忍者ブログ
ここは「魔法少女リリカルなのは」の2次SSをメインとしています。 ※ 百合思考です。 最近は、なのは以外も書き始めました。
ヽ(*´∀`)八(´∀`*)ノ
プロフィール
HN:
らさ
年齢:
37
性別:
男性
誕生日:
1986/07/28
趣味:
SS書き・ステカつくり
自己紹介:
コメントを頂けると泣いて喜びます。
リンクフリーです。
ご報告頂けたら相互させて頂きます。


メールアドレス
yakisoba_pan◇hotmail.co.jp
◇を@に変えて下さい
当ブログ内のSSは無断転載禁止です。 恥ずかしいので止めて ^^;
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

次の記事:テーマ;変化

前の記事:テーマ;許諾

うぉぉぉ

エイラーニャです

(・x・) ホンタイガクタバリカケテルナ


彼女と私は、正面から見つめあったことがない。対等な立場で、意見をぶつけ合ったこともない。
いつも彼女が折れて、私の我侭が通ってしまう。
どうしてなのかな?
彼女は、私を台頭の存在だとは見てくれていない。守るべき存在だと、自分より弱い存在だと見ている。
どうしてなのかな?
私は彼女のことが好きなのに、現状に甘えている。彼女の隣に並ぶのではなく、彼女の後ろに隠れている。
「情けない」
そう、自分のことなのに――いや、自分のことだから、余計にそう感じるんだ。
彼女にだけ負担を押し付け、私は安全なところにいる。彼女に守られ、私は笑顔でいるんだ。
「そんなの、良くないよ」
このままで良い筈がない。後ろに隠れているままで、彼女が私を対等に見てくれるはずがない。
ケンカすら出来ないのに、対等も何もないよ。
「エイラ」
素直になれない頑固者で、すごく恥ずかしかり屋。どこか掴みどころがなく、目を離すとどこかへ入ってしまいそうな彼女。
だけど、確かな実力を持ち、温かい優しさを持つ彼女。
何よりも、辛いこと、悲しいことを1人で抱えてしまう癖を持っている。
そんな彼女を、私は助けたい。苦しい、悲しいって、弱いところも見せてもらえるよな、強い存在になりたい。
「話し合ってみるしかないんだよね?」
あまり触れたくはなかった話題。私の心の弱さが見えてしまう、そんな話題。
それでも、エイラを支えたいと願うのなら、避けて通ることなんて出来ないから。
エイラに頼って欲しいと、本気で思っているのなら、この程度で逃げていてはダメ。
彼女のことが好きだから、支えたあげたいから。逃げたくない――


     ◇


善は急げ。これは扶桑の言葉だったと思う。
エイラの為にも、私の為にもなることだから、少しでも早く実行する必要があった。
悩んでいる時間があるのなら、行動するべきだって。
「エイラ、私の話をちゃんと聞いて」
「聞いてはいるけどさ。ごめん、何が言いたいのか良く分からないよ」
エイラの部屋を訪れて、ある程度のことは話してみた。気持ちに突き動かされるままに、エイラに話してみた。
それなのに、彼女は理解してくれない。
やっぱり、恥ずかしいからと遠回しに言っているのが、いけないのかな?
「ねぇ、エイラ。私からの好意を受け取るのが怖い?」
「何言ってんだよサーニャ。私は別にそんなことないぞ」
それなら、恥ずかしさを押し殺して、素直に話すだけ。多少誤解されたとしても、そのままを話すだけ。
エイラになら私の言いたいことが、伝わるはずだから。理解出来るまで、待ってくれるはずだから。
「エイラはね、きっと怖いの。私からの好意を受け入れて、自分が変わってしまうことが」
エイラは優しい。
だけど、私からの好意は受け入れてくれない。
エイラは強い。
だけど、私が支えようとすると断る。
それは、私の気持ちを受け入れた結果、自分が弱くなると思っているから。
私を頼りにすることは、弱さに繋がると思っているから。
「私を信じて、その上で裏切られないか……ううん、私の期待に応えられなくななった時に、自分を嫌ってしまうのが怖いの」
エイラだって、気付いている。痛感しているはずよ。
それでも、認められないんでしょ?
そんな我侭を自分の中に抱えていること、認めたくないんでしょ?
「ねぇ、エイラ。エイラ自身はどうしたいの?」
けど、それが原因でエイラが傷つくのは、私だけが守られているのはおかしいと思う。
エイラは私の為に頑張ってくれているのに、自分で自分を傷つけているんだよ?
それは、何かがおかしいんだよ。
「私を気遣ってくれるのは嬉しい。優しくしてくれるのは嬉しいよ?」
エイラが優しくしてくれて、私を引っ張ってくれる。
私のことを気遣って、守ってくれる。
お姫様になったみたいで、エイラのことを恰好いいなって感じられて、胸の中に言い表しようのない気持ちが生まれる。
「けど、それが原因でエイラが苦しんでいるのなら、悩みを抱えるのなら、せめて私に話して欲しい」
けど、私の幸せの為にエイラが苦しんでいたら、意味がない。
私の笑顔の為に、彼女が涙を流していては、何も良いことはない。
何も知らないまま、知らされないまま、幸せでいることなんて出来ないよ。
「私だって、エイラの力になりたいの。エイラが困っている時に、私が助けてあげたいの」
私はエイラの力になりたいの。エイラを困らせたいわけではない。
私はエイラに笑って欲しいの。エイラを悲しませたいわけではない。
「守るだけだったり、守られるだけの関係は嫌なの」
どうして隠そうとするの?
どうして我慢してしまうの?
私は、エイラのことを受け入れたいのに。全て知っても、エイラの弱い部分を知っても、逃げ出さないよ?
ちゃんと受け止めて、エイラのことを理解したいの。
「ちゃんと支え合って、2人で一緒に歩こう? 2人だから出来ることを探そう」
その為に、こっちを向いて欲しい。背中ではなく、顔を見せて欲しい。
泣いていても良い。怒っていても良い。私が笑顔に変えてあげるから、こっちを向いて。
「ね? お願いだから、もう少しだけ素直に私を受け入れて欲しいな」
私の持てる全てをかけて、エイラに幸せを贈るから。幸せになって欲しいから。
私のことも、受け入れて欲しい――


