけないわ。
無理ではない。方法はある。ちょっとだけ、難しい方法だけど。
「だけど、私から通信を入れるのは問題ないはずよ」
エイラにきちんと説明して、納得した上で理解してもらわないといけない。
どんな方法があるのか。どうやって連絡を取るのか。
「一方通行になってしまうけど、何をしているのか、どんな状況なのか。エイラのインカムに届けるわ」
その時の注意事項と、一体何を伝えられるのかをはっきりさせておく。
そうしておケア、ミーナ中佐に反対される心配も少ないわ
「そうすれば、心配ないでしょ?」
「けど、サーニャが怒られたりしないのか?」
こんな時にまで私の心配をしてくれているなんて。ほんと、どこまで優しいの?
「それくらい、平気」
エイラは涙を流すほどに頑張ってくれた。
今度は私が頑張る番だよ。
「それに、ラジオの電波に偽装させるから、簡単にはバレないわ」

――エイラの笑顔の為に

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