     ◇


「なぁ、サーニャは怖くないのか?」
「怖い?」
エイラは、素直になることが怖いの?
それとも、私を受け入れることが怖いの?
「私がサーニャの期待に応えられなくなった時、サーニャを守れなくなった時。それを迎えるのは怖くないのか?」
エイラが私を守れなくなった時。頑張っても、無理だと分かった時。
うーん、想像出来ないよ。
全ての願いが叶わないことは知っているから、それだってその1つでしょ?
「私はサーニャを守りたい、その為になら強くなる。そう決めた」
エイラの決心は、いつも私の心に届いている。
傷つけたくない、守りたい、安全なところにいて欲しい。
言葉で伝えられていなくても、想いだけは届いていたから。痛いほど、感じていたから。
「でも、いつまでも守り続けられるわけじゃない。私1人で出来ることなんて、限界が見えてるんだ」
やっぱり、知っていたんだね。
1人で出来ることの限界に気付いていたんだね。
それなら、なぜ。どうして、私の思いを受け入れてくれなかったの?
「そんな時、サーニャからの優しさを受け入れていなければ、失望されるだけですむ。私は、切り捨てられるだけですむんだ」
エイラ、その考え方は悲しすぎるよ。
失望されるだけ? 切り捨てられるだけ?
そんなこと、私が出来ると思っているの? エイラに何かあった時、私がそんなに冷静でいられると、そう思っているの?
「だけど、もし、私がサーニャの優しさを受け入れてしまっていたら。私はサーニャにすがってしまう」
受け入れていなければ、拒絶し続けていれば、確かに、それだけで済むのかもしれない。
けど、エイラはそれで良いの? そんな、道具みたいな生き方をしたいの?
私に、エイラが進む道を応援しろって、そう言うの?
「助けてくれ、守ってくれって」
見捨てられるはずないよ。助けたいよ。
見捨てられないよ。エイラのこと、守りたいよ。
私の手で、エイラを守ってあげたい。支えてあげたい。
「そんな時、サーニャは優しいから、受け入れようとするだろ? 私を守ろうって、傷つく道を選ぶだろ?」
当然でしょ?
エイラは今まで守ってくれたのに、私を助けてくれたのに。受け入れるに決まってる。
傷ついても良いでしょ? 受け入れても良いでしょ?
だって、それはエイラがしてくれたことだよ。
「私は、そんなサーニャを見たくないんだ。私の為に傷つく、そんなサーニャを見たくないんだ」
好きな人が傷つくのを見たくない。自分の為に傷つき、涙するのを見たくない。
その気持ちは分かるけど、エイラの考え方を受け入れることはできないよ。
「だから、ごめんな。私は、素直に受け入れられないんだよ」
良いよ、エイラが頑固なのは知っているから。簡単にはうなずいてくれないって、知っているから。
こういったことだけに対しては、私のお願いを聞いてくれないのを、良く知っているから。
だけど、その現実を受け入れられないのは、私だって同じだよ。
「エイラのバカ……」
「いや、そう言われてもな」
本当にバカ。自分だけが傷つけば、涙を隠していれば終わる。そんな勘違いをしているよ。
エイラが苦しむ代わりに、私が幸せになれる。そんな幻想に振り回されているよ。
「私も同じ気持ちだってことに、どうして気づいてくれないの?」
「え?」
私だって同じなのに。エイラが傷つくの、嫌なのに。
どうして、分かってくれないのかな? 分かろうとしてくれないのかな?
「私だって、私の為にエイラが傷つくのは嫌なの。私の為に、エイラが苦しむのは嫌なの」
誰だって嫌だよ。自分の為に傷つく人がいるのは。
自分の為に、誰かの笑顔を奪うなんて。そんなことして、平気なわけないよ。
「けど、エイラは止めてってお願いしても、止めないよね?」
「……うん、無理だな。私はサーニャを守りたいから、傷つけたくないから」
それでも、お願いしてもエイラは聞き入れてくれないよね?
私の為、私の笑顔の為。エイラは進んで茨の道を選ぶんだ。
「だからだよ」
「どう言う意味だ?」
それを全て拒絶することは、私には出来ない。
エイラが守ってくれること、優しくしてくれることは嬉しいから。
エイラの涙と引き換えだと分かっていても、嬉しいものは嬉しいから。
「エイラが傷つくのは嫌。けど、エイラの気持ちを、私を守ってくれようとする優しさを拒絶したくないの」
私が拒絶してしまえば、エイラの行動は意味をなさなくなる。
エイラが背負ってきた傷は、意味のないものになってしまう。
それだけは、してはいけないの。
「だからね、私も一緒にソコに立ちたいの」
けど、受け取るだけは嫌。守られているだけは嫌。
「エイラの後ろに隠れているのではなく、エイラの隣に立ちたいの」
エイラの隣に立って、同じ物を見て、同じだけの苦労をして。エイラと対等になりたいの。
「同じ目線で、同じものを見て、同じ苦しみを味わいたいの」
そして、対等になったら、告白だって出来るはずだから。
甘えるだけではない、支える者として傍にいられるはずだから。
「だけど、それだとサーニャが傷つくぞ?」
もう、どうしてソレをきにするのかな?
傷ついても良い、エイラの傍にいたいから言っているのに。どこまで優しいの?
「後ろにいて、守られているだけも辛いのよ?」
それに、傷つくエイラを見ているだけは辛いの。
少しでも傷が減るように、私が支えられるようにしてあげたいのに。
「それに2人で一緒に背負えば、どんな傷も軽くなるわ。こんなの平気だよって、笑えるくらいになるわ」
1人で背負うには重過ぎても、2人で背負えば平気だから。半分ずつ持てば、頑張れるはずだから。
「エイラ、信じて。私はどんなことがあっても、エイラを裏切らない。見捨てたりしないわ」
一緒にいたいから、一緒に背負うの。エイラの傍にあり続けたいから、苦悩だって知りたいの。
弱いところも、汚いところも、全部見せて。エイラのことなら、全部知りたいから。
「どんなに辛い状況でも、どんなに苦しい時でも、エイラの傍にずっといる」
離れないよ。そして、離さないよ。
エイラが私を拒絶しない限り、嫌われない限り、私がエイラの傍にいる。
私だけは、何があってもエイラの傍にいるよ。
「傷を負ったとしても、それは私が望んだ結果なのよ。エイラだけが、責任を感じて全てを背負う必要はないわ」
その為の傷は、勲章だから。エイラの傍にいられたことに対する、証だから。
誇りに思うことはあっても、逃げ出す理由にはならない。
「ね? だから、少しくらい、私に頼って欲しいな」
私もエイラを守りたいから。守られるだけでなく、守れるようになりたいから。
時々でも良いの、私にも頼って欲しい。
「サーニャ、ありがとう」
「ううん。こちらこそ、いつもありがとう」
私の笑顔がエイラの力になるように、エイラの笑顔が私の力になるから。

――2人で頑張ろうね
 

PR
次の記事:テーマ;変化

前の記事:テーマ;許諾
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メール
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
- HOME -
ピックアップ
web拍手
VOCALOID関係
その他リンク
Powered by  [PR]
 | 忍者ブログ